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  • お菓子な奴

    6月も今日でおしまい。ということは、2006年も半分終わり。今年の後半、これから迎える暑い夏を美味しいお菓子でも食べて乗り切ってもらうため、今回は、趣向を変えてお菓子の作り方を紹介する。甘いものを食べると、疲れもとれ、リフレッシュできるからね。興味がある方は是非チャレンジしてみて欲しい。まず、フライパンを用意。ボウルじゃダメ。溶かしバターから澄ましバターを作り、フライパンに多めに敷く。チョコレートを湯煎し、柔らかくなった状態のものをバターの上に流し広げる。チョコレートはできるだけ色の濃い、ブラック系が適す。今度は、インスタントコーヒーを用意。通常のインスタントコーヒーは粒が粗いので、少し粒が細かくなるように磨り潰す。ここでは、粉末になり過ぎないように注意。そして、このインスタントコーヒーを先程のチョコレー...お菓子な奴

  • 輪廻転死?

    遺品回収の依頼があった。故人は病院で亡くなったので腐乱死体現場ではなさそう。とにかく、直ちに、現場に直行。依頼者は中年女性。亡くなったのはその夫。どことなく暗くて元気のない女性だったが、「夫を亡くして間もないから仕方がない」と思った。月並みのお悔やみを述べて、見積開始。今では、死体がらみじゃない仕事はどちらかというと不得意になっている私だが、一応、遺品回収・遺品供養も仕事のひとつなので、とりあえずは現場観察をして見積書を作った。依頼者は遺品の供養に対して異常に神経質になっていた。話を聞いてみると、夫の死去を含めるとこの家では三年連続で人が亡くなっているとのこと。それで、来年は自分が死ぬ番ではないかと心配していたのだ。「このままこの家に住んでいると、来年は自分が死ぬことになるのではないか」「怖くてたまらない...輪廻転死?

  • 『生き残れ!』

    ある日の午後、特殊清掃の見積依頼が入った。依頼者は、死体現場なのか遺品回収なのか、またはゴミ処分なのか全く教えてくれず、「とにかく鍵は開いているから、勝手に入って見積りをしてくれ」という一方的な依頼だった。見積時に依頼者が来ないケースは珍しくなくなってきたので(好ましくはない)、今回も仕方なく現場へ向かった。おおまかに現場近くまで行ってからカーナビで現場住所を検索してみた。ナビは目的地を表示するもの、最大限に拡大してもそこへたどり着く道が表示されない。「???どうやって行けばいいんだ???」と思いながら、とりあえず、接近可能な場所まで車で行った。夕暮時で、外は薄暗くなっていた。辺りを見渡して、地図とナビが示した方面に家を探したが、目的の家らしき家は見当たらない。困ってしまい、近隣の家を訪問して訊いてみるこ...『生き残れ!』

  • 明日があるさ

    私達のほとんどは当たり前のように今日を迎え、明日が来るのも当たり前だと思って生きているのではないだろうか。死体業を長くやっていると、その辺の感覚は一般の人の比べると鋭くならざるを得ない。「自分に明日があることは何ら保証されたものではない」「できるだけ悔いを残さないよう。やれることはやっておきたい」と思いながら、結局は、自分に負けて堕落した生活を送ってしまう私である・・・(苦笑)。ある若い男性が死んだ。自宅二階のベッドの上で。自殺ではなく自然死。私が現場に出向いたのは、当日の夕方近くになっていた。特殊清掃の依頼といっても、ベッドマット(敷布団)の一部が糞尿で汚れていたくらいで、その汚れは私のような専門業者に依頼する程のものではなかった。依頼者は故人の母親で、息子の急死が信じらないというか、受け入れられていな...明日があるさ

  • 世間の風

    今回は、首吊死体について書く。少々グロテスクな内容であるし(今更何を言ってんだ?)、読者の家族や友人・知人にも首を吊って自殺した人がいる可能性が高いので、少々気が引ける。何しろ、日本人は自殺手段としては首吊を最も好む人種らしいので。もしも、気分を悪くされるような方がいたら、予めお詫びしておく。私が幼い頃、「首を吊って死んだ人間がどんな状態になるか」という風評を何度か聞いたことがある。まず顔は?というと、「眼球が飛び出て垂れ下がり、舌も長く垂れ出る」身体の方は、「放尿・脱糞のうえ尻の穴からは内臓がでてきて垂れ下がる」という内容で、子供の頃は「うわ~気持ち悪りー!」等と言いながら、そういう話に花を咲かせていたものである。子供って、そういうおっかなビックリ的な話が大好きなものであり、純粋な分、残酷でもある。そし...世間の風

  • 弱肉強食

    弱肉強食は何も野生動物の世界に限ったことではない。我々人間界にもある。一時、「勝組・負組」という言葉が流行った。それが意味する勝敗の基準は、ほとんど社会的地位と経済力だと思う。その基準では私は完全に負組だ。その自覚もある。卑屈になって諦めている訳ではなく、現実は現実として。でも、とにかく、自分には負けたくない。非常に漠然とした抽象的な言い方だが、勝敗は自分で決めるもの、自分で分かるもの。(無意識のうちに読者ウケを意識してしまうのか、最近、自分なりの精神論(時に「きれい事」とも言う)を吐くことが多くなってきたかも・・・イカン、イカン。)本題に移らねば。今回はハエ戦記。ハエの世界にも勝組と負組がある。何度も記しているように、腐乱現場にいる生き物と言えばウジとハエと、そして私。三者仲良くしてる訳にもいかず、争い...弱肉強食

  • 知らぬが仏

    特殊清掃と遺体処置のダブル依頼で現場へ。故人は中高年女性。何人かいた遺族にお悔やみを述べ、「よろしくお願いします」と言われて家の中に入った。泣いている人も何人かいたが、一人だけ態度に落ち着きがなく、私にピッタリくっついて離れない人(中年女性)が居る。故人と同居していた長女らしい。「妙な人だなぁ」と思いながら、とりあえず遺体の安置されてある部屋へ。遺体には不自然なくらい(顔が隠れるくらい)に布団が深く掛けてある。それを見て更に妙に思った。長女は、私に何かを言いたそうにしているのだが、他に人がいるから言えないといった様子で、歯がゆそうに私の動きを逐一監視していた。その様子を感じ取った私は、「遺体処置作業の都合」ということで長女だけ残して他の遺族には席を外してもらった。葬儀では長女が喪主を務めるということだった...知らぬが仏

  • 死体と向き合う

    読者の書き込みの中にある質問で多いのが、この仕事をやっている動機ややることになったきっかけは?というものと、収入の金額を尋ねる内容のものである。あとは・・・幽霊についての質問などもあった。先日も書いたが、ご質問についてはブログを通じてお応えするつもりである。もちろん、全ての質問には応えられないだろうし、答えたくないネタには触れないので、ご容赦願いたい。そして、賛否両論もあり、読者個々に色々な感想を持たれるだろうが、書いている内容はあくまで私個人の主観であり、偏見や先入観があっても自然なことだと思っていることも併せてご了承を(つまらないジョークもね)。ただ、できるだけ率直な気持ちで持論(自論)を吐こうとしているだけで、決して正論を書いているとか、人の上に立っているという勘違いをする程バカではないと自認してい...死体と向き合う

  • 脱帽

    老朽アパートの一室で、腐乱死体が発見された。私が駆けつけたときは既に遺体は警察が回収して、火葬を待っている段階だった。亡くなったのは中年男性。遺族といえば兄弟くらいしかいない人らしく、遺族の到着を待ってから部屋に入ることになっていた。その部屋は、外から見ても窓に無数のハエが貼り付いていて、中の様子がほぼ想像できた。しばらく待っていると、遺族(故人の兄弟達)がやって来た。東北の某県からわざわざ来たらしく、話す言葉は東北弁で、ゆっくり話してもらわないと何を言っているのか分からなかった。「だいぶ臭いはずですから、気をつけて下さい」(気をつけようもないのだが)と言いながらドアを開けて中へ。案の定、中はいつもの悪臭とハエだらけで、汚染部分にはウジが這い回っていた。驚いたのは、その後の遺族達のアクティブな動きだった。...脱帽

  • ハグ

    ある不動産会社から依頼が来た。過去のその不動産屋:担当者からの依頼で仕事をやったことがあり、お互い全く知らない間柄でもなかった。現場は少し古いマンション。近隣の住人が「異臭がする」と言ってきたらしい。不動産業も長年やっていれば、住民が「異臭がする」と言ってくれば腐乱死体かゴミ屋敷かどちらかしかないと判断する。あとは、せいぜい排水溝の問題くらいである。今回は、腐乱死体だと判断したらしく、「ドアを開錠するので立ち会ってほしい」という依頼だった。現場に行ってみると、やはり腐乱死体の異臭が漂っていた。異臭の原因は腐乱死体に間違いない!いつも通り手袋をして、ドアを開けるため鍵を預かった。手袋を着けている間、一応、ドア回りを見回したら、ドアの淵が妙に湿っていて、よく見ると隙間にかすかにウジの姿が見えた。「遺体は玄関ド...ハグ

  • 遺体痛い?

    世間には、色々な事情から解剖を受けざるを得ない遺体がある。それなりの必要性があってのこととは言え、解剖遺体には痛々しさを感じる。解剖を担当する医師も、生きている人の手術とは違うので、作業の丁寧度はあきらかに違うのだろう。少しでも見識を深めるため、私は、以前、某所で検死解剖を見学したことがある。川で水死した老人の遺体だった。事故か自殺か、はたまた他殺かを調べるために解剖へ回されてきたのだろう、警察の寝台車輌に乗せられてきた。私は、解剖作業をガラス越に見学するのだが、その作業は、とても見るに耐えなかった。遺体に対する尊厳の「そ」の字も、思いやりの「お」の字も一切感じなかったのである。その医師はまるで魚をさばくかのように、はたまた大工仕事をするかのように、遺体の解剖作業を乱雑!に進めていったのである(「魚屋さん...遺体痛い?

  • おしどり夫婦

    今回は、特殊清掃というより、遺体処置の話である。現場(自宅)に行くと、なんと遺体が二体ある。二人ともかなりの高齢で、入院先の病院でほとんど同時に亡くなったとのこと。かなり珍しいケースで、遺族も悲しんでいるというより、微笑ましく思っているような感じだった。そういう私自身も、何とも言えない温かい気持ちを覚えた。生前の二人がどんな夫婦だったか知る由もないが、喜怒哀楽・羽陽曲折・七転八起、楽しかったことも嬉しかったことも、苦しかったことも辛かったことも、みんな二人で受け止めて二人で歩いてきた人生だったに違いない。そして、最期も二人仲良く一緒に。そう思うと、「お疲れ様でした」という気持ちが自然にでてきた。印象に残る現場だった。もう一つ夫婦の話。中年夫婦が自殺した。年老いた母親と成人した娘達を残して。目立った外傷は見...おしどり夫婦

  • K1グランプリ

    世に中には色々な仕事・職業がある。ひと昔、「3K」という言葉が流行ったことがある。いわゆる、「キツイ!汚い!危険!」というヤツだ。そういう仕事は嫌悪されてきたし、今もそうであろう。では、私の仕事はどうか。ちょっと考えてみたら、3Kどころじゃなかった。「キツイ!汚い!危険!」+臭い!怖い!怪異!苛酷!気色悪い!気持ち悪い!気味悪い!下流!苦しい!過激!奇怪!腐る!暗い!嫌悪!等など・・・色々挙がってきた。一体、何Kあるんだろう。これで戦ったら、私も武蔵や魔沙斗に勝てるかも?その前に、彼等はこの汚染リングに上がる前に視覚と嗅覚をやられてノックダウン?どんなに強く腹を打たれても吐いたりしない彼等だろうけど、この汚染リングでは、リングサイドで早々と嘔吐。作業中、こんなくだらないことを考えながら結構明るくやっている...K1グランプリ

  • 寝込んだネコ

    若い男性から問い合わせの電話が入った。消毒消臭作業の依頼だった。話を聞いてみると、お気に入りの自家用車のエンジンルームにネコが入り込み、そのまま死んで腐っていたらしい。それが臭くて臭くて仕方がないとのこと。特に、エアコンを動かしたら、通風口から悪臭がモロにでてきて、それが原因で彼女とも険悪な状態になっているから何とかしてほしいとのこと。「ちょっと、やっかいな仕事になりそうだな」と思いながら、とにかく現場へ行ってみた。男性は車好きらしく、車は格好よくドレスアップされたスポーツカーだった。ボンネットを開けてみると、確かに骨と毛皮だけになったネコの死骸があった。屋外だったこともあり、私にとって本件の異臭は人間の腐乱臭に比べたら全く平気なレベル。仕事の難易度を考えると、引き受けるかどうか迷った。男性も、インターネ...寝込んだネコ

  • Thanks

    このブログを書き始めて一ヶ月が経った。書き始めた動機は同僚の提案である。私は、この特殊な仕事を人知れず黙々とやってきたし、これからもそうやっていくつもりでいた。その同僚は、せっかく(?)こんな珍しい仕事をやっている私が持つ経験や考えを世間にアウトプットしていくことで、何かメリットが得られると考えたのだろうか。現場業務で手一杯の私は余計な仕事が増えるので、正直言うと嫌だったのだが、あまりにアナログ人間過ぎて時代に取り残されているような危機感も持っていたので、とりあえず書き始めることにした。拙く幼稚な文章かもしれないし、思いをうまく表現できていないかもしれない。しかし、そんな私のブロクを見ず知らずの方々が読んでくれ、感想・意見・疑問などを書き込んでくれているのに驚いている。私は、ブログを書くばかりで、肝心の掲...Thanks

  • 臭いなぁ

    「腐乱死体の匂いって、例えて言うとどんな臭い?」と尋ねられることがある。返事に困る。何故なら、何にも例えられない臭いだからである。そもそも、臭いだけじゃなく、音・味・色など、五感で受けるものを代替的に表現し伝えるのは難しい。特に腐乱死体の臭いなんて、世間一般に似たような匂いがないからなお更である。とにかく、腐乱死体は臭い!としか言えない。腐乱死体の臭いに興味のある人は割と多く居そうだが、どんな臭いなのか具体的に伝えられなくて残念だ(申し訳ない)。ちなみに、ウ○コや腐敗ゴミどころのレベルじゃないんで。多分、代替物をもって腐乱死体の臭いを作ることも無理だと思う(やってみる意味もないが)。自分で試作して「こんな臭いでどうか?」とくれぐれも送って来ないように。ちなみに、遺体からの臭いには死臭というものもある。私は...臭いなぁ

  • 自死の選択

    ここ数年、日本人の自殺者数は高いままである。私のような職業ではない人でも知っている、目新しくもないニュースである。インターネットの自殺サイトも活発に動いているようである。今日も日本のあちこちで、約100人が自らの命を絶っている。ブログにも一案件だけ載せたが、当社にも自殺志願者が電話をしてくることがたまにある。もちろん、自殺現場の跡片付けをしたことも数知れず。自殺理由はさまざまだろうし、それぞれの人にそれぞれの事情があるのだろう。「自分の命は自分のものか?」などと言う哲学的・宗教的な話は別に置いておいて、毎日のように死体と関わっている私が自殺について思うことを簡単に書いてみたい。人間は死にたくなくてもいつかは死ななければならない。人生は二度ないし、人生という時間には必ず終わりがある。一旦生まれてからは、あと...自死の選択

  • 骨を折るなぁ

    特殊清掃をやっていると、小骨がでてくることがよくある。小骨と言えば魚を食べるときのことを思いだすが、ここでいう小骨は人骨である。手足の指の骨は小さくて目立ちにくく、忙しい警察も拾い損ねることが多いのだろう。それ以前に、警察官も「いちいち拾ってられるか!」と言う心境だろう。特殊清掃をやる中では人体の色んなモノがある。頭髪はほとんどの現場にある。余談になるが、一般的にも髪の毛って、結構気持ち悪い感じを与えるものではないだろうか。今回のモノは人骨である。作業中にでてくる骨は、一応、拾い分けて保管するようにしている。このブログを何度か読んでくれた方は既にお分かりだろうが、骨と言っても白くてきれいな骨ではない。腐乱液や腐敗肉片が着いたスゴク汚く臭い代物である。当然、拾った骨は遺族に返す。困るのは遺族が欲しがらないケ...骨を折るなぁ

  • 血の海と家族

    マンションの一室、和室で中年女性が手首を切って自殺した。同居の夫や子供達がいる家だった。依頼者は故人の夫。私が現場に着いた時はもう遺体はなく、血が4畳分くらいに広がっていた。よく「血の海」と言うが、まさにそんな感じ。部屋中に血生臭い匂いが充満していたし、視覚的にもかなりインパクトのある光景だった。特殊清掃をやっていても、血の海状態の現場は少ない。「人間の身体って、こんなに血が入ってんだぁ・・・」と妙に感心するくらいだった。とりあえず、作業料金の見積書を書いて御主人と話した。夫は予想外に平静で、子供達も普通に家の中を往来していた。とても妻・母が自殺したような動揺は家族には見えなかった。なんとも言えない妙な感じだった。それどころか、夫は作業費用の見積りに対して、細かい質問を連発して値切ってきた。私は、ビジネス...血の海と家族

  • 遺族の嘘

    遺品回収の依頼で見積りに出向いた。依頼者は中年女性。現場は公営団地。「独り暮らしをしていた父親が亡くなったので、遺品を処分したい」とのことだった。とりあえず、現場へ。亡くなった場所は病院とのこと。しかし、部屋に入ったら、かすかに死体の腐敗臭がする。「男の独り暮らしで不衛生な生活をしていたので、臭くてスイマセン・・・」と依頼者は言うが、ゴミの臭いと死体の臭いくらいは嗅ぎ分けられる。念のため言っておくが自慢してるわけじゃないんで。「亡くなってから、そう時間が経っていないうちに発見されたせいで臭いが薄いだけ、間違いなく故人はここで死んでいる。依頼者が言うように病院で亡くなった訳ではない。」と確信。見積金額を少しでも安くするためか、世間体が悪いからか、「病院で死去」とウソをついているようだった。私は自信たっぷりに...遺族の嘘

  • 格差社会

    きれいに晴れ渡った青空が広がる気持ちのいいある日の午前。現場は都内某所の高級住宅地。そこに建つ高級マンション。そのマンションに住人達は、どの人も裕福そうで、私の単なる先入観かもしれないが、どことなく品の良さを感じる人達ばかりだった。駐車場の車も高級車ばかり。それを当たり前のように乗っている。依頼された仕事とは言え、私ごときが出入りするのも申し訳ないような気分がする程であった。そのマンションの高層階の一室で独り暮らしの年配女性が腐乱状態で発見された。キッチンで倒れて、そのまま亡くなったらしい。依頼者は、故人の息子。「始めから、施行できる装備できてくれ」とのことだったので、電話で聞いた現場状況から判断して、それに合わせた作業仕様で出向いた。見積りのため部屋入ったら、いつもの悪臭はするものの、間取りは広々してい...格差社会

  • ゴミがごみごみ

    ゴミ屋敷の話である。少し前に10chのある番組の企画で「汚宅拝見」というのをやっていたが、まさにそれである。ゴミを「これでもか!」という程、溜め込んでいる人って結構いるものなのである。普段は特殊清掃・遺品回収がメインの仕事だが、時々、ゴミ屋敷の片付依頼も入ってくる。当社は、ただのゴミ処分業者ではないので、住人が亡くなっている上での遺品回収ということで依頼を受けるのだが、実際はゴミ屋敷の片付けである。私はこういう仕事はかなり苦手である。地道に単調にコツコツやらなければならないことが苦手なのである。それが体力仕事だったらなお更で。同じやるなら特殊清掃の方がよっぽどいい。ある程度分別してトラックに積み込んでいく。分別作業の手間のかかることといったら、そりゃ大変。そして、運び出しても運び出してもゴミは減らない。最...ゴミがごみごみ

  • 宝探し競争

    腐乱死体で発見される故人は、やはり独居が多い。前ブログにも載せたが、独居でない珍しいケースもあるが。「お金持ち」とまではいかなくても、一般的には誰しもそれなりの御宝を持っているものである。生命保険証券・株券・預金通帳・現金をはじめ、新型のAV機器やブランド品などである。普段は疎遠・不仲にしていた遺族達も、こうおう時はハイエナのように集まってきて、宝探しを始める。臭くて汚い現場でもお構いなし。ビニールの簡易カッパ・ビニール手袋・マスクを着用して、人よりも先に御宝を発見すべく、欲望を剥き出しに目の色を変えて探しまくるのである。そうなれば、身内と言えども競争相手・ライバルである。さながら、死体に群がるハイエナのようである。遺族がハイエナなら、私はウジかもしれない?が・・・(苦笑)その無神経さには、苛立ちを覚える...宝探し競争

  • 独居男の悲哀

    若年から中年の孤独死も案外多いものである(自殺ではなく)。そんな現場に共通して言えるのはエログッズの多さである。エロ本・AV類が山ほどでてくる。普通は、古いものや見飽きたものは捨てていきそうなものだが、捨てるのが惜しいのか、そういう人はどんどん買い溜めていくのだろう。男の本質と言ってしまえばそれまでだが、ほとんどの現場で、ちょっと異常な量がある。その共通点は不思議である。そんな現場で気の毒なのは遺族である。エログッズを溜め込んでいたのは故人で、遺族ではないのに、何故かどの遺族も「お恥ずかしい・・・スイマセン。」と謝ってくる。身内の恥は自分の恥だと思ってしまうのか。別に謝るようなことでもないし、私も、謝られても何と言っていいか分からないので苦笑いするのみ。フォローの言葉が見つからない。そもそもエログッズを溜...独居男の悲哀

  • 金がない

    特殊清掃は原則として前金制でやらせてもらっている。こういう現場に絡んだ人達は「訳あり」の人が多く、その昔は代金を回収できないままトンズラされたことが何度かあったからだ。こんな仕事をやらせておいてお金も払わずバックレルなんて、当時を思い出すと泣けてくる。「人を騙すより騙される方がいい」とよく耳にするが、そんなのきれい事だ。世の中には、騙してもいいような輩があちこちにいると思う(騙された私もそんな輩の一人だったのかも?)。そんな現在の私でも情がないわけではない。お金がないから後払い・分割払いを依頼してくる相手(依頼者)はよく観察してよく話す。長年、こんな仕事をやっているせいか、人間観察には少々の自信がある。その結果、現状で言うと断ることの方が多い。しかし、受けることもある。アパートで独り暮らしをしていた20代...金がない

  • リサイクルの陰に

    当社は、遺体関係で色々なサービスや物品販売を手掛けている会社である。私が担当する仕事のほとんどは特殊清掃だが、ただの遺品処理・遺品回収の仕事もたまにはある。そこでよく遭遇するのが、リサイクル可能な電気製品・家具類の買い取りである。当社も厳正に品定めをして、買い取れる物は買い取るが、私の買い取り基準はかなり辛い!一般のリサイクル業者なら安易に安値で買い取っていきそうなものでも、私は買わない。その理由は色々あるが、まずは遺族が考えている程の価値がないものが圧倒的に多いこと、そして次はそれが「遺品である」ということである。妙ないわくがついた品である可能性が否定できないのである。しかも、特殊清掃の現場で、遺族がリサイクル業者と電話で打ち合わせしている現場にも何度か遭遇したことがある。そんな時は「これを売るつもりか...リサイクルの陰に

  • アンビリーバボー!!!

    特殊清掃の最初の仕事は現場確認と費用見積である。そこで初めて依頼者と会い、現場を見ることになる。どんな現場でも、最初は使い捨てのビニール手袋(ディスポーサブルラテックスグローブ)を必ず着ける。私はドアノブさえも素手では触らない。そんな私を見て、自分はさんざん素手で触ってきた依頼者は不安そうな表情をする。そして、ドアを開けて、すぐには中に入らずに、玄関からしばらく中を観察。いきなり入ると、予測がつかない被害を被ることがあるからだ。例えば、血液やウジが上から落ちてきたり、腐敗脂で滑って転んだり・・・。中に入ると、まずは汚染個所の状況を確認する。それから間取りや家財道具の量・種類をみながら臭いをチェック(細かいことは企業秘密)。問題は、汚染個所のチェックの際に起こった。手袋を着けているため、汚染されたものでも平...アンビリーバボー!!!

  • コタツぽかぽか

    冬場の話である。年配の女性がコタツに入ったまま亡くなった。もちろん、コタツのスイッチはONのまましばらく放置されていた。遺体の上半身(コタツからでている部分)はパンパンに膨れあがり、顔も生前の面影は全くなし。体表には無数の水泡(火傷した時の水ぶくれに空気を入れたみたいなもの)。水泡の中は腐敗ガスと深緑色の腐敗体液が溜まっていた。下半身は?というと、コタツに入っていたせいで、上半身とは逆に干乾びて茶黒黒色のミイラ状態になっていた。冬は気温も低く空気も乾燥しているため、そのような状態になったと思われるが、勉強になった。腐敗液はコタツ敷を越えて、その下の畳にまで染み込んでいた。季節柄か、私の天敵であるウジ・ハエの姿はなかった。彼等は結構寒がりなのかもしれない。故人の首を見ると、何かが首回り一周に渡って食い込んで...コタツぽかぽか

  • 嫌な見積予約

    当社は、24時間365日、電話受付をしている。仕事の問い合わせ・依頼がほとんどで、あとはどうでもいい営業電話だったりする。そんな中で、たまに自殺志願者が電話をしてくることがある。ある日の夜遅い時間に、年齢不詳・女性からの電話が鳴った。「飛び降り自殺の現場の清掃はいくらくらいかかりますか?」話の内容から、てっきり特殊清掃の「見積依頼だな」と思った・・・が、違っていた。「現場によって作業内容や費用は異なるので、実際に現場を見させていただかないと金額はだせないんですよ。」と、いつもの応え。現場の場所や状況を質問したところから話が変わってきた。「実は、これから飛ぶところなんです。」とその女性。「えッ?」」と絶句する私。本音を言うと「嫌な電話にでてしまったなぁ」と後悔した。無責任に「自殺はやめた方がいい」と言うのは...嫌な見積予約

  • だいぶダイブ

    死体がらみのダイブと聞いて一番に思いつくのは、やはり飛び降り自殺だろう。飛び降りる高さや落下した場所によって、遺体の状態や現場の状況は千差万別。やはり、高ければ高いほど遺体の損傷は激しいし、落下現場の汚染度も激しい。人体の部位で最も重いのは頭らしく、ある程度の高さから落下すると、モロに頭から落ちるらしい。汚染度の激しい現場の清掃は、手間がかかって仕方がない。なにせ、血液や肉片はあちらこちら広範囲に飛び散って、それを掃除するのが大変だからである。激しい現場だと、地面に落ちた遺体の血液・肉片が三階まで飛び散って付着していたケースもある。しかも、血液や肉片は一度乾いてしまうとなかなかきれいにならない。一応企業秘密なので、使用する機材や薬剤は明記しないが、手間がかかることには間違いない。でも、一番災難なのは、普通...だいぶダイブ

  • アンアンアン♪とっても大好き~どざえーもん~♪

    特殊清掃現場の話ではないが、ある種似たような作業なので、紹介しておく。昨今、あちこちで水死体が上がることも珍しくない。バンバンに膨れ上がった遺体はヘビー級の重さになったうえ、どこをどう持てばいいのか弱りまくる。持つところ持つところ、肉が崩れていって、遺体を持ち上げようがないのだ。警察や葬祭業界には「納体袋」という便利?なものがある。厚手の特殊ビニール製で、調度人間がスッポリ収まるくらいの大きさに作られていて、ジッパーを閉めればほぼ完全に腐乱死体を閉じ込めることができる。大きめの寝袋みたいな感じだと思っていただければいいだろう。ただ、腐乱死体をこの袋に入れる作業がポイントなのだ。私の経験だと、水死体はだいたい深緑色の変色して腐っている。しかも、身体の細部に渡って腐敗ガスを含んで膨らんでいる。ちなみに、水死体...アンアンアン♪とっても大好き~どざえーもん~♪

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芳田一弥さん
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特殊清掃「戦う男たち」
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