0歳~小学生の教室です。算数、思考力を育む方法、自閉症・発達が気がかりな子への関わりや学習支援の具体的な方法を紹介しています。
サンテグジュペリの『星の王子さま』は、「子ども時代、何度か読んだことがあるけれど、当時はよく意味がわかっていなかったな~、今だと心の深い部分でしっくりするな~」と感じる童話のひとつです。サハラ砂漠に不時着した主人公が、星の王子さまに「羊の絵を描いて」とたのまれて、しまいに投げやりになって、簡単な箱を描いて、「君の欲しがっている羊はこの中にいる」と告げると、王子さまが顔を輝かせて「うん、こんなのが、ぼく、ほしくてたまらなかったんだ」と大喜びし、「このヒツジ、たくさん草をたべる?」とたずねるシーンがあります。「ただの箱」の中に想像するものをありありと見て、心を躍らせるのって、子どもだからこそできるすごい才能だな~と思います。虹色教室通信別館つくるんクラブで、ティッシュ箱に折り紙2枚貼って、少し切り込みを入れただけ…...子どもは「星の王子さま」
様変わりする算数セット……算数セットを使わない学校もあるそうです
最近の小学校の算数セットは、ひと昔前のものと比べてずいぶん様変わりしたようです。かつて、わが子の就学を控えた親たちをうんざりさせた算数セットの名前つけ作業も、今では、単語カード風に束ねてある計算カードとせいぜい10個までの具体物、プラスチックの時計などに名前をつければいいだけのようです。算数セット自体、使わない学校すらあって、ないならないで授業が成り立つなら、算数セットなどという面倒な道具をどうして購入させていたんだろう、と古い教育の無駄なあり様を疑問に思う方もいらっしゃるようです。確かに、授業中の手遊びのもとになるようなセットがあるのは面倒なだけかもしれないし、ちまちました小物は無くし物と忘れ物の元凶となることでしょう。それでも、「1年生で教えるのはここまでだから……」という数の棒やチップの横で幅をきかせる計...様変わりする算数セット……算数セットを使わない学校もあるそうです
「勉強中、外へ出て行ったのは、奈緒美先生が本の話を出したからだ」というAくんの言い分に、当初はあきれるやら、おかしいやら、開いた口が塞がりませんでしたが、時間が経つにつれて、Aくんを数キロ先まで向かわせるほど熱狂させている『ガフールの勇者たち』という本が気になりだしました。タイトルから、ゲームやマンガを小説化したような軽い冒険ものかと思っていたのですが、読んでみると、フクロウの生態の研究を土台にして描かれている正統派の児童文学でした。わたしもすっかり『ガフールの冒険』の世界に引き込まれました。Aくんに、『ガフールの勇者たち』の感想を伝えて、他におすすめ本がないかたずねると、『ドンキホーテ』『三銃士』『ああ無常』『精霊の守り人』の名前が上がりました。『精霊の守り人』以外は、どれも、一昨年、クリスマスプレゼントとし...10代の子とのチグハグなやりとり2
思春期、またプレ思春期という時期の子に、周囲が、「こうしてあげよう」「ああしてあげよう」とその子に心を砕いても、身構えて殻を固くするだけだったり、心そこにあらずでそれどころじゃなかったりしますよね。投げた善意のボールが、思わぬ激しい拒絶として打ち返されるのは、めずしくありません。私は、そんなうまくかみ合わずに終わった関わりを心に置いて、遠ざかったり、近づいたり、さまざまな方向から眺めてみたりする癖があります。わたしの好きな言葉に「たった一つのシーンに実は多くのものが眠っている」というものがあります。映画やアニメにもなった『守り人』シリーズで有名な児童文学者の上橋菜穂子さんの言葉です。それは、心理学者の河合隼雄先生の「人間の体験は面白い。体験を語ろうと思ったら、ほんちょっとの短い体験でも、ものすごく長くかかる」と...10代の子とのチグハグなやりとり1
4歳前後の子たちは、「数量概念の形成」を目的とした遊びが、とにかく大好きです。将来の算数の力の土台となるパターンを自分の中にインプットしていこうとするような貪欲な遊び方です。その年代の子のグループレッスンも、個人レッスンも、この「数量概念の形成」を促進させるような遊びが自然と生まれ、どんどん発展していく姿を見かけます。そうした子どもの知能の成長を飛躍させる遊びが、いきいきと繰り広げられるようにするには、身近な大人が、「子どもがどのように数量概念の形成していくかを理解し、子どもの学習の妨害をするのをやめて、環境を整えていく」必要があります。4歳前後の子たちのグループレッスンでは、お弁当を持ってピクニックに行く遊びの中で、自分から「氷を3個ずつコップに入れてジュースを作りますからね」と言って、ジュースを作っていたり...年少さん学習の土台を作る遊び
怖いものしらずで、聞き分けのない2歳3カ月の☆ちゃん。そうした相談をママ友や祖父母にしたところ、「まだ2歳だから言うことを聞かないのは当たり前。いちいち怒る必要はない」というアドバイスと、「昔のように怖い人がいないから、大人の言うことを聞く気がない。もっと大きな声で厳しく叱った方がいい」という正反対のアドバイスを受けて、どう接したらいいのかわからなくなったそうです。叱られても知らんふりするか、笑い声をあげるかして、悪さを続ける☆ちゃんに対して、怖がらせるほど強く叱った方がいいのか、危ないことをしたときには体罰を加える必要もあるのか、まだわからないのだから、抱きしめて気をそらしてやればいいのか、迷っていたのです。そんな相談をうかがいながら、わたしは☆ちゃんと☆ちゃんのお母さんと連れだって公園に遊びにいきました。そ...怖いもの知らずで聞き分けのない2歳児。強く叱った方がいい?
怖いもの知らずで聞き分けのない2歳児。 強く叱った方がいい?
怖いものしらずで、聞き分けのない2歳3カ月の☆ちゃん。そうした相談をママ友や祖父母にしたところ、「まだ2歳だから言うことを聞かないのは当たり前。いちいち怒る必要はない」というアドバイスと、「昔のように怖い人がいないから、大人の言うことを聞く気がない。もっと大きな声で厳しく叱った方がいい」という正反対のアドバイスを受けて、どう接したらいいのかわからなくなったそうです。叱られても知らんふりするか、笑い声をあげるかして、悪さを続ける☆ちゃんに対して、怖がらせるほど強く叱った方がいいのか、危ないことをしたときには体罰を加える必要もあるのか、まだわからないのだから、抱きしめて気をそらしてやればいいのか、迷っていたのです。そんな相談をうかがいながら、わたしは☆ちゃんと☆ちゃんのお母さんと連れだって公園に遊びにいきました。そ...怖いもの知らずで聞き分けのない2歳児。強く叱った方がいい?
今の時代を生きるということをめぐって (わが子とおしゃべり)3
息子「お母さんがさ、表面的には似通っているし、見栄えとしたらその方が立派なのに、こういう体験は子どもに与えたくないって言うものについて聞いていると、シンプルに言いなおすと、親から子へ、大人から子どもたちへとも言えるけど、商業的な色づけをされたものを、あまり与えたくないってことなんじゃない?マニュアル化されて、個人に向けたような格好を取りながら、集団に向けた画一的な価値観に色付けされた体験を与えたくないんだよね。ぼくも、お母さんと近い気持ちで、子どもに向けて、個人に対する手紙のように体験が与えられるのがいいと思っているよ。まるで社会に対して言いわけでもするように、子育てを完璧にする自分という像を作るために子どもを教育し、体験を与える親を見かけるし、そういう人は、言葉にしても、子どもに向けて言いながら実は子どもに向...今の時代を生きるということをめぐって(わが子とおしゃべり)3
今の時代を生きるということをめぐって (わが子とおしゃべり)2
数日前、「現代の子どもたちの体験が、事前に何を得て、何を感じるべきか定められているような体験が増えていること。習い事にしても、エンターテイメントの場にしても、1つのレールを走る列車に子どもを乗せてしまうような体験になっていて、その子は、その線路の方角にしか進めないし、そこで得られる価値は、どれだけの距離をどれだけの時間で移動できるかって価値に限定されてしまう」ということについて、夕食時に話題になりました。その時、私は、言葉にしたいことがあるものの、うまく言い表せなくて、何とか伝えようと、尻つぼみの意見を言いかけて、そのままになっていました。すると、昨日、食後にのんびりipodタッチをいじっていた息子が、画面から顔を上げて、次のようなことを言いました。「この間、お母さんが言ってた子どもを1本のレール上を進ませるよ...今の時代を生きるということをめぐって(わが子とおしゃべり)2
今の時代を生きるということをめぐって (わが子とおしゃべり)1
当時、高校生だった息子と交わした懐かしい会話です。(イラストは息子が学校の美術の授業で描いてきた絵です)ブログやツイッターが盛んな今、好きな芸術家や学者の素顔や普段の生活に触れることができる一方で、「あれれ?」「うーん……」と困惑してしまうような失言や行動を目にすることも多くなってきました。人間なんだし、完全完璧であるはずないし……と思いつつも、それをいっせいに攻撃する匿名の人々が、ネット内には、うようよいますし、誰かのファンとして心穏やかに、純粋なあこがれだけを抱いていくことは難しい時代のように感じます。そんなことを息子と話しているとき、普段は、「ぼくは作品重視だよ。ゴシップや失言と作品の価値とで、はっきり線引きしているんだ。作品や考え方のクオリティーしか見ない」と言っていた息子が、慎重に言葉を選びながらこん...今の時代を生きるということをめぐって(わが子とおしゃべり)1
工作が大好きな小1のAくん。これまでは、車や駅などを見える通りに仕上げたいという作り方だったのに、急に、着眼点が変わってきました。今回は、教室にある二進法のおもちゃを作りたがって、「レバーを右にやったり左にやったりすると、ビー玉がこっちの道にいったり、あっちの道に行ったりするようにしたい」と言っていました。Aくんが、こうしたからくり部分の働きに注目して作りたがるのはめずらしかったので、「こういう風に作る時の着眼点が変わるとき、考える力がとても伸びる子が多いんですよ」と、お母さんにお伝えすると、「そうなんです。家でも作るものが変わってきて、しかけのある工作を作りたがるようになってきたんですが、確かに、急に考える力が伸びてきた気がします。実際のお金を少し扱わせるようにすると、おつりの計算までパパッとするようになりま...作るものが変化すると、考える力も変化してくる
発達に凹凸のある子たちの学習意欲を引き出すためにしている工夫
発達に凹凸がある子たちの就学準備グループの子たちの算数タイムの様子です。集中して活動することが難しい子たちの学習意欲を引き出すためにしている工夫を紹介します。★最初に、「好きなものを選ぶ」行為から学習を始めると、意欲的に取り組みやすいです。上の写真では、最初にゴリラ、ハイエナ、ライオン、キリン、ワニなどの人形から、好きな動物を選ぶことから学習をスタートさせています。他の子らから見えないように手の中に隠すように言って、次のような質問をします。「その動物の頭につく文字、最初の文字はなあに?」「その動物は何文字?」「その動物の一番最後の文字はなあに?」「ラ」とか「4文字」といった答えをヒントに他の子らが動物の名前を当てます。こうした遊びは、耳で聞きながら数を確認する力をつけてくれます。頭につく文字から動物の名前を簡単...発達に凹凸のある子たちの学習意欲を引き出すためにしている工夫
宇宙関連の人気があった記事をいくつかアップします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー教室に来るなり、年長のAくんが大きな声をあげて笑っていました。見ると、巨大な工作物が教室の中に運びこまれています。Aくんの自信作、太陽系。太陽、火星、地球、土星などのひとつひとつがキラキラするきれいな色紙で包まれて、名札がつけられています。Aくんの希望で、惑星が回る軌道を作ることにしました。太陽の周りをまわる地球の軌道をかいた後で、地球の周りをまわる月の軌道をかきました。地球をまわす時は、土台全体をまわし、月をまわす時は、地球を中心にした小さな円盤をまわして動かします。Aくんは自分で作った惑星が愛おしくてたまらない様子で、ひとつひとつ手にとって眺めていました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...宇宙関連のまとめ記事
レンズーリは、子どもの潜在能力を伸ばすために「拡充の三つ組モデル」と呼ばれる組織化のモデルを用いています。<拡充の三つ組モデル>タイプ1一般的探索の活動全生徒が対象。一般的探索の活動からなり、普通カリキュラムではあまり取り上げられないような、新しくておもしろいトピックや考え方、学問分野に子どもが触れられるように計画されている。その活動は、さまざまな種類やレベルの継続学習への「招待」だと子どもが自覚している。多様な種類の継続学習のために、種々の機会や物的資料、奨励がある。タイプ2集団訓練の活動広範囲の「処理技能」を発達させるように計画されている。①認知的訓練(分析、組織化、批判的思考、創造性)②感情的訓練(内省的、対人的、人生の危機への対処)③学習の仕方の学習(聴く、認識する、ノートをとる、要約する、面談・調査す...拡充学習と教室の活動のまとめ
教室でひとりひとりの子とじっくり関わっていると、その子が「感覚」、「感情」、「直観」、「思考」、どれを主にしてものを考えていくのかよく見えてきます。とはいえ、見えやすいタイプ、見えにくいタイプというのはあって、子どもの姿の一部分だけ捉えて、「この子は○○タイプだろう」と決め付けてもあまり意味はないと感じています。「こういう面があるから、この子は○○タイプじゃないかな」という印象は持っても、「やっぱり、○○タイプなんだろうな」と実感するのは、何年もの期間、遊んだり、物を作ったり、考えたり、おしゃべりしたりする姿を見守り続けた後となります。「この子は、○○タイプじゃないかな」と思っても、関わる時間が増えるにつれて、「最初の印象とは別の○○タイプの子にちがいない」という確信を持つようになる子もいます。教室でスーパーボ...内向的直観タイプのわかりにくさについて
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