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  • 鮨二代目太郎 新小岩 初夏の歯ごたえ、香り、色もまた御馳走になった

    前菜は初夏の新ごぼうが主役になっていた。普段は脇に何気なくいるような野菜だが、噛むと歯にシャキッと応えて返事をした。つゆはかつお出汁にしょっつるを混ぜ一工夫。具合のいい旨さに仕上げてた。ほたて、透明なさより、受け皿を綺麗に飾る。海苔のふわりとした香り、サクッと壊れる音。5月の旬、水なす。器が初夏、しゃこ、鮑、赤貝が迎えてくれた。握りがいくつかカウンターに乗ってきた。ヤングコーン、めひかりの焼き物鮪の血合い、この日は暑かった。が、店の中は初夏の魚、野菜が爽やかなもてなしをくれた。ワイン、日本酒、サワー、しっかり飲んで、これからの酷暑を迎え撃つ。二代目太郎東京都葛飾区新小岩2丁目7番6号イチオビル1F03-6873-7703080-4116-0141(予約)こだわり蕎麦屋めぐりhttps://diamond....鮨二代目太郎新小岩初夏の歯ごたえ、香り、色もまた御馳走になった

  • アバント 旧軽井沢 桜は二分咲きだったが、フレンチの皿には満開だった

    孫の春休みに相乗りして、久し振りに軽井沢に来た。途中、家族の要望で群馬のメンタイパーク、こんにゃくパークにも寄った。出来立てのメンタイは辛さが旨味に吸い込まれ美味かった。摘まみになる土産を沢山仕入れて車に乗せて走った。軽井沢は二泊で、一泊がハーベスト軽井沢、二泊目がハーベスト旧軽井沢にした。旧軽井沢は軽井沢本通りに近く、食べ歩きや買い物に便利だと家族の要望がありそうした。二泊目の旧軽のレストラン・アバントのフレンチ、ここでの宿泊は初めてで夕食を楽しみにしていた。ワインも注文してアミューズを待った。サーモンのパテ、さわやかな味わいで家族に笑顔があった。前菜が美しい、しばらく眺めた。皿には桜鯛のマリネ、煎り酒のジュレに桜花のソース、桜は満開になっていた。春キャベツのクリームソース。桜エビが散り食感が心地よい、...アバント旧軽井沢桜は二分咲きだったが、フレンチの皿には満開だった

  • 目白 おさめ 地震災害のチャリティの一日 では、と蕎麦屋に走った

    あれを食べた、これを食べたと浮かれた事は止めにしていた。能登の悲惨な災害があり、自分の生まれ故郷は隣県富山の氷見だから申し訳ない気持ちになっていた。氷見もいくつか家などの倒壊があり、水道が止まった。やるせない気持ちで東京ですごし、家族全員で富山に寄付もし、スーパーの募金箱に釣銭を入れていた。知り合いの女性から、FBで「おさめ」の能登災害のチャリティイベントの知らせを受けた。趣向も面白いと思った。羊と蕎麦。ある意味冒険的な組み合わせだ。このところ、我が家はジビエに凝っていて、鹿肉、熊肉、うさぎ肉、10歳の女孫も連れ添って色んな店に出かけている。コラボした麻布十番の羊肉の質がよく、焼き加減も絶妙で、予想以上の美味さだった。蕎麦屋は深く掘ることは得意だが、横に広げることには臆病だ。井戸は縦にも横にも鉱脈がある。...目白おさめ地震災害のチャリティの一日では、と蕎麦屋に走った

  • ハーベスト箱根 イタリアンのジビエが面白いことになっていた。

    イタリアン料理は久しぶりだ。スペインの生ハムはこってりした味わいといい塩加減だった。オリーブを齧るとやはりワインで流し込みたくなった。サラダとホタテの揚げ物の二品は写真を撮り忘れた。大山鶏と牛蒡のスープ、これはやや味が濃い気がした。牛テールとリコッタを詰めたボルベッテーニ。ボルベッテーニとは帽子のように作ったパスタのことだ。この珍しいパスタを始めて食べたのは牛込神楽坂のアモローソだったな。もう二年程行ってない。コロナは好きだった店々に足を遠のかせてしまった。友人たちとも疎遠になった、メールでは連絡はしているがやはり人間は顔を見たい。この鴨肉は絶品だったな。肉はレアにローストしてあって、鴨肉の脂身の甘みが口に広がった。聞くと、ブルガリア産の鴨だという。フランス産の鴨肉よりは弾力があって、旨味が強かった。この...ハーベスト箱根イタリアンのジビエが面白いことになっていた。

  • となみ野オーベルジュ 富山南砺市 華麗で繊細 シェフの温かい手が見えた

    三年ぶりの帰郷。育った田舎は寒ブリで名高くなった氷見、親戚はあるのだが、実家には誰も住んでいなくて空き家になっている。弟が相続したのだが三年前に他界した。その息子、甥の家族と氷見の旅館で落ち合って地物魚と最近評判のいい氷見牛を味わって随分飲んだ。彼らは砺波に住んでいて、やはり三年ぶりに会った。我々家族はとなみ野でさらに一泊、次に軽井沢で一泊の予定だった。となみ野オーベルジュの野菜は無農薬、それと合う富山湾の魚と肉をシェフが手ずから選別し客の舌に運ぶ。三年前に初めて訪れてその美しいフレンチ料理に家族が感激して、今回もここを予約した。アミューズ新玉ねぎのスープ。アーモンドのキャラメルが流れている。旬のさよりのムニエル、ソース類が美しい。サフランのソースが踊っていた。アーモンドパン粉で焼いたポーク、となみ野ポー...となみ野オーベルジュ富山南砺市華麗で繊細シェフの温かい手が見えた

  • 天ぷら 岡本 立川 魚も野菜も幸せな衣をまとって生まれてきた

    いつも天ぷらを食べたい、それも手が届く値段で、つまりお小遣いでと仲間と話になっていた。そんな折、定期的に通っている、潮さんのFBにこの岡本が載った。店主は70歳の勉強と称して美味しい店を巡っている。その天ぷらの姿形を見て仲間を誘った。念のため、潮さんに確認したら、あれだけ沢山食べて胃にもたれず、よかったよ。それだけの短いコメントだったが、こんな確かな言葉はない。すぐに決めた。お小遣いとはいかないが、お昼の9900円のコースにした。その上は12000円、18000円のコースまである。前菜だ。ヒラメのこぶ締め、出汁醤油の煮凝り。美しい一皿だった。もうこれは期待できると思った。どんなにいい食材を使い、皿を飾り立てても何か汚れたものを感じる店がある。亭主の欲が空回りしているのだ。プラスすることはできるが、加えてい...天ぷら岡本立川魚も野菜も幸せな衣をまとって生まれてきた

  • 鮨二代目太郎 新小岩 馴染みの店が誉められると単純に嬉しい

    少し早いが忘年会、いつもの三人でいつもの時間、飽きないものだと思った。太郎には二か月に一回は定期的に集まる。季節の魚がその都度美味しくカウンターに並ぶ。いつもの味かと言えばそうではなく、進化、深化を繰り返し、完成度が上がっている。店はそうやってなじみ客を掴み、新規の客を呼ぶようになるのだろう。で、なければすぐに客は逃げてしまう。客商売は一種の戦争で、戦略、戦術を忘れてしまうと置いてけぼりを喰う。客は浮気者なのだ。人参より大きいなめこ、その下に蠣が隠れていた。煮汁も美味い、飲み干した。白ワイン、いい具合に合った。ホタテは塩、定番の組み合わせだが安心できる味わいだ。塩は数年の間に4,5回は代えている、海塩、岩塩、ブレンド塩、それを確認しながらホタテに振るのがまた楽しい。甘い白海老、時期ものだ。風味のよい色胡麻...鮨二代目太郎新小岩馴染みの店が誉められると単純に嬉しい

  • 潮 西国分寺 食材に華を与えると、さざんかの花が咲いた

    棚に一度は使ってみたい食器が並んでいる。それらを眺めていると、和食料理人でのキャリアが見えてくる。確か、60歳を超えたころから始めたという陶器造りはすでに本職並だ。天井のあちこちに鎮座している仏像たちは、大小あわせて70体は超えているのではないか。これは名人と呼べるものだ。美しい食材彫刻ではかつて本にも特集され、その包丁さばきは職人たちの憧れのまとだったと聞いた。酒が来る前にぼおっとそれらを眺め、自分の矮小さを感じていた。もっと、前を向いて歩かなければ、そう思わせてくれる潮ワールドだ、有難い。この日もお昼から無理を言って、コース料理をお願いしてあった。もう、大分前から(2020年7月)お昼、一万円(税込み)、値上げも無く、これも有り難い。もちろん、店内の様相ばかりでなく、料理も潮ワールドだ。白菜の付きだし...潮西国分寺食材に華を与えると、さざんかの花が咲いた

  • 喜美松 浅草 きも刺しも、焼きとんも、料理になっている

    友人が某航空会社のマイルがたまり、海外にも行けずに持て余し、マイルを浅草のホテル三泊に当てた。それも今回で二回目だ。どれだけ貯まってたのか、大変な額で随分海外に行ったものだ。彼が宿泊しているホテルで外人はホテルの支配人に不満をぶちまけるそうだ。マスクなんかおかしい、ホテルでは外したい。マスクを強制する国は中国と日本だけだそうだ、文句を言いたくなるのはわかる。そのマイル消費の浅草旅行の一日に(半日)に付き合った。こちらからのオーダーだ。前回彼がアップした喜美松の写真に魅かれたのが正直なところで、今回もそこに行く予定だと聞いて、一緒させてもらった。ネットでも評判がよくて浅草でも予約で席どりする居酒屋とあった。五時開店で僕らは15分程店の前のテーブルで待った。暫く会ってなかったのでその程度の時間はすぐに過ぎた。...喜美松浅草きも刺しも、焼きとんも、料理になっている

  • メゾンドForet 軽井沢ハーベスト 美味しさは二つ重ねると、四になるマジック

    軽井沢に二泊の予定をひと月前に組んでいた。この日は10月の14日、都合のいいことに旅行支援が始まったばかり。特に予期していたわけでもなくラッキーだった。家族4人だから相当な節約になった。フレンチではハーベストでもここ軽井沢、それに熱海が出色だと思っている。アミューズ、和食ではつきだし。シェフからの贈り物とそえがきがあった。和食でいうと茶碗蒸しですとウエイターの説明。茶碗蒸しとは違ってプリンのようなやわらかな食感、舌に蕩ける。カマンベールチーズが溶けているのか鼻をくすぐる匂い。スプーンで探ると海老身が底に隠れていて、白ワインと合った。期待通りだな。最近、つけ麵で海老ベースが流行っているが、たっぷりとした豊かな味わい。二品目は鮪のカルパッチョ。身は食べやすいよう角状に切り丸く納められていた。鮪のカルパッチョは...メゾンドForet軽井沢ハーベスト美味しさは二つ重ねると、四になるマジック

  • 鮨二代目太郎 新小岩 看板も暖簾もないが、 何が店に呼ぶのだろうか

    7月に前店を畳んで、駅近くのテナントに引っ越した。スケルトンのテナントだったから、ガス、水道の引き込みから設計も全くの新設計。だが、それだけにどんな店にするか、楽しみも多いことだったろう。賑やかな交差点の近くだから、余り目立たぬひっそりした店にしたいとは聞いていた。三週間ほどの工事期間を経て、8月の末に開店した。前店から客は予約客がほとんどで、そんな理由から、暖簾も看板も上げず、通りがかりの客には分からないようにしたようだ。カウンター8席、平日の真ん中、予約で満席だった。10席は取れるのだがゆったりと寛げる席数にしたという。腰が楽そうな椅子を見たときに、なるほどと思った。長崎の蛸と、名残りのじゅんさい。酢の調合がいい具合で、すっきり爽やかな味わい、新店らしいきりっとした付きだしだった。いつものホタテだが、...鮨二代目太郎新小岩看板も暖簾もないが、何が店に呼ぶのだろうか

  • アンシュマン 銀座 フレンチのカウンターは地を這うような戦場だった

    知人から面白いフレンチがあると教えてもらった。彼はこの場所から少し離れた前の移転前のランチを味わっていたと聞いた。コースは6500円、ペアリングが4400円、銀座の立地では眉唾物の価格だ。ただ、シェフが一人でしかもカウンターだけだから、と念を押された。フレンチのコース料理をアシスタント無しで客に出せるのか、そこが見たくて料理研究家と友人を誘った。入ると、カウンター8席は満席、これはシェフ大変だ。客は5人程度ではないかと思っていたから、どうこの客数の料理を作るのか、捌けるのか。暫し、客が揃ってもシェフは仕込みを必死に行い、客たちも見守っていた。えんどう豆をベースにして温泉卵、そこにコンソメのジュレ。カウンターに人数分の皿を並べ、パックからエンドウ豆のペーストを入れ、温泉卵をのせ、ジュレをを回しかける。なるほ...アンシュマン銀座フレンチのカウンターは地を這うような戦場だった

  • 錦糸町 串揚げ依知川 焼きと揚げのエリートコースを歩んだ串を味わう

    最初は海老のしそ巻き木の葉型の器に串のたれ、ソース、ケチャップ、塩などが10種類も盛られていた。串揚げのコースが10種類だから、それだけで面白い、と思った。僕も家人も串揚げが好きで、コロナ以前は銀座あたりの専門店に通った。銀座はやや遠いからと地元で二店ほど探して入ったが口に合う店ではなかった。以来、家人は余り串揚げと言わなくなった。で、騙されたと思って来い、とこの日は無理やり連れて行った。前もって調べると、店主は長らく阿佐ヶ谷の焼き鳥のバードランドにいて、串は浅草の串衛門にもいたことを知った。焼き鳥と串揚げはかなり違うが、エリートコースを歩いてきたから期待できると思った。工夫があり、串の巻きや中身は繊細でなかなかの串揚げだった。写真にはないがアスパラ巻きは細巻きで薄肉を巻き優しい味わいにしてあった。生ハム...錦糸町串揚げ依知川焼きと揚げのエリートコースを歩んだ串を味わう

  • 潮 西国分寺 すっぽんを丸ごと楽しむ、笑いがとまらなかった

    料理が始まる前に、潮さんからこれまでの最高傑作ができたと披露があった。その顔をしばし覗き込んだ。その顔は確かに、潮さんが何かに向かう心の叫びのように思えた。傑作と呼ぶにはそれなりの理由があるのだろう。気迫、闘魂、昇華、まるで、雲上の雷鳴だ。仏像をすでに50体余り造り、数々の美しい陶磁器を創り、料理に不断の創意を重ねる。常人では叶わないことに思える。この日は前もってすっぽんを食べたいとオーダーし、ランチに出かけた。このところ、潮さんの処へはお昼にしてもらっている。朝から仕込みが大変だろうと思うが、無理をお願いして、好意に甘えている、感謝だ。爽やかな野菜の含め煮。ふきの食感が得も言われぬほど心地よい。カリン、シャキと歯に当たる。どうしてこんなふうに煮上げるのか、秒単位で硬さを見ているのかな。さて、すっぽんだ。...潮西国分寺すっぽんを丸ごと楽しむ、笑いがとまらなかった

  • 鮨二代目太郎 新小岩 コロナでも海の幸は活き活きと輝いていた

    大食の隣国がロックアウト。そのおかげで幸いにも、いい魚が市場に回ってきているという。特にこれまでは雲丹が手に入らなかった。質の良いマグロも大きな胃袋に大量に消費されてきたが、ようやく寿司屋のケースに戻ってきた。ゼロコロナになぜそれほど執着するのか、発生源がその脅威を恐れているのは、違った理由があるのではないか。生物化学兵器開発研究所から漏れ出したとの噂がある。真偽は分からないが当事者はその脅威を知っているのではないか。それは後に解明できるだろう。日本は早くコロナの恐怖から覚めなくてはならない。ウイズコロナの名が泣く。ワクチンはこれまではよかったが、回数を重ねると自然免疫に悪影響があるとの見解もある。分析、統計学が苦手な政治家、取り巻きの医者連中の勘のような説はもう御免だ。情緒的な事より数字、ファクトで説得しても...鮨二代目太郎新小岩コロナでも海の幸は活き活きと輝いていた

  • G-Dining 光彩 ハーベスト那須 黄金色のコンソメから始まったシェフのもてなし

    コースメニューにシェフの記名があった。このホテル系列はすべてではないが、総料理長や担当シェフの名前が記してある。それだけ作り手は責任が大きいし、料理はその人柄まで出るから、客もまた楽しみがある。どんな経験を積んでこのホテルに着任したのか、色々想像しては料理を味わいたくなる。旅の喜びは大半は食にあり、感動的であればリピート欲が生まれる。この系列では熱海、軽井沢、京都、ここ那須が好みだ。アミューズはモッチェラチーズと香味野菜。塩気のある生ハムとチーズがいい組み合わせになっていた。牛の頬肉の煮込み。コンソメスープもお召し上がりください、とウエイターが告げた。なるほど、コンソメが出色だった。コンソメは和食では味噌汁と言った評論家がいたが、それは当たっていないと思う。魚介類と野菜から澄んだ黄金色のスープをとり、色んなコン...G-Dining光彩ハーベスト那須黄金色のコンソメから始まったシェフのもてなし

  • 鮨二代目太郎 新小岩 マスクを捨てて、鮨を食べる日がくる、きっと。

    この日は孫の7歳の誕生日の前祝い、家族4人で久しぶりに太郎へ。孫は一年ぶり、雲丹が食べたいと楽しみにしていた。学校で常にマスクをしていて、この日も食べるとき以外はマスク、食べるときはあごの下にマスクを持って行っていた。カウンターの前にはビニールシートもあって、我々がマスクは外していいよと言っても習性のようにマスクを顔から外さない。なんと悲しいこと・・・、と思っても学校でそうなのだから、不憫に思う。聖護院大根の煮物、蛸の吸盤、青物はセリ。京都の大根は驚くほど繊維が細い、無いと同じようなもので、柔らかくてなめらか。”ほっこり”と言うのだろうか、京では。さわやかな澄まし汁に旨味があって、大根が溶けるように喉に消えた。せこ蟹だ、暮れ近くなると飛んでもない価格になる。感謝せねば。実際には大人の手のひら程度の大きさ、内子と...鮨二代目太郎新小岩マスクを捨てて、鮨を食べる日がくる、きっと。

  • 潮 西国分寺 体に刻み込まれてしまう感覚、潮の深みにはまった一人

    コロナ禍をぬって今年度4回目になる。友人は10年前に僕と連れ立って以来、30回目の訪問になるそうだ。あの頃は年に4回は数人の仲間と潮の夜のコースを味わっていたものだ。おそらく、僕は15年間で40数回は来ていることになる。飽きなかった。それは毎回趣向があって、いつも感動があるから。今年はいつもお昼、無理を言ってコースを用意してもらっている。前菜、八寸、お椀などの仕込みは朝から大変だろうと想像するが、少しの手間の様子も見せない。前菜は旬のしろなと湯葉。しろなは別名、浪花菜という、それは関西が本場らしい。白菜の仲間なのだが、葉は巻かずに真っすぐにのび、柔らかくて品があって湯葉とよく合った。日本酒に手が伸びるころ、紅葉と共に八寸が来た。白子の春巻きが上にある。それは中華だ、ねっとりした白子に春巻きの皮がしゃきしゃき。海...潮西国分寺体に刻み込まれてしまう感覚、潮の深みにはまった一人

  • 蕎ノ字 人形町 大海に遊ぶように 舌は天ぷらの衣に揺り動かされた

    玄関には5周年の花輪があった。もう三年ぶりの訪問だった。コロナ禍で最近は昼の外出になっている。昼のランチ少し心が揺れ、弾んでいた。開店当初は友人と連れ立って間を置かずに訪問していたが、二年ほどでミシュラン一つ星に入り、予約が困難になっていた。今は昼も半年ほど先の予約になっているそうだが、この日は偶然にもキャンセル空きがあって、女将と上手く連絡が取れ、友人を誘い玄関を入った。蕎麦の実のかゆ少し固めで心地よい屋号に蕎の文字があるように、親の代からの蕎麦屋だ。静岡の島田と言う町で父親が興し、二代目。東京に6年前に来るまでは島田で営んでいた。十数年前に始めた僕の蕎麦屋探索、そこに島田の蕎麦屋が引っかかってきた。2007年に天ぷらの美味い蕎麦屋があると聞いた。物好きだと言われたが遠いその地を訪問した。従って14年前のこと...蕎ノ字人形町大海に遊ぶように舌は天ぷらの衣に揺り動かされた

  • キラキラ光る旅の海 マスクを取って食せる幸せ 普通の時をどう取り戻せるのか

    緊急事態が解けて伊豆に旅行に出た。孫はハロウインの仮装をしてホテルの玄関に入った。この日は衆議院議員の投票日、どう政党が動くか多少気になった。自分の勝手な予想では自民がかなり議席を失うのでは思っていた。改革の意志のない者はいつか滅びる、それは自明の論理。保守こそ変わり、先を見なくてはならないと思っている。が、テーブルについたらそんな俗っぽいことはすっかり忘れた。コースメニューがエブロンに飾ってある。オシャレなおもてなし。前菜は特に目立ったものはなかったが、綺麗な膳になっていた。左上の赤万願寺豆腐はいい味わいがあった。「つるむらさきの利休和え、鮎一夜干し、オイルサーデン、テリーヌなど」氷の上に伊豆の地物魚が並んだ。鰹が美味かったな。南京饅頭、カボチャを細工した饅頭だ。やわらかくてぽっちりした美味しさ、味噌餡だが、...キラキラ光る旅の海マスクを取って食せる幸せ普通の時をどう取り戻せるのか

  • 潮 西国分寺 粋があって、洒落て、切れのいい空気感が味わいになる

    緊急事態宣言が解けて、初めに潮さんの店だから幸運だった。無理を言ってお昼からコースをお願いした。友人と料理研究家と3人、僕はここまで片道二時間近く、夜に酔って帰るのが辛いから今年はお昼にしてもらっている。野菜、山菜のふくみ煮の付きだしの後に前菜がきた。名残り枝豆と里芋、千枚昆布と鰊などと潮さんの説明を聞いた。名残り、千枚・・・。いいネーミングだ、粋で洒落っけが嬉しくなった。名残り枝豆と里芋枝豆の名残りは、もう季節が終わりということだがシャレてていいね。鰊の千枚昆布千枚昆布は、千枚くらい重ねた気持ちということだが、鰊を細く切り落とし、そこに昆布を何層にも重ねて煮込んであった。昆布と鰊はこれは黄金の組み合わせだ。言葉は一つの魔法だ、心に入り込む。そんな言葉を発する総理大臣が欲しかった、今度は。中身が無いから、そんな...潮西国分寺粋があって、洒落て、切れのいい空気感が味わいになる

  • 鮨二代目太郎 新小岩 外界はザワザワと蠢いても、海の旬は静かにしなさいと・・・

    首相が不出馬の夕方だった。スマホを覗くとネットの報道がけたたましい。前にも書いたが、政治家はメッセージ、その言葉が魂を帯びたものでなければ、国の長は務まらない。それが無かった。任にあらず、そのことが分かっていて昇ってしまったから最後は悲惨だった。次の長は背中に、多少のカリスマ性を持っていて欲しい。もずくに鮑、ゆっくり口を動かした。甘酢とソーメンを飲んだ。僕もサラリーマンだったから、任にあらずと思った時、身を引いて外に出た。楽しい時間を過ごしてきた。食の中に身を置いた。才能のある人たちの料理を味わうことはなによりの福をもらえた。ほたては塩。新いか。スミイカの幼子、身は5㎝程度、この時期の新子と並んで有難い魚だ。手巻きはづけマグロ手巻きではネタ以上に店主が気にかけるのは海苔。海苔は最初に客の鼻先に香りが届き、歯に海...鮨二代目太郎新小岩外界はザワザワと蠢いても、海の旬は静かにしなさいと・・・

  • 鮨二代目太郎 新小岩 お祝いの席に出世魚が待ち構えていた

    友人の還暦の席だった。僕はすでに喜寿はとっくに過ぎていて、還暦は新しい一歩に違いない。つい、まだまだ若いと言ってしまう。女性の料理研究家がお祝いに十割の手打ちそばを運んできてくれた。もっと多くの人数で祝いたいが、この状況では仕方がない。三人だけの祝いの席だが、それでも鮨好きには嬉しい限りだ。盛夏の野菜のお浸し。いつものようにほたてから肴が並んだ。つぶ貝。脂ののった鰯。熟成した鰹、甘みが増幅していた。これは美味かったな、直販で先日手に入れたが、小粒で身がだれていた。最高のもてなしが店主の手から運ばれてきた。今の時期しか手に入らない、新子だ。ぶりが代表的な出世魚だが、これは新子、小肌、、もう一つあって、コノシロと名を変え、体も変化する。鮨修行の難敵がこの新子で、小さいから下処理が大変。実際のカウンターに出すにも店主...鮨二代目太郎新小岩お祝いの席に出世魚が待ち構えていた

  • 鮨二代目太郎 新小岩 入梅、梅雨前線、海から美味い魚が飛び跳ねてきた

    この日、ようやく飲食店の酒が解禁になった。一組二人、二時間というふざけた話だが、お店はその指示に従わざるを得ない。だが、それでも店は助かるし、客も唾をため込んで玄関をくぐった。丁度梅雨前線で魚も美味くなっている。この時期、入梅鰯、梅雨いさき、梅雨鱧というくらい脂の乗りがいい魚が並ぶ。早速、白のグラスワインをもらった。付きだしはもずくだ、これも水雲とあてられるから春から6月の梅雨時期が旨い。汐の味わいに酢が効いていて飲み込むように食べた。付きだしは店主が季節のものをあれこれ考えて出す、気の遣うものになる。前の記事を見返しても、なるほど、な。と思うくらいに付きだしは大切なものだと思った。いつもの帆立。甘い。千葉の入梅鰯だ、今が一番脂ののりがよく太っていると言われる。わざわざ、この鰯を食べるために銚子まで行く料理研究...鮨二代目太郎新小岩入梅、梅雨前線、海から美味い魚が飛び跳ねてきた

  • ロンタン・暁トンカツ 新小岩 蒸しもの、という考え方の御褒美を得たか

    夜は居酒屋、昼はとんかつ屋の二刀流。大谷ではないけれど、それはかなりハードルが高いのではないかと思いながら入った。20分以上はお待ちくださいと書かれてあった。揚げまでにそれくらいかけるとの表記。いくつか店主こだわりの箇条書きがあった。千葉のブランド牛、揚げ油の質、肉の熟成。肉は筋を切るが、肉は叩かない、この事は一番気に入った、肉をいじめないということか。そして、低温で揚げて一度休ませて、また揚げ蒸らし肉に火を入れる。さて、どうか・・・。レアのロース肉の旨味が見えていた。天ぷらは蒸し物という名言がある。それは、そこに辿りついて、なお難しい。つまり、客を待たせることになる。待たせてなお客がその味わいに満足できるか、そこに店と客の勝負がある。かつて、手打ち蕎麦屋がそうだった。客は辛抱強く待ったものだった。待つことで、...ロンタン・暁トンカツ新小岩蒸しもの、という考え方の御褒美を得たか

  • 鮨二代目太郎 新小岩 日本人でよかったな、を早く取り戻したい

    恒例の家族の誕生日、太郎に入った。四歳で初めて入った孫は、雲丹の甘みに感激して、以来、ここでは雲丹は三度お代わりする。僕らの前菜のホタルイカを見て、すぐにこれもにぎりにしてもらっていた。カウンターに仕切り版があり、飛沫除けが寂しい限りだが致し方がない。今年小学校二年になった女孫が大人しい、コロナの感染予防を意識しているせいか。いつもならカウンター向こうの店主に色々話しかけるのだが、遠慮もあり緊張もあるのだろう。蛍烏賊の酢味噌和え。すみいか、柔らかな食感と甘みが信条。春を告げる、桜鱒。これも舌に甘みが広がった。ヒラメとカタクチイワシの一夜干し。帆立締めさばネギトロ巻き。宮城産の厚みのある海苔がいい香りだ。生まぐろが舌にとろけた。貝柱といくら。新玉ねぎ焼き、右には蛍烏賊のたたきで胡椒が効かせてあって酒が美味い。鮎焼...鮨二代目太郎新小岩日本人でよかったな、を早く取り戻したい

  • ボア・トスカーナ 大宮 遠出を楽しくさせる、名残りのデザートケーキ

    この10年ほど年に3,4回は車で来ていたが、コロナ騒ぎで、一年ほど来なかった。高速で往復2600円ほど、それでも家人たちは行きたいという。ランチだから、酒は飲めないが、そこは我慢。週末平日、いつもなら店の外まで人が溢れているが、やはり、と思うほど客が少ない。ケーキ店が併設されていて、そのケーキは安価で美味しい。ランチセットはバリエーションが沢山あってリーズナブル。その人気店がこうなのだから、コロナは怖い。やっていけるのかな、と思ってメニューを見るとやや値上げをしたようだ。致し方ないだろうな、と納得した。前菜のプレート、海老、サーモン、生ハムが並ぶ。パスタは生ハムにした。家人はパスタもピザもクリーム系が駄目であっさり系になってしまう。それにチーズも苦手でそれでいて、イタリアンが好きなのだから変わっている。ピザはト...ボア・トスカーナ大宮遠出を楽しくさせる、名残りのデザートケーキ

  • 潮 西国分寺 色物そば、という呼称を付けるべきか、つまり、艶っぽいから

    この日、お昼のランチに花山椒鍋を食べに来た。花山椒は春先から山椒の雌株に咲き、5月ころに終わってしまう。友人と二人なので、花山椒の他はアラカルトのオーダーにした。奈良の花山椒を鍋に入れると、山形産の肉をさっと湯がいてすぐに引き上げる。美濃焼の特注のコンロカバー、見たことないな。レアの牛肉に花山椒、季節の味わいをゆっくり日本酒と。鍋の前にたくさん食べた。雲丹、甘み、旨味、きれいな色。鯛の子浅利の茶碗蒸し若竹煮大きな海老天、これはうまかったな。これはランチセットのみのものだが、無理を言って揚げてもらった。うまい天ぷらに久しぶりに出会えた。蛸の煮凝り、この煮凝りの澄み方はどうだろう?いつもなら、せいろなのだが、潮さんから、これを食べてと声があった。胡麻汁そば。胡麻の香がだし汁にふわりと包まれて、旨味が舌にトロリと落ち...潮西国分寺色物そば、という呼称を付けるべきか、つまり、艶っぽいから

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