今回は固定体とガロア拡大の関係について解説していきます。 固定体の定義 まずは固定体の定義を確認しましょう (固定体の定義) $L$を体とする。$G$を$Aut(L)$の部分群とする。 このとき、$G$の元によって不変に保たれる$L$の元全
高校生・大学生・社会人向けに数学の楽しみ方を解説します。 数学ってなんの役に立っているの? 数学の研究って何が面白いの? 数学の問題ってどうやって解くの? これらの疑問に答えます!
$(x+y)^2=x^2+2xy+y^2$ 言わずと知れた二乗の展開公式です。 中学3年生で出会い、入試でめっちゃ使ったことでしょう。 そすて、高校2年生になると、数学Ⅱで三乗の展開公式 $(x+y)^3=x^3+3x^2y+3xy^2+y
高校数学の数学Aで突然現れるなぞの数式 0!=1 は? 0じゃないの? なんで1になるの? その疑問、ごもっとも。 僕もそう思ったうちの一人だからです。 0!=1 なぜこう定義するのか。 その意味を解説します。 規則性に基づく説明 1,2,
今回はオイラー関数の値を求める公式を証明します。 前回証明したオイラー関数の乗法性が大活躍するので、必見です。 公式を得るための準備 オイラー関数とは、1からnまでの数のうち、nと互いに素なものの個数を数えるものです。 $\phi(5)$を
合同式の世界の逆元の個数を調べたいというきっかけから導入された オイラー関数。 今回は、オイラー関数にまつわる重要な性質である乗法性の証明をします。 めっちゃ丁寧に解説をした結果、証明がクソ長くなったので、 証明の思考過程や発想法も含めてし
大学で習う初頭整数論の便利屋さん、 オイラーの$\phi$関数 今回は、そんな便利屋さんについて学んでいきましょう! 合同式の方程式について 合同式シリーズの前の記事では、合同式の方程式が解けるための条件を考えました。 $ax \equiv
全単射とは椅子取りゲームのことである。 椅子取りゲームしようぜ! 椅子があります。音楽が鳴っていて、人々が椅子を狙っています。 座ります。 怒られます。 なぜ怒られたのでしょう? 理由はシンプルです 一つの椅子に2人座っているから。 そこで
中国剰余定理は 連立一次合同式のおさらい 前回の記事では、連立一次合同式を用いてライバルのテストの点を暴きました。 その概略は、次です。 まず、ライバルのテストの点を3,5,7で割った余りを聞き出します。 例えば、余りがそれぞれ1,2,6だ
数学のテスト。 ライバルの点が知りたい! でも恥ずかしくて聞けない。 そんなことはありませんか? 連立一次合同式の解法 学生時代、ライバルとテストの点を競い合った経験がある人も多いことでしょう。 しかし、面と向かって相手にテストの点を聞くの
前回、時計の文字盤と同じ考え方で、合同式の世界を理解した。 次に、合同式の世界における四則演算について確認した。 じゃ、次は? 次に何をしらべよう? →方程式を調べてみないか?? $2x\equiv 1 (\mod 5)$解ける $2x \
合同式のエッセンスは全て時計の文字盤にあるのだ 合同式とは? 大学入試の整数問題でもたまに活躍する考え方。 合同式。 今回は合同式について学んでいきます。 合同式を一言で表現するなら、 割り算した時のあまりに着目した式 のことです。 余りが
$x^n-1$の分解 整数係数多項式 あと$\mathbb{Q}$上の規約性 これらが円分多項式の著しい性質。 今回は、$x^n-1$の分解と、整数係数多項式であることを実験的に学び、 証明でフィナーレを飾りましょう! 定義のおさらいから
$x^2-1=(x-1)(x+1)$ 中学3年生で因数分解を習って以来、入試問題で頻出の公式 和と差の積の因数分解。 数学Ⅱでは、これとよく似た公式 $x^3-1=(x-1)(x^2+x+1)$ を習います。 ここまできたら、 $x^4-1
ド・モアブルの定理がいかに美しい定理なのか。 その端的な一例を紹介しようと思います。 ド・モアブルの定理とは? すべての整数$n$について、 $(\cos \theta +i\sin \theta)^n=\cos n\theta +i\si
高校数学で最も美しい定理(マスタノ調べ)である ド・モアブルの定理を今回は証明します。 どうやって証明するのか、なぜその発想に至るのか。 思考過程も含めて丁寧に分かりやすく解説していきます! ド・モアブルの定理を発見するまで 定理を発見する
複素数の極形式とは、スイカ割りのことである。 複素数平面スイカ割り まずはスイカ割りだ! 下の図のように原点に目隠しをした人がいるとします。 この人をスイカがある位置まで案内できるように指示を出さないといけません。 どうやってこの人をスイカ
暗記不要。 加法定理を材料に、倍角・3倍角・半角の公式を導出します。 倍角の公式 $\sin 2\theta =2\sin \theta \cos \theta$ (証明) 三角関数の加法定理 $\sin (\alpha +\beta)=\
加法定理の証明には様々な別解があります。 今回の主役は余弦定理 証明の発想 三角関数の加法定理。 $\sin (\alpha +\beta)=\sin \alpha \cos \beta +\cos \alpha \sin \beta$ $
加法定理の証明は、東大の2次試験でも出題されたことがあるくらい重要な内容です。 今回は、そんな加法定理の証明を紹介します。 この記事のほかにも、今後色々な別解を紹介していこうと思うので、 気に入ったやり方で証明をマスターしてください。 加法
なんか紛らわしい公式を念仏のように覚えさせられるページ それが三角関数の性質 覚えてはいけない 意味をよく考えれば、自然と出てくるから 公式一覧 今からヤバい式が沢山出てきます。 実に18個もありますので、 心の準備をしてくださいね。 ちな
三角関数で躓くポイントランキングNo.1(マスタノ調べ)に君臨する概念、 弧度法。 今回は弧度法について解説していきます。 度数法と弧度法 高校では、角度を測る手段を2つ習います。 1つ目が度数法。 小学校以来慣れ親しんできた、分度器で角度
三角関数が待っている。 さぁ行こう! ウルトラマンポーズの向こう側へ!! 三角比のおさらいと、三角関数の定義 まずは三角比のおさらいから。 サインやコサインは、ウルトラマンポーズで定義されます。 斜辺の長さが1の直角三角形について、 縦の長
中学で習う三平方の定理。 あれは直角三角形についての定理でした。 これを一般の三角形の場合に拡張できないかな? というのが今回のお話。 三平方の定理と余弦定理 中学3年生で我々は三平方の定理という偉大な定理と出会います。 これは直角三角形に
今回は、数学Ⅰで習う正弦定理を円周角の定理を用いて証明します。 また、なぜ円周角の定理を使うのか、どうやってその発想にたどり着くか、 といった思考回路も合わせて解説します。 正弦定理とは? 「$⊿ABC$について、$AB=c, BC=a,
サイン、コサイン、タンジェント。 三角比とはウルトラマンポーズのことである 三角比の定義 $\sin \theta =\dfrac{b}{c}, \cos \theta =\dfrac{a}{c}, \tan \theta =\dfrac{
今回は4次方程式の解の公式を考えていきます。 ちなみに、 公式は長すぎてブログの余白に書ききることができませんでしたので(フェルマー並感)、 導出のための考え方を紹介します。 推奨レベルは、数学Ⅱの多項式の割り算らへんの基礎知識です。 では
2次方程式は普通は平方完成を使って解きます。 しかし、別にそれ以外の方法・発想でも解けます。 何に着目するか、問題をどう眺めるか。 ちょっとした違いで千差万別な別解が存在しうるのが数学の楽しいところです。 そして、数学史を切り開いてきたのは
数学Ⅱの代数分野の花形といったら何を思い浮かべるでしょう? 虚数単位$i$? 多項式の割り算? 色々ありますが、僕は対称式です。 大学数学まで話を広げるとするならば、 対称式はガロア理論で中心的な役割を担う「群」という概念の導入として非常に
日常にありふれた紙として、コピー用紙があります。 A4やA3あたりがよく使うサイズではないでしょうか? B4やB5派の人も多いと思います。 今回は、コピー用紙に隠された数学の秘密を解き明かしていこうと思います。 コピー用紙がいかにすごい紙な
ピタゴラス数の公式の導出は、いろいろある! 前回までのおさらい ピタゴラス数とは、$a^2+b^2=c^2$が成り立つ3つの自然数です。 それに互いに素、という条件をつけたものを原始ピタゴラス数といいます。 原始ピタゴラス数を無限にゲットで
ピタゴラス数を求める公式の完全バージョンをゲットしましょう!! 原始ピタゴラス数、再考 ピタゴラス数とは、$a^2+b^2=c^2$が成立する自然数$(a, b, c)$のことです。 そして、原始ピタゴラス数とは、3つの数$a, b, c$
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今回は固定体とガロア拡大の関係について解説していきます。 固定体の定義 まずは固定体の定義を確認しましょう (固定体の定義) $L$を体とする。$G$を$Aut(L)$の部分群とする。 このとき、$G$の元によって不変に保たれる$L$の元全
今回はアルティン流ガロア理論で重要な定理を解説します。 端的に言うと、体の拡大次数と自己同型の個数を結びつける定理です。 式だけ見てもいまいちすごみが分からないと思うので、 今回も具体例とともに解説をしていきたいと思います。 証明の発想部分
ガロア理論の縁の下の力持ちと言っていいデデキントの補題を解説します。 ガロア理論は5次以上の方程式が解けるための必要十分条件を記述するために開発されました。 ガロアが理論を打ち立てた当初は難解すぎて理解されませんでしたが、デデキントが彼の理
ガロア理論では、方程式が代数的に解けるための必要十分条件を導くことができます。 そのための道具として必要不可欠なのがガロア拡大と、ガロア群です。 本記事では、この2つの概念について、なぜそんな定義になっているのかといった 発想まで含めて具体
ガロア理論に古典的にアプローチしていくと、 体の拡大次数と剰余群の位数について神秘的な対応関係を発見することになります。 体と群。 この2つの概念を結びつける道具が、体の同型写像(自己同型写像)です。 今回の記事では、体の同型写像が解の置換
体の同型写像は、有理数を不変に保ちます。 今回は、そのことを証明していきたいと思います。 体の同型写像の定義と、補題の準備 まずは定義を確認しておきましょう。 (体の同型写像の定義) $F_1$と$F_2$を体とする。 写像$f: F_1$
今回は、体の同型写像が四則演算を保存することを証明していきます。 体の同型写像とは? まず、体とは四則演算で閉じた集合でした。 例えば、自然数$\mathbb{N}$ は足し算で閉じてますが、引き算で閉じていないので体ではないです。 有理数
今回は体の拡大次数について具体例で学んでいきます。 簡単に言うと、拡大次数は体の世界がどのくらい広がっているのかを数値化したものです。 方程式論においてとても重要な役割を演じます。 頑張っていきましょう! 体(たい)とは? 体とは、簡単に言
今回は、線形空間の基底と次元を扱います。 めちゃくちゃ重要な概念です。 次元という概念を上手く数学で表現するために基底という概念を作り出した、 といった感じのイメージでいると少し親しみやすいかと思います。 今回も具体例で説明していこうと思い
線形空間の元には、線形結合(一次結合)線形独立(一次独立)なものと線形従属(一次従属)なものがあります。 特に、線形独立なものたちが果たす役割はとても大きいです。 そこで今回は、線形結合と線形独立と線形従属を確実に理解できるよう、 具体例に
今回は線形空間について扱っていきます。 線形空間は、またの名をベクトル空間とも言います。 大学1年生で線形代数を習うときの一つのターニングポイントですね。 でもこの線形空間、なんでこんな定義になってるの?と疑問に思うことも多いと思います。
今回は第三同型定理を扱います。 第三同型定理を端的に言い表すと、 分数の割り算と似たようなことが群でも成り立つ、という感じになります。 すごく美しいこの性質を証明していきます。 今回は具体例の計算をかなり重視しました。 なぜなら定理の内容を
群論のピークは準同型定理ですが、 これはまたの名を第一同型定理といいます。 第一があるということは、当然第二と第三もあります。 今回は、第二同型定理について証明を行っていきます! 第2同型定理とは? (第二同型定理) $G$を群とし、$H$
群論を学ぶ上で一つのピークとなるのが準同型定理です。 でもこれって、どんな定理で、何が便利なのでしょう? 数式を見ているだけだと準同型定理の便利さやすごさは見えにくいものです。 そこで、今回の記事では具体例を通して準同型定理の意味と意義を確
群論や線形代数をやっていると、いずれ出会うのが「像」と「核」です。 今回は、群における「像」と「核」を考える意味を具体例とともに分かりやすく解説していきたいと思います。 我々は「像」と「核」を何のために学ぶのでしょう? 端的に言えば、それは
群論を進めていくと、いずれは同型写像や準同型写像と出会います。 今回は、同型写像や準同型写像の条件がなぜあのような形になっているのか、 その意味と意義について考えていきたいと思います。 同型写像の本質は、ある群と別の群がどのくらい似ているか
ガロア理論の主役、群論の華と言っても過言ではない正規部分群。 初学だと、なんであんな定義になっているのか謎だと思います。 そこで今回は、剰余類に群構造を持たせるための条件という切り口から正規部分群の定義のなぜに答えていこうと思います。 正規
大学数学を習っていると、いつかはwell-definedという概念と出会います。 なんでこんなものを考えるのかよく分からんランキングでも上位に入る意味不明概念です(マスタノ調べ) 今回は、well-definedとは何か、なぜ必要なのかとい
群論を学んでいると、剰余類という概念が出てきます。 群論の脱落ポイントとして有名です(マスタの調べ) しかし実はこの剰余類、すでに小学校の体育の授業で学んでいます。 今回は具体例を交えながら剰余類について解説していきます。 体育の授業しよう
今回の記事では、部分群という概念について詳しく解説していきます。 新しい概念を理解するには、豊富な具体例が不可欠です。 部分群の定義の必然性を具体例を使って考察する点に重きを置きました。 部分群の定義 部分群について考える前に、まずは群(ぐ
今回は固定体とガロア拡大の関係について解説していきます。 固定体の定義 まずは固定体の定義を確認しましょう (固定体の定義) $L$を体とする。$G$を$Aut(L)$の部分群とする。 このとき、$G$の元によって不変に保たれる$L$の元全
今回はアルティン流ガロア理論で重要な定理を解説します。 端的に言うと、体の拡大次数と自己同型の個数を結びつける定理です。 式だけ見てもいまいちすごみが分からないと思うので、 今回も具体例とともに解説をしていきたいと思います。 証明の発想部分
ガロア理論の縁の下の力持ちと言っていいデデキントの補題を解説します。 ガロア理論は5次以上の方程式が解けるための必要十分条件を記述するために開発されました。 ガロアが理論を打ち立てた当初は難解すぎて理解されませんでしたが、デデキントが彼の理
ガロア理論では、方程式が代数的に解けるための必要十分条件を導くことができます。 そのための道具として必要不可欠なのがガロア拡大と、ガロア群です。 本記事では、この2つの概念について、なぜそんな定義になっているのかといった 発想まで含めて具体