chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
D
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2023/10/11

arrow_drop_down
  • ハニーバタフライ ときメモGS4

    鐘の音を聞きながら教会を二人で出たのは一年前。今日は彼女がとうとうこの部屋に越してくる。二人で暮らすことになった。ミノルはベットに緊張してぴんと伸びた背筋で座った。実際、遊びに誘うくらいのレベルで彼女を同棲に誘っていたから彼女にはさらっと返事をしてかわされていたが、1ヵ月前に真面目な顔をして彼女は『そうしようかな。』と言った。返事が信じられなくて何度か聞きなおしてしまったが、彼女は普通のデートの誘...

  • ぼくのちょうちょ ときメモGS4

    十年と三年と。一瞬で過去と未来を繋げてくれた彼女は、いつも蝶のようにふわふわ飛んでいる。さてどうやって捕まえようか・・・そんな気分になるのはどうしてだろう。卒業から一年。二人で暮らし始めた家に学校、バイトと終わった彼女が帰ってくる。玲太はキッチンで食事を作っていた手を止めてドアが開くのを見る。『お帰り。』『ただいまー。』彼女はにこっと笑うと鞄を開いて何かを取り出した。『お土産。あとで一緒に食べよう?...

  • 帰りたい場所

    磨かれた革靴に視線を落としてアスファルトを歩く。岡田ハガネはポケットに手を突っ込むと手に当たったジッポライターを取り出した。カチッと蓋を開けると火をつける。少し蒼い炎を眺めて蓋を閉めるとまたポケットに突っ込んだ。古い町並みに商店街の看板が見える。橋のようにかけられた看板をくぐって道なりに行くと商店街の終わりに一軒だけ開いている煙草屋がある。煙草屋は津場砂と書いてツバサと読む。津場砂竹千代という老婆...

  • 兎守

    海の向こうに見える鳥居、少し赤茶けた門が陽を背に立っている。あの場所に何があるのか祖母に聞いたことがある。祖母は怪訝な顔をしてこちらを見た。『何故知りたい?』祖母の声は静かに低くいつもの優しい声ではなかった。『なんとなく・・・。』そのような答えを飲み込んで黙り込むと祖母の目を見る。彼女は小さく溜息をつくと、遠くにある鳥居を見た。『あれは・・・トカミ様だ。』『トカミ様?』『ああ、トカミ様は兎に守と書く。兎...

  • 惑星にて

    S・ギル・レッドフォード。その名前を知るのはもういない。銀髪に美しい紫の瞳を持つ赤ん坊は教会で産まれた。シスターの一人が誰ともわからぬ子供を身ごもって、神父はそれを当たり前のように受け入れたのだ。シスターたちもそれが当たり前のように。赤ん坊は数ヶ月もしないうちに大きくなり、二年経つ頃には普通の人間で言う十代くらいになっていた。遺伝子を弄くられた結果だと神父は言っていたが、少年はその意味すら分からなか...

  • 雨の日は一緒にお茶を 3

    空に星が瞬く頃、シヴァは車を走らせ家の前に滑り込む。灯りがついているからまだ起きているのかもしれないが、時計は十二時を回っている。随分と遅くなってしまった。鍵を開けて家に入ると家の中は掃除されて綺麗になっている。今日は随分とがんばったようだ。居間では暖炉の傍でカイルが眠っている。シヴァはそれを横目に自室に戻ると服を着替えて台所でお茶を入れる。二つカップを持つと彼女の傍に座った。『待ちつかれたか…。...

  • 雨の日は一緒にお茶を 2

    雨の日の午後。街の喫茶店でシヴァはティルと話していた。ティルは熱いコーヒーを飲み頬杖をついて外を眺めている。『それで…私になんの用があるんだ?』不愉快そうにティルの眉毛がピクリと上がる。『すまないな。カイルがいないから不機嫌なのはわかるがカイルのことだ。』『なら聞こう。』シヴァが用件を話すとティルは口元を綻ばせた。『ほう、それはいいな。で、私が必要というわけだな?』『そうだ。』『わかった。あの子の...

  • dear lover

    眠れない夜に電話をくれてありがとう。そっけない態度であなたの言葉を遮ってしまったけどとても嬉しかったの。携帯電話のショートメッセージならこんなに簡単に優しい言葉が書けるのに、わたしの唇は嘘つきね。次のデートの約束、どこに何時なんて言うからからかうつもりで言ってしまったの、そんなに早く会いたいのって。あなたは会いたいよって言ったから私は心臓が止まってしまうかと思った。耳にあなたの優しい声が残ってる。...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、Dさんをフォローしませんか?

ハンドル名
Dさん
ブログタイトル
sambasambasamba
フォロー
sambasambasamba

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用