鎌倉時代の地震と禅寺
鎌倉時代には様々な文献に、地震の様子などの詳細が載るようになるようだが、その一つを見てみたい。特に、禅僧のものは、現代の我々が、地震をどのように把握すべきかを考えさせてくれるように思うためである。地震に因む上堂。若し人、本源を見徹すれば、大地悉く皆な震動す。昨夜、建長の拄杖子、等正覚を成ず。直に六十八州の山川草木、美欣欣・鬧鬨鬨なることを得たり。八幡菩薩、若宮王子を引得して、頭を聚めて談論して云く「今従り以後、兵器戈矛、復た拈弄せざる。四海晏清にして、万邦入貢なり」と。然も是の如くなりと雖も、我が衲僧分上に在って、何の奇特か有らん。卓、拄杖す。永日寥寥、泰平を賀す。三条椽下、迎送を慵(ものう)くす。『大覚禅師語録(上)』「相州巨福山建長禅寺語録」大覚禅師というのは、道元禅師と時代的には重なる蘭渓道隆禅師(...鎌倉時代の地震と禅寺
2024/01/17 09:12