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オンライン医学部予備校 https://mathonline.hatenablog.com/

京都大学医学部医学科卒の管理人が自身の受験や講師としての受験指導から得たノウハウを医学部を目指す受験生や保護者の方々向けに有益情報として還元していくブログです。

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2020/11/06

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  • 共通テストの国語(22) 現代文の新傾向

    いやー、あっという間に大晦日ですね。寒い日が続き、大雪の影響も心配な年末である。医学部受験生の諸君、年明けにはいよいよ本番ですが、今夜は年越しそばでも食べ、紅白でもつけながらリビングで勉強してください。 「年末年始ぐらい勉強は休みにしよう」もアリなのだが、年末年始で皆が休んでいるからこそ勉強する、というのもアリである。結局どちらにするのか、こういうところにも、いちいち「決断」「賭け」が入り込んでくる。人生ずっとそうですよ。 さて、12月は国立志望者向けではあるが、共通テスト国語、特に第1問・現代文(評論)を題材にいろいろお話をさせていただいた。文章の読み方、選択肢の検討の仕方など。これらの方法…

  • 共通テストの国語(21) 選択肢の絞り方⑤──絞り込み方のまとめ

    さて、ここでいったん、まとめをしておこう。2021年度(令和3年度)共通テスト第1日程・国語 第1問 香川雅信『江戸の妖怪革命』「問4」の解法である。 以下にすべての選択肢をもう1度示す。そして今回は色分けではなくて、各選択肢のダメな箇所に、「×」とアンダーラインを施してみよう。 「① ×妖怪が、人工的に作り出されるようになり、神霊による警告を伝える役割を失って、×人間が人間を戒めるための道具になったということ。」(ダメ率61.3%) 「② 妖怪が、神霊の働きを告げる記号から、人間が約束事の中で作り出す記号になり、架空の存在として楽しむ対象になったということ。」(ダメ率0%──正解) 「③ 妖…

  • 共通テストの国語(20) 選択肢の絞り方④──2択からの絞り方 (3)

    2021年度(令和3年度)共通テスト第1日程・国語 第1問 香川雅信『江戸の妖怪革命』の「問4」、続きである。 ザコ選択肢①③④を「あたたたたたたたたた!」と葬り去った(←古い。でも、このネタはわかる人多いよね?…お前はもうタヒんでいる。)受験生は、パン、パンとおもむろに手を払って、次の②⑤を検討しよう。 さて、選択肢②には一見、アラがない。そうなるとすぐに飛びつきたくなるのだが、やめた方がよい、というのがわたくしQ氏からの忠告だ。どんなワナが隠されているかも分からないぞ。 じっさい、ほぼ消去法で選ばなければならないほど、正解の選択肢を単独で見つけ出しにくい場合は、しばしばある。正解と思われて…

  • 共通テストの国語(19) 選択肢の絞り方③──2択からの絞り方 (2)

    2021年度(令和3年度)共通テスト第1日程・国語 第1問 香川雅信『江戸の妖怪革命』の「問4」の選択肢の検討、続きである。「妖怪の『表象』化」とは、どういうことかという問題だったが、「表象」という難しめの用語の意味をつかまなければならないので、この種の語にアレルギー反応を示す受験生にはツラい。①と④の選択肢は、すでにダメダメだということが分かった。 次は③の選択肢である。 「③ 妖怪が、伝承や説話といった言葉の世界の存在ではなく視覚的な形象になったことによって、人間世界に実在するかのように感じられるようになったということ。」 これもダメだということはお分かりだろうか。やはり赤字部分が違う。ダ…

  • 共通テストの国語(18) 選択肢の絞り方②──2択からの絞り方 (1)

    さて、共通テスト国語、評論問題の選択肢の絞り方を、実際にやってみよう。 題材は2021年度(令和3年度)共通テスト第1日程・国語 第1問 香川雅信『江戸の妖怪革命』である。本文の必要箇所以外は引用しないから、本文は、何らかの形で各自入手してください。 さて、この「問4」を見てみよう。問題は、 「傍線部C「妖怪の『表象』化」とは、どういうことか。」 「表象」という用語の意味だけでなく、本文論旨の中心部分を問う設問である。中心部分の理解を試す問題だから、これはできないとまずい。配点は7点。赤本の教学社のレベル判定は「やや難」である。 まず、選択肢をざっと読んでみよう。ここではなるべく速読する。 「…

  • 共通テストの国語(17) 選択肢の絞り方①──文節単位で検討する

    医学部受験生諸君、クリスマスはいかがでしたか。 クリスマスも勉強? 当たり前だろって? …おつかれさまでした。「当たり前田のクラッカー」って知ってる? ※おもいっきり余談で恐縮だが、クリスマスソングには流行りすたりがある。昔は「サンタが街にやってくる」「ママがサンタにキッスした」や、ビング・クロスビー(知らないかな…)バージョンの「ホワイト・クリスマス」だったが、 今はワム!の「ラスト・クリスマス」(1984)、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」(1994)、あるいはポール・マッカートニーの「ワンダフル・クリスマスタイム」(1974)、日本では山下達郎「クリスマス・イブ」(1983)…

  • 共通テストの国語(16) そもそも国語の択一式って…②

    寒波の中のクリスマスイブ。きっときみは来ない。 先日からの豪雪、日本海側の皆さんは大丈夫だろうか。該当する地方の皆さんは気をつけてくださいね。 受験生にはクリスマスイブも、なんか実感薄いやね。 さて「早く選択肢の絞り方をやりやがれ!」と寄席の客から野次られるような気はするが、わたくしQ氏、はからずも溜まりに溜まった日ごろのうっぷんを爆発させるタイミングを迎えてしまったらしい。今回も、国語の択一式試験を盛大に批判させてもらおうと思う。 国語講師、特に「論理国語(なんだよ、それ。言いたいことは分かるが)」でなくブンガク的感性を重んじたいQ氏をはじめとする講師に言わせると、国語の択一式問題は結局「法…

  • 共通テストの国語(15) そもそも国語の択一式って…①

    共通テスト国語の模試で、なかなか得点が伸びずに悩んでいる受験生が「本文が読めていないのではなく、選択肢の絞り込みに失敗している」ことはかなり多い。 だからこそ、共通テストだけでなく、大学入試全体で多く用いられる出題形式である「択一式」問題に特有の解法を、受験生はある程度意識して臨んだ方がよいのである。 問題形式を意識せず、行き当たりばったりで解くと、必ず間違った選択肢に誘導されるような「仕掛け」が、特に国語(さらに言えば現代文)の問題には散りばめられているのですよ。それに気づいていない受験生が想像以上に多いので、わたくしQ氏も警告しておきたいのである。 …と言っておきながら、以下前置きで、ちょ…

  • 共通テストの国語(14) 裏ワザは効くのか②

    共通テスト国語の選択肢だけ読んで、正解にたどり着く「裏ワザ」は有効なのか…というのが前回の話題だったが、意外なことに(?)「ある程度有効」というのがわたくしQ氏の判定である。巷に出回っている「裏ワザ本」は、選択肢問題の出題者心理をかなりよく研究しているが、 「出題者の心理を読む」 ことは、択一式試験に限らず、およそ試験というもの一般に臨むさいに必要な事柄だからである。 以前「特に自分が詳しくない分野では、能力や経験が少ない人ほど、自分の能力を実際以上に高く見積もりやすい」という「ダニング=クルーガー効果」の話題を出したが、 身のほどを知るということ - オンライン医学部予備校 ほとんどの受験生…

  • 共通テストの国語(13) 裏ワザは効くのか①

    共通テスト国語の模試でなかなか得点が伸びない受験生の悩みの内容に多いのは、「どうして得点が伸びないのか、そもそも原因がよく分からない」ということではないだろうか。 わたくしQ氏も今まで多くの受験生を相手に大学入試国語の授業を実施してきたが、センター試験時代から、 「授業で、特に現代文の本文の読み方を詳細に教わり、自分でもかなり読めるようになったと希望を持ったのに、いつまで経っても模試の得点が上がらない。むしろ大量失点が続く。本文を読めるようになったという実感は幻なのだろうか?」 という受験生の悩みに、かなり頻繁に出くわした。 現代文の場合、受験生本人の「読めた!」「意味が分かった❤」という実感…

  • 共通テストの国語(12) どの順序で解答するか?

    共通テスト国語のお話も大詰めである。 医学部受験生の国語に対するニーズはさまざまだろうが、幸か不幸かわたくしQ氏が国語講師であるため、この際だから、国語について受験生によく聞かれることがらをもう少し取り上げてみよう。 「共通テストの国語はどの順序で解くのが結局、一番よいのか? 大問4問の解答順序にセオリーはあるのか?」という、前回も触れた質問は例年、非常に多い。 結論を先に言ってしまえば「自分にとって『これが勝利の方程式だ』という解答順序があれば、それを守ればよい。が、ただやみくもに順序通り解くと、罠にはまることがあるから注意」ということになる。 「罠」の最大のものは「古文が難しい年度」である…

  • 共通テストの国語(11) 大問ごとの傾向

    前回まで、おもに共通テスト国語の第1問(現代文・評論)について、合理的な「解き方」の前提となる、問題文の読み方などを提案してきた。 けっきょく、わたくしQ氏の「おススメの解法」は、ごくごくオーソドックスなやり方にとどまっているとも言える。医学部受験生諸君の中でも、国語が得意な人にとっては「何を今さら」かもしれない。 が、いつも国語で泣いている諸君のみならず、共通テスト受験者が国語で満点を取ろうとすると、やはりなかなか難しい。敵もさるものである。 どの科目でもそうであるらしいが、共通テストの作問者は、時としてなりふり構わず「満点阻止」を仕掛けてくる。 そしてセンター試験時代から、大学入試センター…

  • 共通テストの国語(10) 速く読む方法➉:まとめと本番での読み方

    前回まで見本として引用した、旧センター試験2018年度本試験の国語第1問(現代文・評論)の「やや難しい部分」に「和文和訳」を施すと、例えば次のようになるだろう。引用の都合上、原文の翻訳する部分のみ掲げる。 世界は多義的でその意味と価値はたくさんの解釈に開かれている。世界の意味と価値は一意に定まらない。A 講義というような、学生には日常的なものでさえ、素朴に不変な実在とは言いにくい。 (有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ──集合的達成の心理学』より) 次に、わたくしQ氏の「試訳」。 自分をとりまく環境や、自分と他者および事物との関係に対して、ひとはさまざまな見方をすることができ、それら周…

  • 共通テストの国語(9) 速く読む方法⑨:日本語を和訳する

    さて、前回練習に使った、旧センター試験2018年度本試験の国語第1問(現代文・評論)を再び引用する。 講義とは何か。大きな四角い部屋の空気のふるえである。または教室の前に立った、そしてたまにうろつく教師のモノローグ(注1)である。またはごくたまには、目前の問題解決のヒントとなる知恵である。講義の語りの部分にだけ注目してみても、以上のような多様な捉え方が可能である。世界は多義的でその意味と価値はたくさんの解釈に開かれている。世界の意味と価値は一意に定まらない。A 講義というような、学生には日常的なものでさえ、素朴に不変な実在とは言いにくい。考えごとをしているものにとっては空気のふるえにすぎず、ま…

  • 共通テストの国語(8) 速く読む方法⑧:曲がり角では速度を落とす

    前回までの「練習」と分析を通じて、「共通テスト国語の出題文を時間内にすべて読めない」という悩みを訴える受験生は、おそらく「メリハリをつけず、すべての文を同じ速度で、棒のようにダラダラと読んでいる」のではないか、という推測に行きついた。 名人と言われる職人さんや大工さんの仕事を見ていると、腕のよい人ほど仕事がリズミカルであることに気づく。手早くこなすべきところはあくまでも速く(かれらは技能習得に既に1万時間を費やしているから、常人より速くやれるのである)、注意を要するところはゆっくり、丁寧に。 むかし、人気レストランの厨房で皿洗いと調理補助のバイトをさせてもらう機会があった。怒号が飛び交うさぞか…

  • 共通テストの国語(7) 速く読む方法⑦:メリハリをつけて読む

    どうだろう受験生諸君。共通テスト国語の文章を読むのは、少しは速くなっただろうか。 問題文を脳内でいちいち音読せず、黙読に切り替えると、読むスピードはだんだん上がっていくはずだ。が、スピードは上がったものの、今度は読んでいる内容が頭に入らない…と悲鳴を挙げる人が出てくる。 また、そこまで視線を動かすスピードを上げてはいないのに、黙読に切り替えると、どうも文章の理解度が落ちる…という人もいるのではないかと思う。 わたくしQ氏が、問題文を読む速度を上げるための黙読術を指南に及ぶと、必ず「目の速度にアタマの理解がついていかない」と、ぶうたら不平不満を並べる受験生が出てくる。なるほど、ごもっともな苦情で…

  • 共通テストの国語(6) 速く読む方法⑥:カタマリを大きくする

    前回までに見てきた「文節読み」は、黙読しながら読むスピードを上げていくテクニックとしては初歩的なものである。読書に慣れた人は当たり前のようにやっていると思うので、釈迦に説法だろう。が、共通テストの国語・英語の出題文を読み終わらない受験生は、たぶん、こういうところからできていないはず。だから処理速度が上がらないのである。 こういう「速く読む技術」を体系化して、「速読術」として公開したり、速読の訓練プログラムやアプリを提供したりしている団体や個人も多々ある。 ひと昔前、本のページをパラパラめくるだけでもう1冊読んでしまった…というような「驚異の速読術」が流行った。わたくしQ氏もその真似をしてみよう…

  • 共通テストの国語(5) 速く読む方法⑤:「文節読み」をマスター

    さて、「国語の出題文を読み終わらない」と嘆いている諸君は、漢字で書かれた語を飛び石のようにして、その上をぴょん、ぴょんと跳びながら視線を動かす黙読の方法を、練習してみただろうか。 もちろん「そんなの、もうとっくに習慣になっている」とうそぶく受験生もいるだろうが、そういう人は、もとより時間内に読めないという悩みとは無縁だろう。いまは「時間内に読めない」と泣きべそをかいている受験生向けの記事だから、ちょっと我慢して付き合ってほしい。 さて、漢字で書かれた語は「自立語」という分類に入るものが多いと述べたが、その自立語が、文中の意味の最小単位である「文節」の中心であり、文節の最初にある。 文節は「ネ、…

  • 共通テストの国語(4) 速く読む方法④:漢字は大事

    さて、共通テスト国語の問題文を脳内でいちいち音読せず、黙読に切り替えたとしよう。 そうなると、読むスピードはだんだん上がっていくはずなのである。が、それでも黙読になかなか慣れず、読んでいる内容が頭に入らない、という人もいると思う。 黙読を意識し始めた時、ひとは問題文を目で追う際に、次のようなやり方をしているのではないかと、わたくしQ氏は思う。 サンプル文章は坂口安吾「風と光と二十の私と」より。 田舎の中学を追いだされて、東京の不良少年の集る中学へ入学して、そこでも私が欠席の筆頭であったが、やっぱり映画を見に行くなどということは稀で、学校の裏の墓地や雑司(ぞうし)ヶ谷(や)の墓地の奥の囚人墓地と…

  • 共通テストの国語(3) 速く読む方法③:「アリさん読み」よさらば

    さて、共通テストの直前になって「国語の文章が読み終わらない」と泣かれても、わたくしQ氏を含めた講師としては、正直、今さら知ったことかよ…という怒りと失望が少し湧いてくる。表には出さないが「今まで十数年、なにしてきたの?」という脱力感にとらわれるのだ。 が、邪教「ヨマヌ真理教」を奉じて開き直り、いばりくさっているような受験生はともかく、謙虚に頑張っている受験生が「時間内に読み終わらない…」とひそかに悩み、泣きそうになっているのなら、ひと肌脱がざるを得ない。Q氏なりの漢(おとこ)気のつもり。 まず、読むスピードが遅いから読み終わらないのだ、ということは、どのケースでもほぼ間違いないだろうから、確認…

  • 共通テストの国語(2) 速く読む方法②:「ヨマヌ真理教」への反論

    大日本帝国海軍の真珠湾攻撃によって太平洋戦争の戦端が開かれてから、きょうでまる81年。ザ・ビートルズの元リーダー、ジョン・レノンがニューヨークの自宅前で狂信的なファンに射殺されてから、まる42年である。 さて、国語の問題の長大な文章をちゃんと読むか、読まないかという話。 「読むに決まってるでしょ」というわたくしQ氏の意見が、今では国会に提出したら否決されそうな勢いである。それくらい近年では「読まぬ党」が党勢を増してきた。 もはや「読まない」ことが信仰の域に達しているようなので、「ヨマヌ真理教」と呼ぶのがより適切か。 たとえば以前の現役生で、Q氏が授業で何度「文章は全部読もうね❤」とやさしく説い…

  • 共通テストの国語(1) 速く読む方法①:問題文はぜんぶ読むのか?

    今回から、共通テスト国語のオハナシである。 医学部受験生に国語の苦手を訴える人が多いということは、すでに述べた。医学部受験生だけでなく、理系受験生には国語への苦手意識が広く見られる。 国立大志望者が多い分野でもあるから、共通テストの国語が鬼門になってしまうようだ。 自分が国語が苦手だということは、同じ分野に志す他の受験生もだいたい国語が苦手だということであり、実は国語では大きな差がつかない…と言える場合もある。が、国立医学部志望者の場合、ライバルたちは共通テストで軒並み高得点をマークしてくるから、共通テストの国語の失点が死活問題になる、という言い方もできる。 長年、国語の指導をしていると、そも…

  • 助かる唯一の方法─芥川龍之介「蜘蛛の糸」をよむ②

    「蜘蛛の糸」は、罪人を救う方法としてはほぼまったく機能していないことが明らかになった。お釈迦様ピンチ? いや、全知全能と考えてよいお釈迦様が、そういうトンチンカンで、磯野サザエさんっぽい粗忽(そこつ)なことをなさるだろうか。おそらく、あり得ない。 蜘蛛の糸を垂らすという救済方法には、どのような意味があるのかを考えてみよう。 ①蜘蛛の糸は、生前、犍陀多(カンダタ)がした唯一の善行である「蜘蛛の命を救った」ことに対応するから、因果の原理を明らかにしつつ、かれを救う道具としてふさわしい。 ②蜘蛛の糸はしなやかで強く、犍陀多を地獄から救うのには適しているが、多数の亡者たちの重量には耐えきれない。つまり…

  • お釈迦様はドS?─芥川龍之介「蜘蛛の糸」をよむ①

    「コスパ」「タイパ」を重んじる最近の受験生に、あまり悠長なことを言っていると怒られるかもしれないが、「ブンガク」作品の鑑賞の実例として、芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」を取り上げてみよう。 「蜘蛛の糸」はあまりにも有名な作品だから、読んだことがある人もたくさんいるだろう。芥川龍之介が1918(大正7)年に児童雑誌『赤い鳥』に発表した、かれにとって初めての児童文学作品である。 近年、研究によって「蜘蛛の糸」には原型となりうる似た内容の物語が複数存在することが分かっており、純粋な芥川の創作によるものではないことが知られている。芥川龍之介が、悪い言い方をすれば「パクり」の名人であることは、皆さんもすでに…

  • 国語が分からないヒトはどうすればいいか

    人間社会は、異なる能力を持つ構成員による分業によって支えられているが、情報化が進むにつれ、特に数学におけるセンス・才能が強調され、神話化される。 それが現代という時代だ。 が、数学とトレードオフ(両立不可能な)関係になりやすい国語に関しては、センス・才能がまったく関係ないのかといえば、これも多くの人が実感していると思うが、当然、ある。 間違いなくある。 言語的センス・才能と共感力・洞察力がずば抜けた人というのは、やはりごく少数だが、一定割合でいる。 小中学生を見ていると、勉強がからっきし苦手なのに、作文だけやたら得意な生徒がいる。 学生時代に劣等生だったと自称する人気小説家などは、これではない…

  • 勉強は才能か

    師走の声を聞き、毎日もだいぶ冷え込んできた。日本のかなりの地域で、窓を開けると見える山々も、頂が白く染まる頃合である。全国の医学部受験生諸君はそんな中、お元気で勉強を続けておられますか。 さて、11月と話題は打って変わって、医学部受験生にとっての国語の話。 わたくしQ氏が今までの指導歴から、経験則として導き出したことがらのひとつに「医学部受験生は国語が苦手」というのがある。 実際には、テストでは国語もそれなりにできる人がもちろん多い。特に難関大医学部を志望する諸君ならば、国語が大得意というような人も中にはいるだろう。 が、受験生に自己申告してもらうと「国語が苦手」という訴えが一番多い。次点が、…

  • 一瞬を生きぬく

    12月である。浪人生も現役高3生も、受験生の皆さんは本番を間近に控え、緊張が高まりつつある時期だろう。受験生が経験する11月のスランプは、気温が低めで安定してくる12月になると、経験上はだいたい解消に向かっていくもののようである。だから受験生諸君、多少は安心しよう。新型コロナもインフルエンザも流行のきざしを見せてくる頃合ではあるが、あとひと息、何とか乗り切ろうぜ。 さて、2022年11月は、ブログ担当のわたくしQ氏の初お目見えということもあり、受験生心理の話題を「テレフォン人生相談」的に続けてきた。 が、話題が12月に少し残ってしまった。「最後の心理的ハードルを、いかにエイヤッと越えるか」であ…

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