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  • 親の大変さを知る意味で『クリームイエローの海と春キャベツのある家』(せやま 南天)

    4月に発売された朝日新聞出版賞受賞作。 一流企業を退職した主人公が再就職先に あえて家事代行を選んで奮闘する話だよ。 子供5人のシングルファーザーの家庭で 失敗を重ねながら成長していく主人公に 共感が止まらないって声が続出しそうだ。 掃除機のかけ方へのひと工夫等のように ハッと気づかされるテクニックがあって さらに気の持ちようへのヒントもくれる。 プラスアルファの魅力がある作品だよ~。 文章難易度は難しいんだけど家事をする 大変さが直に伝わるので薦めたいところ。 俺のレビューの一部だけ以下に付けとく。 完璧なんか目指さなくていい。悪いこだわりは捨て去ろう。スモールステップで大丈夫。 そんなメッ…

  • 正しさいっぱいの『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(椰月 美智子)

    うそみたいだ。この街でそんなことがあったなんて・・・(本文より) かつての小学館児童出版文化賞の受賞作。 今年の入試でもよく使われていた旧作だ。 夏にはNHKでドラマ化されてもいたよ。 スケボー大好きな少年が神社の管理人の おじいさんと交流を深めるという筋書き。 やり取りを重ねていくなかで街を襲った 戦禍の悲惨さに触れ衝撃を受けるんだな。 平和の尊さは入試でよく見るテーマだが そういうの関係なく読んで欲しいところ。 例の難易度では平易に該当して読み易い。 以下は4年も前に書いたレビューの欠片。 主人公は中学受験断念で抜け殻のようになっていた小6男子。 彼は友人とともに、目の前でケガをしたおじい…

  • 普通って何だろう『世界のすべて』(畑野 智美)

    命をかけて産んでもらい、人生をかけて育ててもらった。それなのに、申し訳ないと考えてしまうことは、よくある。(本文より) 入試で見たことのない作家の9月の新作。 LGBTQだけじゃない多様性の裾野を 悩める青年の視点で描くストーリーだよ。 すこし子どもに見せづらい箇所もあるが 主人公のみならず周囲で苦悩する人々の 吐き出す激情に学びがありまくりだった。 特性に名前を付けることで見えなくなる こともあるって俺は思い知らされたな~。 例えばL要素とて0か100かじゃない。 20や30という人だっているだろうし それは時間の経過によって変化もしうる。 同じ人が複数の要素を持つ可能性もあり 多様性のパタ…

  • ゆるぎない信念と箴言『生きるぼくら』(原田 マハ)

    これも今年の入試で出た定番の旧作だよ。 やはり定番作品は選ばれる理由があると 読み返してしみじみ感じる物語だったわ。 学生時代のいじめで引きこもりになった 主人公が人生で最大の危機に見舞われて すがった相手は意外な人物だったんだな。 傷つき固まっていた心が優しさに包まれ 動き出すさまにすっかり酔いしれたわ~。 以下は5年前に書いたレビューの断片だ。 この本の影響で、私も手作りのおにぎりはしっかり味わって食べるようになりました。 カッコ悪い大人の見本のようだった主人公が、おばあちゃんのお世話と米づくりを通して一皮も二皮もむけるというストーリーです。 24歳の引きこもり青年の変わりようが凄い! 仲…

  • 例の事故を想起させる『海のなかの観覧車』(菅野 雪虫)

    いつも大人の甘い見込みで、酷い目にあうのは子どもだ。(本文より) ミステリ要素を含んだドキドキできる本。 YAの有力作家が4月に出した作品だよ。 企業の社会的責任を扱う珍しい児童書だ。 サラッと読んでおしまい、とはならない 考えさせられる部分があるのがいいよ~。 現実にも起こっている様々な企業不祥事。 そして問題はお金では解決できない苦痛。 しゃあ、一体どうすればよかったのか? 作中でも関係者たちが狂わされるように、 これはなかなか答えの出ない課題だろう。 例の難易度分類では普通にカテゴライズ。 俺のレビューの一部を以下に紹介しとく。 故郷を奪われ、生活の場を失う災害がもしも人災だったら、怒り…

  • 何度でも読み返したい『よろこびの歌』(宮下 奈都)

    これも名作中の名作で2009年発売だ。 旧作なのに今年少なくとも3校で出てる。 マイナー新作より優先度は高いだろうな。 今この学校にいる私は仮の姿。誰にどう思われようと構わない。(本文より) こんな風に雑に高校生活を過ごしていた 少女が合唱をきっかけに変わっていくよ。 音を合わせることで心がつながるさまが 繊細な文章でつまびらかに描かれるんだ。 大人向け小説なのでちょっと敷居が高く 例の分類では文章難易度は難しいに区分。 以下は5年前に書いたレビューの一部だ。 音楽科への進学の道が絶たれた主人公は高校に馴染めず、教室の片隅でひっそりと過ごしています。 転機は高2の秋。 突然、合唱祭の指揮者に選…

  • 百番のかつてない破壊力『ダキョウソウ』(洛田 二十日)

    口車は時に、どんな車よりも遠い美しい場所まで運んでくれる。(本文より) 年の瀬なので、今年最も笑った本を紹介。 放送作家兼作家という著者の短編集だが20編の過半数はSFテイストが濃いぃ。 想像力の暴走っぷりがものすごくってよ、 入試に出るかと言われればほぼNOだが 『私は万年筆になりたい』はアリかも? 戦争のどうしようもなさを味わえる話だ。 俺が苦境に立たされたのは『百番』だよ。 児童文学作家が右往左往するって話だが 読書でこんな目に遭ったのははじめてだ。 何があったのかはレビューで自白したよ。 え? のっけから唖然。 口に合わなそうと思いつつ読んでいるうちに、止まれなくなっている自分に愕然。…

  • 色褪せない青さ『ぼくのとなりにきみ』(小嶋 陽太郎)

    2017年2月発売の元・頻出作品だよ。 とはいえ、今年の入試でも俺が知る限り 2校で使われているので引き続き要注目。 作問のための選書って大変な手間だから 複数回入試がある学校は旧作も出やすい。 あと地方校も旧・定番作品がよく出てる。 新作を追う意識が薄いのかもしれないな。 本作は個性がバラバラな中学生の青春に 光を当てる楽しさいっぱいの名作だよ~。 青々とした彼らのためらいや、あるいは 勢いが読者に元気をくれるストーリーだ。 難度分類は中学入試標準といったレベル。 以下は5年前に書いたレビューになるよ。 出来ないことは頑張っても仕方ないと冷めている中1男子が主人公。 穏やかでやさしい反面、コ…

  • ダークホースはエース級『新しい春』(藤岡 陽子)

    私立の中高一貫校に通うことができるのも弦太が一人っ子だからで、ぎりぎりの経済状況であることは知っている。(本文より) たま~に出典予想ランキング出した後に もの凄い優良素材を見つけることがある。 今回紹介する藤岡陽子先生の短編小説は 素材文適性◎、テーマ注目度◎のレア物。 小説宝石の2024年5月号掲載作品で 単行本としてはまだ発売されていないよ。 未刊行作品は作問者が気づきにくいので、 もし今期の表に入れると40位ぐらいだ。 ただ、気づけば多分使いたくなるだろう。 短編小説を詳しく紹介するとネタばれが 過ぎるのでさらりとストーリーに触れる。 主人公は学年の2割が東大や京大に進むという中高一貫…

  • 堂々と生きるために『ドヴォルザークに染まるころ』(町田 その子)

    知ってる?シンデレラは王子様と結婚した後に姑の王妃様からいびられるし、眠り姫は姑が人食い魔で王子との間に授かった子どもたちが食べられそうになるんだよ。(本文より) たまに入試に出る作家の11月の新作だ。 一行目でもう子供に見せられないと確信。 こんな書き出しアリかよ~って思ったわ。 担任の先生のセックスを見たことがある。(第一話本文の一行目をそのまま引用) だがしかーし、本質は奔放な話じゃない。 大人女性の内面をえぐるように掘り下げ 少女の葛藤も掬い取る妙技が凄いんだ~。 田舎の町の廃校を控えた小学校を舞台に さまざまな人間模様が交差する物語だよ。 著者の伝えたい極めて真っ当な価値観が ストー…

  • 真摯に人と向き合う『あたたかな手 なのはな整骨院物語』(濱野 京子)

    器用じゃないから、よけいに努力するってこと、なにごとにもあるでしょう?(本文より) 割と入試に出る作家の1月に出る新作だ。 医者や看護師以外にも人々を健康にする 仕事があるってのは子どもには新鮮かも。 柔道整復術は柔術が起源で、殺法が柔道、 活法が柔道整復術になったんだってな? そういう国家資格を持つ主人公の話だよ。 いろんなエピソードに子どもたちが深く 関わって来るのがこの作品の特徴ですわ。 肘を痛めた野球少年や、中学受験生の話、 姉が重病という少女の話などさまざまだ。 特に最終話のエモさが半端じゃなかった。 友情の眩しさにもあって後味がいいよ~。 例の分類では平易相当なので読みやすい。 俺…

  • 出題されるかもしれない新刊本(2025年1月前後)

    年明けにも面白そうな新作がてんこ盛り。 特に入試頻出作『駒音高く』の姉妹編の 『見えなくても王手』は期待値が高いよ。 1月末には豪華作家陣の作品集もあるし。 以下の新刊リストは未読の本が多いんで たぶん出題向きじゃないのも混じってる。 1/6発売 ☆先行レビュー予定☆ 『あたたかな手 なのはな整骨院物語』(濱野 京子) 駆け出しの柔道整復師が弱さと向き合う。 1/18発売 『やなやつ改造計画』(吉野 万理子) 気ままな少年が生徒会長になって騒動に。 1/21発売 『若松一中グリークラブ 気になるあの子はトップテノール』(神戸 遥真) 合唱サークルを作ることになった相棒は。 1/23発売 『見え…

  • 美しい心をはぐくむ『銀樹』(森埜 こみち)

    生きものはな、おそらくみんな、もちつもたれつじゃ。(本文より) 阿部暁子先生、川上弘美先生らとともに 今年度の入試で脚光を浴びそうな作家の 新境地となる10月に発売された作品だ。 辛酸をなめ続けてきた少年が目標を定め 一所懸命に努力して夢に近づいていくよ。 やさしさがあふれる環境で成長する彼が やがてとんでもないことに巻き込まれる。 時代物っぽいんだが物語に引き込む力は ハンパじゃなくて気づけば夢中だったよ。 とくに助けたくない人物を無理してまで 助けるのか問うシーンが印象に残ったな。 この伏線があったから終盤の彼の判断が びっくりするほど尊いと感じられたわ~。 師匠が大事にしている理念にも要…

  • いつか、誰かの方舟に『ショコラ・アソート あの子からの贈りもの』(村上 雅郁)

    いつまでもいっしょにいられるわけじゃない。手を伸ばせるなら、伸ばせるときにちゃんと伸ばせ。(本文より) 『きみの話を聞かせてくれよ』によって 2024年中学入試で一躍注目を集めた 村上雅郁先生が今月6日に出した短編集。 過去作品の登場人物たちに別の角度から 光を当てるというユニークな企画だよ~。 21校出題の『きみ話』のスピンオフも いいけど最初の話がイチバンだった印象。 冒頭のフレーズでグイッと引っ張り込み さらなるビックリ展開に連れていくから。 それでいて多様性が胸に刻まれる短編だ。 素材文適性って点でも恐らく一話目が○。 ま、そういうの関係なしに3人組の話は もっと読みたいと思わされちま…

  • 健やかに、爽やかに『きさらぎさんちは今日もお天気』(古都 こいと)

    戦争って同じ世界で起きていることなんだ。戦地にいなくても、戦争でつらい思いをする人はいるんだ。(本文より) 世界保健機関(WHO)って国連組織が 身体の361のツボを認定してるそうだ。 このネタは来月出る濱野京子先生の本に 書いてあるんだが今回の紹介する作品は まさにそのツボが重要な役割を果たすよ。 11月に出た小川未明文学賞大賞作品だ。 鍼灸師一家のほのぼのとした日常の中に 時折ドキリとすることが起こるんだわ~。 これ程いい子が出てくる本ってないかも。 たぶん誰かに見習って欲しいって思うよ。 親目線では安心して与えるられる作品だ。 ま、大人も見習うべき部分が多いけどな。 特に主人公の父親の生…

  • キングの帰還『夜と跳ぶ Re:東京ゴールデン・エイジ』(額賀 澪)

    子どもに親のメンタルケアさせるな。(本文より) わりと入試に出る作家の明日発売の新作。 未知の世界に近づけるストーリーだった。 前作も躍動感がハンパじゃなかったけど この続編はさらなる盛り上がりを見せる。 ピンチの連続や想像を超えるライバルに ぶっ通しでかじりつくしかなかったわ~。 今作ではオトナ女性の活躍も見どころだ。 主役すら食いそうな存在感に圧倒される。 難易度は難しいに分類されるこの作品に 俺が書いたレビューをちょっとだけ紹介。 夜闇を切り裂く歳の差バディが帰ってきた! 熱涙必至のスケートボード小説。 絶対王者として君臨したストリートのカリスマが、相棒のスポーツカメラマンと共に縦横無尽…

  • 意欲と努力で突き進め『11ミリのふたつ星 ~視能訓練士 野宮恭一~』(砥上 裕將)

    次の一手が見当たらないなら、あらゆることを試さないと。(本文より) たまに入試に出る作家の本日発売の新作。 このシリーズは前作も入試に出ているよ。 視能訓練士ってSF物か何かに出てくる 架空の職業と思ってたが大間違いだった。 眼科の検査技師になった不器用な青年が 一生懸命に突き進む中で周囲を巻き込む。 そんな医療系のリアルなストーリーだよ。 努力の積み重ねの大切さを実感できるし、 道に迷ったときに読むとよさそうだわ~。 視覚障碍者って全盲の人を想像するけど 部分的に見えている人の方が多いんだな。 スマホ使い過ぎ少年の悲劇にもビックリ。 文章レベルは難しいのでハードルは高め。 俺のレビューの一部…

  • 桜蔭の出題者に選んで欲しい名作たち【2025年入試版】

    桜蔭は他校が選べない出たばかりの本を 素材に使うことがあるとは前にも書いた。 実際、11月発売の本なんかも出ている。 作問とチェックには時間を要するゆえに これはよそではできない芸当なんだな~。 2020年出題 前年の7月25日発売 『思いはいのり、言葉はつばさ』(まはら 三桃) 2021年出題 前年の11月14日発売 『あしたのことば』(森 絵都) 2022年出題 前年の9月8日発売 『そらのことばが降ってくる: 保健室の俳句会』(高柳 克弘) 2023年出題 前年の10月12日発売 『ひみつの犬』(岩瀬 成子) 2024年出題 前年の6月28日発売 『百年の藍』(増山 実) 再び神速を見せ…

  • やんごとなき世界へ『あなたを待ついくつもの部屋』(角田 光代)

    どうして人は、きれいなもの、おいしいもの、おもしろいもの、心をきらめかせる何かに触れると、誰かと共有したくなるのだろう。(本文より) 帝国ホテルの会報誌に連載された42編。 わりと入試に出る作家の7月に出た本だ。 味わい深いショートショート集だったわ。 読めば絶対に帝国ホテルに行きたくなる。 ブランディング戦略を反映させてるから 変な話はなく安心してほっこりできるよ。 父の尾行をする話とか写真室エピソード、 音大志望の粋な恩返しなどに癒された~。 大人向けが多く素材適性は高くないけど 恩師のお別れ会に赴く女性を描いた掌編 『あなたはあなたの色で』がアリかも? 先生の生き方のすばらしさを感じる話…

  • 殻を破って歩み寄れ!『15歳の昆虫図鑑』(五十嵐 美怜)

    小学校中学年くらいまでは、理科の授業でわたしはヒーローだった。(本文より) これも講談社児童文学新人賞の佳作だよ。 児童文庫で実績のある作家による新境地。 空気を読めない虫好きな少女を柱にして 悩める子供達の胸の内を掘り下げていく。 人気者の意外な葛藤、控え目少女の覚悟、 女王キャラの苦悩など見どころたっぷり。 不器用女子の伝わりにくい優しさもイイ。 素材文適性って面では1章がベストかな。 空気を読めない子と読みすぎる子の話で、 複数ある二人の対話シーンに注目だろう。 他の章は綺麗に話を締める後半パートに 注目シーンがあるが特に最終章がよさげ。 盛り上がりという観点でも美しい情景が 目に浮かぶ…

  • 心に届く爽快さ『ピーチとチョコレート』(福木 はる)

    軽々しく本音を見せないのは、自分の心を守るための戦略だ。(本文より) 講談社児童文学新人賞の佳作だった作品。 この年の新人賞は明らかに当たり年だわ。 大賞が凄かったのはもちろんのことだが 今回の紹介本も次に紹介する予定の本も クオリティーがハンパじゃないんだもん。 親しみやすい文体に乗せて語られるのは 自分を偽って暮らしてた少女の変化だよ。 卑屈さを脱ぎ捨てた彼女に圧倒されたわ。 ちょっとしたきっかけでも人生は変わる。 そう教えてくれるこの本は年代を問わず 変わりたい気持ちを持つ人に刺さりそう。 俺なんかもその気にさせられちまったよ。 意識改革に導いてくれる稀有な物語だな。 素材文によさそうな…

  • その明暗はくっきりと『わたしたちは、海』(カツセ マサヒコ)

    きっと全ての親はさ、純度百パーセントで目の前の子供を想うことなんかできなくて、どこかに過去の自分を、投影しちゃってるんだろうね。(本文より) これも入試で見たことのない著者の新作。 書店で目立ってたのでピックアップした。 大人向けの作品で子どもに見せられない 短編『渦』を含むが一つ注目作があるよ。 『海の街の十二歳』は地味な少年たちが クラスメイトの少女たちの秘密に近づく 心惹かれるショートストーリーなんだな。 誰にも言えない話を共有した後の彼らの 振舞いには想像力を搔き立てられまくり。 特に問題文にしやすそうだったくだりは 父のいない少年への雑過ぎる決めつけに 同じく父のいない子が助け舟を出…

  • 受け継がれる想い『いのちのつぼみ』(志津谷 元子)

    好きな人の好きなものを、自分も好きになる。それが恋というものなのだろうか。(本文より) 入試では見たことがない著者の新作だよ。 作品数が少ない先生だが小川未明文学賞 大賞を受賞した実績もある作家だからな。 これといって熱くなれる物がない少女が、 憧れのお姉さんと出会い、揺さぶられる。 命の大切さを嫌ってほど実感できる話だ。 主人公の悲嘆はたやすく癒えたりしない。 放心のまま過ぎゆく時間に真実味がある。 素材文適性っていう点では友人と一緒に はじめて悲しみに向き合う場面がよさげ。 小6から中3までのあゆみを描いてるが 平易なので小4でも読めそうなレベル感。 以下は俺のレビューの感想パートになる。…

  • 喝采の起業計画『アーセナルにおいでよ』(あさの あつこ)

    ”アーセナル”はまだ小さいけれど、必要なんだ。今、生きている人たちに絶対に必要な場所だ。そう信じて創ったんだ。(本文より) わりと入試に出る作家の9月の新作だよ。 高3女子のもとに初恋の君から届く連絡。 それは思わぬ計画への誘いだったんだな。 アーセナルは武器庫って意味なんだって。 メンバーたちは得意なことをフル活用し 苦手なことにも挑戦して乗り越えていく。 困っている人に現実に向き合える武器を、 という理念で事業化に向け邁進していく。 そんな魅力たっぷりのストーリーだった。 起業がテーマのYA小説って珍しいから 子供には得るものが多いんじゃないか? 終盤には手に汗握る展開もあって面白い。 難…

  • 【番外編】2025年高校入試 国語出典予想20選(2024年1月~2024年10月発売)

    今度は高校入試版の予想を作ってみたよ。 去年作ったリストでは、中学でも出てた 『この夏の星を見る』が最頻出だったな。 中・高入試ともに選書の傾向は似てるが、 高校は秋発売の作品も割と出ているから、 中学入試版とは少し違う顔ぶれになるわ。 高校入試の国語出典予想20選(タイトルによるアイウエオ順) 『藍を継ぐ海』(伊与原 新) 『灯』(乾 ルカ) 『明日、晴れますように 続七夜物語』(川上 弘美) 『いつか、あの博物館で。: アンドロイドと不気味の谷』(朝比奈 あすか) 『うたう』(小野寺 史宜) 『小田くん家は南部せんべい店』(髙森 美由紀) 『俺たちの箱根駅伝』(池井戸 潤) 『風に立つ』(…

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