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オンライン医学部予備校 https://mathonline.hatenablog.com/

京都大学医学部医学科卒の管理人が自身の受験や講師としての受験指導から得たノウハウを医学部を目指す受験生や保護者の方々向けに有益情報として還元していくブログです。

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2020/11/06

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  • 共通テスト国語2023 (6)──小説①

    引き続き、共通テスト2023第2問(小説)を検討しよう。 出題文の作者は、文学史的には「第1次戦後派」に分類される梅崎春生(うめざき はるお 1915~1965)。戦後派の名前通り、当初は戦争体験や戦後の焼け跡の混乱した世相に題材を採ったが、同時にのちの「第3の新人」と呼ばれる文学者グループを先取りする都市的・小市民的感性を作中ににじませ、独自の境地に達した人だ。出世作は「桜島」だが、わたくしQ氏にとっては最後の小説「幻化」が忘れられない。 梅崎春生の小説の主人公は、気弱でいわゆる「いじめられっ子(のび太)」タイプであり、要領の悪さや根気のなさに加えて小市民的な心の狭さも持つがゆえに人生がうま…

  • 共通テスト国語2023 (5)──評論⑤_選択肢の検討その3

    共通テスト国語の解説のつづきですよ~。わたくしQ氏もけっこうトシを自覚する頃合なので、前回までの密度で解説を始めたものの、目がチカチカして痛くなったりする。受験生の皆さんに需要があるのかどうかは分かりませんが、いちおうやりますね。 …今年、初めて当予備校ブログを担当させていただくので、勇んで始めましたが、これを共通テスト1回分、全部やるのはかなりキツいっスね(ポツリ)。逆に、ここまで詳しく解説している本とかはないと思うぞ。自画自賛。こんな分量書いてたら、ページ数がいくらあっても足りないもん。 さて第1問評論、問5である。 傍線部D「壁がもつ意味は、風景の観照の空間的構造化である。」の意味を問う…

  • 共通テスト国語2023 (4)──評論④_選択肢の検討その2

    共通テスト国語の解説、始めたのはいいけれど膨大になりそうなので、適宜はしょりましょう。まだ市販の詳細解説本は出ていないと思いますから、特に現高2生は参考にしてくだされ。 さて、第1問(評論)の選択肢の検討、続きである。 問3。この問題はまあいいかな…と思う。正解は②。②は問題点がない選択肢なので検討せず、他の選択肢の「ダメ」部分を大急ぎで指摘しよう。 ①。「室内に投影して見る」が完全にダメ。これはそんなこと、ひとことも言ってないでしょう。ル・コルビュジエが住まいを「徹底した視覚装置、まるでカメラのように考えていた」(本文)の部分に引きずられた受験生はこれを選んだかもしれないが、ここはル・コルビ…

  • 共通テスト国語2023 (3)──評論③_選択肢の検討その1

    医学部受験生の皆さん(とはいえ、国語の話題が多いので、全国の国公立・私立他学部受験生の皆さんも待ってるよ!)、寒波の影響はいかがですか。今週はかなりきつかったのではないかと思います。わたくしQ氏も寒波の間接的な影響を受け、ブログの更新が少し遅れてしまいました。 私大医学部入試は土日も実施されますので、大雪の地域の方は特に交通手段に留意してください。また、雪の季節に怖いのは、凍結した歩道を徒歩で移動中に足を滑らせ転倒することです。雪国の皆さんは慣れているかもしれませんが、近くに試験会場がないため雪国のキャンパスに直接赴いて受験する皆さんは、徒歩での移動にも十分注意してください。 さて、今さらなが…

  • 共通テスト国語2023 (2)──評論②

    寒波の影響でわたくしQ氏にも急ぎの用事が発生し、平日の更新をお休みさせていただきました。医学部受験生だけでなく、大学受験生の皆さん、全国的な低温と雪に注意して、引き続き入試に全力投球してください。 さて、来年度(2024)受験生向けの共通テスト国語2023の解説、第1問(評論)の続きである。 建築家ル・コルビュジエが自ら設計した作品に取り入れた「窓」の意匠について、異なる視点から見た2つのテキストを並べた出題である。なかなかおもしろい問題だが、1番目のテキストの途中「視覚装置」の言葉が出てくるあたりから、受験生には難しく感じられるようになるはずだ。 1本目のテキスト(柏木博による)は、要約すれ…

  • 共通テスト国語2023 (1)──評論①

    さて、医学部受験生諸君、引き続き寒波による交通の乱れに注意して、受験行脚がんばってください。交通機関が遅れたら遅延証明書を取るくせをつけようね。 さて、今回からしばらくは来年度(2024)受験生に向けて、共通テスト国語2023の解説である。わたくしQ氏が国語講師なので国語ネタばかりになるが、医学部生に国語の苦手を訴える人が多いということから、国公立医学部志望の現高2生にも参考にしてもらえれば幸いである。 まず、全体の傾向。 共通テストも3回目を迎え、かなり問題が練れてきて、共通テスト固有のスタイルが定まってきた印象である。特に現代文や漢文で、似た話題について出題文(以下「テキスト」と呼ぶ)を2…

  • 飢寒三分

    医学部受験生の皆さん、今週も私立大の受験が目白押しですね。大寒波が来ると言われていますので、交通機関の乱れにくれぐれも注意して、しまっていきましょうぜ。 さて、本日の話題。ちょっと長いが失礼します。 最近のニュースでは、日本人の給与所得が30年間伸び悩んでおり、中間層の貧困層への転落が進んでいる実態がしきりと取り上げられている。経済格差拡大によって、特に女性・非正規労働者・若者の貧困化が進んでいる…とも。 Q氏に言わせれば、今ごろ騒ぎ出してもおせーんだよ(怒)…という感覚であるが(経済的困窮を訴える人が目に見えて増加したのは、Q氏の体感では2015年前後、消費税率を8%に上げた頃からである)、…

  • 「脳みそウニ茶漬け」からの脱出

    医学部受験生の皆さん、受験お疲れさまです。来週も私大医学部入試は続きます。この入試行脚を何とか乗り切ってくれるよう、わたくしQ氏も陰ながらお祈りします。 さて、Q氏担当記事は「受験の心得」的なお話に終始しがちだが、以前から受験生を観察していて感じたこと・気づいた現象をまたひとつご紹介したい。 Q氏が「脳みそウニ茶漬け状態」と名づけている、 「まじめに勉強し続けた受験生が受験期になって信じられないミスを連発するようになり、今までできていた問題も全くできなくなって、文字通り総崩れとなること。まるで脳みそが沸騰したかのように、何もかもぐちゃぐちゃになってしまう状態」 である。 「家族に悪い」とのたま…

  • 応援してくれた家族に悪い…?

    医学部受験生諸君はもう、旅がらすの身であろうか。わたくしQ氏も無事を祈ります。 18歳人口が減少してくるにつれ、大学キャンパス以外の受験会場が設定されるなど、受験生に対する大学側の譲歩も当たり前になってきた。いまの受験生は至れり尽くせりという気もするが、共通テスト倫理に「親ガチャ」が出題されるなど、経済格差によって受験機会が制限される受験生も明らかに増えている。本来ならば、経済格差の壁に行く手を阻まれた受験生ほど、医学部や難関大入試にチャレンジして壁を乗り越える必要があるはず。そのための条件整備は世の中全体の責務だと思うが、どうも、格差は拡大の方向にばかり進んでいる気がする。このままでよいとは…

  • 体調管理を気にするべきか

    共通テスト終了の声を聞いたばかりだというのに、すでに私立大学医学部・私立医科大学の1次試験が始まっている。さっそく受験を済ませた医学部受験生の皆さん、どうもおつかれさまでした。 すぐに次の試験が控えている人も多いだろう。なるべく気負わず、ふだん通りの実力が発揮できるよう、こういう時だからこそ敢えてゆったり構えて試験に臨んでください。自宅から会場に行く受験生だけでなく、試験のために宿泊している受験生は、前日はなるべくシャワーで済ませるのでなく、バスタブに浸かって入浴した方がいいらしいですよ。 さて、日本の大学受験は、新型コロナウイルス出現前からずっと「風邪と雪の季節」に行われている。財政年度が4…

  • あとが肝心(4)──つねに挑戦者になる

    さて、もう共通テストの講評どころではなく、私大医学部受験が始まる。本日から受験行脚が始まる皆さん、移動時の事故やトラブルにくれぐれもご注意ください。 怖いのは事故だけではなく、害と言えば交通機関へのカバン等の置き忘れなどの方が大きいかもしれない。受験票が入っているバッグ一式置き忘れるとか。 気持ちが上ずっているから、そういう小さいようで大きいトラブルにも気をつけて、持ち物などは指差確認し、自宅や宿泊先はなるべく早く出るようにしよう。普段は遅刻しがちな諸君も、これからの期間は1秒でも早く試験会場に着くことを考えた方がよい。 さて、私大一般入試や国公立2次に向けた「心得」的なオハナシの最終回である…

  • あとが肝心(3)──兜の緒はちゃんと締めよ

    さて、共通テストが終わり、私大医学部受験が始まる段階で、わたくしQ氏から「今後の心得」というようなお話を差し上げているところだ。前回より続く。 (2)成功ほど恐ろしいものはない さて、共通テストで「失敗した」という自覚のある受験生は、実はまだ幸いなのである。Q氏はそれなりの年数、大学受験生にお付き合いしているが、今までの指導経験から、大学受験に関し、一般の人があまり想像していないような「傾向」をいくつか読み取っている。統計ベースに基づかない経験則だが、それによると…。 まず「D判定は絶望ではない。C判定は受からないと恥」という経験則。 共通テストリサーチ(Q氏はかつて「センターリサーチ」と言っ…

  • あとが肝心(2)──山のてっぺんから下界を見よう

    共通テスト受験生諸君、自己採点は終わりましたか。 また、早くも私立大学医学部1次試験が始まる。受験生の皆さん、交通手段の確保とコンディション調整に留意して、がんばりましょう。しばらくは試験続きだ。 (1)共通テストは「失敗」が普通(つづき) さて前回、共通テストでは、失敗(さらに、1~2科目の失敗=「プチ失敗」と、3~4科目以上の大失敗とに分けられるだろう)に終わる受験生の方が多いというお話をした。落ち込んでいる諸君も多いと思うのだが、ちょっと待て、という話である。 どんなに誠実に頑張っている受験生諸君にも、ふつう見えていないものがある。それは「世の中全体」だ。受験生集団全体の特性である。 要…

  • あとが肝心(1)──失敗こそわが友

    共通テスト終了である。共通テスト受験生の皆さん、おつかれさまでした。浪人生は試験会場の雰囲気は知っているかもしれないが、だからと言って緊張せずにすむ人ばかりではないだろう。況(いは)ンヤ現役生ニ於(お)イテヲヤ。いきなり漢文調になるわたくしQ氏であります。 共通テストの問題分析・講評などは、今この場でやっても意味が薄いだろう。ここからしばらくは、共通テストを終えた受験生諸君の心理的ケアを兼ねて、「今後、気持ちをどういう風に持っていったらいいか」を、「大学受験指導(無駄に)ン年」とかぶっこいている一介のオジサンの立場から、あくまでも一般論として語りたい。 共通テスト結果を受けて…という性質上、国…

  • 共通テスト5つの誓い

    いよいよ共通テストの朝。今年は大雪などの予報がないから大丈夫だとは思うが、受験生諸君、交通機関の乱れなどに気をつけて、余裕を持って家を出てくださいね。 さて、わたくし国語講師のQ氏から、受験に臨む皆さんへ。 Q氏が子供の頃の話をしても仕方がないが、その頃はテレビ全盛期だった(歳がバレるが、バレてもいいや)。いまの「オワコン」ぶりが信じられないくらい、テレビは面白かった。いまはゲームやアニメやYouTubeに耽溺している受験生に発破をかける立場のQ氏も、もちろん人のことが言えたガラではなく、幼少期からテレビの漬け物みたいな存在だったのである。 子供の人気番組に、昭和仮面ライダーシリーズや、昭和ウ…

  • 共通テストの国語(30) 古文──和歌の解釈④

    気がつけば、共通テスト前日である。 そんな日でも、粛々と、和歌の解釈を仕上げよう。2021年度(令和3年度)共通テスト国語 第1日程 第3問『栄花物語』、問5である。 設問に関係するX, YおよびZの和歌と、わたくしQ氏によるその現代語訳を再掲する。 X 悲しさをかつは思ひも慰めよ誰もつひにはとまるべき世か Y 慰むる方しなければ世の中の常なきことも知られざりけり Z 誰もみなとまるべきにはあらねども後(おく)るるほどはなほぞ悲しき X わたくし=小弁からあえて申し上げます。あなた=中納言殿が深い悲しみに沈んでおられるのはごもっともですが、一方でこんな風に考えて、悲しさを思い慰めてくださいよ。…

  • 共通テストの国語(29) 古文──和歌の解釈③

    う~、共通テスト近づいてきましたねえ。 引き続き第3問古文、和歌の解釈のコツ。2021年度(令和3年度)共通テスト国語 第1日程 第3問『栄花物語』、本文中の和歌である。 1首目は少し手ごたえが薄い、分かりやすい和歌だったから(わたくしQ氏にはあまりいい歌と思われない)、本文の2首目、中納言殿の返歌も同様に解釈してみよう。 起き臥しの契りはたえて尽きせねば枕を浮くる涙なりけり ① 逐語訳する。 寝所を共にする、約束で結ばれた夫婦の縁が絶えてしまい、涙が尽きることがないため、その涙に枕を浮かべるくらいになってしまったことですよ ② 掛詞を反映させる。 寝所を共にする夫婦の約束はまったく絶えること…

  • 共通テストの国語(28) 古文──和歌の解釈②

    さて、急ぎ共通テスト第3問古文、和歌のコツである。2021年度(令和3年度)共通テスト国語 第1日程 第3問『栄花物語』の和歌を1首ずつ検討している。この年は本文に4首、問題文に1首、計5首の和歌が含まれており、うち3首が直接の出題対象となっている。 こういう和歌を含んだ典型的な物語文が出ると、翌年は軍記物とか江戸の随筆とか、ぜんぜん違う傾向の本文が出ることも多いのだが、共通テストを受ける受験生に「和歌対策」は無駄にはならないでしょう。 旧帝大医学部2次試験で国語がある受験生諸君も、和歌はとりあえずおさらいしておこう。どこかで役に立つかも知れないぞ。 一般的な国立理系、また国公私立問わず文系の…

  • 共通テストの国語(27) 古文──和歌の解釈①

    さて、今週末はいよいよ共通テスト。国公立志望の皆さんは特に緊張も高まるかもしれない。残りの日々、当ブログでは国語問題のヒントを引き続きお届けしよう。 現代文が何とか得点できるようになったとしても、特に理系受験生にとって、目標点に到達するために最大の関門となるのは「古文」ではないかと思う。 古文の読解には古典文法の知識が必要だ。わたくしQ氏も必要とあらば古典文法の授業を提供しているが、今回の限られた紙幅では古典文法の要点講義までは無理だから、受験生の中に苦手の声が多い和歌の解釈に話題を絞ってお話ししたい。 「和歌がわかんない」というのは、古文の講師がそのつもりもないのについつい発してしまうオヤジ…

  • 共通テストの国語(26) 小説の注意点④──象徴に注目する

    2021年度(令和3年度)共通テスト国語 第2日程 第2問 津村記久子「サキの忘れ物」の検討、続きである。急ぎ足だが、きりがないため、今日で小説は終わりにしておきましょう。 小説は物語の背景や登場人物の性格・心情に着目して読んでいき、物語中の人々が織りなす関係の微妙さや、交錯する心理の綾を味わうことが楽しみの大部分を占めるジャンルなのだが、「心情を読む」は皆さんが日常の人間関係においても自然にやっていることで(やらない人もいるが…)、小説に限らず物語全般が「人間心理のシミュレーター」というような役割を担っている、ということは以前に述べた。パイロットの訓練に使うフライト・シミュレーターみたいなも…

  • 共通テストの国語(25) 小説の注意点③──書いてない心情はダメ

    共通テスト直前につき、ふだん更新作業をしない日曜日も更新します。引き続き小説のオハナシ。 小説の読解というのは、もう、ほとんど「登場人物の心情」がうまく読み取れるかどうかにかかっている。次が「テーマ」の読み取りである。 いずれも複数の解釈ができるだけに、択一式にそもそもなじまないと言えば、なじまないのである。 だが、文学鑑賞というジャンルを、最後に近い砦として守ってくれている大学入試センターさん(ついに「さん」が付いた)に文句は言うまい。 その「センターさん」は、共通テスト(+旧センター試験)のために、小説の解釈については、暗黙の「センターさん基準」みたいなものを作っているように思える。それく…

  • 共通テストの国語(24) 小説の注意点②──文中の証拠をつかむ

    共通テスト1週間前。引き続き国語のヒントを、ギリギリまでお送りするつもりである。 前回は第2問「小説」において「人物の心情をいかに読み取るか」という話であった。 心情と言っても、条件反射に近い類型的な感情というものが、人間にはある。日常の喜怒哀楽というのは、多くの人の間でかなり似通った「刺激に対する反応」であり、ほとんど生理的なものと言えるかもしれない。 「ひとの感情が分からない」と言う前に、そういう「判で押したような反応としての感情」に、まず着目するのである。 「その『こういう時には普通こう感じる』が分からなくて困っている」という宇宙人みたいな人が、脳機能のクセその他から一定数生じることも、…

  • 共通テストの国語(23) 小説の注意点①──心情なんて読み取れるのか

    さて、数日間話題がそれた。もう共通テストである。引き続き本番まで、共通テスト「国語」のヒントをお送りしたい。 国語で点が取れなくて困っている受験生諸君は、2022年12月にお送りした「早く読む方法」と「選択肢の絞り方」を一読してみてほしい。…って、いや、ま、別に読まなくてもいいけど。国語講師として、わたくしQ氏がネットで公開できるギリギリの部分まで放出したつもりである。 共通テストの国語(1) 速く読む方法①:問題文はぜんぶ読むのか? - オンライン医学部予備校 共通テストの国語(17) 選択肢の絞り方①──文節単位で検討する - オンライン医学部予備校 さて、第2問の小説についても、速く読む…

  • 大学入試はどこへ行くのか(4)

    共通テスト直前につき、はやく共通テストの話題に戻りたいのだが、キリが悪いため、本日まで推薦・AO入試の話で失礼します。 推薦・AO入試に対し「不公平感」を抱く受験生やオトナの言い分をまとめると、 ①学力検査以外の判断基準での選抜は不公平(ルッキズムの影響や、事前準備が可能な書類を外注して作成する余地が生じることなども含む) ②高校の評価の客観性が保証されていない ③「努力は無駄、要領こそすべて」というメッセージを社会に発信することになり、モラルハザードを誘発する ④主に入学者を確保したい大学側の都合による改革であり、「偏差値の不当な釣り上げ」に過ぎない ⑤合格者の学力不足が目立ち、学びの場であ…

  • 大学入試はどこへ行くのか(3)

    三が日も過ぎました。何事もあっという間です。受験生諸君、がんばってますか。 さて、大学入試での推薦・AO合格者の比率増加に伴う問題に、とりあえずいくつかの話題を付け加えておこう。 まず、制度に不満をもつ不平一般受験生・一般入学生の主張である。わたくしQ氏が聞いている限り、概して以下のようなものだ。推薦・AO制度に否定的な大人も共有している意見かもしれない。 ① まず、学力試験なしで有名大学へのパスポートを得るというのがズルい。平常点とプレゼン・小論文などのハードルはあるとはいえ、一般生がこれだけ苦労している学力テスト抜きでの入試は、明らかに不公平である。 現に、推薦・AOで有名(私立)大学への…

  • 大学入試はどこへ行くのか(2)

    三が日もすぐ終わってしまいますね。皆さんは初詣などには行きましたか? わたくしQ氏はもう何年も行ってません。人ごみが苦手なもんで。 さて、お正月特別企画「推薦・AO入試は是か非か?」の続きである。 前回は推薦入試について概観したが、今度はAO入試(総合型選抜)を見てみよう。この「旧AO」が、一般入試の受験生から特に「不公平」だと評判が悪かった入試制度である。 AO入試には学校推薦の縛りはなく、出願条件も試験内容もまちまちであるが、総合型選抜という名称になってからは、小論文や口頭試問で知的レベルに関するチェックが入る形になっているようだ。 いわゆる「一芸入試」と言われた昔から、大学側からすれば、…

  • 大学入試はどこへ行くのか(1)

    受験生の皆さん、お正月も追い込みがんばってますか。わたくしQ氏も、正月休まずにブログを更新するくらいしか皆さんにお付き合いすることができないため、今日は新春特別企画とまいります。 旧年中、元人気子役の鈴木福氏(Q氏はかれを「福くん」と呼びたい年齢のおっさんだが、もう立派な成人ですからね)がAO入試で「有名大学」に合格した(どこかはすぐ分かってしまいます)という記事を目にした。 Q氏はテレビを見ていないため分からないのだが、最近の鈴木福氏は報道番組の高校生コメンテーターを務めるなど、子役時代以上にマルチで知的な活躍を見せているという。子役として人気を分かち合った芦田愛菜氏(こちらもQ氏は「愛菜ち…

  • 1年の計は立てない

    受験生の皆さん、2023年明けましておめでとうございます。ヤンヤヤンヤ。 令和も早くも5年目に突入ですね。光陰矢の如し。 この1月、私大を皮切りにいよいよ医学部入試が始まる。医学部受験生諸君のご健闘を、わたくしQ氏も切にお祈りいたします。 がんばったり、がんばらなかったりしながら、とにかく切り抜けていきましょう! さて「1年の計は元旦にあり」と昔から言い、元旦にはおせち料理か何かを食べながら、1年の計画を練るとよいと言われてきた。 が、何ごとも「ほんとかよォ?」と疑うクセのあるQ氏、この「1年の計」についても、今までの半生でさまざまな経験や観察を積んできた。本日はその報告である。 まず「1年の…

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