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2022/03/03

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  • 花嫁の秘密 434

    エリックにこれまでにわかったことをいくつか聞かされたが、なぜそんなことまで調べられるのか疑問を抱くのは至極当然。 ハンカチの刺繍を見ただけで、どこの誰が針を刺したものかわかるご婦人がいると言うが、どうにも胡散臭い。エリックと一緒に調査しているときにはほとんど何も進展しないのに、急にすべてが判明するのもおかしなものだ。 細かな調査を行っているのはあのスミスとかいう男だろうか。地味で目立たない風貌…

  • 花嫁の秘密 433

    何から話すべきか、正直悩むところだ。 これまでにはっきりしたことはふたつ。 マーカス・ウェストの居場所とクリスマスの朝この屋敷の敷地内へ侵入した者。ああ、それとそれを依頼した者も。 ひとまずマーカス・ウェストの次の逗留場所は確認できた。事務所で聞き出した通り、しばらくはブレイクリーハウスにいるようだが、あそこの女主人は少々厄介だ。ブラックには戻ってくるように言って、あとはユースタスに任せるか…

  • 花嫁の秘密 432

    外出から戻ると出迎えた従僕がやけにそわそわとしていた。いま残っている使用人たちは多少のことでは動じたりしないが、エリックが絡むと話は違ってくる。客のくせに屋敷の主然と振る舞うせいで、使わなくてもいい気を使わなくてはならない。 サミーはグラントを呼びつけた。聞けばエリックは僕がどこへ行ったのか気にしていたようで、戻り次第知らせるようにと命じていた。 「直接伝えるから、居間にティーセットを用意し…

  • 花嫁の秘密 431

    エリックが屋敷に戻ったとき、そこにいるはずのサミーもセシルもいなかった。大抵は居間の暖炉の前のソファか、窓際の椅子でまどろんでいる。もしくは図書室か。 出掛けるとは聞いていない。出迎えた下僕も何も言っていなかった。わざわざ居場所を聞くのも大袈裟な気がして――というのも、サミーが何かにつけ大袈裟だと言うからだ――見回りがてら邸内を巡った。 大きな屋敷ではないし、二人のいそうな場所は限られている…

  • 花嫁の秘密 430

    「セシル、エリックを見なかった?」サミーは居間でセシルを見つけ、向かいのソファに座った。ここ数日すっきりしない空模様だったが、今日はよく晴れていて暖かいからか、暖炉の火も小さいままだ。 「リックならちょっと出かけてくるって」セシルが読んでいる本から顔を上げた。昨日から読み始めた本は、もう半分まで進んでいる。 「こんな田舎のどこへ出かけるって?」サミーはうんざりとした口調にならないよう気をつけ…

  • 花嫁の秘密 429

    「ねえ、メグ。これクリスには不評みたいよ」アンジェラは足元に落としたズボンを鏡越しに見ながら言う。足元が温かいし、動きやすいし、文句なしなのに。 「たいていの夫はそういう反応をすると思います」メグはきびきびと言い、ズボンを回収する。 「でもこれはセシルのおさがりでも紳士用でもなく、ちゃんと婦人用のズボンなのよ。狩りや乗馬する時にスカートより便利だし、みんなもそうするべきよ」そうは言いつつも、…

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