「乞食」の法について(拝啓 平田篤胤先生34)
前回の記事などを受けつつ、江戸時代末期の国学者・平田篤胤(1776~1843)の『出定笑語』を読んでいたら、インドの摩訶迦葉尊者が行っていた頭陀行の中でも、「乞食」について興味を示し、かなり詳しく書いていることが分かったので、それを見ておきたい。但しこれにも法が有て、まづ乞食するわけは一切の憍慢の心お止させようが為じやと云事で、其貰つて来たる物を四つにわけて一つは同行の僧正にあたへ、一つは貧窮人といふて物をもらつて来ぬ人にあたへ、一つはこれを諸の鬼神にそなへ、残り一つお自分の食料として、其くらふにも度々はくはんで其戒に、飲食は譬ば、人身の病に薬を服して其愈さしむれば貪著を得ざれといひ、又一日に一食、再食することを得ざれとも有でござる。『平田先生講説出定笑語(外三篇)』67頁まず、この一節だが、類似した文脈...「乞食」の法について(拝啓平田篤胤先生34)
2023/12/29 12:39