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ズッコケひかるの元気が出るブログ https://tara19.blog.ss-blog.jp/

沖縄から450キロ、南端超過疎小島、ランプで育った少年がTV界で活躍していく、珍騒動記。

タケシのデビュー番組、その後「ねるとん紅鯨団」など、当時不可能と思われた、オールロケ番組を手がける。 実際にあった、ノンフィックション番組です。

ひかる
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2008/01/08

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  • s1195 大金

    昭二は、夜這いの話が再燃し、明子の身にこれ以上災が起きては、とそそくさと帰り支度をした。 明子の縋る気持を振り切り、来た道をとぼとぼ帰る昭二の背中は泣いていた。 昭二は、やはり自分の家には寄らず、そのまま港から四十年前と同じ、誰にも気づかれず島を出た。 後日、明子のもとへ小包が届いた。 差出人住所には全く覚えはなく、昭二からの郵便物には間違いなし。 この郵便物は、明子の度肝を抜くのである。 郵便物の中味は、長靴とカッパ、明子名義の通帳と印鑑、なんと二千万円ものカネが入っていた。 当時のお金では、腰を抜かす程の大金である。 間違いなく、昭二が送ってきたものだと考えられるが、どうしたものか考えあぐねた。 思案に思案をした末、この金を大事に使い、何時の日か昭二に恩返しをしたい、と考えた。 結論を出してからの明子は、まるで人が変わった。 当時、旅人がちらほら島に来たが、聞くところ島の民家にお世話..

  • s1194 土下座

    夜這いがあったあの日、昭二を受け入れ、ささやかな世帯を持ちたいと思っていた。 昭二が後手に、柱に縛られ泣いている時、なんで父親に自分の気持ちを打ち明けられなかったのだろうか。 何度も、何度も後悔をしてきた。 昨夜もトタンに囲まれた風呂場、ドラム缶の風呂に夜空を眺め、昭二に思いを廻らしていたのである。 そんな昭二が、突然目の前に現れ、動揺するのは当然だ。 昭二はまた、アバラ屋を見た時、もう両親はなく一人身だろう。 先ほど来、自分を毛嫌いする事なく受け入れてくれている。 もしかして独身で、ずっと自分を待ち続け今日まできたのではないか。 そう思うと、土下座をし、地べたへガツンガツンガツンと頭がわれる程叩きつけ、謝りたい気持ちで明子以上に動顛していた。 沈黙が続いた後、無意識のうちに初めての言葉が出た。 「結婚はしなかったのか?」 明子は、もう開き直っている。 今までの身の上話をポツリポツリ、と..

  • s1193 他所者

    そんなある時、島に一人の男が立ち寄った。 手ぶらながら、ネクタイに背広姿、島人の姿とは違うので、明らかに他所者、旅人である。 他の客が船から降り終わった後、一人降りて来たが、人が群がっている所は避け、懐かしそうに探索している。 帽子をかぶり、サングラス、口ひげをはやしているが、そうだ、その男こそが四十年前、夜這い事件を起こした、昭二なのだ。 普通の人は、集落を結ぶ大きな通りを歩くのだが、昭二は防風林ぞいの小さな獣道を、なつかしそうに回りを見ながら歩いていった。 自分の生まれ育った集落にさしかかったが、集落へ入ろうとはせず、そのまま通り過ごした。 四、五百メートルくらい行くと、そこは明子と出会った小さな森だ。 昔と殆んど変わっていない、自分が草刈をしていた場所と、明子が薪拾いをしていた所は、三十メートルくらいしか離れていなかったのだ。 ふくよかな明子の姿が脳裏をよぎる・・ なぜあの時、明子..

  • s1192 瓶拾い

    結婚をさせ、子供でも出来れば、元の明るい子に戻るだろうと、石垣島の知人に、相手を紹介して欲しいと依頼した。 十歳も年上の健一という男と見合いをしたが、抜け殻のようになった明子は、親の言うまま結婚。 健一の仕事は、船の荷役という日雇い労働者だ。 当時は重機がなく、男どもが、蟻の如く沖縄本島行きの船へ荷物を乗せ降ろしをしていたのである。 明子との間には、子供が出来なかった。 それもあったのか、荷役の仕事は、船の出港が午前中の為、朝早く仕事に出かけ正午頃には自宅へ帰るが、酒びたりとなった。 この島にはパチンコなどなく、暇を持て余してどうしても酒に手が出るのである。 酒に酔うと口の暴力、物を投げ、手まで出す始末。 健一の妹がやはり子供も出来ず、出戻って来、姑のいびり。 挙げ句の果ては、健一が外に良枝という女に、子供まで生ませてしまった。 良枝は石垣島生まれで、健一の家族も顔見知り、何のおく面も無..

  • s1191 真っ赤っか

    とうとう夜這いに移っていたのである。 先輩が伝授していた通り、身をかがめ、こっそり家の裏へまわる。 そして、物音一つしないよう、明子の寝ている裏座の戸ををやっと入れるくらいの隙間で開ける。 島の家の造りは、一番座、二番座があり、必ずと言っていい程その裏に裏座がある。そしてその裏座は又、必ずと言っていいくらい外へ出入り出来る構造になっている。 初めての夜這いで、昭二の胸は高鳴り、破裂しそうである。 しばらく目を暗闇に慣らす為、じっとうずくまっていると、なんと明子は大胆なポーズで寝ている。 その姿を見た瞬間、昭二の頭は真っ赤っか。全ての思考力はすっ飛んでいた。 昭二は夕方森で出会い、今夜自分が夜這いに来る事を予測し、待っていてくれたのではないか、と思われるポーズ、ぶるぶる身震いしながら少しずつ近づいていった。 その時、襖が五センチ程そっと開いたのであるが、人生最高調、絶好調に興奮し捲くってい..

  • s1190 注意点

    日本の南端、この黒島ではその昔、夜這いは日常の出来事で、公然と行われていた。 勿論、夜這いが成立するには、お互いがある程度、好意を持ち、受け入れられていたのである。 昭二は二十歳。隣村の十八歳、明子に、ほのかな想いを寄せていた。 夕陽が真っ赤に沈みかけた頃、隣村との間にある森へ、牛の草刈リに出かけた。 その森へ明子もまた、薪ひろいに来ていた。二人は森の中で、出会わしたのである。 明子の素振りも決して昭二が嫌いと言う訳ではなく、好意を持っているかに見えた。 明子は流行歌を口ずさみ、さも楽しそうに嬉しそうに薪拾いをしていた。 声をかければよかったのだが、昭二は寡黙で気が小さく、そのまま別れてしまったのである。 夜は村の中心にある大きなガジュマルの下で青年達は、さんさんごご集まって酒を酌み交わす。 昭二も先輩達といっしょに飲んでいたが、話題が夜這いの話で盛り上がっていた。 「おい! 中里村の明..

  • s1188 スケベーじーさん

    南の島には、個性豊かな老人達が多い。 自他共に認める、島で一番のスケベーじいさんがいる。 水着姿の観光客、女の子達が集まる休憩所へ何時もちょこちょこ出かけるじいさんで、若いピチピチした女の子を見ると、すり寄っていく。 あんたは肌が白い、顔立ちにも気品がある、京都の生まれであろう、とかなんとか言って、話しかけていく。 観光客も、明らかに島のじいさんだと言う事が分かるので、別に拒否反応も示さず、また南の島ゆえ開放的に色々な話をして過ごす。 じいさん、毎日若い女の子のケツを追っかけ、ばあさんにやきもち妬かれないのか、と聞くと「あはー ばあさんは、とっくに死んだよ」 おい おい 生きている人を殺すなよ! ばあさんが死んでいたら、あんたはとっくに死んでいるよ! このじーさん、ボケているのか、ばあさんが世話しなければ、生きて行けないはずだが、脳内プログラム、三途の川、いや海の景色を楽しんでいるようだ..

  • s1187 くっ付けろ

    島の方言で、くっ付ける、は「しびしきる」だ。 しび、はお尻だ。 しきる、はくっ付けろだ。 彼と彼女を、しびしきれ!、は「くっ付けろ」と言う事で、お尻をくっ付けさせろ、と言う事だ。 人間の親しくなる関係、くっ付く関係、同胞関係をお尻で表現する所あるかな? あれれ! テレビでお尻をプリンプリン、クレヨンシンちゃんなんて、漫画があるな・・ 作者は黒島で発想したのかな・・ 世間では、握手をしたり、抱擁や頬をくっ付けたりするが、お尻プリンプリン、ペッタンコ! 島は人口二百数十人、しかも年寄りだらけ、牛三千五百頭。 あのバイデン大統領がパンツを下ろし、紅いお尻をプリンプリン、岸田総理の真っ白いお尻とペッタンコ、紅白ケツでガツーン!と目出度い穴会わせ。 おい!おい! このコーナー日本の想像百景当選だぞ! 超モテモテ男は、可愛い娘がパンツを下ろし、お尻をプリンプリン取り囲む。 おい! いきなりぶちかませ..

  • s1186 画

    穴だらけ・・

  • s1185 悲恋

    育造爺ジイーは、大阪の漬物工場で、長い間働いていたが、ふらりと一人で、生まれ島へ戻って来た。 結婚はしたことがあるのか、子供は居なかったのか、誰にも過去の話はしない、と言う。 機嫌良さそうな顔で、どうやって手に入れたのか、泡盛の二合ビンを1本持って、ひかる、今日はオレのおごりだ!、といって、ふらりと入ってきた。 楽しいことがあったのか、いつもより、水の量が少なく、ほとんどストレートで、1本飲んでしまった。 「育造爺ジイー、この歳で一人は惨めだよ、女はいなかったのか、どこぞで子供は居ないのか」と聞くと、小さな目で睨み付けた後、どういうわけかポツリと、過去の話をした。 漬物工場の近くにある、町内の縫製工場に努める、可愛い子で、名前は良枝という。 良枝は母思いで、いつもセーターやマフラーを編んで、秋田の母に送っていたという。 二人は、一緒になる約束をしていたそうだ。 そのうち良枝の母の具合が..

  • s1184 死なすしかないさー

    いわれたとおり水をかけると、確かに寒いのか、泣き止まる、がしかし、30分もするとまた泣き始まる。 30分おきに水をかけ通したが、人間の体が持たない。 オスのヤギのいるところ知っているので、連れてこようか、というと、奥さんは即座にブルルン、ブルルン、ブルルンと、首を横に振る。 これ以上ヤギが増えたらどうなる、よほど懲りたと見える。 「仕方ないさー、殺すしかないさー」 この後に及んでは、高山夫婦も従うしかない。 しかし、ヤギを殺せる人はそういない。 3人ほど名前を挙げてもらい、頼みに行くと、勘弁してくれとのことだという。 そこでまた育造爺ジイーは、最後の頼みで、ひかるのところへ行けといったとの事。 確かに子供の頃、ヤギは食用に飼育していたので殺し、解体した経験はあるが、いまさら殺傷は嫌だ。 あまりの困惑顔に、ひかるの方で3名のうちの一人に泡盛をしたたか飲ませ、人助けだからと頼むと、なんとか..

  • s1183 悲痛な声

    前にも増して泣き方が、懇願するようなもの悲しさと悲痛な声で泣いている。 再度育造爺ジイーの所へ行くと、満面の笑顔で泡盛を舌なめずりで飲んでいる。 ジーが泡盛を飲むとケツに根が生え、びくとも動かず、泣き声などまったく耳に入らない。 頼んでも、頭の中は泡盛のことだけでまったく話にならない。 そして言い放った。 一晩くらいは、ヤギと添い寝しな、再度泣き出したら指を2本突っ込め、これを繰り返していると大丈夫だよ! やぎの糞の中で寝るのか!、バカバカしいと高山夫婦は、腹に据えかね帰った。 今度は、ひかるの所へ相談に来た。 あまりにも島暮らしのルールを知らない。 バカバカしい相談なので、この問題を解決できれば、間違いなくノーベル賞はもらえる、夫婦で本気になって考えな! ヤギの糞がいやなら、自分のベットへお招きしろ、と言ってやった。 夫婦は周りに、島人は自分たちの悩みを本気に相談にのってくれない、自分..

  • s1182 郵便配達

    見晴らしのいい観光休憩所でのんびりしていると、赤い郵便局のバイクが来、顔なじみの配達員が、兄さん、東京から手紙だよ!、と配達してくれた。 東京なら郵便受けへポンで終わりだが、島らしい。 なぜ俺がここに居る事が分かった、と聞くと、民宿で聞いた、との事。 そうだ、民宿の親父は、立ち寄らなくても、厨房で仕事中でも、バイクの音を聞き分けることが出来る。 10分前に、こっちの方へ行ったから、と教えてくれたそうだ。 他にもバイクは走っているが、音が違うし、時間帯により誰が通ったか、見なくても分かる。 島はのどかでいい所だ。 最近、石垣島より若い娘達が日帰りでワンサと訪れれる。 港でカニウマを借り、島内一周して必ず立ち寄るのが、赤いポストの郵便局だ。 そう、この南のハート島のポストに想いを投函すると成就する、と言われ、押し寄せるのである。 ワーリトーリ(歓迎)黒島へ! 島に、横浜から移住してきた、50..

  • s1181 半ボケ

    皆さん、ハートアイランドご存知ですか。 沖縄本島から南へ450キロ。 周囲12キロという、ものの見事にハート型をした、小さな島がある。 黒島で、別名はハートアイランドと呼ばれている。 この島に年齢は80歳を越した、いまだに独身の一人の爺ジーが居る。 頭は完璧にツルツル、ツルッ禿げだがその分あごヒゲはもじゃもじゃ。 目は人一倍小さい。遠くから見ると、どう見ても顔が上下逆回転だ。 いつも短パンにランニング姿で、腹がポッコリと出ている。 年のせいか、半分ボケが入っている。 足腰は意外と丈夫で何時も自転車を乗り回し、昼間から島中を徘徊している。 見晴らしのいい、休憩所などで観光客がいると誰かれ構わず、「何処から来たね〜」と声をかけ回る。 爺ジーは若い頃、20年程大阪で仕事をし自分の生まれ育ったこの島へ、ふらりと単身戻って来た。 観光客が名古屋から来たというと、私は20年間名古屋で住んでいたといい..

  • s1180 画像

    ハート島。

  • 1169 献杯

    女房一族のドンが亡くなった時、献杯の音頭は、ひかるしかいないと、音頭を取らされる信頼、急変ぶりである。 勿論、ひかるは必死に働きマイホームを構えていたが、女房の親が年を取り、足元もおぼつなかったので、親の面倒は子供が見るべし、と嫌がる女房を説得し、同居に踏み切っていたのである。 塩を撒いたはずの男が、今や心から信頼出来る婿として同居する。 安心した親は、都心の一等地と建物を遺言で女房に譲って、あの世へ旅立って行ったのである。 ひかるは常々女房に言っていた。 お金は、生きる為の道具、幸せに成る為の小道具に過ぎない。 金の亡者となり、金の奴隷と化すべきではない。 貧しくても、心豊かに、優雅に生きられる方法がある、と言って、つつましく生きて来たのである。 女房も財産が転がり込んだからとて、ブランド品を買いあさる訳ではなし、孫たちの成長をいつくしみ、楽しんでいる。 孫はかわい..

  • s1178 ファッションモデル?

    島に昼間は軽食、夜は飲み屋になる小さな店がある。 ヘルパーとして23歳の娘と27歳の真美ちゃんが、昼夜交代で働いている。 真美ちゃんは、ひかるの娘と同じ名前なので、何時も呼び捨てにしかわいがっている。 真美も、ひかるの事を父親の如く親しくしてくれている。 夕方7時頃、店に行くと島の牧場をやっている青年達が、5人ほど集まっていた。 隅っこの二人掛けのテーブルに座ると、青年達が手招きをするので同席すると、何とテーブルには寿司と焼き鳥、串焼きが所狭しと豪勢に並べられている。 この島にはない料理で、石垣島より取り寄せたばかりだという。 何か祝い事でもあるのかと聞くと、真美ちゃんの27歳の誕生祝だとの事。 しばらくして、真美を席に座らせると、電気が切られ真っ暗闇。 入り口から、若者がタンタータタン、タンタータタンと、出来立てのケーキだといって入ってきた。 ろうそくがともされ、バースデーの歌が流れ、..

  • s1177 天空橋

    まったく使われていないが、滑走路を思わせる訳の分からない、とてつもない長い桟橋がこの黒島には残っている。 周囲12キロ、海抜12メータ、平べったい島の規模からすると、昔の人のやる事は分からない。 昔の出来事、車や重機も無く、すべて人力。超大型台風となると、風は勿論半端でない波が打ち寄せるが、それにも耐え残っている。 島の古代人のエネルギーはエジプトのピラミットに負けないぞー 橋の先端で夜中、日本の南端、ハートの島、天の川を眺め彦星、織り姫に思いを走せ流れ星に願いをかける・・ 最高のデートスポットではないだろうか・・ ちなみに作曲家が見ていれば、この場所は明け方、干潮時、波の音も無く虫の音も無い。 勿論車やエアコン風の音等無く、完璧な無音状態が体験出来る場所でもある。 ギターを抱え訪れる大者アーティストがいるが島の人は知らないようだ。 源一じいさんは、夫婦で20頭程の牛を飼っている。 夏休..

  • s1176 画像

    天空橋

  • s1175 豊年際

    黒島には、かなり古くから伝わる、豊年際の、ハーリー競争がある。 ハーリー競争は、中国や沖縄本島、石垣島や周りでも行われているが、この黒島の場合、かなり違った行事である。 船を漕ぐ競争だけでなく、ウーニーと呼ばれる、走り手、その競争が、かなりメインの役割をする。 写真は、ウーニーの姿で、ふんどしの部分は、肝心なところをやっと覆いつくすばかりで、ケツの方は、ぐるぐる巻きに束ねる。 割れ目に食い込み、下半身がむき出しの状態だ。 勿論、上半身もごらんの通り軽装で、このウーニーに選ばれることは、走りが早く、非常に名誉な事である。 最大の人気者だ。 ウーニーは、強い脛の意味で、健脚という事。そこにも英語が相通じる方言が、見え隠れする。 ウーニーは、村長から杯をいただき、腰くらい迄の所に待っている船に、砂浜、浅瀬を走り、飛び乗る。 そして船をこぎ、沖合にある旗をとって、Uターンする。 帰りは船にスピー..

  • s1174 画

    ウーニーを船の下敷きにさせないため、トウジーの怒号が飛ぶ。 (写真は大野隆志氏提供)

  • s1173 画

    水中を走るには、熟練した技術が必要。

  • s1172 画

    超人気者、ウーニー。

  • s1171 偽ミンク

    この島では、気温が10度を切ると、近海の魚が凍死して浮き上がってくる。 一番寒さに弱い魚は、フクラビと呼ばれるカワハギである。 立派な皮を纏い、見た目は寒さに一番強そうな魚が、一番弱い。 カワハギ! お前は、イミテーションのミンクのコートを着ているのか。 ヤマトウ嫁が民宿をやると、大繁盛する。 料理や観光客の心を理解出来る為だろう、と古老が呟いた。 20年も前だが、20才前後の女が島へ来、島男とどうしても結婚がしたい、男を紹介して欲しいと頼み回ったそうだ。 十人並みの容姿で問題ないが、何かいわくがあるのか? 頭がおかしいのか、と誰も相手にしなかったそうだ。 最近、ヤマトウ嫁が活き活きと活躍する姿を見、あの娘は20年先の今を見通していたのでは、決して頭が可笑しかったのではない。 あの娘が民宿をやっていれば、今頃は島一番の民宿になっていただろう。 島として大きな損失だった、としみじみ呟いた..

  • s1170 垂れ垂れオッパイ

    島のじいさんと飲んでいたら、今の女のオッパイは、成っていない、あの格好は何んだ、と怒っている。 猥談でも始まるのかと思うと、真面目な話のようだ。 昔の女は、オッパイを長く長く伸ばす訓練をしていたんだぞ。 子供を背負い、オッパイを欲しがったら肩へちょこんと乗っけ、子供にオッパイを飲ます。 その間、手仕事が出来る。いちいち抱いていたら、乳を飲ませる時間が無駄になる、乳の垂れ具合で、働き者のいい嫁か、決まったと言う。 おかしな話もあるもんだと、聞いていると、隣に60代のおばちゃんがいて、この話は本当かも知れない。 亡くなった母は、本当にオッパイが垂れ下がって、肩にのっけられるくらいの長さだったという。 そう言われてみると、この話本当なのかなー? アフリカの原住民の女性のオッパイがかなり垂れ下がっているが、もしかして、この話のとおり延ばし延ばしたのかな。 ある日、90を過ぎたおばあちゃんに、どう..

  • 石垣島 海開きだぞ~

    全ての野球球団が沖縄に集中。 沖縄本島から400キロ南の石垣島、ロッテ球団がいる。 今日15日は石垣島地方の海開きだ。気候は亜熱帯。 写真での通り南の島は、パイの島である。空港にルビが付いている。 世界的に有名なセブ島 バリ島が有るが加わる事、ぱい島、石垣島だ~ 写真の川平湾(かびらわん)、世界的にも名が売れてきている。 フランス人が多いので訳を聞くとフランスの旅行雑誌に日本を代表する絶景に富士山と川平湾だとの事。 この地区では、行け、をパリと言い、南はパイだ。 当然 イケイケメンはパリパリメンだ。 今日海開きをし夏本番、5月の連休は最高だ! 羽田や成田からの国内線最長、石垣島、早割切符まだ空きがあるかも・・・ 行こうバリ島セブ島ではないぞ、パイ島石垣島だ! 行かなきゃそんそん パイ島 パイ島 石垣島。

  • s1168 子孫

    投資した金は半分に減ってしまったのである。 それからというのは、親からもらった財産を半分に減らした分を、なんとか元に戻すと、更にお金に対する執着、そして呪縛は、日を増すにつれ、膨らんで行った。 とうとう60を過ぎても結婚出来なかったのである。 それでもまだ五億くらいの金は背負っていたので、もうお金の事は諦めろ。 老後を楽しく過ごそう、と言ったが全く聞く耳を持たない。 母親も亡くなり、これから先、自分が死んだらこの財産、どうなるのだろうかと不安がっている。 また若い時、金に任せ女遊びと酒を飲んで肝臓まで患ってしまい、不安な毎日を過ごしているそうだ。 ちなみに、渋谷で億ションを買って遊び呆けていた姪ご達、中山家の人達は誰一人として子供が出来かったそうだ。 金に狂った一族だと言わざるを得ない。 ひかるはアパートを転々とし、引っ越し貧乏を繰り返していた。 仕事が忙しく、徹夜の連続か午前様で、朝は..

  • s1167 新婚生活

    ひかるの新婚生活、女房の実家に猛反対され、それこそ三畳一間、電化製品ひとつない、貧乏どん底からのスタート。 木造で、廊下は歩くとミシミシ音がし、トイレはポットン便所の安アパート、夫婦で共働き、やっと家賃が払えるという生活。 東京で家賃が一番安いアパート。当時アパートには沖縄出身者の入居お断り看板が出ていた。 沖縄名字のひかるは当然パスポート保持者。 ひかるはテレビの世界で仕事をしていたが、当時は白黒放送で、給料など一般の企業の社員に比べられない、どん底生活であった。 ボーナスが入ったら洗濯機を買おう、その次は冷蔵庫、テレビと夫婦で夢を描き、必死で働いていた折、学が自由が丘に五階建ての賃貸しマンションを建てたので、管理人をしてくれないか、との話。家賃は無しとの話だったので、これ幸い飛びついた。 ただほど高くつくものは無い。この管理人の仕事、とんでもない結果を生む事になる。 当時マンションと..

  • s1166 田舎者

    当時、沖縄は日本国ではない。米国統治下でパスポートを持っており、ましてやひかるの生まれ育った島など、日本の地図には載っていない。 彼女の実家は、代々手広く卸問屋をしており、嘘かまことかは分からないが、皇族にもつながる由緒ある家だと言っていた。 そんな家柄が、ひかるみたいな見た目も格好も田舎者。ましてや沖縄とパスポートとなると、反対するのは当然だ。 座布団を投げ付けられ、しまいには塩を捲かれるありさまだ。 生まれて初めて他人さまに馬鹿にされ、コケにされる屈辱感は半端じゃない。 当時、沖縄生まれでパスポートを持っている。自分でも劣等感は感じていたが、それをもろに罵られると、人間の感情は火に油を注ぐようなものだ。 こんな人間、生きている価値がない・・ぶっ殺してしまえ!それくらい憤りを感じた。 しかし故郷で、今日もヘラで草取りに汗を流し、爪に火を灯して生きる両親の事を考えると、息子が東京へ出て殺..

  • s1165 軽い男

    食事を済ませ8時過ぎ、庭のテーブルで、泡盛を飲んでいると、民宿の20代半ばのカップルが2組散策がてら、ぶらりと入って来た。 東京と島を年間半々生活してる私を見て、うらやましい。自分の両親にもそのような生活をしてもらいたいと、話していた。 親父は定年になるの楽しみにしていたが、いざ定年になると、朝から晩まで夫婦角突き合わせで、些細な事で、口争いが絶えないという。 若い内は朝昼晩喧嘩するが、朝昼晩セックスをすれば、仲直りができる。 歳をとるとセックスの数が追いつかず、なかなか仲直り出来ないというと、おじさんのいう事は的を得ていると、おおはしゃぎだ。 世間話をしていると、同じ民宿の泊まり男客が2人、話につられ、ぶらりと入ってきた。 一番年上だと思われる、30歳くらいの男の言動がどうも気になる。 自分は1度も仕事をした事がない、フリーターである事を自慢している。 態度や言動から見て、どうも軽過ぎ..

  • s1164 ヤギの乳

    子供が生まれても、昔は栄養が行き届かず母親の乳が出ない場合が結構あった。 勿論、ミルクは無く、冷蔵庫も無い時代。 そこで、ヤギの乳を頂く事になる。そうやって島の子供達は育ったのである。 ひかるも母に3軒の家からヤギの乳を頂いたという。 だから、3軒の家のヤギ様には感謝しなさいよといわれた。 よって恩返しの為、物心ついた時からヤギを飼わされ、一生懸命ヤギの草を刈ったもんだ。 そしてその3軒の家に子供が誕生した時には、私の飼っていたヤギの乳を恩返しするという事だ。 ひかるがこうやって生きていられるのも、ヤギ様のおかげで神様だ。 ひかるの神様は、ヤギ様である。 領土で中国と揉めている魚釣島、野生のヤギが生息しているがこの地区の人が昔住んでいた。 だから女性が居てヤギを同伴させた証である。 皆さん無人島で住む場合、女房とヤギはセットだぞ。 必ずヤギ様もオス、メス同伴が条件。不滅の鼓動だ! 牛乳が..

  • s1163 ヤギ様

    南の島々には、ヤギを飼育しており、ヤギ汁は生活に欠かせない。 そして必ずと言っていいくらい、そこにはヨモギが入っている。 ヤギ汁は血圧を上げる、ヨモギは血圧を下げる効果があるとの事。 だからこの組み合わせは、どこの家庭でも行われている。 古老に聞くと、ヨモギは、サギグスイ、下げ薬と呼んでいる。 昔の人はよくぞ血圧計もなかっただろうに、どうやってそのような組み合わせを考えたのだろうか。 南の島には、色々な不思議が一杯だ。 この島の人達は昔、牛肉は食する風習は無かったが最近では牛肉を食べる機会が多い。 やはり、その時も牛汁にはヨモギを入れて食べる。 島の人達は知らないところで、健康管理が出来ているようだ。 ちなみに、ヨモギは野生でどこにでも生えている。 東北人はおしんこを多く食べ、塩分を取り過ぎ、高血圧で寿命が短いと聞く。 庭先にヨモギを植え、利用するといいかも。沖縄の長寿はヨモギのせいか..

  • s1162 トウージ

    この島の方言を見ていると、突然変異みたいな訳の分からない方言が時々出てくる。 豊年際にハーリー競争が昔からある。その船のかじ取り役は重要である。 かじ取り役のことを島の方言では、トウージーという。 なぜかじ取りが、トウージーなのか? 日本の言葉でいうと、統括、統治に当たり、つながるのではないかと思う。 統治が、トウージーになったのではないだろうか。 その昔、この島には、あまりものを書くという習慣がなかったのに不思議である。 昔から続くこの島のハーリー競争は、かじ取りが絶対の権限を持っており、完全に統括している。 言うなれば統治者が、トウージーになっているのだろう。 また女房、妻を、なんと言うかというと、トウージーのハイホンを2つとった、「トゥジ」と呼ぶ。 トゥジ(妻)は、家庭を賄い、やりくりする、言うなれば、家庭の統治者だ。 よって、トゥジと言われるのは、当たり前である。 友人のことを、..

  • x1161 人生のスタート

    ひかるが、なぜテレビ業界を目指したのか。 昭和30年代、TVは緒についたばかりだ。 遥か南端の小島、映画館は無いが、子供心に映画を見たかった。 石垣島まで渡れば映画は見れたが、家が貧しく船賃もなく出来なかった。 南端小島、当時飛行機は無く船輸送、マンが本等は半年以上遅れて着く。 そのマンガ本の片隅に、4コマでコタツに入りながら映画が見られる。それが四角いテレビだと書いてあった。 それだ! 家に居ながら映画が見られるという、訳のわからないテレビというものの解明に人生をかけよう。 そこから人生がスタート、親兄弟を捨て、故郷も捨て、着のみ着のままで上京、夜学へ通いながら必死に勉強した。 ブログをやっている人ならウイルコム(現AUの前身)と言う会社、知っているだろう。 ホームページに誇らしく、人口カバー率99パーセントと出ているが、ひかるの育った島はまだカバーされていない、日..

  • s1160 帰るな

    だから沖縄出身者だけは採用したくないとまで、言い切る社長もいる。 ひかるを見てくれ、一徹に何が何でも仕事一点張りでやりとげる沖縄人だっているんだよというと、あなたはパスポートを持って本土に乗り込んだ人だ。 今の沖縄の若者はそんな覚悟も何もない、と言われてしまう。 原因は何かと考えたら、沖縄の母親は子供が旅立つ時、辛い事があったら、何かあったら、何時でも帰って来い。親の元へ戻ればいいと言って、旅立たせる。 それだ、と考え、ひかるは沖縄の母親に子供を崖から突き放す、ニ度と帰って来るな、例え乞食をしても帰って来るな、と言って旅立たせよ、と説いているが、どんなに言い聞かせても、それは無理だった。 昨日も東京の大学にいる娘から電話があり、辛かったら何時でも帰って来なさい、と母親は伝えたそうだ。 沖縄の女性は、あまりにも情が深すぎ、子供を崖から突き放せない。 結果的に親の面倒を見る、と格好をつけホー..

  • s1159 帰郷病

    東京の放送局、キーステーションに沖縄出身者はひかる一人しかいなかった。 どこで聞きつけたのか、沖縄の若者がキー局で番組制作したいけど、どうしたら良いかという相談、いわゆる就職相談が結構あった。 ひかるの知人に、人格良好すばらしい男がいたので、技術プロダクションを作らせ、毎月一定量の仕事を出し、バックアップ体制をとっていた会社が数社あったので、一人の沖縄出身者、Y君を紹介した。 社長は、貴方の紹介なら100%間違いないと、即座に採用が決まった。 Y君の仕事ぶり評判もよく、そろそろレギュラー番組を持たせてもいいかなと、思っていた矢先、社長からの電話。 Y君が仕事を辞め、親の面倒を見る為、田舎へ帰るというので説得して欲しいとの事だ。 親の事も有るかも知れないが、自分の年を考え仕事を大事を選べ、なかなか自分のやりたい仕事、簡単に手には入らないぞと説得をし、何とか思い止まらする事が出来た。 Y君の..

  • s1158 ハローワーク

    この島の方言を聞いていると、訳の分からない事が沢山出てくる。 足の事をパンと呼び、ハブの事もパンという。 畑に使うクワの事をパーイと呼ぶ。 このパーイはペルーの山奥の原住民が使う言葉だと言われている。 インドネシアを旅行したおり、ところどころ車窓に、MAKANというローマ字の看板が出てきたのでガイドに聞いてみると、レストランの意味だという。 島の方言で、旨いは、まーはんと言うが、インドネシアのマカンと発音イントネーションがぴったりだったのには驚いた。 ちなみに島では、食器のちゃわんもマハンと言う。 また島の方言で、殆んど当てはまる事だか、複称、総称の場合、単称の単語に、ERをつければ事が済む。 その点は、どうも英語と同じだ。 例えば、バカな奴、阿保な奴を方言でいうと、プリムン、になる。 複称、あるいは総称して言うと、それはERを付けて、プラーにり、プリムン達という意味だ。 わんぱく小僧の..

  • s1157 死なすぞ!

    島で生活してると時々、言葉遣いや表現に、あれれ?、と感じる事がある。 話の中で冗談に、殺すぞ! 、あるいは殺されるぞ!、 という言葉が出てくるはずだ。 島の人の表現では、それは、死なすぞ!、死なされるぞ!、と言う表現になっている。 何んでそんな表現になるのだろうかとよく考えると、殺すぞ!、殺されるぞ!という表現には、頭をブチ割られ、非常に残忍で残酷なシーンが先に浮かぶ。 その点、島の表現では、そのような残忍残酷さは抑えられる。 島の人達がもともと心根が優しい、穏やかであるから、残忍なシーンを連想するその言葉は使い辛いので、自然に言葉が変換されて出てくるのである。 島の人は素晴らしい、とつくづく感じる日々である。 マスコミでは子供が親を、あるいは兄弟、家族を残忍な残酷な殺人報道が多い。 皆さん、夫婦喧嘩、親子や家族喧嘩の中で、知らずに、殺すぞ!とか、殺してやりたい!とか、そのような言葉..

  • s1156 強制移住

    南端に浮ぶ周囲12キロ、ハート形の黒島には遠い昔、溢れんばかりの人口があり、一大文化圏を形成していたという説がある。 ある説によれば、人口1万人はいたであろうという人もいる。 真意の程は定かでないが、1700年、鳩間島へ60人が強制移住、3年後には更に500人が強制移住させられたという記録が残っている。 その記述が本当ならば、黒島の住人は千人や二千人ではなく、一万人説もおかしくない。 それ以降も石垣島等へかなりの人が強制移住させられたという。 1500年代から600年代にかけて、日本では武士が勢力争いをしていた頃、この島は幸せで豊かに、文化を謳歌した人達がいたと思われる。 島には、特に豪族らしきものは無い、また貨幣なるものも見当たらない。 人々は物々交換、海から獲れる膨大な魚介類、御嶽を中心にお互いの門中が、仲良く生活していたと思われる。 島には墓は有るが、お寺は一軒も無い。法事は自宅で..

  • x1155 北海道のおばちゃん

    島の民宿では夕食後、泡盛がただで振舞われる。 中庭の大きなテーブルで、星空を眺めながら、お互い自己紹介をし観光客は談笑。 ふらりとその輪の中へ入っていくと、島の人だという事で話を聞きたく、周りに集まってくる。 北海道から来たという、60歳過ぎのおばちゃんが、早速、隣へ割り込んできた。 きれいな星空、空気がおいしい、生まれて初めての体験だと、かなりハイになっている。 こんな素晴らしい島で生活出来たらいい。なんとか移住したいので、土地を譲ってくれる人はいないか、との相談だ。 出来ない事はないと言うと積極的に色々な質問をしてきた。 話の内容から、かなり融通の利かない教員か公務員上がりのガチガチな堅物の類、箱入りババーだ。 こんな人に土地を分ければ、住民と間違いなく争いを起こす。 島の人達はテーゲーグワーで、いい加減と言うかあまり小さな事にはこだわらず、のんびり生活をしている..

  • s1154 風葬

    亀甲墓は子宮の形だと言われ、命は子宮で育まれ、完うしたら、またそこへ戻ると言われ、入り口は80センチ程の四角い、入り口になっており、勿論、蓋は分厚い四角の石で覆われ、空気が外へ漏れないようになっている。 風葬と呼ばれる方式で、遺体は決して焼かない。また、西洋のように埋めるような事もしない。 棺のまま墓へ入れ、肉体が風化したころ、きれいに洗骨し墓の中で保存。ピラミットや日本の前方後円墳同様焼却はしません。 遺体を棺のまま墓の中へ入れる為、異臭が漏れないよう、入り口が密閉出来るようになっているのである。 勿論、百日での洗骨は強烈な異臭等、赤の他人ではなかなか出来ないものである。 写真はひかる家の墓で祖父母の代まで償却しなかったので遺骨が入ったまま、DNA鑑定すれば数百年前まで調べられるかな・・ ひかるも両親が亡くなった時、初めて小さな入り口から腹ばって中へ入ったが、暗闇の周りは、こうべと骨だ..

  • s1153 墓の入り口

    入り口は棺桶の入る大きさ。

  • s1152 画像

    亀甲墓。

  • s1151 転がすのですか?

    飛鳥古墳見学ツアーに参加した時、近くに巨大な石室があった。 参加者に、高校の先生がカメラを持って参加しており、機械や重機の無かった昔、どうやってこの巨大な石を運んで来たのか、ガイドに聞いても分からず、説明書を隅から隅まで読み、頭をかしげていた。 3トンの石等、昔の人は簡単にかついで移動したはずだと言うと、その先生は、怪訝な顔をしてきた。 転がすのですか? どうやって運ぶのですか? としきりに聞く。 写真のように、一トンの鉄の塊があったとする。 それに、A点でロープの端をしっかり結わえつけ、グルグルに6回ほど巻く。最後はB点でまたしっかり結わえて止める。 そして、担ぎ棒を6本入れ、左右ペアで担ぐ、この図だと12名で担ぐ事になる。 この方式は、12名に均等に重力がかかる。一人百キロ近くだが、昔の人ならそれくらいは担げるであろう。 50センチほど浮かせて、声をかけ、右足、左足、と全員同時に、移..

  • s1150 画

    縄担ぎ。

  • s1149 神様だよ

    この島に、年は58歳、東京からUターンしてきたY君夫婦がいる。 子供は無いが、島の誰もがうらやむくらい、どこへ行くにも二人、すこぶる仲の良い夫婦だ。 普段は無口で、酒もあまり飲まず、ひたすら仲の良い夫婦をやっている。 先日、家を手直しするので、手伝ってくれと言うと、「はいきた兄貴、まかせてくれ」と引き受けてくれた。 仕事も無事完了、ビールと泡盛を飲むと、ペラペラ喋りだした。 俺みたいな男の所へ、嫁に来てれた女房、神様だよ、ありがたいと思っている。 実は、それには訳がある、と喋りだした。 小学校5年生の時、担任は若い女のS先生だった。 この先生には、隣の西表島に、同じ教員で恋人、K先生がいたという。 そのK先生は週末になると、考えられない事だが、西表島に打ち上げられた、写真の飛行機の残骸、燃料補助タンク、それに乗って、一人で櫂をこぎ、8キロ近くもあり、海流もある荒海を渡って、この島のS先生..

  • s1148 画像

    ジュラルミン製、飛行機の残骸。

  • x1147 島移住失敗男の物語。

    定年島移住した、吉田氏(仮名)が、深刻な顔で相談に来た。 移住した時、世話をしてくれた人が、いつの間にか疎遠になり、その次に親しくしていた人も、付き合ってくれなくなった。 とうとう3番目に親しくしていた人に、酒を飲んでいる時、怒鳴りつけられたという。 本土では、男同士が親しくなると、肌を触れあったり、肩をたたいたりするのは、ごく当たり前だ。 しかし島人達は、男が男に触れる事、べたべたしたり、肩をたたいたりする事は、一番嫌悪感を感じるのだ。 俺は、オカマじゃないんだ!、べたべたするんじゃない!、という、男っ気が異常に強いのだ。 吉田氏は、島の気質を知らずに、親しくすればする程、こまめに、べたべた、肩をたたいたりしたようだ。 島人にとって、肩をたたかれようものなら、とんでもない事で、往復ビンタを喰わされたような、嫌悪感を覚えるのだ。 吉田氏もそれに気付き、なんとか関係を修復..

  • s1146 至福の時間

    人生、いくつになっても苦楽は付き物だ。 おじさんも東京に二人の孫がいるが、二人とも、小児喘息持ちだ。 娘からのメールで、今病院で点滴をして来たとの事。 孫のゼーゼー苦しむ顔、普通の人並の子になって欲しい、と夕日に願をかけていたところだ。 若い時の辛さや苦しさは、いくらでも取り返す事が出来る。 歳をとると時間と体力に焦りを感じ、本当に肝が痛む。 胆汁を搾り切られる思いがする。 確かに今は辛いかも知れない。 しかし取り戻せるのだから・・ その辛さを肥やしとして、強い女性に変身したほうが良い、と言うと、二人は目を合わせてうなずいた。 最初の娘は、横浜出身で、続いた子が名古屋出身だという。 二人とも年齢は20代後半、ぎりぎり30前かなという感じだ。 話をしていて感じた事は、二人とも、私に限って、という自信があった。 そして、まだまだ遊びたいという気持ちが働いたようだ。 もし男が、それを察知した..

  • s1145 馬鹿野郎!!

    私の前を通り過ぎる時の思いつめたような横顔からして、只ごとではないな・・ 取り急ぎ、島の消防団を呼ぶ必要があるな、と腰を浮かせ携帯電話を取り出すと、その子は胸元まである深さへ行くと、ピタリと止まった。 そして両手を口もとへ持っていき、腹の底から、あらん限りの声で、夕陽へ向かって叫び出したのである。 OOの馬鹿野郎! OOなんか死んじまえ! OO! あんたなんか動物以下だ! 失恋した男の名前だろうか、悔しさを夕陽にぶつけている。 そうしていると気がつかなかったが、砂浜の岩陰にでも居たのだろうか、今度は左側からもう一人、女の子がズブズブと海へ入って行き、同じ態勢で叫び出したのである。 XXの馬鹿野郎! XX! 今に見ていろ! 若い女の子が、真っ赤に沈む夕日を真ん中に、ステレオで叫ぶ様は、心打れ、物悲しい。 涙を洗い流しているのだろうか。 両手で、ざぶざぶ顔を洗った後、女の子は砂浜を上がって..

  • s1144 画像

    島の夕日。

  • s1143 ミステリー島

    古老の話によると、昔、東南アジアや中国と直接交易し、アンナ村跡はベトナムのアンナンからの移住者村で、方言はベトナムとリンクしている、との事だが、本当かな? 島に人口が溢れ、繁栄していたと言う事は、マルコポーロの東方見聞録、黄金島、ジバングはこの島の事かな? ロマン溢れる、ミステリー島だ! 縄算***前回紹介した住民登録台帳、これと同じような形をした、そろばんとは違う、この島独特の計算機が、あったという。 島の人はそれを、縄算と呼んでいたそうだ。 古老に聞いても、現物があったことは知っているが、なかなか原理まで覚えてる人はいない。 旧暦9月、暦上は10月であるが、それぞれの御嶽に集まり、願い事をする。 50数年ぶりではあったが、顔を出すと、年寄り達がびっくりしていた。 その時、出された食べ物であるが、横長のクッキーの形をした物に見覚えがあり、聞いてみると、島の人でこれを知らない人はいない..

  • s1142 大量出土

    この島で、妙な貝が、大量に出土した。巻貝ではあるが、大きさがサザエの数倍あり、ホラガイとはまた違う、形そのものは、サザエオバケみたいな貝だ。 ところがその貝には、どうしても人工的としか思えない、穴が一つ空いている。 この貝はひかるが子供の頃、60年前には一度も見たことがない。 古老に聞くと、自分もその貝を見たことも、食した事もないという。 しかし、大量に出土したということは、100年、いや200年前、この貝はこの島の周りに、大量にいたと思われる。 シャコ貝と同じぐらいの出土量があるから、かなり生息していたと思われる。 シャコ貝は60年前、足の踏み場もないくらいリーフやリーフの上にはおり、この貝だけは誰も見たことがない。 疑問は、人工的に開けられたと思われる穴だ。 穴のことを古老に聞くと、話には聞いたことがある。 貝に穴を開け、石にゆわえ付け、海中に放牧?していたという。 目の前は太平洋、..

  • s1141 画像

    夜光貝。

  • s1140 不思議島

    沖縄本島から、南へ450キロ、日本の最南端は波照間島であるが、その手前に、ものの見事なハートの形をした、黒島がある。 この島は、1771年、明和の大津波以前、あふれんばかりの人がおり、一大文化を謳歌していた。 本島ー島間は東京大阪間、船にエンジンが無い時代の往来はほとんどなかった。 山も川も無い、周囲12キロの小さな島だが、島を取り巻くように、南半分、8キロにわたる、グレートバリアリーフに匹敵する、見事なサンゴ礁がある。 そこからは、素潜りで大量の魚がつかみ取り出来、それで島の人たちは、豊かな生活をしていたようだ。 しかし、この島には、紙と文字という文化はなかった為、今では歴史に跡を残す事なく、殆んど知られない存在となってしまった。 写真の、しめ縄を小さくしたようなものだが、これは何かというと、この島で使われていた、住民台帳だとの事だ。 縄から、ひげの如く出ているもの、それによって、家族..

  • s1139 画像

    島の住民台帳。

  • 1138 喉輪

    絶滅危惧種で、天然記念物イリオモテ山猫は西表島にしかいないが、実は石垣島にもいたと言う説もあるが、この黒島にも60年前頃まで生息していた。 黒島でこの山猫を見た人は最近他界したので今ではひかる只一人しかいなくなった。 この山猫は普通の野良猫と比べ、顔がまん丸くてシッポが太くて短い、足も短い、いわゆる短足ずんぐり型だ。 顔が丸いのは顎の筋肉がかなり付いているのだろう。足が短いのもかなり筋肉が付いているせいで短く感じられるのだろう。 運動能力は通常の猫の域をはるかに越えている。 まずは完璧な夜行性、真っ暗い夜、眼光がものの見事な黄金のビームを発する。50メータ先でも確認できる。消えたかと思うと、こちらの動きや声で別の所から黄金のビームを発する。 また獲物を捕る時の動作が見事だ。 島のニワトリはこの猫のためか、桑の木の枝で寝る。観察するとある程度風があり、木の葉の音がワサワサし..

  • s1137 思考配分

    また思考配分をした生き方をすると、チャンスが間違いなく時系列で捉えられ、その時の流れや風向き、風色など、一気に喉輪を噛み砕く手法が採れる、といえる。 配分思考、なんて初めて聞く言葉でしょうし、学校でも教えてくれない、がしかし騙されたと思い、頭へ叩き込み実行して間違いない、人生最良のチャンス獲得思考だと言えるでしょう。 十人十色、チャンスもまた十人十色で違います。己の脳、波長に合ったチャンスを捕らえる。 それには、配分思考を常に心がけ、好奇心を絶やさない。その二本柱の元に前もってチャンスを見据える、そこから間違いのない決断が生まれ、実行力へと繋がる。そして結果が出るのだ。 多くの人が夢を諦めるな、と説くがこの夢がこまったものだ。寝て見るうつつのゆめと己の希望なる夢が同じ字で、子供たちに混乱を招く。 時の総理が沖縄の基地問題などたちどころに解決してみせる、殿下の宝刀、腹案があると言って印籠を..

  • s1136 時代背景

    昭和30年代、集団就職で沖縄から大勢の人が本土の工場へ寮生活でなだれ込んだ。 数年もすると飛び出すが、身よりもなく親の援助や庇護もない。 世の厳しさに負け、犯罪をおかす人も出る。 ニュースで名字から沖縄出身者であることは判明する。 沖縄出身者は犯罪者的な偏見が漂っていたのだ。 ひかるはパスポート時代に結婚。単なる反対ではなくこのような時代背景もあり、塩をまくだけではなく、警察を呼ぶ、と喚かれたことがあった。 何もなくても、その内事件を起こすだろう、と見られていたようだ。 先日沖縄の会合へ出ると演壇の挨拶者が昔の偏見話を持ち出し、沖縄出身者には大家が部屋を貸さない風潮で、心底悔しい思いをした・・・衣食住に事を欠いた、等々話をし、大泣きで挨拶を終えたが、年輩者が頷きもらい泣き、ひかるに同調を求めてきたが、過去よりもこれから前向きに生きようよ! といってやった。 当時アパートには沖縄出身者入居..

  • s1135 彫刻刀

    人体にとって、血液は酸素やビタミンを運び調節、無くてはならない重要な役割を果たす事はいうまでもないが、人生においては、その役目を好奇心が果たすのではないだろうか。 好奇心があるからこそ、知恵が湧きだし工夫もするし、トライも出来、幸せも湧き出る。 小学校時、貧しくてクレヨンが買えない、がしかしじっとしていなかった。 ふしん場を周り釘を見つけてくる。五寸釘は最高で、硬い木に打ちつけ、頭を火にくべ、トンカチで叩き、砥石で研ぐと色々な形の彫刻刀が出来る。 カエルやハト、面や仏像など彫りまくる。 デイゴの木は枯れると硬いが、生の状態は柔らかい。 石膏代わりに使えるのだ。メガネの木なるものがあるが、その木を切って自分の骨格に合わせ、自作の水中メガネ、ゴーグルを作る。 三角や四角いガラスを根気よくコソギ、丸くして取り付ける。 ヤラブの木の根に傷を付けると、蝋状の樹液が出る、それをガラスの隙間へつめる。..

  • s1134 簿記

    石垣島の高校に理系コースはなく、ひかるは商業コースで簿記やそろばんを習い、上京後たった二年間夜学の理系専門コースを出、局入り。 昼間は重労働のため、勉強もままならない。 入社時、専門知識は同期の連中に比べれば雲泥の差で、かなり出遅れていたため、情報最先端のシステムは驚きの連続でしたが、好奇心の固まりのひかるにとって最高の場でした。 父の言った、思った通りやればいい、これは生涯ひかるの座右の銘、となった。 進路や会社選び、仕事の上、結婚など、誰にも相談することなく、存分に思った通りを貫いた。 おそらく、このブログを見ている人でひかるより恵まれない境遇にある人は皆無でしょう。 かすかなチャンスを確実に生かす。後へは引けない境遇が効を奏したといえるでしょう。 そう、島育ちの子供は15才で親の傘下を出、親離れする。 親の庇護から外れるという事は、辛酸を舐める事になるが、この人生の第一関門をどう乗..

  • s1133 高校

    当然石垣島での下宿、高校を出ることなどあり得ないことだ。石垣島にいる父の弟、叔父が乗り込み、産まれた子が栄養が行き届かず三人も他界して、やっと出来た男の子だ、せめて高校くらいは出さないとあまりにもかわいそうだよ、と迫るが父は貝になるしかない。 とうとうひかるを叔父が引き取り、高校を出す事になり、一年おくれで入学。しかし二年も終わる頃、叔父と叔母の言い争いがひかるの耳に入る。 叔父はご用聞きの便利屋家業。五人もの子沢山が、自分の子供すら育てられないくせに他人の子供まで預かる甲斐性なしが・と。 二年終了で中退を決意し島に戻ると、今度は別の叔母さんが、もう少しだ、もったいない。私が預かると申し出、やっとの思いで卒業。 当然地元で働き親や周りに恩返しをすべきだが、どうしてもあの五コマ漫画の映画が見られるテレビが忘れられない。 父に上京を打ち明けると、思った通りやればいい、と絞り出すように言ったの..

  • s1132 おいしい画どす

    ところがこの男、とんでもない事をしでかすのであった。 野球中継の技術総責任者は、中継車の中でカメラやVTR、音声や照明等に指示を出し、画像を瞬時に切り替えるテクニカルディレクター(TD)である。 このTDは12台のカメラ、6台のスローなど18画面、音響や照明など、インターカムで繋がっており、適宜に指示、かなり経験を積んだ15年、20年選手が通常は座る。 まさかの出来事だが、このB君、五年を待たずしてTDの席へ座っていたのである。 当然大ベテランは自分がTD席へ座る番。10年早い! と怒鳴りつけ、足を引っ張りそうなものだが、どういう訳かB君にはトチらせたくない、という雰囲気を持ってホローしたくなる性格だ。 大先輩、三カメさん、頂きました、あんがとさん・・ およよ、五カメさん監督キープ・・おいしい画どす、OK。なんて、京弁丸だし。 怒号飛び交う車内の雰囲気が、がらりと変わっていたのだ。 TD..

  • 1131 映像分野アメリカ完敗

    放送業界、歴史の最重要なVTR問題に立ち上がった人は一人もいなかった。アメリカへ立ちはだかった人はいなかった。 当時民放から見ると、国家予算にも匹敵する巨額の開発予算を行使していたNHKですら、このオメガ方式には関与する猶予はなかった。技術資料館にはオメガ方式、これに由来する物証は一行たりともないでしょう。 このオメガ方式、電子編集こそがNASA開発のVR-300を駆逐し、日本が先進国アメリカを一気に抜き去り、映像王国にのし上がった瞬間である。 ひかるは3年で方式問題、編集問題をクリアー、5年後にはアメリカ大リーグがお手本にするスローVTRを多用した番組をつくりあげたのだ。 全国のお茶の間が明るくなった事はいうまでもない。 チャンネルや電波の系列など、小さすぎる、コタツでテレビを楽しむ全国の人々を常に意識しろ、が口癖。 ひかるの上司は慶応大卒の切れ者と言われた人物だったが、..

  • s1130 ソニー社長さんよ!

    ソニーは昔、ホームビデオVHSとベーター方式戦争で大敗、放送用VTRもかなり立ち後れており、VTR事業撤退かと言われたが、ひかるの出現で一気に逆転、なお独占体制。 開発担当部長だったM氏は後に副社長まで掛け上っていったのである。 そこでまたまたひかるのズッコケが出てしまうのである。 ひかるは何時も会社の近く、すぐ戻れる一キロ圏内の焼鳥屋で後輩達と番組談義をしていた。 ソニーM氏から夜食をしたい、との連絡。夕方営業マンが迎えに来、連れていかれたのがホテルニューオータニ最上階の、当時最高級のフランスレストランだった。 髭の剃り後が青く、格闘技家風のがっしりした体格、ニタリ顔が似合わない、チョコンと乗った白い帽子がこれまた似合わない男がうやうやしく迎え入れた。 ひかるが主賓だと分かっているのだろう。横でメニューをさかんに進める。 これがまた訳の分からない言葉である。 焼鳥屋に指定席を持っている..

  • s1129 テリーを生かす

    機材は各メーカーが協力体制を採っているので時間の問題だろう。 問題は完璧にテリーに反発しているスタッフだ。 帰りに焼鳥屋へ立ち寄り、この番組は思い切った強化策をとる、と切り出すとM君は、怪訝な顔をしていた。 カメラ、音声、VTR課の課長がすべてスクラムを組みスタッフを出さない事になっている。 ひかるが部長命令を出したとしても社内事情は無理だと分かりきっている。 業界にはボツボツフリーでやっている人がいるはずだ、彼たちを動員しよう、と言うと、やったー、と膝を叩いて納得。さすが、と握手をして来た。 ゴールデン番組なので日当は割り増し払いの触れ込みに、一気にスタッフ問題は解決。 テリーはまだ初心者、タケシとの間を取り持ち充分なるホロー体制を取るように、とMカメラマンに指示。 軌道に乗っていったのです。 当時、雨傘番組だと手を抜き、二流カメラマンを当てるのが普通だが、キー局のゴールデンカメラマン..

  • s1128 立ち往生

    テリー伊藤君の若き頃を書いてみよう。 彼は学生運動の火炎ビンで斜視になった、と他のブログで書いてあったので書くが、卒業直後タケシの元気が出るテレビのディレクターだった。 勿論番組作りは初めてで、ロケの技術を受注したのがひかる。 スタート時、テリーはあまりにも番組作りを知らな過ぎる。 番組にならない、とスタッフが総スカン、立ち往生してしまったのである。 Mカメラマンにはゴールデン番組なので決して手を抜かないよう指示はしていたが、とうとう彼ですら限界を超えた。 残るはひかるがロケ総責任者として一括すべし、との事になり会うことになった。 会ってびっくり、彼は童顔でどう見ても学生アルバイトではないのか、いかに雨傘番組とて、と思わせる状況。 更に火炎ビン事件直後なので、斜視があまりにもひどかった。 そして赤面、猿が温泉で真っ赤な顔をしている状態。 更にどもりのひどさ、どどど・・もも・・・り・・と言..

  • s1127 さすが東大

    M君をここまで育て上げ、上司として心より感謝しています。実は私もM君の才能を高く評価しています。 彼に民放両局のゴールデン番組のチーフを張らせ自信を付けさせたい。民放ナンバーワンのカメラマンにし、世界に通用する人物に育てたい。 そして、その才能ノーハウは今後、必ずフジテレビの為に使います。と淡々としゃべったのである。 H氏はしばらく天を仰ぎ沈黙の後、いきなり立ち上がると、握手を求め、この話はなかった事にしよう、と言ったのである。 さすが東大出だな、とひかるは感じいった。 論争を続ければ、ひかるは業界、世界までも視野に入れている、一局、一番組だけにこだわっている己がケツの穴の狭い男に写るか、また先ほどからの態度を見れば、この男は決して引かないだろう、クビが飛ぼうがみじん切りに会おうが平気だろう、ととっさに考えたのだろう。 ひかるは名字で即沖縄出身である事は分かり、普段は沖縄と呼ばれ、かくし..

  • s1126 雨傘番組

    タケシは20代、漫才でちょっとだけテレビに出ていたがその後、影が薄くなっていた。 浅草あたりでやけ酒を飲んでいる、と噂されていた。 ちょうど30歳になった頃だろうか、初めてタケシの名前を番組の冠に付けた、元気が出るテレビなる番組の企画が持ち込まれた。 この番組は日本テレビ系列、後楽園球場のドーム化前で、巨人戦が雨で中止になった時に流す、鬼瓦権造なるキャラクターでフィーラー番組、いわゆる雨傘番組であった。 名の通った役者なら断りそうなものだが、タケシは縋るしかなかったのだろうか。 当時、フジテレビ日曜夜8時は欽ちゃんのオールスター家族対抗歌合戦が好評。 ひかるはそのチーフカメラマン、M君を裏番組、タケシに起用する事にした。 歌合戦はスタジオ番組で日曜日収録、翌週日曜日放送でタケシは日曜日は収録無しとの事で起用を決めたが、ゴールデン番組の裏表。 両局のメンツがぶつかり、ひかるは窮地に追い込ま..

  • s1125 人生の証 s1125 人生の証

    我々が地上で生きられる時間は、大きな宇宙の営みから見た場合、まばたきの瞬間なのかも知れません。 例えまばたきの一瞬でも、地上に生を受け、鼓動が動き出した以上、この鼓動が動いている間、止まる前に、自分自身が生きていた、という証、足跡を残したい。 人々がひしめく大都会、巨大化した組織の中、これが自分の足跡だと言えるものは、なかなか見つけられません。 ひかるの場合、少年の頃見た夢に、人生の殆んどを費いやし、追い求め続けた、魔法の箱、テレビ少年物語、ブログそのもの自体が、ひかるの細やかな人生の証ではないかと、考えています。 たかがブログ、だけど、宝だブログ。 たった一人でもいい、人生灯台の一コマになれば・・・ 長年待ち望まれた、沖縄最南端八重山地区への民放、2局ながらも開通、ひかるの両親が眠る墓にも、電波が届きました。 ひかるの夢は実現したのである。 島を訪れると、わざわざ船でビデオテープを借り..

  • s1124 挑戦

    ひかるの、もの言わぬ少年時代を知る人は、これ程変身出来た人はいないだろう、何かあったのか、と聞かれますが、何もない。 ただ情熱のほと走るまま、人生の波を味方とし、知恵を使っただけだ、と。 抑圧された人間の悔しさが開き直る時、その悔しさの度合に応じ、変身出来るのです。 人生のチャンスという波が訪れた時、蓄えたエネルギーをバネとして使える生き方をして欲しい。 背伸びし切った生き方は、いつの日か息切れする事でしょう。 また、ひかるの場合、物事に挑戦する時、一つの思考パターンがある。 作物を育てる時、出来の良い種を翌年植え、徐々に収穫を増やし、満足するまでには、数年必要とします。 この事から、ひかるも、何か成す時は、畑を耕し、種を蒔き、水をやる。 3年目に花を咲かせ、4年、5年目に、実績という収穫を得るの例えで、3年から5年先を視野に入れた実行方式を取り入れてきました。 この思考パターンは、じっ..

  • 1123 傘をさすのは人間だけだ !

    ブラウン 電気シェーバー シリーズ9 洗浄機付き 電動 髭剃り メンズ 【Amazon.co.jp 限定】 9455cc-V ブラック 5カットシステム 音波振動テクノロジー 夕方ヒゲ、ゼロへ 最大5年メーカー保証出版社/メーカー: プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社発売日: 2022/10/07メディア: ヘルスケア&ケア用品 イベントは晴天に恵まれ大成功。その会社の社長が「ひかると言う男、雨が降ろうが、やりが降ろうが、しっかり仕事をやり遂げる、一番信用出来る」と尾ひれを付けて回ったのである。 もっと大きな財産は、回りが全員風邪を引いていても、部屋中菌が充満していても、絶対と言っていいくらい、この男の体はまともじゃないのでは、と疑うほど、風邪を引かない、丈夫な体になったのだ。 そして言う「地上にいる動物の中で、雨が降ったからとて、傘をさすのは人間だけだ、雨..

  • s1122 大きな財産

    沖縄県産和牛 石垣牛 赤身 切落し 通販 1Kg出版社/メーカー: お肉屋本店メディア: 筋肉が付き、ビッコも徐々に目立たなくなり、勉強で他のいじめっ子を負かす事が出来る、と悟ったひかるは、必ず一番になる、と猛勉強をするように成った。 回りの家では、石油を一升瓶で買うが、貧しく二合瓶でしか買えない、小さなランプだが、父はひかるに明け渡し、細かい仕事を明るい内に済ませ、暗闇でせっせせっせかと内職をする。 子供の時の境遇は大人になってから、大きな財産と成る。 小中学を通し、どしゃ降りの雨に打たれた事は、いつの間にか苦痛ではなく、ひかるの中で、修行僧が滝に打たれる如く、快感になって行ったのである。 ある日、営業で大きなイベント収録を受注、最終打ち合わせ確認時、途中よりどしゃ降りの雨となったが、例によって快感を感じ、客先へ行った。のき先で滴る雨を切り、客の前へ立つと、相手がびっ..

  • s1121 ペルテス病

    振り返ると、ひかるは小学校入学時、登校拒否児でした。 五歳の時、股関節を痛め、かなりのビッコ、入学時、他の子が運動場一周するにも、半周しか出来ない、ピコタンピコタン状態。貧しくカッパが買えない大雨の日、母は蓑傘を着させ、登校させる。 途中、ひかるはあまりの格好悪さに気ずき、帰ると脱ぎ捨て、ずぶ濡れで登校。急に体を冷やしたせいか、下腹部に激痛を感じるが、我慢できずウンチを漏らしてしまう。ビッコ野郎、ウンチ野郎、といじめられる。 女の子が木切れでつっついて逃げるに、ピコタンピコタン追いつかない。更に、他の村は、同級生が大勢いたのですが、ひかるの村はたった一人。しこたまいじめ貫かれたのである。 登下校時、他の村の連中が徒党を組み、襲ってくるのではないかと、恐怖を感じ、とうとう言葉を失う、しゃべらなくなったのです。 登校拒否に、母はひかるを抱きしめ「ひかるが学校へ行ないんなら、お母さんは..

  • s1120 放送、開局!

    ブログによる放送、そんなに難しい事ではない。即、実現可能である。 例えば、野球放送を考えた場合、12球団、各球団のフアンブロガーを、6名集め、試合が行われると、その球場へ行き、逐一1分単位でもいい、ブログで、結果を上書きして、立ち上げる。 6試合であるから、六つのブログを一つのサイトとして、位置づけるのだ。 常に、各球場の最新情報が、ポータルサイトで書き換えられているという事になる。 テレビで、ダイジェスト版として、プロ野球ニュースがあるが、そんな番組はもう用をなさなくなる。 例えば、TBSが、東京ドームで行われる巨人、横浜戦を中継しようとしても無理だ。 素材をニュースとして使うぶんにはいいが、番組としては使えない規則になっており、お互い縛りっこしている。 ブログの場合、携帯を球場へ持ち込ませない、という訳にはいかない。 縛りがないので、誰でも自由にブログ番組の立ち上げが出来るのだ。 ブ..

  • s1119 ドザエモン

    ひかるがパスポート時代、結婚には、女房の親から猛反対を受けた。 その親が、ある会合で、放送関係者と出会った。 その人の話で、放送業界に、沖縄出身の誰もがリスクを恐れ、引き受けない仕事でも、平気で引き受け、ものの見事に成し遂げる、素晴らしい男がいるという話を聞く。 よくよく聞いてみると、それが、自分の娘の婿、ひかるだという事が分かった。 そして、今までの考え方を一変させたのだ。 勿論、ひかるも和解、何事もひかるを頼りにするようになったのである。 そして、都心の一等地の不動産をひかる夫婦に託し亡くなったのである。 ひかるは先見性では、ずば抜けた面をもっている。 建築法が緩和され都心回帰、マンションのブームが来る、といち早く高層マンションをぶち立てたのである。 六本木ヒルズには届かなかったが、ひかるは最上階で、ベランダから東京の夜景を眺め、日々旨い酒を飲む。 また南の島には、父が残した、広々..

  • s1118 攻めようぜ

    30年も前の話だが、画期的といわれた、ISDNの開発を大々的に国がPRした。 霞が関の郵政省と、三鷹の当時の日本電信電話公社との間で、ISDNを使って映像をやり取りするという、 国家的プロジェクトに、どういう訳かひかるに白羽の矢が立てられた。 当然NHKがやるはずのところだが、どんないきさつでひかるに話が来たのかは、定かでない。 それ以来、インターネットに関しては、かなり注目し、放送業界もいち早く取り入れるべきだと、主張したが、放送業界は惰眠をむさぼっていた。 その結果、業界からすれば、赤ん坊にすぎない、ホリエモンや楽天に、脅され、揺さ振られる結果となったのである。 これから、ブロードバンド携帯が発売されるようになれば、日本全国、個人が放送局を持つ時代になるんだぞ! 企業や団体など、独自に、それぞれ専門分野の放送を始めるであろう。 既にテレビ業界には、陰りが見える。 今の若者達は、車や携..

  • s1117 竜宮の使者

    最近、伝説の生き物だと思われた、竜宮の使者と呼ばれる魚が釣りあげられたとの事。 体長数メートル、巨大な太刀魚に似た、鋭い切っ先の口に、流線形の見事な背ビレ。 銀色の魚体には、ブルーラインが1本入っていたとの事。 巌流島の決闘、佐々木小次郎の物干し竿は言うに及ばず、この魚を怒らせると、人間の心臓は、簡単にぶち抜かれる事でしょう。 欲に目の眩んだ男が、海で見事に心臓をぶち抜かれ、成敗された、という昔話を聞かされた事があります。 竜宮の使者の怒りに触れたのだろうか? 最近では、重さ数10キロ。体長1メートルにも及ぶ、巨大な白イカが釣れ、話題になっているとの事。 海面はスミで黒く染められ、釣り上げる醍醐味は格別だった事でしょう。 一度釣り上げたい、格闘技をしてみたいと描く、楽しい夢。 また、畳4枚分にも及ぶ、巨大なマンタをテレビでご覧になった事があるかと思いますが、ひかる家の、プライベートビーチ..

  • s1116 自論

    「人生には、ロマンと、スリルと、メルヘンが、必要である!」これは、ひかるの自論である。 ロマンについては、別に書いた通り、スリルも、命を張れる生き方をすれば当然。 さて、ひかるにとって、メルヘンの世界とは? やはり、ひかるのメルヘンは、南の小さな島にしか求められません。 生きる厳しさ、激しさを教えてくれた、台風に遇いたい! 灼熱の太陽エネルギーを浴び、風と戯れ、小鳥達や、百面相の雲と語り合いたい。 そうだ、命を誕生させてくれた、母なる海の世界もある。 華やかで、色とりどりの熱帯魚達、格好良くないけど、ナマコも、クラゲもいるだろう。 ヒトデは手が五つ、五回も握手を交わせるなんて、おまえは幸せものだ。 人が親類に見えるのか、擦り寄って来る、小さな耳かきヒレのタツノオトシゴ君、泳ぎが下手で、立ったまま流に漂い、どうやって、家に辿り着くのだろうか? 魚達の親子は夜、どうやって寝るのだろうか? ま..

  • s1115 画像

    クマノミちゃん

  • 1114 明日は華

    国産天然塩 170g / 石垣島 沖縄産 海水塩 釜炊き製法 にがり ミネラル豊富 吸湿性あり (チャック付きパック) Azure Island Salt出版社/メーカー: Azure Island Saltメディア: そして、人生の大海原、舵の取り方次第で、己の未来形は思いのまま。 しかし人々は、先輩の歩んだ人生、位置づけを参考として人生航路を航海。 人それぞれ、目指す分野や人生に、夜空に輝く星の如く、目標とする先人が居る事でしょう。 何時までも、人生航路の人生灯台として、目標にされる立派な人間になろうではないか。 群れ星の中、ひときわ輝く星になろうではないか。 80年前、遥か南の小島で動き出したこの鼓動。 嘘のような魔法の箱物語を求めた60年間。 常に夢一杯、幸せ一杯の人生を送る事が出来ました。 ひかる少年の求めた魔法の箱、単なるテレビにとどまらず、素..

  • s1113 幸せの鼓動

    一人一人平等に与えられた、この莫大な鼓動エネルギーと、尽きる事のない知財を最大限に引き出し、己の目標を真剣に求める、情熱的な生き方。 脳いっぱいに詰め込まれた、溢れ出んばかりの人生のアルバムで、老後を楽しみ、周りに幸せエネルギーを放射出来る生き方。 振り返った時、後悔は ない! これしか なかった! と言い切れる人生。 これこそ、幸せの鼓動、と言えるのではないだろうか。 そして、油面の海が、雄叫びをあげ、暴れ狂う海に変化するが如く、我々の人生においても、厳しく辛い時期もあり。 決して、平穏無事で終りません。 夢が大きければ大きい程、理想が高ければ高い程、苦労は付き物。 高く険しい登山、直線登山では、息切れ必定。 いろは坂登山になるかと思いますが、夢が大き過ぎ、理想が高過ぎ、いろは坂人生もやむなし。 考え方、目標さえしっかりしていれば、決して、到達不可能という事は、ありません。 平和な飽食..

  • s1112 伝説

    2百年前の伝説ですが、この島のある男が、くり舟で遭難し遥か南方の無人島へ漂着。 半年後、夢に出てきた神様のお告げを頼りに海へ出ると、黄色いサメが、又間へ入り込み、背ビレに捕まると、そのまま北上。 一昼夜かけ、元の島にたどりついた、という伝説があります。 法事も済ませた後での男の帰還に、島中大騒ぎで、話は広まり、男は琉球王朝へ呼び出され、詳細を報告。 多良間真牛(たらまもーしー)の伝説として、日本の伝説沖縄編に、しっかり位置づけされており、素晴らしい掛け軸と、当時の状況を克明に記述した古文書が今に残されています。 ジュゴンに助けられた伝説は、北欧諸島にあるとのことですが、サメに助けられた伝説は、どこにもないとのことで、国内外より、民話伝説等の研究者が、調査にくる貴重な物語です。 何を隠そう、この話は、わがひかる家に代々伝わる伝説で、掛け軸に使われた色や図柄などの調査結果から、描写の技法は、..

  • s1111 人生最後のゴール

    三高流行の今時、しっかりした考え方に、感心させられました。 確かに三高に越した事はないはずですが、世の男性に求められているのは、外見や条件よりも、その人の持てる、内命的な考え方や個性、生き方ではないだろうか。 夢を語り、人生を語り、一緒になって、人生ドラマを築き上げて行こう、と真剣に取り組む姿に、本当の男らしい魅力が感じられるのです。 燃える男の情熱、希望に胸膨らませ、光り輝く瞳に、心惹かれる女性が現れるはずだ。 見果てぬ 夢がある限り! たった一度の人生なら! 試してみよう この人生! 必ず 結果が出るはずだ! 何を言われようとも、たった一人の、自分だけの夢を持ち、未知なる道を求め、見た事のない、他人の真似事でない花、人生の一輪を咲かそう・・ そして人は、泣いても笑っても、黙っていても年を経りますが、この世に生まれた以上、幸せを求めない訳にはいきません。 生まれたい、と望んで生まれ出る..

  • s1110 夢こよみ

    子供の頃、日めくり暦でしたがこの暦、不思議と夢が詰っていた事を思い出します。 誕生日や夏休み迄あと何枚かと、1枚1枚めくる楽しみ。 夏休みが日1日と過ぎ、宿題の重みがヒタヒタと乗しかかり焦る日々。 年末には、ほんのチョッピリと薄くなった暦をめくり、お年玉までもういくつ寝ると、とウキウキ。 そして一年間の反省。 元旦には、分厚く真新しいページをめくり、新学年や今年1年間の夢を見る。 昔の子供達は暦をめくり、知らず知らず日1日を重ねる意味。 夢が積み重ねられていたのです。 日めくり暦、今の若者達にもぜひ利用し、常に夢を膨らませ続けて欲しいものです。 そして、夢を追い求め、40年が過ぎた今、人間は、パンのみに生きるものではない事が、本心から理解できるようになりました。 貧しくても、夢のある人生、自分の考えた通りに生きられる人生が最高の人生で、夢のない、老いを待つばかりの人生は、最大の苦痛なので..

  • s1109 己の主役ドラマ

    そして、少年の求めた魔法の箱は、当時の状況下、あまりにも大きな夢でした。 好奇心旺盛なひかる少年は、諦める事なく、心に秘めて上京するにも、三千円の家賃さえ遅れがち。 オーバーが買えない、初めての冬、「沖縄だってね〜、死んだ亭主のオーバーだから、着な、家賃は出世払いでいいよ!」と励まし、慰めてくれた大家のおばちゃん。 オーバーを着た時、湯気が出る程、ぽかぽか暖かかったのは、忘れられません。 トラックの助手時代、寮費は心配するな、と声をかけてくれた社長。 卒業時、「決して悪いようにはしない、我が社に留まれ!」、と言われましたが、どうしても、テレビの世界を求めたいと、丁重に断りました。 苦しい中で初めて鼓動に触れ、自分にとっては、夢を追い続けるしかない! たとえ、苦しみが続こうとも、進むしかない、と言い聞かせ、自らの手で、全国へ映画を放送した時、思わず流れ出た、歓喜の涙は、生涯忘れられません。..

  • s1108 蘇って来る

    少年の目に映った魔法の箱、テレビは、東独はじめ東欧諸国の民主化にも大きな影響を与え、オリンピック中継等でもわかる通り、人々の目となっています。 情報の乏しい小島で育った、ひかる少年の目、子供らしい、素直な目、だったのではないだろうか。 今の子供達にもこのような目は、あるはずで、清らかな瞳を見る時、将来、どのような素晴らしい人生が約束されているのだろうか、と期待せざるを得ません。 また、親元を巣立つ時、県内にとどまるべきか、当時の、常識を越えた所へ飛ぶか、と真剣に悩んだ時期がありました。 しかし、親は既に50才を過ぎ、自分なりの人生を歩んで来た。 二十歳、30歳と歩む、己の今後の人生を考えると、ここで別れがあったとしても、生涯離れ離れになったとしても、自分の人生を優先すべきだ、という結論を得、行動に移したのです。 はたして、何が少年に、生涯を左右する、大きな決断をさせたのだろか。 おそらく..

  • a1107 涙

    月桃 エッセンシャルオイル 精油5ml出版社/メーカー: 日本月桃メディア: ひかるは昭和40年の入社時、都会の人にだけは負けたくない、と言う一心で、自分なりの知恵を絞っていました。 当時のテレビカメラはバカでかく、支える三脚は鉄の塊、ケーブルは、78芯で銅の束。 それをカメラ台数分セッティングし、撤去。毎日が、大綱引き。 それに比べ、スタジオは冷暖房完備で、暇な時には、タレントとも気楽に接する事が出来、同期の人達は、大半がスタジオ勤務を希望。 ひかるは都会の人達に負けない為には、丈夫な体を使い、皆が嫌がる中継部門で、自分の存在価値を見い出そう、と考え、中継部門を希望したのである。 当時、球場は勿論、殆んどのホールなど、中継回線が敷設されておらず、綱引きだらけ。 しかし、体力だけでは、単なるバカ力持ちだけに過ぎず、勝負になりません。 わら半紙を買い込み、毎日出..

  • a1106 知恵

    ネックケア 首 リラクゼーション器 Liaolee 2025新設計 (加温×振動×EMS&TENSのW効果) 日本語音声ガイダンス 軽量 首元リフレッシュ ネックリラックス ホットケア USB充電式 コードレス 10種類のモード 16段階の強度調整 液晶ディスプレイ 簡単操作 クリスマス 母の日 父の日 記念日 誕生日プレゼント お祝い 男女兼用 日本語説明書を同梱出版社/メーカー: LIAOLEEメディア: 都会の子供達を見る時、伸び伸びと遊ぶ場所や自然を見つめ、自分を見つめる場が少ないのには、考えさせられます。 子供は、遊びや自然との触合いの中から世間を見、色々な事に興味や疑問を感じ、人間や自然のルール、正しい心のあり方を学びとって行きます。 親の育て方にも問題があるのではないだろうか。 子供は誰しも、多少の癖やそそうはあります。 その部分を拡大するのではなく、..

  • s1106 知恵

    都会の子供達を見る時、伸び伸びと遊ぶ場所や自然を見つめ、自分を見つめる場が少ないのには、考えさせられます。 子供は、遊びや自然との触合いの中から世間を見、色々な事に興味や疑問を感じ、人間や自然のルール、正しい心のあり方を学びとって行きます。 親の育て方にも問題があるのではないだろうか。 子供は誰しも、多少の癖やそそうはあります。 その部分を拡大するのではなく、良い点を10倍20倍にも拡大。 信じ見守ってやるべきで、子供は親に信じてもらえなければ、誰に信じてもらえるのだろうか。 もし、親の考え方や方向づけで、子供の持てる素晴らしい才能や芽を潰すような事があっては、子供の生涯に問題を残し、大きな罪を犯した事になります。 ひかるは14歳で5コマ漫画に出会い、魔法の箱、テレビの解明を志し上京。 当時は、数少なかった出来たばっかりのカラーテレビ学科を選択。 テレビ業界を目指し、貫き通しました。 今..

  • s1105 花の予備校

    夜学時代はともかく、入社後も仕事に付き合いに、睡眠時間4時間の連続でしたが、今だに風邪ひとつ引いた事がありません。 3番目は、自然の中で育ち、色々な事に疑問を感じながらヒントを得、知恵を使う訓練が出来ていた点です。 どんな難問だとしても、どこかに解決策があるはずで、知恵を使う大事さは言うまでもありません。 4番目は、小さな貧しい島での生活から生まれた、周りの親戚や村人同士が助け合い、思いやる心です。 部下を持った時、100人いれば、100人に思いやる心が大事で、自分さえよければ、他人はどうでも良い、という自分本意では、部下は従いて来ません。 上京当時、田舎者という劣等感やプレッシャーはありましたが、その中でもひかるは、このような環境に育ったのだから、決して都会育ちの人達には負けるはずがないと、自分に言い聞かせ、前向きに考えていた。 今でも間違いではない、との考えだ。 都会育ちの小学生が、..

  • s1104 部族を維持

    本土の人には、なかなか理解出来ない事が、しばしば南の島では起こる。 陸続きでない為、また、その昔はエンジンなるものがなかった為、往来が難しく、方言や風習等、目と鼻の近い島でも違いがあるのだ。 黒島にも数十の部落名が残っており、其々の集落が自分達の子孫、部族を維持、守るため、他部落との交流や結婚などを嫌ったと言う事が実際にあった。 島の古老達の方言を聞いていると、色々な発見、考えさせられるものがある。 方言で「痩せる」は「ヤギ」と言う。 動物の山羊から来ているのかと思うと、動物の山羊は「ピシダ」と言う方言があり、まったく別ものだ。 逆の「太る」は「パンタル」と言う。 あれれ?丸丸に太った動物、中国に、パンダがいるな?パンタルは、パンダと関係あるのかな?? ところで、テレビでは痩せる、ダイエットが流行っているようだが、そのうち日本全国、豚ではなくヤギだらけになるのかな? あなたの周りに、ヤギ..

  • s1105 花の予備校

    夜学時代はともかく、入社後も仕事に付き合いに、睡眠時間4時間の連続でしたが、今だに風邪ひとつ引いた事がありません。 3番目は、自然の中で育ち、色々な事に疑問を感じながらヒントを得、知恵を使う訓練が出来ていた点です。 どんな難問だとしても、どこかに解決策があるはずで、知恵を使う大事さは言うまでもありません。 4番目は、小さな貧しい島での生活から生まれた、周りの親戚や村人同士が助け合い、思いやる心です。 部下を持った時、100人いれば、100人に思いやる心が大事で、自分さえよければ、他人はどうでも良い、という自分本意では、部下は従いて来ません。 上京当時、田舎者という劣等感やプレッシャーはありましたが、その中でもひかるは、このような環境に育ったのだから、決して都会育ちの人達には負けるはずがないと、自分に言い聞かせ、前向きに考えていた。 今でも間違いではない、との考えだ。 都会育ちの小学生が、..

  • s1104 部族を維持

    本土の人には、なかなか理解出来ない事が、しばしば南の島では起こる。 陸続きでない為、また、その昔はエンジンなるものがなかった為、往来が難しく、方言や風習等、目と鼻の近い島でも違いがあるのだ。 黒島にも数十の部落名が残っており、其々の集落が自分達の子孫、部族を維持、守るため、他部落との交流や結婚などを嫌ったと言う事が実際にあった。 島の古老達の方言を聞いていると、色々な発見、考えさせられるものがある。 方言で「痩せる」は「ヤギ」と言う。 動物の山羊から来ているのかと思うと、動物の山羊は「ピシダ」と言う方言があり、まったく別ものだ。 逆の「太る」は「パンタル」と言う。 あれれ?丸丸に太った動物、中国に、パンダがいるな?パンタルは、パンダと関係あるのかな?? ところで、テレビでは痩せる、ダイエットが流行っているようだが、そのうち日本全国、豚ではなくヤギだらけになるのかな? あなたの周りに、ヤギ..

  • s1103 画

    ヤギである。

  • s1102 東京スカイツリー

    この地区の島は、サンゴ礁で出来ているため、耕作地が少なく、重税感は過酷を極めたとの事。 島々には石を高く積み上げた、見晴らし台があり、税金取締役人の船を発見すると、各島へ狼煙で連絡され、村長は、税金対象物を隠させ、島一番の美女を引き連れ、少しでも納税額を軽くするよう、役人を饗応し、村人を守ったと言う。 島人達が、汗にまみれ積み上げた見晴らし台、ささやかな税金逃れをし、生き延びる、歴史と知恵の結晶でした。 国民の生活を守るのが、政治家。 税金逃れや天下りが、取りざたされる毎日。 都会にひしめくサラリーマン。 どうあがいても、逃れられないのが税金。 マイホームは遥か彼方。 やっとの思いで確保して、月々支払うローンと税金。 ガツーン、カツーン、心はコブだらけ。 どうしたらよいのでしょうか? 仕方ありません、見晴らしのいい、東京スカイツリーへ上り、叫びましょう。 沖縄県3番目に大きな石垣島は人口..

  • s1101 西表島

    そして、この残された自然を観察すると、動物たちは、月の引力による旧暦での行動。 黒島では、旧暦の決まった日の満潮時、島中のカニが、一斉に海へ向かい産卵をします。 道路や砂浜までが、足の踏み場もないくらい、カニで埋め尽くされ、これ程のカニが生息していたのかと思わせる数。 海は、卵で赤く染められ、殆んど魚の餌食になる中、わずかながら、生き残って行くのです。 甲羅が5センチ以下のカニ、どうやって産卵日を計算しているのだろうか? 年に一度、間違いなく日時を計算し、一斉に産卵する自然の営み、一度は都会の子供達に見せたいものです。 また、日本では、唯一亜熱帯気候に属するこの地区は、2月に入ると、気温が二十二、三度にも上昇し、どっと春風が押し寄せ、百花繚乱の季節。 もし桜があれば、間違いなく正月には咲くでしょう。 3月には日本一早い海開きが行われ、暖かい春風が、沖縄本島へ九州へと北上、日本の春は、八重..

  • s1100 画像

    川平湾(かびらわん)

  • s1099 魔法の箱物語

    普段は、15、6頭の牛を庭先の牧場で放牧し、牛には家族の名前をつけ、子や孫と話すように、牛と対話しながらの生活。 いち早く血統書に注目、島根県産の血統書付母牛を導入。 初めの内は、訝かられたそうですが、今では血統書が重宝されるようになりました。 牛は、子を産む事に、角に一輪ずつ節目がついて行きますが、父の牛は、血統書の生年月日と、節目の数がぴったり合う、いわゆる、毎年子供を産む安産型、骨太で肉付のいい優良牛だったのです。 その牛を競売に出したところ、今までにない最高値が付き、大きなトロフィーが贈られ、位牌の横に、誇らしげに据えられました。 父は小さな島で一生を終え、息子と一つ屋根の下で生活する事が、叶わなかったにも関わらず、幸せだったと思います。 きっと、ひかるがテレビを運んで来る、と信じ、自慢していた父。 親にとって、息子が信頼出来、自慢出来る事は、最高の幸せではないだろうか。 そして..

  • 1098 テルビ

    親に隠れ、おじいちゃんの位牌に線香をあげる、中学1年生の息子を感じた時、一人旅は、無駄ではなかった。 学校では学べない、大事な事を南の小さな島で、学んで来たな、と。 おじいちゃんも、孫と1カ月間、同居出来、天国へのなによりのお土産だった事でしょう。 ひかるの父は、島で生まれ育ち、島から出た事がありません。 勿論、テレビなんて物は見た事もなく、何度言い聞かせても、テレビの発音が出来なく、テルビ、テルビと、言っていました。 役場や農協の窓口の事務員を捕まえ、息子が東京で、テルビをやっている、といつもの自慢話。 遠い田舎の事です。テレビの組立配線工として働いているのだろうとしか、思わなかった事でしょう。 帰郷の際、早速農協や色々な所へ連れて行かれ、東京でテレビの番組を作り、全国へ放送しているんだ、と話したら、驚かれたのも当然。 更に、自慢話にハクが付きました。 子供達との..

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