都市にも人間のように特有の性質、体温がある。東京が冷たいというイタリア人。ヴェネツィアを暑苦しいと感じた筆者。新しい場所に移り住むことは人に変容を強い、心は揺れ、体感温度は変わる……
日英伊の3か国語でメシの種を稼ぎ、子どもを育てているシングルマム。長いイタリア暮らしを経て帰国。英検1級、TOEIC975、イタリア語検定CILS C2のトリリンガル。語学の勉強法、外国人とのつきあい方、バイカルチュラル教育など綴ってます。
都市にも人間のように特有の性質、体温がある。東京が冷たいというイタリア人。ヴェネツィアを暑苦しいと感じた筆者。新しい場所に移り住むことは人に変容を強い、心は揺れ、体感温度は変わる……
ネガティブ・ケイパビリティ—— 負の力? 陰性能力? 作家であり、精神科医でもある帚木蓬生が解説した本、「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」を読んでみた。帚木はこの能力を知って以来、ふんばる力がついたという。職業生活も、創作行為も、ずいぶん楽になったという……。
ダンテの「地獄篇」を描いた一枚の絵に、京都、祇王寺で見た光景が重なり……。1000㎞もの距離を飛んでくるという「渡り蝶」と、愛の苦しみに生きた女たちに思いを馳せる
来たるアメリカ大統領選で、ミシガン州が注目されている。選挙の勝敗の決め手となるスイングステートのひとつとい
40年以上も前、アメリカ・ミシガン州の田舎の高校に交換留学生としてやってきた、イスラエル人のイエール。少女とも思えない堂々とした風格を持った彼女は、日本からの交換留学生だった筆者にあざやかな印象を残した。1年前、パレスチナとイスラエルの間に戦争が勃発したが、イエールは無事なのか…。
御し難い心とからだを持て余すという点において、老年は、思春期とおなじぐらい心揺れる季節かもしれない。まだまだ行けるという自負と、もう今までのようには行かないという不安。高齢の親といくつかのちぐはぐなやり取りを経て見えてきたこと……。
なぜイタリアの郵便は届かないのか。役所仕事は滞るのか。一方で、イタリア人は、夢のようにうつくしいモノを作り出す天才でもある。イタリア人の美への感受性と国民性について考えてみた。
NHKの大河ドラマ「光る君へ」、見ています。テーマ音楽がうつくしい。まるで色とりどりの絹糸がからみ、ほどけ
自分の人生、自分で選んでいるのか? 選べているのか……。そんな筆者の疑問にイタリア人の友人が放った言葉とは?
イタリアの巨匠、マルコ・ベロッキオ監督の新作。極左グループ「赤い旅団」によるイタリアの元首相アルド・モーロ誘拐という、国家を揺るがす歴史的事件の闇を描いた。時は1978年。イタリアは相次ぐテロリズムにより、社会的・政治的混乱に陥り、「鉛の時代」と呼ばれていた…。
このところ、街で、電車で、親子連れの姿をよく見かける。と思ったら、夏休み、なんですね。今の子は夏休み、なに
パスタにも流行やブームがある。乾燥パスタと生パスタについての、シェフ、カルミネさんのお話。長いパスタと短いパスタ。パスタが想起させるフィレンツェでの忘れがたい人たち…。
政治の話は日本では避けられがち。一方、イタリアでは職場でもバールでも熱い政治談義がくりひろげられる。右か左か政治的姿勢の開示を迫る友人。投票は自分の権利だと叫ぶ女子大生。生活に追われ、投票にも行けなかった一時期に筆者が考えたことは……
イリーナの家出 — Wrong time wrong place
1990年代半ば、ヴェネツィアで友だちだったロシア人のイリーナ。奇行と放浪癖のある彼女を「ロシアの悩める、さまよう魂」と呼び、常に庇ったフランス人のジャンヌ。その後仲違いし、忘れていたイリーナの存在が、十余年後のロサンゼルスでよみがえる…。
日本の着物に対するイタリア人の珍奇な感想、反応……。なにに美や色気を感じるか、日伊での埋めがたい差異について、日本の美意識を西洋哲学を使って解析した九鬼周造の「いきの構造」をひもとき、考えてみる
高校の還暦同窓会。四十余年も前に共に学んだ級友たちとふるさとの言葉で話すうち、長年忘れていた人のことを思い出した。かすかな記憶を頼りに、思い出の場所をたずねてみると……。
人生百年時代に突入したものの、人の持ち時間は本当に長くなったのか——。今から二千年も前の、古代ローマの哲学者の言葉は、現代においてもまったく色褪せることなく、時間の使い方に関して大事な気づきを与えてくれる
Netflix「エミリー、パリへ行く」と、映画「Elle」に見る、自由でタフなフランス女性たち。まわりに忖度しない、年を重ねてもまるくなったりしない、とんがった生き方が痛快だ。
筆者が個人的に体験したイタリア人の食に関するエピソード、および、イタリア人の人生観がかいま見える、おもしろいことわざを紹介。
自分自身と平和な関係にある、つまり、自分を受け入れているという意味のイタリア語表現—essere in pace con se stesso—と、それを体現しているアラ還女性の新しい出会いについて
イタリア人がリゾットを作るときのポイントは?リゾットポリスとは?ヴェネツィアならではのリゾットとは……。今ではヴェネツィアでもなかなかお目にかかれないリゾットも紹介。
イタリアの結婚式は2種類ある。カトリック教会でする宗教婚と、市役所でおこなう民事婚だ。民事婚では司祭の代わりに、民事登記官が
ヴェネツィア人は大旦那、パドヴァ人は大学者。ヴィチェンツァ人は猫食いで、ヴェローナ人は皆イカれてる——ヴェネト地方に古くから伝わる慣用句を紹介。
電車内での携帯通話、日本ではマナー違反どころか、まるで犯罪のように見られるが、他の国はどうだろう?イタリアでは…?Vivi e lascia vivere(寛容でありなさい)ということわざとともに紹介。
イタリアは大晦日に何を食べる?なぜそれを食べる?筆者が体験したイタリアの年越し料理(cenone dell'ultimo dell'anno)を紹介。
アモーレ、テゾーロ、親しい人の呼び方 − 接尾辞suffissiでも作れます
イタリア語で親しい人に呼びかける言葉の紹介。amore, tesoro, bello, stellaといった定番のほかにも、キアラ→キアレッタ、なぎさ→ナギゾーネのように、ファーストネームの語尾を変化させるやり方がある。
ポルトガル人の国民性の一部ともいわれる、サウダージという心の微妙なあり方。それは猫もおんなじだ!生きものにとって、生きることってなんなんだろう?ある人が語ってくれたポルトガル旅行の印象深い逸話に、発想が飛び…
今から20年近く前、ボローニャ大学で日本語を教えることになった筆者は、ヴェネツィアからボローニャまでの遠距離通勤で、大学で、数々のトラブル、困難に遭遇するが…
トスカーナ出身のエレナは、ヴェネツィア大学日本語学科の一年生。なのに日本語が苦手で好きでもない。そんなエレナに個人授業を頼まれた筆者はとまどい、壁にぶち当たるが、お互いに苦労しながら少しずつ前進していく。しかし、ある日突然、別れがおとずれ…。
プッチーニのオペラ、トスカ。ヒロインにはフローリアという名前があるのに、なぜ苗字で呼ばれるのか。また有名なアリア「歌に生き、愛に生き」は、恋の歌ではなく、トスカの神様への恨み節?ボローニャ歌劇団東京公演の感想。
86歳の父とアラ還の娘のロンドン旅行。ビール好きの年取った親子は、秋なのに暑いロンドンで、冷えたビールを飲みたいと奔走するが…。ビールをめぐる父娘の珍道中。
エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」に描かれたムーア(moor =ヒースにおおわれた広大な湿った荒野)というのをひと目見たくて、イギリス・ヨークシャー地方のハワースという村に行ってきた。物語の舞台と関連づけられている廃墟のTop Withensほか、ブロンテ牧師館、ブロンテ橋など、ゆかりの場所への行き方と印象を写真とともに綴っています
先日、残業をしていたら新任の上司から電話があり、ちょっと来てほしいと言われ、上階にあるオフィスまで赴いた。
イタリアでフリーのライターをしていたとき、自分を支えてくれた記者証。ヴェネツィア映画祭、ベルトルッチ、シチリア、「グランブルー」のエンツォ、「ニュー・シネマ・パラダイス」のトルナトーレ監督…仕事を通じて貴重な出逢いと学びがあった。イタリアをより深く知る機会を得た。
「あなたのような中身のある人は、最後まで品位を保たなくてはいけない」看護婦ルシールの言葉に、老いさらばえた老女が、かつての自分と誇りを取り戻す…「中身のある人」という古い表現が、見かけ重視の現代で新鮮に響いた。人気BBCドラマの感想。
わたしはだれ?ここはどこ?長年、異文化のはざまで生きてきた筆者が時折見舞われる、ふしぎな感覚。それは、住む場所や言語の頻繁な切り替えが生じさせたバグなのか…?
イタリアは先週、記録的な熱波に襲われた。熱波には名前がついていて、その名も「カロンテ(Caronte) 地
AIが進化の末、人間より人間らしくなったら、そのとき人間はどうなるのか?ノーベル賞作家が描くAIと人間との関係についての小説の読後考察。
ヴェネツィアの家で夜更け、ひとりトランプのカードをめくっていた舅。祖母の死をきっかけに、語られなかった家族の過去が、少しずつあらわになっていく…。今は亡き舅を悼んで綴った、家族と個人の物語。
イタリア語の便利な言い訳フレーズを紹介します。神と比べて人間の卑小さを強調し、できないのは自分のせいじゃない、そもそも人間には無理なんだ、と、できないことを正当化する…。
その仕事、そのkaizenは、自分個人にメリットをもたらすのか?イタリアの労働者たちは、古代ローマの時代から、それを冷静に見極めてきた。働くなかで消耗させられないための、考え方のひとつのヒント
ヒュッゲ(hygge)って、海外ドラマでも最近よく耳にするけど、どういう意味?デンマーク人がお墨付きをくれたヒュッゲな夕べを紹介します
昔、ヴェネツィアで出会い、強い印象を残した女友だちのスケッチ。風変わりな魅力を持つ彼女の真珠とは…?
南イタリアの内陸部にある町、マテーラは、洞窟住居群の奇観で知られる。20数年前にその町を訪れた筆者は、その荒々しい景色と、異界のような雰囲気に、アイデンティティークライシスにおちいる…。
没後もその著作が長く広く愛読されている作家、須賀敦子。須賀の教え子である筆者がかいま見た、須賀の横顔。須賀との思い出と、その作品の魅力を語る。
三島由紀夫に影響され、卒業旅行で出かけたインド。女ひとりの路上の旅、1987年のインドは、奇想天外なことの連続だった。なかでもジャイプールの要塞では命の危険におびえ…。
ヴェネツィア人の夫が発する罵り言葉の意味は?ローマ人の同僚の雄叫びの正体は?筆者がイタリア語を学ぶなかで体験した、トホホな勘違いのお話です
ヴェネツィアの下町に住む老夫婦。鰯とポレンタというつつましい食卓から、人生の困難に静かに立ち向かう市井の人の心意気が伝わってくる…。戦前の過酷な時代を生き抜いた、普通の人の勇気の話。
みんなでワイワイ話している最中にふと会話が途切れ、一瞬、し〜んとなる。そんな状況を表す詩的な表現がイタリア語にある。E' passato un angelo…
4月25日はヴェネツィアではボッコロの日。男が愛する女性に一輪のバラのつぼみを贈る風習と、ヴェネツィアの画家、ジョルジョーネの謎に満ちた絵「テンペスタ(嵐)」をめぐる、個人的経験と考察。
アスパラに似たブルスカンドリ、アーティチョークの新芽のカストラウール。ヴェネツィアの春の味覚として愛されてきた地野菜が、昨今、なかなか食べられなくなった。その理由は…。
復活祭はイタリアの行楽シーズン。「復活祭は好きなひとと」というように、家族行事のクリスマスとちがって、好きなひとと自由に過ごせる休暇のはずだった。それが、白アスパラガスの誘惑に負けて…
スモールトークと呼ばれる、初対面やそれに近い相手との雑談や世間話。それがうまくできず、イタリアで彼氏のおかあさん相手に大失敗した経験談。
ヴェネツィア共和国総督を輩出した名門貴族の末裔、故ジローラモ・マルチェッロ伯爵の談話。生前、伯爵が語ってくれたヴェネツィア共和国の歴史逸話。古き良きヴェネツィアの面影。
みんなから愛されるダイバーのミケーレ。彼がヴェネツィア、リド島で主宰するスキューバダイビング教室は、海を愛する仲間たちのたまり場になっていた。一風変わった自然児ミケーレの友情と恋の行方。
牛は草のあるところへ行く Le mucche vanno dove c’è l’erba
動物も人も、食べ物がなくなったら他所へ行くしかない。リストラされたパイロット、南イタリア沖の難民船の転覆、カリフォルニアのロシア人タクシー運転手…母国を去ることを余儀なくされた人たちに思いを馳せる。
桃の節句が来ると、かすかな痛みとともに思い出す。ヴェネツィアの家の納戸に長年、しまったままのおひなさま。娘
「È più forte di me」というセリフが、昨今、気になっている。直訳だと「それは自分より強い」
スイスから時計が帰ってきた。半世紀以上前のアンティーク時計。イタリアの舅からもらったものだ。 離婚して日本
わきまえない。空気も読まない。当然のごとくわがままを主張してくる人が多いイタリア。日本人が彼らと接するとき、どう攻防すればいいのか。異文化摩擦のむずかしさを語る。
今日からヴェネツィアでカーニバルが始まる。百花繚乱の仮装、音楽、カラフルな紙吹雪…祝祭の高揚に包まれた街で、昔、ふしぎな出会いをした。あれは魔法だったのか?
ヴェネツィアで11年暮らした筆者がヴェネツィア暮らしの魅力を語る。ラグーナ(潟)に築かれた水上都市は普通の街とは大違い。アクアアルタ 、海が凍るなど自然に翻弄されるが、同時にそこには、潟に守られたゆりかごのような安心感もあり…。
なんだかんだと11年もいたが、潟(lagunaラグーナ)のなかで暮らすというのは、やはり独特。ヴェネツィア
障害があってしゃべれない甥っ子。筆談もむずかしく、長年、内面を知ることができなかった彼の、若者らしい生き生きした生の言葉を、LINEで初めて聞くことができた!ITの恩恵を初めて噛み締めた嬉しいできごとだ…。
ヴェネツィアの冬といえば毛皮を着たご婦人方の姿を思い出す。なかでもマリアさんのそれを…。筆者がヴェネツィアで十年以上の交流を重ねたマリアさん。その毛皮が教えてくれたこととは?
子どもはもちろん、大人の女もいい年をしたオッサンも、イタリア人には欠かせない栄養素が「コッコレ」。子どものころ、おかあさんがやさしく抱っこしてくれたり、いい子ね、とほめてくれたり、甘えさせてくれたアレ、あの行為だ。
イタリアで師走になるとショーウインドーに赤い下着が増えるのはなぜ?プレゼントに買っている姿をよく見かけるが、その理由は…?
クリスマスイブにはイタリアでは、はるばる来てくれるサンタさんのために、パネットーネというクリスマスのお菓子とコーヒーを用意したものだった。離婚後、日本に帰国した母子をサンタさんは見つけることができるのか…。
坂本龍一氏の健康状態が心配される今日この頃、氏が音楽を担当したベルナルド・ベルトルッチ監督の「シェルタリン
ずる賢い、抜け目ないことが賞賛されるイタリア。正直さが尊ばれる日本。日伊では目的を達するための攻め方が正反対。正攻法にこだわらないイタリアのやり方とは?
オンブラはヴェネツィアの食前酒の習慣だ。イタリア語で「日陰」を意味するオンブラは、ヴェネツィアではちょっと一杯といった意味で使われる。夕方に街で知り合いに会えば、「アンディアーモ・ア・オンブレ」(オンブラしよう)となる
日本の女の子がみんな同じに見えるのはなぜなのか。日本にやってきたイタリア人が日本で発見したモノ、感じたこととは…。
なぜイタリアではキリストより聖母マリアを崇めるのか?なぜマザコンは否定されないのか?イタリアのマリア崇敬とマザコン受容から日伊の社会を比較
11月21日はヴェネツィアのサルーテのお祭り。17世紀、ペストの終焉を感謝して建立されたサルーテ教会に、人々は船橋の参道を渡って無病息災を祈りに詣でる。
メニューには載っていない、イタリア人の大好きなおつまみは?イタリアの街のあちこちにあるカフェテラスで老若男女が気軽に楽しむのは、見る、見られるのゲーム。それには思わぬ効用もあって…。
国際結婚の嫁姑問題。言葉の壁、文化のちがいを乗り越え、理解しあうには…。イタリアで夫の両親との二世帯住宅で暮らした経験を語ります。
膣 vaginaはイタリア語では女性名詞。でもフランス語ではvaginと男性名詞。ラテン語系の言語では名詞に男女の性別があるが、この振り分けにロジックはあるのか?学習者を悩ませるこの問題について考察します。
地産地消のおいしさを体感させてくれた、北イタリア、フリウリ州の山のレストランの思い出。地元の食べ物にこだわり守ろうとするイタリア人と、新しいものが好きで海外の食材を積極的に取り入れる日本人の、食文化のちがいについて考えた。
イタリアのことわざ Uomo avvisato mezzo salvato
まだスマホがなかった頃の、イタリアでの通勤電車でのお話です。その頃のイタリアの電車は、遅延、欠便が日常茶飯事(おそらく今も?)。車内アナウンスもなかったり、あってもアバウトだったりで、乗客は何が起こっているのかよくわからないまま、ひたすら忍耐を強いられたものでした…
あなたは犬派?猫派? わたしはずっと犬派だった。猫を飼ったことがなかったので、猫はちょっとこわかった。だけ
TOEICのリスニングテスト、会場の音響が悪い。どうする?試験官に申し出て席を変えてもらっても音響までは変わらないかもしれない。ほかにも外からの騒音、隣の人が鼻をすする音など、いやがおうでもノイズは入る。音声がクリアじゃなくても、一部聞き取れなくても、リスニングで正解する対策は…。
イギリスの名優ケネス・ブラナー主演のBBCドラマ「刑事ヴァランダー」。舞台となるスウェーデンの町の、灰色の霧にけぶる海辺と暗い森が、人生の深遠さ、複雑さを暗示しているようで、つい引き込まれてしまう。原作は北欧ミステリーの帝王、スウェーデンの推理作家、ヘニング・マンケル。
グローバル社会で日本人が外国人との交渉で不利益を被らないためには、日本人の権利意識を高めることが喫緊の課題だ。権利の行使に不慣れなので、権利の主張に迷いのない欧米人との交渉で不利になることが多いからだ。小学校、中学校で権利教育の授業をする。英語教育のなかに権利教育の視座を取り入れ、主張の仕方を導くのはどうか。
英検1級2次試験のスピーチ対策にはシャドーイングが有効。音声を聞きながらその音を声に出してなぞっていくことだが、繰り返すうち模範例文がすっと口から出てくるようになり、アウトプットの力がつく。
英検1級を一発合格したシングルマザーによる、一次試験ライティング・テストの攻略法。英語に長いブランクがあったが、お役立ちブログと対策本で情報収拾し、過去問のシミュレーションで演習。一度の受験で合格をつかみとった。失敗から得た教訓・ノウハウも含めて紹介する。
英検一級を一発で合格したアラフィフ・ワーキング・トリリンガル・シングルマザーの体験記。英語から四半世紀遠ざかっていたが、3ヶ月超の猛勉強でなんとか一発合格。975点取得しているTOEICと英検一級の内容を比較する。
英検1級の語彙の勉強を始めたところ、イタリア語とそっくりな単語が多くあるのに驚いた。英語は日常的に使う言葉はゲルマン語由来が多いが、上級英語となるとラテン語由来のものが多いのだそうだ。例えばmatrimony(結婚)はイタリア語では matrimonio。意味も同じでイタリアでは
新型コロナウイルスに感染した女性が自宅療養中に自殺と報じられた。「自分のせいでまわりに迷惑をかけた」という内容の遺書を残して亡くなったのだそうだ。日本では感染者を批判したり、差別・中傷したりする風潮があるが、イタリアはちがう。アメリカもちがう。他国の価値観を知って、日本のコロナいじめが異常であると知ってほしい。
Netflix 「The Crown」-フィリップ殿下の隣の芝生-
Netflixの「The Crown」というエリザベス女王が主人公のドラマ、王室の暮らしぶりがうかがえるのも楽しいし、英国の戦後の歩みも知ることができる。王家の人たちの個人の葛藤や苦悩もよく描かれている。女王の夫君のフィリップ殿下がアポロ宇宙飛行士の月面着陸に感動するエピソードでは、仕事の意義ということを考えさせられた。
モーニングページとは、朝、起きたらすぐに、頭に浮かぶことをノート3ページ分書き出す。それを3ヶ月続けるというもの。ジュリア・キャメロンというアメリカ人のライター・脚本家が発案したワークで、自分の頭のなかを整理し、心のブロックをときほぐし、創造性をめざめさせる効果があるそうだ。その体験と効果を記す。
Tra suocera e nuora c’è il diavolo che lavora 姑と嫁は悪魔のしわざ
Tra suocera e nuora c’è il diavolo che lavora (姑と嫁は悪魔のしわざ)。姑と嫁はどうしようもなく争ったり、憎みあったりするものだ、の意味のイタリアのことわざ。La vipera che morsicò mia suocera morì avvelenata.(毒ヘビが姑を噛んだら、毒ヘビが毒で死んだ)なども。筆者とイタリア人姑のエピソードを紹介。
Moglie e buoi dei paesi tuoi. 嫁と牛はおらが村
Moglie e buoi dei paesi tuoi.(嫁と牛はおらが村)はイタリアのことわざ。結婚相手は同郷から選びなさい、の意味。グローバル化の時代、国際結婚が増えたが破綻するケースもまた多いので、「やっぱり『嫁と牛はおらが村』だ」というふうに使われたりする。
「日本人はおとなしいロボットだ」と、イタリア人に言われて考えた
決まりに支配されたくないイタリア人同僚は、 決まりをきちょうめんに守る日本人を頭が固い、おとなしいロボットのようだと批判する。まわりや社会の調和を重んじる日本式と、まわりを気にせず自分をものさしに生きるイタリア式の、どちらのほうが個人にとっては幸せなのか。いつも自分軸で生きているイタリア人の生き方を考える。
イタリアのことわざシリーズその5。検察庁法改正案抗議ツイートに関し、「Chi tace acconsente.(黙っているのは同意したと同じ)」というイタリアのことわざを通して、声を上げるということへの日伊の考え方のちがいについて考える。イタリア人ほか欧米人を相手に話すとき、あまり自己検閲に時間をかけず、早めに自分のスタンスを明らかにするのが大事だ。発言しないと声なき声で終わってしまう。
日本人はどんなに苦しくても精神力で乗り越えようとする傾向があるのに対し、イタリア人はもっと現実的。「押してダメなら仕方ない」と、わりとあっさりしている。子どもの性格や好き嫌いも修正するというのではなく、ひとつの個性として尊重する傾向がある。その子その子の生来の性分や素質を尊重し、あまり親が手を出さないから、子どもが型にはまっておらず、個性豊かだ。
イタリアのことわざ Chi non beve in compagnia o è un ladro o è una spia
Chi non beve in compagnia o è un ladro o è una spia. いっしょに飲まないヤツは泥棒かスパイだ。自分をさらけ出さない人間には隠し事がある、の意。イタリアの人は徒党を組むのが好きだ。知り合った相手が自分の敵か、味方か。簡単に手なづけられるか、それとも機嫌を損ねるとやっかいな相手か。ニコニコしながらも結構シビアに観察している。
コロナ後、イタリアにハグやキスは戻るのか?コロナが社会にもたらした変化のなかでも最も大きいのが、人と人との接し方。これまでイタリアではハグやキスといった触れる愛情表現が習慣だったが、イタリアの心理学者フランコ・スピノガッティ氏は、コロナ危機の後の愛情表現は変わると述べている。
香港の抗議活動で香港の人たちは英語力がいかに武器になるかを示した。リーダーのジョシュア・ウォン、アグネス・チョウは英語で直接、国際社会に現状をアピール。デモに参加している一般の人たちも英語で外国メディアに答えるなど、英語力がタイムリーでスピーディーな情報発信を可能にしている。
湊雅博 写真集「FUSION:環」刊行記念展を見に、森岡書店に行ってきた
写真家、湊雅博さんの新しい写真集「FUSION:環」刊行記念展が、2019年5月28日から6月2日まで、「一冊の本を売る本屋」のコンセプトで、今、注目を集めている森岡書店 銀座店にて開催された。会期中はたくさんの人が訪れ、作り手と買う(読む)人の交流の場となった。
日本男性の家事参加、OECDで最低。女ばかりタダ働きはもう辞めよう
OECDの近年のデータによると、日本の男性が家事や育児といった無報酬の仕事に費やす時間は40.8分で、OECD国で最低だ。「男女共同参画社会」や「女性が輝く社会」などの社会政策が作られても、日本では女性ばかりタダ働きの状況はなかなか変わらない。なぜ日本女性はもっと強く男性に負担を迫らないのか、その社会的背景を考える。
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都市にも人間のように特有の性質、体温がある。東京が冷たいというイタリア人。ヴェネツィアを暑苦しいと感じた筆者。新しい場所に移り住むことは人に変容を強い、心は揺れ、体感温度は変わる……
ネガティブ・ケイパビリティ—— 負の力? 陰性能力? 作家であり、精神科医でもある帚木蓬生が解説した本、「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」を読んでみた。帚木はこの能力を知って以来、ふんばる力がついたという。職業生活も、創作行為も、ずいぶん楽になったという……。
ダンテの「地獄篇」を描いた一枚の絵に、京都、祇王寺で見た光景が重なり……。1000㎞もの距離を飛んでくるという「渡り蝶」と、愛の苦しみに生きた女たちに思いを馳せる
来たるアメリカ大統領選で、ミシガン州が注目されている。選挙の勝敗の決め手となるスイングステートのひとつとい
40年以上も前、アメリカ・ミシガン州の田舎の高校に交換留学生としてやってきた、イスラエル人のイエール。少女とも思えない堂々とした風格を持った彼女は、日本からの交換留学生だった筆者にあざやかな印象を残した。1年前、パレスチナとイスラエルの間に戦争が勃発したが、イエールは無事なのか…。
御し難い心とからだを持て余すという点において、老年は、思春期とおなじぐらい心揺れる季節かもしれない。まだまだ行けるという自負と、もう今までのようには行かないという不安。高齢の親といくつかのちぐはぐなやり取りを経て見えてきたこと……。
なぜイタリアの郵便は届かないのか。役所仕事は滞るのか。一方で、イタリア人は、夢のようにうつくしいモノを作り出す天才でもある。イタリア人の美への感受性と国民性について考えてみた。
NHKの大河ドラマ「光る君へ」、見ています。テーマ音楽がうつくしい。まるで色とりどりの絹糸がからみ、ほどけ
自分の人生、自分で選んでいるのか? 選べているのか……。そんな筆者の疑問にイタリア人の友人が放った言葉とは?
イタリアの巨匠、マルコ・ベロッキオ監督の新作。極左グループ「赤い旅団」によるイタリアの元首相アルド・モーロ誘拐という、国家を揺るがす歴史的事件の闇を描いた。時は1978年。イタリアは相次ぐテロリズムにより、社会的・政治的混乱に陥り、「鉛の時代」と呼ばれていた…。
このところ、街で、電車で、親子連れの姿をよく見かける。と思ったら、夏休み、なんですね。今の子は夏休み、なに
パスタにも流行やブームがある。乾燥パスタと生パスタについての、シェフ、カルミネさんのお話。長いパスタと短いパスタ。パスタが想起させるフィレンツェでの忘れがたい人たち…。
政治の話は日本では避けられがち。一方、イタリアでは職場でもバールでも熱い政治談義がくりひろげられる。右か左か政治的姿勢の開示を迫る友人。投票は自分の権利だと叫ぶ女子大生。生活に追われ、投票にも行けなかった一時期に筆者が考えたことは……
1990年代半ば、ヴェネツィアで友だちだったロシア人のイリーナ。奇行と放浪癖のある彼女を「ロシアの悩める、さまよう魂」と呼び、常に庇ったフランス人のジャンヌ。その後仲違いし、忘れていたイリーナの存在が、十余年後のロサンゼルスでよみがえる…。
日本の着物に対するイタリア人の珍奇な感想、反応……。なにに美や色気を感じるか、日伊での埋めがたい差異について、日本の美意識を西洋哲学を使って解析した九鬼周造の「いきの構造」をひもとき、考えてみる
高校の還暦同窓会。四十余年も前に共に学んだ級友たちとふるさとの言葉で話すうち、長年忘れていた人のことを思い出した。かすかな記憶を頼りに、思い出の場所をたずねてみると……。
人生百年時代に突入したものの、人の持ち時間は本当に長くなったのか——。今から二千年も前の、古代ローマの哲学者の言葉は、現代においてもまったく色褪せることなく、時間の使い方に関して大事な気づきを与えてくれる
Netflix「エミリー、パリへ行く」と、映画「Elle」に見る、自由でタフなフランス女性たち。まわりに忖度しない、年を重ねてもまるくなったりしない、とんがった生き方が痛快だ。
筆者が個人的に体験したイタリア人の食に関するエピソード、および、イタリア人の人生観がかいま見える、おもしろいことわざを紹介。
自分自身と平和な関係にある、つまり、自分を受け入れているという意味のイタリア語表現—essere in pace con se stesso—と、それを体現しているアラ還女性の新しい出会いについて
ポルトガル人の国民性の一部ともいわれる、サウダージという心の微妙なあり方。それは猫もおんなじだ!生きものにとって、生きることってなんなんだろう?ある人が語ってくれたポルトガル旅行の印象深い逸話に、発想が飛び…
今から20年近く前、ボローニャ大学で日本語を教えることになった筆者は、ヴェネツィアからボローニャまでの遠距離通勤で、大学で、数々のトラブル、困難に遭遇するが…
トスカーナ出身のエレナは、ヴェネツィア大学日本語学科の一年生。なのに日本語が苦手で好きでもない。そんなエレナに個人授業を頼まれた筆者はとまどい、壁にぶち当たるが、お互いに苦労しながら少しずつ前進していく。しかし、ある日突然、別れがおとずれ…。
プッチーニのオペラ、トスカ。ヒロインにはフローリアという名前があるのに、なぜ苗字で呼ばれるのか。また有名なアリア「歌に生き、愛に生き」は、恋の歌ではなく、トスカの神様への恨み節?ボローニャ歌劇団東京公演の感想。
86歳の父とアラ還の娘のロンドン旅行。ビール好きの年取った親子は、秋なのに暑いロンドンで、冷えたビールを飲みたいと奔走するが…。ビールをめぐる父娘の珍道中。
エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」に描かれたムーア(moor =ヒースにおおわれた広大な湿った荒野)というのをひと目見たくて、イギリス・ヨークシャー地方のハワースという村に行ってきた。物語の舞台と関連づけられている廃墟のTop Withensほか、ブロンテ牧師館、ブロンテ橋など、ゆかりの場所への行き方と印象を写真とともに綴っています
先日、残業をしていたら新任の上司から電話があり、ちょっと来てほしいと言われ、上階にあるオフィスまで赴いた。
イタリアでフリーのライターをしていたとき、自分を支えてくれた記者証。ヴェネツィア映画祭、ベルトルッチ、シチリア、「グランブルー」のエンツォ、「ニュー・シネマ・パラダイス」のトルナトーレ監督…仕事を通じて貴重な出逢いと学びがあった。イタリアをより深く知る機会を得た。
「あなたのような中身のある人は、最後まで品位を保たなくてはいけない」看護婦ルシールの言葉に、老いさらばえた老女が、かつての自分と誇りを取り戻す…「中身のある人」という古い表現が、見かけ重視の現代で新鮮に響いた。人気BBCドラマの感想。
わたしはだれ?ここはどこ?長年、異文化のはざまで生きてきた筆者が時折見舞われる、ふしぎな感覚。それは、住む場所や言語の頻繁な切り替えが生じさせたバグなのか…?
イタリアは先週、記録的な熱波に襲われた。熱波には名前がついていて、その名も「カロンテ(Caronte) 地
AIが進化の末、人間より人間らしくなったら、そのとき人間はどうなるのか?ノーベル賞作家が描くAIと人間との関係についての小説の読後考察。
ヴェネツィアの家で夜更け、ひとりトランプのカードをめくっていた舅。祖母の死をきっかけに、語られなかった家族の過去が、少しずつあらわになっていく…。今は亡き舅を悼んで綴った、家族と個人の物語。
イタリア語の便利な言い訳フレーズを紹介します。神と比べて人間の卑小さを強調し、できないのは自分のせいじゃない、そもそも人間には無理なんだ、と、できないことを正当化する…。
その仕事、そのkaizenは、自分個人にメリットをもたらすのか?イタリアの労働者たちは、古代ローマの時代から、それを冷静に見極めてきた。働くなかで消耗させられないための、考え方のひとつのヒント
ヒュッゲ(hygge)って、海外ドラマでも最近よく耳にするけど、どういう意味?デンマーク人がお墨付きをくれたヒュッゲな夕べを紹介します