江戸時代の僧侶教育と『正法眼蔵』について
ちょっと興味深い一節を見出したので、参究してみたい。一行鉢は朔望二十八日、毎月三度なり、故へあれば侍者寮より触れ出し休むる也、袈裟を搭することは、暁天より夜坐に至る迄、一座もかく不可、行鉢は新到初心の僧に能く教訓ある可し、此の事諸山になしと云て、悪言を吐く雲衲は好与無数棒たるべし、これを永祖の親伝を未夢不見の漢と云て、近くは鉢盂の巻、袈裟功徳等の巻を拝看すべし、衣鉢の護持は九旬中方丈和上より教訓ある可し、『太平山諸寮日看』「侍者寮要看」、『曹洞宗全書』「清規」巻・750頁上段まずは以上の通りだが、現在の埼玉県内に所在する太平山龍淵寺山内で用いられていた『諸寮日看』の一部を採り上げてみた。これは、「行鉢」とあるので、いわゆる鉢盂(応量器)を用いた食事についての話をしているものと思われる。そして、当時は毎月3...江戸時代の僧侶教育と『正法眼蔵』について
2024/06/14 04:51