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酔生夢死浪人日記 https://blog.goo.ne.jp/ck1956/

 映画、音楽、書物、スポーツ、政治に至るまで、日々思いついたことを記していきます。

ck1956
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2005/08/24

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  • 「ネット右翼になった父」に我が父を重ねてみた

    58年前の一家殺害事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審裁判で、静岡地裁は捜査機関による証拠捏造を指摘し、無罪を言い渡した。綿密に証拠物件を分析し、自白の任意性に疑問を呈した裁判長は、袴田さんの姉に「時間がかかって申し訳なく思っています」と謝罪した。袴田さんについては映画「獄友」を含め何度か言及してきたから、今回の判決に安堵した。自民党総裁に石破茂元幹事長が選出された。俺はアンチ自公だが、9人の中ではベストの選択に思える。自民支持者からこぼれてきた票を狙う立憲民主党には厳しい結果になった。野田執行部の面々には右派が目立ち、大政翼賛会を志向しているかに思える。現在日本の最大の課題、<格差と貧困の是正>は難しそうだ。タイトルにつられて「ネット右翼になった父」(鈴木大介著、講談社現代新書)を手にした。1973年生...「ネット右翼になった父」に我が父を重ねてみた

  • 「侍タイムスリッパ-」~至高のSF時代劇に笑い、泣いた

    決選投票に残った2人には新鮮味に欠けたが、野田佳彦元首相が立憲民主党新代表に選出された。かつて野田政権は安倍政権への露払いに徹していた印象が拭えず、枝野幸男氏は官房長官時代、「(放射能は)直ちに影響はない」と繰り返していた。俺が注目していたのは吉田晴美候補で、岸本区長や女性区議たちとともに〝改革の拠点〟杉並を支える一人だ。今後の活動に期待したい。映画界で6年ぶりの奇跡と騒がれている「侍タイムスリッパ-」(2024年、安田淳一監督)を見た。先月17日に池袋シネマロサで公開された本作は、ネットや口コミで面白さが伝わり、「カメラを止めるな!」(2018年)を想起させる勢いで上映館を拡大している。俺が見た新宿ピカデリー(シアター2、キャパ300)は6割方埋まっていた。タイトル通り侍がタイムスリップする。時代は幕末...「侍タイムスリッパ-」~至高のSF時代劇に笑い、泣いた

  • 「ハレルヤ」~生死の淡い境界を猫が教えてくれた

    王座戦第2局は先手の藤井聡太王座(七冠)が123手で永瀬拓矢九段を下し、防衛に王手を懸けた。75手目までは前例のある将棋で、凄まじいスピードで進行する。永瀬の△76手目9五歩で盤面は止まり、長考の応酬になった。その後は攻防とも藤井の妙手が炸裂し、解説陣を驚嘆させる。藤井の進化は大谷の<51-51>に匹敵する奇跡だ。今回は将棋好きとしても知られる保坂和志著「ハレルヤ」(新潮文庫)を紹介する。俺と保坂は生年月日が同じで、親近感を覚えた時期があった。「季節の記憶」には他者への寛容さと水平思考が読み取れ、「残響」に綴られた全共闘世代への不信に共感を覚えた。保坂ワールドの旅人になろうかと思ったが、3作目の「未明の闘争」で挫折する。時空を超えて構築された同作を全く理解出来なかった。〝保坂はハードルの高い作家〟というイ...「ハレルヤ」~生死の淡い境界を猫が教えてくれた

  • 「愛に乱暴」~冷んやりする余韻

    少子高齢化が進み、この20年で円の価値が大きく低下したことを考えれば、成長なんて言葉にリアリティーはない。俺が考える日本の問題点は、格差と貧困、ジェンダー(≒人権)、エネルギー(脱原発)で、<みんな仲良く、のんびりやっていこうよ>と生き方の転換を掲げる政治家がいてもいいと思うが、自民党総裁選に立候補した9人の中にはもちろんいない。有力候補のひとりは小泉進次郎氏だが、兄である孝太郎がイメージチェンジした映画「愛に乱暴」(2024年、森ガキ侑大監督)を新宿ピカデリーで見た。原作は吉田修一で、当ブログでは小説を7作、映画を2本紹介してきた。今稿で計10回目になる。吉田の作品は多岐にわたり、青春小説からサスペンスまで、純文学とエンターテインメントの境界を疾走する。描写は丁寧かつオーソドックスで、行間には濃密な気配...「愛に乱暴」~冷んやりする余韻

  • 「死亡通知書」~世界を震撼させた華文ミステリー

    10日ほど前、BS世界のドキュメンタリー枠で「嘘もヘイトも金になるネット自動広告取引の闇」(2024年、フランス・スペイン制作)が放送された。既に中身は抜け落ちているが、示唆に富む内容だった。フェイスブックやYouTubeを利用している方は多いと思うが、フェイスブックでは掲載された広告が偏り、YouTubeでは自分が頻繁にチェックしている動画に傾向が近いものが並んでいる。効率的な収益を図る広告アルゴリズムを利用しているのがトランプ支持派で、社会の<タコツボ化>により、人々の分断は進行する。米大統領選に向けてのテレビ討論会で、トランプは<移民は犬や猫を食べている>、<あなた(ハリス)はマルクス主義者>といった愚かしい発言を繰り返した。だが、トランプに一票を投じる人々は〝常識〟と捉えたに相違ない。アメリカだけ...「死亡通知書」~世界を震撼させた華文ミステリー

  • 「ポライト・ソサエティ」~超絶エンタメで暑気払い

    NFLが開幕した。スーパーボウル進出が期待されるチーフスとレイヴンズの対決はQBマホームズの安定したプレーが光り、チーフスが3連覇に向けて好スタートを切った。俺の中で<NFLファンの大半は保守的な共和党支持者>の図式が出来上がっているが、今季は大統領選との絡みで語られることが多い。テイラー・スウィフトの恋人はチーフスTEケルシーで、初戦も観戦に訪れていた。テイラーは民主党支持者で、いずれハリス支持を表明するだろうが、トランプ陣営は脅しをかけてくるだろう。メディアを巻き込む空騒ぎにインテリ層は辟易しているはずで、前稿で紹介したポール・オースターに限らず、アメリカの作家でNFLファンを探すのは難しい。オースターの小説では頻繁に野球について語られる。老人施設に暮らす母と面会するため日帰りで京都に向かうなど、睡眠...「ポライト・ソサエティ」~超絶エンタメで暑気払い

  • ポール・オースター著「幻影の書」~無と終焉が織り込まれたラスト

    王座戦第1局は後手の藤井聡太王座(七冠)が挑戦者の永瀬拓矢九段を破り、防衛に向けて好スタートを切った。プロ棋士も攻防に隙のない完勝に感嘆していた。両者はVS(一対一の練習将棋)で互いを高め合っており、終局後は和やかに感想戦を行っていた。〝将棋学徒〟はさらなる高みを見据えている。ポール・オースターの死を知ったのはゴールデンウイーク明けだった。遅ればせながら、希有のストーリーテラーの死を心から悼みたい。紀伊國屋書店で訃報を伝えるポップの下に代表作が並んでいて、「幻影の書」(2002年、柴田元幸訳/新潮文庫)を手にした。オースターは1980年代から活躍していたが、なぜか縁がなく、読んだのは「ブルックリン・フォリーズ」、「ムーン・パレス」、「幽霊たち」に次いで「幻影の書」が4作目である。併せてWOWOWで放映され...ポール・オースター著「幻影の書」~無と終焉が織り込まれたラスト

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