chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 7節 論争

    「論争」というか、スメルジャコフのキリスト教不信論です。異教徒の捕虜になって脅迫を受けながら改宗を迫られた兵士がそれを拒否して殺されたという事件を、感動を持って話したグリゴーリイに、スメルジャコフが、そういう場合、改宗してもキリスト教的には罪は受けな

  • 6節 スメルジャコフ

    アリョーシャがフョードルの家に着くと、広間でフョードルとイワンが食卓にいて、グリゴーリイとスメルジャコフが控えていました。そこで、先に出生の秘密が語られた(2節)スメルジャコフの、その後の生い立ちが語られます。 その不幸な出生の影響があってか、いろい

  • 5節 熱烈な心の告白―《まっさかさま》

    冒頭の「この事件」というのが何を指すのかよく分かりませんが、結果的には、ドミートリイとカテリーナの恋の顛末ということになりそうです。そういう言い方で、作者が読者にこれから何かの「事件」が起こることを予告しているということでしょうか。さて、父の死後モスク

  • 4節 熱烈な心の告白―異常な事件に寄せて

    ドミートリイの「告白」が続き、ここはカテリーナとの出会いの経緯が語られます。冒頭の「向こうで」がどこを指すのか分かりにくいのですが、コーカサスで軍務に就いていたとあり(第一編2節)、後に国境守備隊の一員だったとありますから、その頃のことなのでしょう。

  • 3節 熱烈な心の告白―詩によせて

    フョードルの家の説明からカラマーゾフ家の召使いの紹介になりましたが、そこから一転して、修道院での「恥さらしな騒ぎ」の後に取り残された格好のアリョーシャが語り始められます。彼は、父に帰ってこいと言われたことと、カテリーナから手紙で会いたいと言われたこと(

  • 2節 リザヴェータ・スメルジャーシチャヤ

    もう一人の召使い、スメルジャコフの出生の秘密が語られます。リザヴェータ・スメルジャーシチャヤ(訳注・悪臭のひどい女という意味)は、母親は「ずっと以前に他界して」いて、「父親は身代をつぶした宿なしで病人のイリヤという町人」で、リザヴェータを虐待し続けてい

  • 1節 召使い部屋で

     フョードルの家が紹介されます。まずはその建物が克明に描かれます。母屋と離れがあって、「今の五倍(の人数・つまり二十人以上)は楽に収容できる」ような大きな家で、「ふるめかしかったものの、感じのよい外観」で、中二階つきの、灰色のペンキを塗った平屋で」云々

  • 8節 恥さらしな騒ぎ

    院長の部屋では、以下のような事が怒っていたのでした。 ミウーソフは院長室に向かうとき、長老の部屋での自分の興奮を恥ずかしく思って、院長室では「やさしく、愛想よく、いんぎんに」振る舞おうと考え、「修道院相手の訴訟も全部打ち切ろう」とまで決心して、イワン

  • 7節 出世主義者の神学生

    ゾシマを助けて寝室へ連れて行ったアリョーシャは、ゾシマから院長の食事会の席に行くように言います。「お前はむこうで必要な人間だ。向こうには和がないからの。…将来もお前のいるべきところはここではないのだよ。…私が神に召されたら、すぐに修道院をでるのだ」。

  • 6節 こんな男がなぜ生きているんだ!

    ミウーソフが別の角度からイワンを貶めようと、イワンが「この町の主として上流婦人を中心とする集まりで」、話したという話を持ち出しました。イワンは、この地上には人間にその同類への愛を強いるものはない、愛があるとすれば、それは自然の法則によるのではなく、人

  • 5節 アーメンアーメン

    ゾシマが部屋に帰ると、残っていたイワンと二人の修道僧の間で、イワンが発表した論文を巡る、国家と教会の関係についての議論が始まっていました。自由主義者でインテリを自認しているミウーソフが、若僧のイワンに張り合おうと、そこに割って入ります。 議論の前半は

  • 4節 信仰の薄い貴婦人

    ゾシマが前節の初めの二組にやっと声をかけました。前節は、この人たちよりも身分が低く恵まれないように見えた人に先に声をかけたということでしょうか。そこにもゾシマの人柄が、あるいは信念が見られます。 ホフラコワ夫人は娘(リーズ・「リザヴェータの愛称をフラ

  • 3節 信者の農婦たち

    ゾシマ長老が「先に見えた人が、わたしを待っておいでですので」と部屋を出て、渡り廊下の前に集まっていた「農婦二十人ほど」と対面しますが、そのうちの七組が紹介され、長老のそれぞれへの対応が語られます。 車椅子の娘を連れた三十三歳の未亡人・ホフラコワ夫人、

  • 2節 年とった道化

    当てられた部屋にミウーソフとカルガーノフ、フョードルとイワンが入ると、そこには二人の司祭修道士(一人は「たいそうな学舎ともっぱらの評判」のパイーシイ神父)と一人の若者が長老を待っていました。作者はその中ではこの若者について一番多くを語ります。彼は市民の

  • 1節 修道院に到着

    さて物語が始まって、生身の登場人物が舞台に現れてきます。最初はミウーソフですが、彼が来たのは自分の訴訟のための下見であり、会いたいのは長老ではなく修道院長で(第一編5節)、ここでも「わたしが来たのは、ここの慣習を残らず見てゆくためです」と自分で言うので

  • 5節 長老

    さらにアリョーシャについて長々と語られます。彼は健康で、端正な顔立ちの落ちついた青年で、現実主義者だった、…。「いくらか面長とはいえ端正な」とか、「間隔の広くあいてついている目」が、え?という気がしますが、外見は、まあ普通の、感じのいい青年、ということで

  • 4節 三男アリョーシャ

      まず三人の年齢が、ドミートリイ二十八歳、イワンが二十四歳、このアレクセイ(この節からほとんど愛称のアリョーシャで語られますので、以下、それに従います)が二十歳前後と示されます。どうして三男だけが「前後」とぼかされるのか、ちょっと気になりますが、先へ行

  • 3節 二度目の結婚と二人の子供

    話は少し後返りして、四歳のドミートリイが亡くなった母の従兄の従姉に引き取られていった頃、フョードルは再婚しました。相手は孤児で、養育者から首をつりたくなるほどの「迫害」を受けていた、「清純な」、「すばらしい美貌」で「清楚な容姿」の十六歳の娘・ソフィヤで

  • 2節 遠ざけられた長男

    フョードルは、「涙や哀訴でみなにつきまとい、わが家を背徳の園と化して」、残されたドミートリイの養育をすっかり忘れてしまいました。それを「忠僕」のグリゴーリイが「召使い小屋」で手元に置いて育てたのでしたが、それをパリにいたアデライーダの従兄のミウーソフが

  • 1節 フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフ

     まずは主人公アレクセイの父親の話から始まります。父親のフョードルは十三年前に悲劇的な死を遂げました。「作者の言葉」にあった、「この第一の小説」は「十三年前の出来事」を書いたものとありましたから、その死の経緯がこの物語ということになります。物語の語り手

  • 作者の言葉

    ではぼちぼちと「作者の言葉」から読み進めてみます。 作者の言葉 まず「わが主人公」がアレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフであり、そしてこの物語はその彼の「伝記」であることが示されます。彼が三人兄弟の末っ子であることは、私は予習して知っていま

  • ご案内

    『カラマーゾフの兄弟』~その粗筋とつぶやき  紆余曲折の検討の末に、今度はこれを読んでみることにしました。 以前、一度、ノートを取りながら読んだのですが、ストーリーからしてさっぱり読みとれず、自分などはこの作品に近づいてはいけないのだという気がして

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、いかるのうたさんをフォローしませんか?

ハンドル名
いかるのうたさん
ブログタイトル
『カラマーゾフの兄弟』~その粗筋とつぶやき~
フォロー
『カラマーゾフの兄弟』~その粗筋とつぶやき~

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用