「縄文号とパクール号の航海」~時間の意味を問う4700㌔
もっともらしく自然や環境について論じることがあるが、自分に資格があるとは思っていない。幼い頃、京都の田舎町で過ごしたが、郊外のベッドタウンに引っ越した6歳の時、家の裏手に立ち並ぶ団地群を見て、〝これが自分の未来〟と衝撃を受けた。コンクリートジャングルへの憧憬がインプットされたのだ。一貫して怠け者だった俺だが、上京してからも時間に追いまくられ、効率に縛られてきた。今さら手遅れだが、感性や価値観を変えるきっかけになるようなドキュメンタリー映画「縄文号とパクール号の航海」(2015年、水本博之監督)を見た。〝自然と暮らす〟をモットーに全世界を旅してきた冒険家・関野吉晴の初監督作品「うんこと死体の復権」公開に合わせてのアンコール上映である。武蔵野美術大でゼミを開講していた関野は、<手作りの工具や材料を使って造った...「縄文号とパクール号の航海」~時間の意味を問う4700㌔
2024/08/31 20:31