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  • となみ野オーベルジュ 富山南砺市 華麗で繊細 シェフの温かい手が見えた

    三年ぶりの帰郷。育った田舎は寒ブリで名高くなった氷見、親戚はあるのだが、実家には誰も住んでいなくて空き家になっている。弟が相続したのだが三年前に他界した。その息子、甥の家族と氷見の旅館で落ち合って地物魚と最近評判のいい氷見牛を味わって随分飲んだ。彼らは砺波に住んでいて、やはり三年ぶりに会った。我々家族はとなみ野でさらに一泊、次に軽井沢で一泊の予定だった。となみ野オーベルジュの野菜は無農薬、それと合う富山湾の魚と肉をシェフが手ずから選別し客の舌に運ぶ。三年前に初めて訪れてその美しいフレンチ料理に家族が感激して、今回もここを予約した。アミューズ新玉ねぎのスープ。アーモンドのキャラメルが流れている。旬のさよりのムニエル、ソース類が美しい。サフランのソースが踊っていた。アーモンドパン粉で焼いたポーク、となみ野ポー...となみ野オーベルジュ富山南砺市華麗で繊細シェフの温かい手が見えた

  • 天ぷら 岡本 立川 魚も野菜も幸せな衣をまとって生まれてきた

    いつも天ぷらを食べたい、それも手が届く値段で、つまりお小遣いでと仲間と話になっていた。そんな折、定期的に通っている、潮さんのFBにこの岡本が載った。店主は70歳の勉強と称して美味しい店を巡っている。その天ぷらの姿形を見て仲間を誘った。念のため、潮さんに確認したら、あれだけ沢山食べて胃にもたれず、よかったよ。それだけの短いコメントだったが、こんな確かな言葉はない。すぐに決めた。お小遣いとはいかないが、お昼の9900円のコースにした。その上は12000円、18000円のコースまである。前菜だ。ヒラメのこぶ締め、出汁醤油の煮凝り。美しい一皿だった。もうこれは期待できると思った。どんなにいい食材を使い、皿を飾り立てても何か汚れたものを感じる店がある。亭主の欲が空回りしているのだ。プラスすることはできるが、加えてい...天ぷら岡本立川魚も野菜も幸せな衣をまとって生まれてきた

  • 鮨二代目太郎 新小岩 馴染みの店が誉められると単純に嬉しい

    少し早いが忘年会、いつもの三人でいつもの時間、飽きないものだと思った。太郎には二か月に一回は定期的に集まる。季節の魚がその都度美味しくカウンターに並ぶ。いつもの味かと言えばそうではなく、進化、深化を繰り返し、完成度が上がっている。店はそうやってなじみ客を掴み、新規の客を呼ぶようになるのだろう。で、なければすぐに客は逃げてしまう。客商売は一種の戦争で、戦略、戦術を忘れてしまうと置いてけぼりを喰う。客は浮気者なのだ。人参より大きいなめこ、その下に蠣が隠れていた。煮汁も美味い、飲み干した。白ワイン、いい具合に合った。ホタテは塩、定番の組み合わせだが安心できる味わいだ。塩は数年の間に4,5回は代えている、海塩、岩塩、ブレンド塩、それを確認しながらホタテに振るのがまた楽しい。甘い白海老、時期ものだ。風味のよい色胡麻...鮨二代目太郎新小岩馴染みの店が誉められると単純に嬉しい

  • 潮 西国分寺 食材に華を与えると、さざんかの花が咲いた

    棚に一度は使ってみたい食器が並んでいる。それらを眺めていると、和食料理人でのキャリアが見えてくる。確か、60歳を超えたころから始めたという陶器造りはすでに本職並だ。天井のあちこちに鎮座している仏像たちは、大小あわせて70体は超えているのではないか。これは名人と呼べるものだ。美しい食材彫刻ではかつて本にも特集され、その包丁さばきは職人たちの憧れのまとだったと聞いた。酒が来る前にぼおっとそれらを眺め、自分の矮小さを感じていた。もっと、前を向いて歩かなければ、そう思わせてくれる潮ワールドだ、有難い。この日もお昼から無理を言って、コース料理をお願いしてあった。もう、大分前から(2020年7月)お昼、一万円(税込み)、値上げも無く、これも有り難い。もちろん、店内の様相ばかりでなく、料理も潮ワールドだ。白菜の付きだし...潮西国分寺食材に華を与えると、さざんかの花が咲いた

  • 喜美松 浅草 きも刺しも、焼きとんも、料理になっている

    友人が某航空会社のマイルがたまり、海外にも行けずに持て余し、マイルを浅草のホテル三泊に当てた。それも今回で二回目だ。どれだけ貯まってたのか、大変な額で随分海外に行ったものだ。彼が宿泊しているホテルで外人はホテルの支配人に不満をぶちまけるそうだ。マスクなんかおかしい、ホテルでは外したい。マスクを強制する国は中国と日本だけだそうだ、文句を言いたくなるのはわかる。そのマイル消費の浅草旅行の一日に(半日)に付き合った。こちらからのオーダーだ。前回彼がアップした喜美松の写真に魅かれたのが正直なところで、今回もそこに行く予定だと聞いて、一緒させてもらった。ネットでも評判がよくて浅草でも予約で席どりする居酒屋とあった。五時開店で僕らは15分程店の前のテーブルで待った。暫く会ってなかったのでその程度の時間はすぐに過ぎた。...喜美松浅草きも刺しも、焼きとんも、料理になっている

  • メゾンドForet 軽井沢ハーベスト 美味しさは二つ重ねると、四になるマジック

    軽井沢に二泊の予定をひと月前に組んでいた。この日は10月の14日、都合のいいことに旅行支援が始まったばかり。特に予期していたわけでもなくラッキーだった。家族4人だから相当な節約になった。フレンチではハーベストでもここ軽井沢、それに熱海が出色だと思っている。アミューズ、和食ではつきだし。シェフからの贈り物とそえがきがあった。和食でいうと茶碗蒸しですとウエイターの説明。茶碗蒸しとは違ってプリンのようなやわらかな食感、舌に蕩ける。カマンベールチーズが溶けているのか鼻をくすぐる匂い。スプーンで探ると海老身が底に隠れていて、白ワインと合った。期待通りだな。最近、つけ麵で海老ベースが流行っているが、たっぷりとした豊かな味わい。二品目は鮪のカルパッチョ。身は食べやすいよう角状に切り丸く納められていた。鮪のカルパッチョは...メゾンドForet軽井沢ハーベスト美味しさは二つ重ねると、四になるマジック

  • 鮨二代目太郎 新小岩 看板も暖簾もないが、 何が店に呼ぶのだろうか

    7月に前店を畳んで、駅近くのテナントに引っ越した。スケルトンのテナントだったから、ガス、水道の引き込みから設計も全くの新設計。だが、それだけにどんな店にするか、楽しみも多いことだったろう。賑やかな交差点の近くだから、余り目立たぬひっそりした店にしたいとは聞いていた。三週間ほどの工事期間を経て、8月の末に開店した。前店から客は予約客がほとんどで、そんな理由から、暖簾も看板も上げず、通りがかりの客には分からないようにしたようだ。カウンター8席、平日の真ん中、予約で満席だった。10席は取れるのだがゆったりと寛げる席数にしたという。腰が楽そうな椅子を見たときに、なるほどと思った。長崎の蛸と、名残りのじゅんさい。酢の調合がいい具合で、すっきり爽やかな味わい、新店らしいきりっとした付きだしだった。いつものホタテだが、...鮨二代目太郎新小岩看板も暖簾もないが、何が店に呼ぶのだろうか

  • アンシュマン 銀座 フレンチのカウンターは地を這うような戦場だった

    知人から面白いフレンチがあると教えてもらった。彼はこの場所から少し離れた前の移転前のランチを味わっていたと聞いた。コースは6500円、ペアリングが4400円、銀座の立地では眉唾物の価格だ。ただ、シェフが一人でしかもカウンターだけだから、と念を押された。フレンチのコース料理をアシスタント無しで客に出せるのか、そこが見たくて料理研究家と友人を誘った。入ると、カウンター8席は満席、これはシェフ大変だ。客は5人程度ではないかと思っていたから、どうこの客数の料理を作るのか、捌けるのか。暫し、客が揃ってもシェフは仕込みを必死に行い、客たちも見守っていた。えんどう豆をベースにして温泉卵、そこにコンソメのジュレ。カウンターに人数分の皿を並べ、パックからエンドウ豆のペーストを入れ、温泉卵をのせ、ジュレをを回しかける。なるほ...アンシュマン銀座フレンチのカウンターは地を這うような戦場だった

  • 錦糸町 串揚げ依知川 焼きと揚げのエリートコースを歩んだ串を味わう

    最初は海老のしそ巻き木の葉型の器に串のたれ、ソース、ケチャップ、塩などが10種類も盛られていた。串揚げのコースが10種類だから、それだけで面白い、と思った。僕も家人も串揚げが好きで、コロナ以前は銀座あたりの専門店に通った。銀座はやや遠いからと地元で二店ほど探して入ったが口に合う店ではなかった。以来、家人は余り串揚げと言わなくなった。で、騙されたと思って来い、とこの日は無理やり連れて行った。前もって調べると、店主は長らく阿佐ヶ谷の焼き鳥のバードランドにいて、串は浅草の串衛門にもいたことを知った。焼き鳥と串揚げはかなり違うが、エリートコースを歩いてきたから期待できると思った。工夫があり、串の巻きや中身は繊細でなかなかの串揚げだった。写真にはないがアスパラ巻きは細巻きで薄肉を巻き優しい味わいにしてあった。生ハム...錦糸町串揚げ依知川焼きと揚げのエリートコースを歩んだ串を味わう

  • 潮 西国分寺 すっぽんを丸ごと楽しむ、笑いがとまらなかった

    料理が始まる前に、潮さんからこれまでの最高傑作ができたと披露があった。その顔をしばし覗き込んだ。その顔は確かに、潮さんが何かに向かう心の叫びのように思えた。傑作と呼ぶにはそれなりの理由があるのだろう。気迫、闘魂、昇華、まるで、雲上の雷鳴だ。仏像をすでに50体余り造り、数々の美しい陶磁器を創り、料理に不断の創意を重ねる。常人では叶わないことに思える。この日は前もってすっぽんを食べたいとオーダーし、ランチに出かけた。このところ、潮さんの処へはお昼にしてもらっている。朝から仕込みが大変だろうと思うが、無理をお願いして、好意に甘えている、感謝だ。爽やかな野菜の含め煮。ふきの食感が得も言われぬほど心地よい。カリン、シャキと歯に当たる。どうしてこんなふうに煮上げるのか、秒単位で硬さを見ているのかな。さて、すっぽんだ。...潮西国分寺すっぽんを丸ごと楽しむ、笑いがとまらなかった

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