脳は人間を理解するための基礎を与える科学である。したがって、これは人の発育、教育、社会、老化など、人間と社会のすべてに関係する。
2024年8月
アルツハイマー病研究は約100年前に始まりました。当初は、臨床医学や古典的病理学による「現象論」でした。その後、病理生化学が神経病理の物質的実体を明らかにすることによって、因果関係検討の突破口が開かれました。アルツハイマー病が科学的研究の対象になった瞬間です。Aβのアミノ酸配列が明らかになったことによってアミロイド前駆体タンパク質の遺伝子がクローニングされ、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子が初めて同定されました。原因因子変異の表現型を調べることによって、病因論的研究は大いに進みました。しかし、未解決の問題が沢山あります。一部繰り返しりなりますが、以下、列挙します。(1)孤発性アルツハイマー病におけるAβ蓄積の原因はまだ明らかではありません。今のところネプリライシン活性低下が有力な候補です。問題は「どう証...未解決の重要課題
レイちゃん早く寝よ。レイ「ε=(ノ゚Д゚)ノレイちゃんまだ疲れてないよ」「今日も明日も明後日も頑張るんだレイ「わかった!おとー!ε=(ノ゚Д゚)ノ」まず、いらんでえーことしかしないレイちゃん。レイちゃん何を食べてるの?レイ「スルメ」咀嚼は脳にいい影響を与えるからな。しかし、レイときたら…。」あかり「おとー!孫悟空みたいに疲れてる」アルツハイマー病研究は約100年前に始まりました。当初は、臨床医学や古典的病理学による「現象論」でした。その後、病理生化学が神経病理の物質的実体を明らかにすることによって、因果関係検討の突破口が開かれました。アルツハイマー病が科学的研究の対象になった瞬間です。Aβのアミノ酸配列が明らかになったことによってアミロイド前駆体タンパク質の遺伝子がクローニングされ、家族性アルツハイマー病...未解決の重要課題
アルツハイマー病克服のための長期戦略‐ワクチン療法の威力と失望
前節までは、現在進行形で進んでいる研究戦略について述べました。これらに加えて、将来を見据えた次なる戦略が必要だと私は考えています。前述しましたが、アルツハイマー病モデルマウスをAβで免疫すると抗Aβ抗体が産生され、Aβ蓄積が抑制されることが報告されました。現在も臨床試験されているAβワクチンは、この結果に基づいたものです。しかし、最初の第二相臨床試験では、被験者の5パーセントが髄膜炎を発症し、患者さんが死亡したケースがあったため、治療は取り止めになりました。現在、より安全なワクチン療法の開発と治療が検討されています。このワクチン療法が与えたインパクトと失望は、アルツハイマー病研究に警鐘を強く鳴らしたのだと私は解釈しています。マウスモデルで成功したことをいきなりヒトに応用したことは性急でした。よりヒトに近い...アルツハイマー病克服のための長期戦略‐ワクチン療法の威力と失望
食品は、本来、食べ物(食品原料)からつくられているべきものです。ところが、食品原料だけでは、製造・加工がしにくかったり、保存性や色が悪いなど、業者にとっては都合よくない面が多々あります。そこで使われるようになったのが「食品添加物」です。食品添加物は「食品の製造の過程において又わは食品の加工若しくは保存の目的で、食品の添加、混和、しつ潤その他の方法によって使用する物」(食品衛生法第4条)と定義されています。つまり、食品と明確に区別されているのです。結局、「食品添加物は「食品」ではない」のです。食品添加物の基礎の基礎知識‐食品添加物は「食品」ではない
現在、国内外で多くの治療薬候補が臨床試験を受けています。総額で数千億円以上の費用が投じられているはずです。研究開発に用いた資金を出来るだけ早く回収したいのでしょう。臨床試験の結果は結論が出るまで公表されませんから、今後どのような展開になるかについては正確に予測することは不可能です。製薬企業にとっても死活問題であり、臨床試験の失敗が報告されて株価が10分の1に下がったケースもあります。あくまで私の個人的な予測ですが、劇的に効果のあるアルツハイマー病治療薬が見出だされることは当面ないように思います。病態が神経変性まで進んだ状態では、Aβ蓄積を抑制するだけで認知症が回復するとは考えにくいのではないでしょうか。軽度認知障害の段階で神経変性ははじまっているのです。Aβが蓄積しはじめて30年以上が経っていることを思い...臨床試験の現状
「アルツハイマー病の最大の謎」の項で述べたように、Aβが蓄積して認知症に至るメカニズムは残念ながら解明されていません。この問題が克服されない限りは、アルツハイマー病の完全な予防と治療は不可能でしょう。現在考えられている主な可能性を示します。「炎症反応」は、おもにマイクログリア(免疫系のマクロファージに相当)等が活性化してラジカル等を産生し、これによって神経細胞が傷害されると考えられています。一方マイクログリアは老人斑などの異常蓄積物を除去する作用があることも指摘されています。したがって、炎症反応が悪玉なのか善玉なのかはっきりしていません。今のところ、抗炎症剤の投与によって病態が際立って改善されることはないようです。酸化ストレスは、加齢に伴って過酸化脂質などが増加することや前述のマクログリアの活性化によって...対メカニズム療法
娘レイ「ブーッおとー!(`Д´)/(怒)」わかった。タイトル画像は「ER」https://youtu.be/PN5GYw5uU_s?si=VEvH19Tn7Y510utYレイ「レイちゃん(*´∀`*)シアワセ」私「かなり懐かしいドラマだな」あかり「なんだかんだ言ってレイちゃんに優しいおとー!」さて、現在アルツハイマー病治療のために世界で最も使用されている医薬品はドネペジルです、これは、エーザイの杉本八郎博士(京都大学)が開発に成功した、世界に誇る日本の成果です。製薬品をアリセプトといい、年商約1000億円といわれます。ドネペジルはどんな経緯で開発されたのでしょうか?1980年代にアルツハイマー病脳内において低下している神経伝達物質が検索されました。その結果、アセチルコリンが低下していることが分かりました。...Aβ以外の治療標的‐対処療法
現在、アルツハイマー病の根本的治療の対象として、脳内のAβレベルを下げるアプローチが精力的に進められています。これまでの主流のアプローチは、セレクターゼの阻害剤とAβワクチンです。動物実験においてある程度の効果が認められたので、現在臨床試験の最中です。Aβ分解酵素ネプリライシンを活性化する方法も探られています。Aβワクチンは、Aβに対する抗体を用いて脳内のAβを除去するものです。能動免疫と受動免疫の二つに分けられます。能動免疫は、抗体(Aβペプチドあるいは誘導体)を投与して患者の免疫系に抗体を産生させる方法です。当然ながら、免疫応答は個人差があります。受動免疫は、あらかじめAβに対して作製した抗体を投与します。モノクローナル抗体という均質な抗体を用いるので、個人差やロット差はありません。ただ、抗体医薬品は...Aβレベルを下げるアプローチ
前述したとおり、孤発性アルツハイマー病の発症リスク、80歳を過ぎてから、急激に上昇します。欧米のベータでは、80歳で四人に一人が罹患しています。100歳では実質的に10人中9人が影響を受けているという報告もあります。この数字は、アルツハイマー病が特殊な疾患でなく、かなり一般的な意味での脳老化の行き着く先であることを示唆します。老人斑や神経線維変化などの代表的神経病理を有しながらも認知能力が健常な方はいますが、認知症の潜伏期間にある可能性が高いと考えてよいと思います。また、1990年代以降に正常な老化と認知症の中間的な状態として、軽度認知障害(MCI:MildCognitiveImpairment〉)という概念が確立されました。厳密には、主に記憶力に異常があるかないかに分類されますが、ここでは前者を軽度認知...Aβと脳老化-軽度認知症の意味するもの
「カップラーメンを食べつづけて大丈?」「コンビニのおにぎりや弁当は安全なのだろうか」-こんな不安を感じている人は非常に多いと思います。食品添加物が沢山使われていて、その安全性が疑問視されているからです。コンビニやスーパー、また、そのほかの店でも、溢れんばかりに加工食品が置かれていますが、ほとんどに多種多様の食品添加物が使われています。しかし、それらは人間で安全性が確認されたものではないのです。お米や野菜、果物、砂糖、塩などは、これまで人間が長い間食べつづけることによって、その安全性が確認されたものです。しかし、食品添加物はそうではありません。動物実験が行われ、その結果から、人間にも「害はないだろう?」という推定のもとに使われています。でも、動物実験では、添加物が人間に害をおよぼす微妙な影響はわかりません。...人間で安全性は調べられていない
ネプリライシンを用いた遺伝子のは、アルツハイマー病の患者さんに対して成功する可能性は十分にあります。ただ、脳外科的処置を要するため、実際の患者さんを治療する神経内科医や精神科医には敷居が高いのが現状です。そこで、薬理学的方法の探索が進められています。その結果、神経ペプチドであるソマトスタチンが、培養神経細胞のネプリライシン活性を上昇させることを見いだしました。さらに、ソマトスタチン破壊マウスを用いて検討したところ、海馬においてソマトスタチンはネプリライシン活性を制御することによってAβ(特に病原性Aβ42)の量を調整することを見いだしました。ソマトスタチンは、ソマトスタチン受容体を介して作用します。受容体の結合部位は特異的な鍵穴のような構造をしているため、格好の創薬の標的です。また、ソマトスタチン受容体に...ネプリライシンを活性化する
https://youtu.be/stqHH5sx3Nk?si=dE7hIgD6hnz47LK3娘レイ「御影ブルーキタァー!」あかり「神戸はジャズやフュージョンの街」Freshactivityistheonlymeansofovercomingadversity.~JohannWolfgangvonGoethe~Re.再開
2024年8月
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