ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関
中学生・高校生・独学者用に作った数学の学習サイトです。 詳しく解説しています。 勉強に行き詰った時などにはぜひどうぞ。 随時コンテンツ増やしています。 https://physkorimath.xyz/
センター試験レベルの微積分の模擬問題です。実際のレベルに近いものです。どういうレベルの問題なのか、雰囲気と解き方の例が分かるようにしてあります。 センター試験(Ⅱ・Bのほうのみ出題)での微積分の問題は大体パターンは決まっていて、しかも問われるのは基本事項のみです。ただし、試験全体では他の問題も多くあるので、高得点・満点を狙うのであれば速やかに計算間違いのないように解きたいところです。 微積分の問題
数列(「すうれつ」)とは、自然数や整数を代入する事で決定する種類の関数の事です。 目次: 考え方:関数と数列 漸化式と初歩的な数列 いろいろな数列 考え方:関数と数列 普通の関数y=x2などを考えて、変数の値を自然数に限定しy=n2と考えると、n=1,2,3,4,・・に対してy=1,4,9,16,・・と決定していきます。これが数列の例です。 要するに考え方は1次関数や2次関数などの普通の関数と同じ
等比数列の和を無限個で考えたものを、「等比級数」または「幾何級数」と言います。【有限の項数の和のものを同じ名称で呼ぶ事もありますが、ここでは無限級数の場合を扱います。】 収束・発散の条件と計算の仕方 等比数列の和を考え、項数を無限大にしたものはどのようになるかをまとめると次のようになります。 幾何級数あるいは等比級数とは? 次の形の無限級数を「幾何級数」あるいは「等比級数」と言います。 $$\su
和(足し算)を表すのに使うシグマ記号について説明します。 目次: 記号の意味と使い方 変数が複数ある時 $$英:\sum_{j=1}^n \hspace{10pt}\mathrm{summation\hspace{3pt}notation}$$ 記号の意味と使い方 数学で、いくつかの項の和(足し算、合計)を表す時に次の記号を使う事があります。 $$\Large{\Sigma}$$ これはギリシャ文
数列などについて成立する和の公式についてまとめました。 目次: nの1乗、2乗、3乗に関する和 等比数列の和 階差数列の和 一般の和について成立する公式 nの1乗、2乗、3乗に関する和 1+2+3+4+5+6+7=28です。これは直接足し算をしてもよいのですが、じつは7×8÷2=28のようにも計算できます。これは偶然ではなくて必然であるというのが、数列の和に関する公式です。1から100までの自然数
群【ぐん】を作る集合の部分集合で、それ自体でも群を作るものを部分群と言います。 目次: 考え方と具体例 式での定義と性質 巡回部分群 正規部分群 英:部分群 subgroup 正規部分群 normal subgroup 考え方と具体例 簡単な例で言うと、加群としての整数全体の部分集合のうち「偶数である整数の全体(負の数と0含める)」もそれ自体で加法に関して群を作るので部分群であるという事になります
慣性の法則とは、古典力学で考えられている運動の3法則の1つです。一般的には第1番目の前提条件となる法則として挙げられています。 目次: 運動の3法則の第1法則 物体が静止または等速運動する事の表現 直線運動をする事の表現 運動の3法則の第1法則 慣性の法則とは? 物体に力が働いていない場合、次のいずれかになる: 物体は静止し続ける 等速『直線』運動をする この事が成立する座標系が存在する事を「慣性
平方根の考え方と基本計算について説明します。 目次: 定義と記号の書き方 小数で表すとどのような大きさ? 平方根に関する計算・公式 英:平方根 square root 定義と記号の書き方 まずは定義と記号からです。 平方根とはどういうもの? 「2乗するとnになる数」の事をnの平方根と言います。n>0の時、平方根はプラスものとマイナスのものの2つがあります。 この時、「nの平方根でプラス符号のもの」
微分が「傾き」を表すのに対し、積分は「面積」を表すというのが基本的な考え方です。(使い方は色々あって、「体積」を表す事もできます。また、後述するように通常の図形問題で言う面積との相違点もあります。) 目次: 考え方と計算方法 具体的な計算例 定積分は「負の値」やゼロの事もある 英:積分 integral 定積分 definite integral 考え方と計算方法 関数y=f(x)の微分係数はxの
分数について初歩的な事項から説明します。 分数の考え方は、小学校だけでなく、中学・高校・大学と続けて使います。 目次: 基本的な考え方:半分の事を1/2と書く 分数は本質的に「わり算」と同じ 「通分」の計算「約分」の計算 基本的な考え方:半分の事を1/2と書く 分数【ぶんすう】とは、割合を2つの整数(1,2,3など)で表したものを言います。例えば、「半分」の事を、「2つ分のうちの1つ」という意味で
対数【たいすう】関数 y= logax について説明します。関数ではなく、何か1つの値logabについて考えた時は単に「対数」と呼びます。 目次: 定義と表記 具体例とグラフ 基本公式 英:対数関数・・logarithmic function 対数・・logarithm【「比」と「数」を意味するギリシャ語から作った造語と言われる】 定義と表記 対数関数とは、ある正の数aを「何乗したら」xになるのか
複素数の指数関数表示について説明します。 これは「オイラーの公式」とか「オイラーの式」とも呼ばれますが、じつは同じ名前・似た名前で全く別の公式や定理が複数存在します。大変紛らわしく、使用する都度に「複素数に関する・・」「実関数の解析学における・・」「幾何学での・・」このように断り書きをつけるのは大変不便なので、このサイトではeiθを表す語としては「複素数の指数関数表示」という表現を採用します。 複
直交座標上で円を表す式について説明します。 基本となるのは図形としての円の定義と、三平方の定理(2点の距離)です。 目次: 1点からの距離が等しい点の集合:円 円と図形との交点問題 特定の点を通る円 1点からの距離が等しい点の集合:円 y=2xなどの1次関数は直交座標上で「直線」になり、y=x2などの2次関数は「放物線」になります。 では具体的に他の特定の図形、例えば「円」の形になるように直交座標
行列式について成立する基本公式をまとめてます。一般のn次の行列式の定義だけでも大変面倒であるわけですが、ここで述べる公式によって特定の条件のもとでの行列式の値を計算するのが容易になる、行列式を含む理論計算が簡易になる等の利点があります。 行列式については、次のような基本性質が成立します。扱う行列は全て正方行列とします。 列ベクトルに対する線型性 1つの列ベクトルが和・差の形の行列の行列式は和・差の
「学校での数学の勉強方法は、一体どうしたらよいか?」「数学の成績を伸ばすにはどうしたらよいか?」こういった事はよく聞かれるので、中学や高校での実践的な勉強法について紹介します。 目次: 実践的な勉強法を知り、身に付けよう 中学校での勉強法 証明問題に対する勉強法 高校での勉強法 まとめと結び 実践的な勉強法を知り、身に付けよう よく耳にする「勉強方法」としては、授業の予習復習を欠かさない・1日1時
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ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関
立体角(solid angle)は、平面上の角度を空間的な広がりに拡張したものであり、球の表面積を利用して表されます。通常の平面の角度の事は、この記事では主に「平面角」と表記します。 立体角の単位は無単位とする事もありますが【sr】(steradian) という単位も一応あります。この記事では平面角のラジアン【rad】と区別する目的で、立体角に対して単位を付けて表記している事があります。 立体角の
ヤングによる実験をもとにしている二重スリットを使った光の干渉実験は光の波動性を確認できるとともに、可視光の波長の概算的な測定ができる実験です。また、光の干渉を利用した種々の干渉計のもとになっているという意味での重要性も持ちます。数式的には三角比も含めた平面幾何的な考察によって、光の異なる2つの経路の長さの差(光路差)を計算する事により波長を含んだ関係式を導出できます。 この実験では光のコヒーレンス
微分の定義とイメージを、図形的な意味と数式の両方の観点から説明します。 微分のイメージと接線 微分の定義式 微分の表記方法 微分の四則演算 微分不可能な場合とは 微分は積分の逆演算でもありますが、ここでは「関数のグラフの接線の傾き」という図形的な意味に特に着目して説明をします。 ■サイト内関連記事:各種の微分に関する公式の証明等です。 初等関数の微分公式積の微分公式合成関数の微分公式 微分のイメー
波を表す具体的な形として最も基本的な「正弦波」は関数としては三角関数の正弦関数 sinθですが、波動を表す関数として考える時の変数としては位置座標と時間の両方を考えるのが普通です。 「振動」も波動に関連が特に深い物理現象であり、波動においても個々の位置では振動が起きているとみなせる事もあります。ただしここではバネの振動現象などは除いて、特に波動のほうに注目して見て行きます。 物理的な「波」の種類
4つのマクスウェル方程式からは電磁波の式を得るための波動方程式およびそのもとになっている一般形の方程式の導出されます。 電場と磁場の波動方程式 電磁波と光の関係 導出に必要な式および法則・記号・公式等 電場についての波動方程式の導出 磁場についての波動方程式の導出 ポテンシャルによる電磁場の波動方程式の導出 平面波解として得られる電磁波の式 ポテンシャルによる計算から得られる電磁波の式 ■関連サイ
物理学などでは、微分方程式を座標変換して考える時があります。例えば極座標における運動方程式や波動方程式を考えてみるといった事です。 そのような場合で特にベクトルを含む微分方程式を考える時には、x=rcosθ等の関係の代入だけでなくベクトルの基本ベクトルを変更する事まで行う事があります。普通はベクトルを成分で表す時には(x座標,y座標,z座標)で考えるわけですが、それを(r座標,θ座標,φ座標)で表
方向余弦(direction cosine)とはベクトルに対して考えられる補助的な量で、ベクトルの大きさに乗じる事で各成分の値になるような余弦(コーサイン、cos)を指します。(空間ベクトルの平面への射影を考える時の余弦とは一般的に異なるものです。) この方向余弦の応用として特に重要であるの直交座標同士の座標変換です。(局所的には直交座標から直交曲線座標への変換もできます。) 「方向余弦」の定義
電磁誘導(「でんじゆうどう」)は「磁場が変化する事で起電力が生じる」事を表す現象で、発電機や変圧器の原理です。電磁誘導の法則はマクスウェル方程式の1つで、数式的には磁場の時間変化と電場の回転を含む式になっています。 電磁誘導の法則は、アンペールの法則と組み合わせて電磁波を表す式を導出するための法則でもあります。また、電磁誘導の法則はマクスウェル方程式の中では電気回路論との直接的な関係が強い法則であ
逆三角関数とは「三角関数の逆関数」で、正弦、余弦、正接のそれぞれに対して存在し、それぞれ「逆正弦関数」「逆余弦関数」「逆正接関数」と呼んで Arcsinx,Arccosx,Arctanxもしくは sin-1x,cos-1x,tan-1x のように書きます。あるいは arcsinx,arccosxのように書く事もできますが、それらは記述法によっては Arcsinx等と区別して意味を持たせる事もありま
アンペールの法則は電流と磁場の関係を表す式であり、マクスウェル方程式の1つです。マクスウェル方程式の他の3式のように積分形と微分形の両方があり、数式的には微分形は磁場の回転(rot)で含む形をしています。また、時間変動(時間による偏微分)の観点からは電場の時間変動を含む式です。 この記事では、他の電磁場の法則や数学の定理との関係を中心にアンペールの法則の内容と性質について整理してまとめています。
部分積分の公式は「部分積分法」もしくは単に「部分積分」とも言い、置換積分と同じく積分において関数の原始関数(=微分するとその関数が得られる)を探すのに使われる基本公式の1つです。英語名:integration by parts 公式の内容 導出・証明 部分積分によって計算できる積分の例 応用例1:テイラー展開を部分積分から導出する方法 応用例2:近似式の導出(スターリングの公式での例) 応用例3:
電流は向きを持っていますが、電磁気学において3次元の空間の中での向きを持つベクトルとして扱う時にはむしろ電流密度ベクトルが扱われる場合が多いと言えます。「電流密度ベクトル」あるいは単に「電流密度」とも言われますが、いずれにしてもベクトルで表される量です。 電流は の記号で書く事が多いですが、電流密度ベクトルは一般的に で表され、空間内の位置ごとに各成分がx,y,zの関数で表されるベクトル場です。(
置換積分は「ちかんせきぶん」と読みます。「置換積分の公式」「置換積分法」とも言い、1変数の積分における公式の1つです。定積分にも不定積分にも、どちらにも使えます。微積分学の基本定理および部分積分と並んで、置換積分は定積分の計算法としてよく使われる公式です。 公式の内容と意味 公式の証明 計算例1:円と楕円の面積計算 計算例2:物理・電磁気学での使用例 計算例3:数学上の色々な不定積分の計算 積分の
ビオ・サバールの法則とは電流が作る磁場の大きさと向きを表す法則です。電流が作る磁場を表現する法則としてはアンペールの法則もありますが、特定の条件下でビオ・サバールの法則とアンペールの法則は等価である法則となります。 数式的には外積ベクトル(ベクトル積)を使って表現されるものであり、向きも含めて電流の向きと発生する磁場の関係が表現されます。(電流・磁場・力の関係を表す「ローレンツの力」も同様に外積ベ
数学では、数式中にいわゆるびっくりマーク(感嘆符)の「!」が使われる事があります。これは階乗(factorial)を表す記号です。意味としてはすごく簡単なのですが、この記事では「具体的にどのような時に階乗を使うのか」という例も多く挙げる事で詳しく解説をします。 階乗の定義と計算方法数学の諸理論と応用における階乗の使われ方(6例) ※プログラミングでは感嘆符「!」の記号が「否定」の意味で使われる場合
数学的帰納法(「すうがくてききのうほう」)は数学の命題や定理の証明を行う手段の1つで、整数や数列的な内容が含まれる命題や定理を証明する時に使える場合があります。 「帰納」とはどのような意味?数学的帰納法による証明の手順数学的帰納法を使ったほうがよい場合とは? 「帰納」とはどのような意味? 数学的「帰納」法と言いますが、実は帰納という言葉自体は元々数学用語ではなくもっと一般的な語です。 「帰納」は「
静磁場は回転が0でない(渦を作る)事から、電場の場合のようにスカラーポテンシャルを考えても統一的な物理的意味を与える事が難しくなります。(特に静磁場が電流により作られる場合。) しかしその代わりに静磁場は発散が0になります(磁場に関するガウスの法則)。そのため、任意の「ベクトル場の回転」の発散は0になるという公式と合わせて「回転が静磁場になるようなベクトル場」を考える事ができます。一般にそれをベク
静止した電荷あるいは電荷の分布が作る静電場(時間による値の変動がない電場)についてはクーロンの法則と、その一般的な形であるガウスの法則が成立します。そしてもう一つ、「渦無しの法則」というものも成立します。 渦無しの法則とは渦無しの法則における回転と循環の関係静電場の回転の直接計算による導出勾配と回転の関係からの導出電磁場で「渦」がある場合とは? 【※この記事では、ベクトルに対する「ゼロベクトル」(
ベクトル解析などで使う grad, div, rot (または curl) の代わりに∇(「ナブラ」)という記号を演算子として使って表記する方法があります。 この記事ではそれらの書き換えの方法と、ナブラ記号を使って作られる別の2つの演算子について詳しく説明します。 ナブラを使う利点は何か?勾配(grad)の書き換え(ハミルトン演算子)発散(div)の書き換え回転(rot, curl)の書き換え2階
ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関