徒然草第ニ百四十三段 (空よりや降りけん。土よりや湧きけん)
「空よりや降ふりけん。土よりや湧わきけん」、最初の神は、空からか、土からか、何処からか現れたということでしょう。徒然草も最後の段になりました。確かに、今、ここに自分がいることははっきり認識しています。しかし、自分がどこから来たのか、そしてどこへ行くのか定かでありません。永遠の時の流れの中で、自分というものが常に存在しているのか、そうでないのか。そうでないとしたら、存在していない時間では、自分はどうなっているのか。輪廻という概念を信じなければ、自分という存在が不安でしかたありません。ただ、記憶が塗り替えられるだけで、前世にも、後世にも、自分は存在し続けるのだと考えれば、心は安らぎます。歳を取ると、死んでしまったらどうなるのかよく考えます。自分が終わってしまうと、この世も終わってしまう。この世は、自分がいるか...徒然草第ニ百四十三段(空よりや降りけん。土よりや湧きけん)
2025/02/19 15:28