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  • 受精(fertilization)

    排卵により卵丘細胞・卵子複合体(COC)が腹腔内に放出され、その後卵管内に入る。卵子は第二減数分裂中期で停止し、卵管膨大部で精子を待つ。一方、腟内に射精された2~3億個の精子は早いものは5分後に卵管内まで到達し、最終的には200個以下が卵管膨大部に達する。精子は、卵胞液の刺激を受けると受精能を獲得(capacitation)する。受精能獲得完了の指標として精子の運動性の変化があり、hyperactivationと呼ばれる。精子鞭毛の大きな振幅と非対称性を特徴とする。この運動は透明帯進入において物理的推進力となると考えられる。卵丘細胞を通過し透明帯(zonapellucida)に近づいた精子は先体反応(acrosomereaction)を起こす。先体反応により、精子の頭部から酵素の放出が起こって精子が透明帯を通過...受精(fertilization)

  • 黄体(corpus luteum)

    黄体形成排卵後の卵胞は黄体(corpusluteum)となり、プロゲステロンとエストロゲンを分泌する。黄体退縮妊娠が成立しなければ、黄体は約14日で退縮する。黄体後期にプロゲステロン産生が低下し黄体細胞のアポトーシスが起こる。黄体が退縮し白体(corpusalbicans)が形成される。妊娠黄体(corpusluteumofpregnancy)妊娠が成立すると、将来胎盤を形成するようになる絨毛組織からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌される。hCGがLH/FSH受容体を介して黄体のプロゲステロン産生を促進し、黄体機能の延長を起こす。妊娠黄体参考記事:卵胞発育卵胞におけるエストラジオールの産生排卵(ovulation)月経周期とホルモンの変化参考Webサイト:不妊College(データに基づく不妊治療の基礎...黄体(corpusluteum)

  • 排卵(ovulation)

    卵丘細胞・卵子複合体COC:comulusoocytecomplex成熟卵胞に向かって数十個の卵胞が発育していくが、通常、1回の排卵タイミングで排卵できるのは1個の卵胞のみでこれを主席卵胞という。主席卵胞以外の残りの数十個の発育途中の卵胞は閉鎖卵胞となる。主席卵胞から産生されるエストラジオールが増量して、200~400pg/mlに達した時点でポジティブフィードバックによるLHサージが起こる。排卵前に卵胞内では卵丘細胞と顆粒膜細胞に解離が起こり、卵丘細胞・卵子複合体(COC)が卵胞液内に浮遊する。卵胞壁はプロスタグランジンの作用により平滑筋が収縮して卵胞内圧が上昇し、産生されたプラスミンの影響で卵胞壁が菲薄化し破裂する。排卵の起きるタイミングはLHサージの立ち上がりから30~36時間後、エストラジオールのピークの...排卵(ovulation)

  • 卵胞におけるエストラジオールの産生

    “twocell,twogonadotropintheory“2細胞2ゴナドトロピン説エストロゲンはエストロゲン受容体に結合してホルモン作用を示す化合物の総称である。ヒトのエストロゲンは、エストロン(E₁)、エストラジオール(E₂)、エストリオール(E₃)などがあるが、エストラジオールが最も強い生理活性を持ち、その活性はエストロンの2倍、エストリオールの10倍である。“twocell,twogonadotropintheory”卵巣におけるエストロゲンは、FSHとLHの2種類のゴナドトロピンと、莢膜細胞と顆粒膜細胞の2種類の細胞との相互作用で産生される。“twocell,twogonadotropintheory”LH受容体は莢膜細胞に存在し、FSH受容体は顆粒膜細胞に存在する。莢膜細胞ではLHの作用によってコ...卵胞におけるエストラジオールの産生

  • 卵胞発育

    遺伝的な女性(XX)の原始生殖細胞は、発生5~6週頃に卵巣原基に移動して卵原細胞(卵祖細胞)へと分化する。卵巣内で卵原細胞が多数産生され、卵原細胞は複数回の体細胞分裂を起こし第一次卵母細胞となる。第一次卵母細胞は周囲を一層の扁平上皮様細胞が取り囲んだ状態で原始卵胞が形成される。胎生期に第1次卵母細胞は減数裂を開始し、第一減数分裂の前期の網状期でいったん休止し、この状態で出生し、思春期にいたるまでこのままである。卵細胞はすべてが減数分裂の途上にある。思春期に入り、主席卵胞の卵子のみがLHサージにより第一減数分裂を再開し、排卵の直前に第一減数分裂が完了して第二次卵母細胞と第一極体になり排卵される。第二次卵母細胞はすぐに減数第二分裂を始めるが中期で再び休止する。卵巣皮質にある原始卵胞数は、胎生20週頃で最大の700万...卵胞発育

  • 飯田下伊那地域における産科医療提供体制の変遷(平成の30年間を振り返って)

    平成元年4月に飯田市立病院(市立病院)に産婦人科が開設されることとなり、S大学産婦人科より筆者が初代市立病院産婦人科部長として赴任し、それから平成の30年間を市立病院で勤務しました。市立病院に産婦人科が開設された当初は産婦人科医1人、助産師2人の診療態勢でした。平成3年4月にN大学講師(医局長)だったH先生が就任し常勤医2人となりました。H先生とは、その後14年間よき相棒として苦楽を共にし一心同体となって働きました。飯田下伊那地域では、平成元年には分娩を取り扱う施設が13施設(4病院,9診療所)ありましたが、産婦人科医の高齢化により地域の分娩取り扱い施設は年々減り続け、平成10年頃には地域の分娩取り扱い施設は計6施設(3病院、3医院)となり、その6施設で地域の分娩(年間1500~2000件)を分担して取り扱って...飯田下伊那地域における産科医療提供体制の変遷(平成の30年間を振り返って)

  • 経口排卵誘発剤

    クエン酸クロミフェン(クロミッド®):クエン酸クロミフェン(クロミッド®)は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であり、弱いエストロゲン作用と強力なエストロゲン拮抗作用を有する経口剤である。視床下部のエストロゲン受容体に対して内因性エストロゲンと競合的に結合することにより、エストロゲンによるネガティブフィードバックを阻害する。これにより、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌を促進する作用があります。GnRHは下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進し、その結果、卵巣を刺激して卵胞の発育を促進する。内因性のエストロゲン分泌が保たれている第1度無月経、多嚢胞性卵巣症候群、無排卵周期症の排卵誘発時に適応となる。月経5日目から50mg~100m...経口排卵誘発剤

  • 緊急避妊法

    emergencycontraception(EC)レボノルゲストレル(LNG)1.5mg製剤緊急避妊法(emergencyContraceptive:EC)とは、妊娠を望まない女性が、避妊せずに行われた性交または避妊したものの避妊手段が適切かつ十分ではなかった性交(unprotectedsexualintercourse:UPSI)の後に、緊急避難的に妊娠成立を阻止するものである。わが国では、レボノルゲストレル(LNG)1.5mg製剤が唯一の緊急避妊薬として2011年に正式に承認されており、ECの第一選択として推奨される。服用方法:LNG単剤1.5mg1錠を性交後72時間以内に1回服用する。有効性を考えれば、できるかぎり速やかに服用することが望ましい。服用後2~3時間以内に嘔吐した場合は、再度内服するか内服以...緊急避妊法

  • 子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ®)

    レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)LNG-IUS(ミレーナ®52mg)は、プロゲスチン(合成黄体ホルモン)製剤であるレボノルゲストレルの子宮内留置型の薬剤放出システムです。約20μg/日のレボノルゲストレルを子宮内に約5年間放出します。本システムの特徴は、プロゲスチン単独の製剤であること、局所療法であることです。LNG-IUS装着の目的:①避妊(自費診療)②過多月経の治療(月経血の減少)③月経困難症の治療(月経痛の軽減)LNG-IUSの利点①エストロゲンが配合されていないプロゲスチン単剤のため、血栓症リスクの上昇は懸念されない。②局所療法であり、血中に移行するレボノルゲストレル量は軽微であるため、乳癌術後や腎機能不全例にも使用可能である。③従来の子宮内避妊用具(IUD)とは異なり、LNG-I...子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ®)

  • 天然型プロゲステロン製剤

    天然型プロゲステロンの化学構造式天然型プロゲステロンは、経口投与した場合、肝臓で代謝されその約90%が失活する。そのため、人工的に合成された黄体ホルモン作用を持つホルモン類似物質を治療目的で投与する場合があり、これらの黄体ホルモン類似物質はプロゲスチンと総称される。内服薬はすべてプロゲスチンである。それに対して、注射薬、腟剤は天然型プロゲステロンでも肝臓での代謝を受けず、子宮に作用できる。注射薬より投与が容易である腟剤や外用ゲル剤が我が国でも2014年以降に承認、販売開始され、生殖補助医療(ART)における黄体補充の適応で使用されている。注射薬プロゲホルモン筋注10mg、25mg(持田製薬)プロゲステロン筋注25mg、50mg(富士製薬工業)腟剤ルティナス腟錠100mg(フェリング・ファーマ)ルテウム腟用坐剤4...天然型プロゲステロン製剤

  • 黄体機能不全

    lutealinsufficiency胚が着床するためには、プロゲステロン、エストロゲンの2種類のホルモンが十分に必要である。これらのホルモンは、排卵後に卵巣に形成される黄体から分泌されるものである。黄体からのプロゲステロンとエストロゲンの分泌不全により、子宮内膜の分泌変化が適切に起こらないものを黄体機能不全という。妊卵の着床障害の原因になると考えられる。天然型のプロゲステロンは経口投与した場合、肝臓で代謝されその約90%が失活する。そのため内服薬はすべて合成型(プロゲスチン)である。それに対して、注射薬、腟剤は天然型でも肝臓での代謝を受けず、子宮に作用できる。注射薬より投与が容易である腟剤や外用ゲル剤が我が国でも最近承認され、生殖補助医療(ART)における黄体補充に使用されている。黄体機能不全の診断:(統一し...黄体機能不全

  • 受胎前後における葉酸摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクが低減する

    神経管閉鎖障害(NTDs:neuraltubedefects)葉酸(folicacid)葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。数多くの疫学研究から、受胎前後における葉酸摂取により胎児の神経管閉鎖障害(NTDs)の発症リスクが低減することが報告されています。神経管閉鎖障害は、神経管が作られる妊娠4~5週頃におこる先天異常です。我が国では、出生1万人に対して約6人の割合でみられます。神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合、これを「二分脊椎」といいます。二分脊椎の起きた部位では、脊椎の骨が脊髄の神経組織を覆っていないため神経組織が障害され、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能障害がおきることがあります。神経管の上部で閉鎖障害が起きると、脳が形成不全となり、これを「無脳症」といいます。無脳症の場合、流産や死産の割合が...受胎前後における葉酸摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクが低減する

  • 妊婦のトキソプラズマ症

    トキソプラズマ(Toxoplasmagondi)は、ネコ科動物を終宿主とし、ヒトを含む哺乳動物や鳥類などの恒温動物を中間宿主とする人畜共通寄生虫のひとつである。胎児感染すると、水頭症、頭蓋内石灰化、小頭症、腹水、肝脾腫、胎児発育不全などを起こすことがあり、これらの所見が胎児超音波検査で見られた場合、トキソプラズマ感染が疑われる。妊娠中のトキソプラズマ初感染は先天性トキソプラズマ症の発症につながる。日本におけるトキソプラズマの抗体陽性率は、低下傾向にあり、2013~2015年の妊婦の抗体陽性率は6.1%との報告だった。わが国での先天性トキソプラズマ症の発生数は10,000出生当たり1.26人と推計されている。妊婦のトキソプラズマ抗体保有率が高いフランス(44%、2003年)では、全妊婦に対する抗体スクリーニングや...妊婦のトキソプラズマ症

  • 抗精子抗体(男性不妊)

    antispermantibody男性の抗精子抗体保有率は約3%と言われています。男性では抗精子抗体が自己抗体として産生されて、免疫性不妊の原因となることがあります。抗精子抗体の生物活性は多様で必ずしも男性不妊の原因となるわけではありませんが、不妊男性の抗精子抗体が強陽性であれば顕微授精の適応が推奨されます。男性にとって精子は自己が産生する細胞で、血液-精巣関門により精子免疫が誘導されにくい環境にあります。しかし、過去に、精巣、精巣上体に炎症や損傷があった場合などに、精子が自分の血液と接して抗精子抗体が産生される可能性があります。男性が抗精子抗体を保有する場合、精液が射精された時点で精子にはすでに抗体が付着し、精子の運動率が著明に低下している場合が多い。精子自体に受精能があることを必要とする体外受精では受精率が...抗精子抗体(男性不妊)

  • 抗精子抗体

    antispermantibody抗精子抗体とは精子を障害する抗体で、男女とも持っている可能性がある。この抗体は妊娠に必要な様々なステップを障害する場合がある。女性不妊のすべてをスクリーニングした場合の抗精子抗体の検出率は2~3%である。精子抗原には多様性があり、それに対する抗体も多様である。現在、不妊症の発症と最も関連する抗精子抗体測定法として一般の検査機関で測定されているのは、精子不動化抗体(spermimmobilizationantibody)である。精子不動化抗体による不妊症発生の原因①頸管粘液内精子通過障害②子宮~卵管内精子通過障害③受精障害④胚の発育・着床障害精子不動化抗体の検査方法:検査のタイミングは月経周期と関係なく随時可能で、採血で行う。患者血清中の精子の運動性が対象に比較して50%に低下し...抗精子抗体

  • フーナー検査

    Huhertest性交後頸管粘液検査(PCT:postcoitaltest)フーナー検査は、精子-頸管粘液の適合検査であり、不妊原因として頸管因子があるかどうかを判定する。腟内に放出された精子が頸管粘液内に進入し運動性を保持しているかどうかをみる検査である。フーナー検査の最適な時期は排卵の直前である。性交後3~12時間で評価されるべきである。フーナー検査の評価:a)頸管粘液内に1個でも直進運動精子が存在すればフーナー検査陽性として頸管因子による不妊原因は存在しない根拠となる。b)頸管粘液中に精子が存在しなければフーナー検査陰性とする。再検のうえ反復して陰性の場合は、不妊原因として頸管因子があると判定する。c)非直進運動精子、不動精子、直進しない振動精子(shakingphenomenon)がみられる場合には、頸...フーナー検査

  • 排卵誘起薬(hCG、GnRHa)

    黄体化ホルモン(LH)の一過性のピーク(LHサージ)によって卵子の減数分裂が再開し、排卵直前に第一減数分裂が完了して排卵が起こる。また、排卵後にも一定のLHが分泌されることにより卵巣での黄体化を維持促進する。そのためLHは排卵誘発治療には必要不可欠なホルモンである。しかし、LHの半減期は20分と短く、治療に使えるLH製剤は存在しなかった。尿由来hCG製剤:ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、胎盤から分泌されるホルモンである。LHと同様に、強力に卵子の成熟を促し、排卵後の黄体を刺激する作用がある。hCGは半減期が約30時間と長く、また妊婦尿から精製できるのでLHの代わりに薬剤として利用されている。ゴナドトロピン療法では、ヒト閉経期性腺刺激ホルモン(hMG)投与による卵胞成熟後に、排卵誘起にhCG:5000~10...排卵誘起薬(hCG、GnRHa)

  • 抗ミュラー管ホルモン(AMH)

    anti-Müllerianhormone:AMH抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌され、卵巣内の卵子数をよく反し、成人女性では加齢により減少し閉経期よりほとんど分泌されなくなります。AMHの値は、LH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)の値と比較して月経周期による変動が少ないため、採血時期の制約がありません。年齢とAMH値AMH値を測定することによって、不妊治療方針の選択および体外受精における卵巣刺激法の選択に役立ちます。AMH値が非常に低い場合は、早期の卵子枯渇による早発卵巣不全(POI)の可能性があるため、早期に積極的な治療を勧める根拠となります。また、AMH値が非常に高い場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が高まり、卵巣刺激法などにおいて卵巣過剰刺激症候...抗ミュラー管ホルモン(AMH)

  • 我が国の生殖補助医療(ART)成績

    妊孕能(にんようのう)の低下は、女性年齢が35歳くらいから顕著となります。女性年齢の上昇とともに妊娠率が低下し、流産率は上昇するため、生児を得る確率(生産率)が急激に低下します。妊娠率の我が国のART成績から、総治療周期当たりの生産率は、30歳:21.9%、35歳:18.9%、40歳:9.3%、41歳:7.0%、42歳:4.8%、43歳:3.1%、44歳:1.8%、45歳:1.0%、46歳:0.8%、47歳:0.2%です。妊娠後の流産率は、30歳:16.7%、35歳:20.3%、40歳:33.6%、41歳:39.2%、42歳:43.2%、43歳:49.3%、44歳:57.5%、45歳:62.6%、46歳:64.8%、47歳:76.9%です。高齢女性では胚の染色体異常率が高いことから、妊娠しても流産率が高くなり、...我が国の生殖補助医療(ART)成績

  • 精液検査

    不妊症カップルの50%程度で男性側の原因もあるとされてます。精液検査は、受診されたほとんどの方が受ける不妊症の一般的な検査です。精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを検討します。精液は、2~7日の禁欲期間の後に、マスターベーションで全量を採取します。病院で採取するのが望ましいのですが、20℃~30℃程度に保持することができれば自宅で採取して2時間以内に検査すればほぼ病院で採取した場合と同様の結果が得られることが多いと言われています。男性の精液性状は日によって大きく変動するため、悪い結果が出た場合でも再度検査をして問題ないとされることもあります。さまざまな因子が精液所見に関与していますが、なかでも禁欲期間の影響は大きいとされます。精液検査は3カ月以内に少なくとも2回施行し、2回の場合はそ...精液検査

  • 体重減少性無月経

    18歳以下の続発性無月経のうち体重減少性無月経によるものは44%であったと報告されており、思春期女性において体重減少性無月経は特に重要な疾患と言えます。体重減少性無月経では、体脂肪からのレプチン産生が減少し、視床下部からのGnRHの分泌が障害されることが排卵障害の原因とされています。産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2020CQ312体重減少性無月経の取り扱いは?1.身長と体重から、重症度を評価する。(A)2.神経性やせ症(神経性無食欲症)を疑ったときは専門とする医師に紹介する。(B)3.内分泌学的検査により障害部位を確認する。(B)4.標準体重の90%までの体重回復を目指す。(B)5.長期の低エストロゲン状態のときは、骨量を測定し、ホルモン療法を行う。(B)6.排卵誘発は妊娠を希望し、全身状態が改善したと...体重減少性無月経

  • ゴナドトロピン製剤

    ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)とよばれる黄体化ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の2つのホルモンは、下垂体前葉のゴナドトロピン産生細胞より分泌されます。ゴナドトロピンの生合成や放出は、視床下部において産生・分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)によって調節されています。性発育に伴ってゴナドトロピンの分泌は増加し、加齢に伴って低下します。また、ゴナドトロピンの分泌は性周期に伴って変化します。月経周期とホルモンの変化hMG(ヒト閉経期尿性腺刺激ホルモン)製剤:もともとのhMG製剤(uhMG)は閉経期女性の尿から精製され、LHもFSHと同等に含まれています。開発当初はロット間の反応性にもばらつきがありましたが、精製方法が進みLH含有量の少ない精製FSH製剤(uFSH)が発売され、近年では遺伝子...ゴナドトロピン製剤

  • 卵巣予備能の検査

    卵巣予備能(ovarianreserve)卵巣予備能は卵巣に存在する卵子の量と質の両方を指す単語である。卵巣予備能は加齢とともに低下し、それに伴い妊孕能が低下する。卵巣予備能を評価する検査として、血清FSH基礎値(FSH)、胞状卵胞数(antralfolliclecount;AFC)、血清抗ミュラー管ホルモン値(anti-Müllerianhormone;AMH)が挙げられる。卵胞刺激ホルモン(FSH):FSH値は月経周期により変動するため月経周期3~5日目に採血する必要がある。卵巣機能が低下するとFSH値は上昇する。ホルモン療法中の患者では参考にならない。胞状卵胞数(AFC):月経周期3~5目に、経腟超音波法にて両側卵巣の径2~10mm大の胞状卵胞数を計測する。ホルモン療法中の患者では参考にならない。AFC<...卵巣予備能の検査

  • 早発卵巣不全(POI)

    primaryovarianinsufficiency(POI)prematureovarianfailure(POF)早発卵巣不全(POI)とは、40歳未満で卵胞発育不全による卵巣性無月経を呈する疾患で、卵胞から分泌されるエストロゲンが欠乏し、のぼせ、発汗などの更年期症状を呈する。早発卵巣不全(POI)の診断:①年齢40歳未満で、4カ月以上の無月経(続発性無月経、第二次性徴がある)②ゴナドトロピン高値、エストロゲン低値(少なくとも1カ月以上の間隔で2回測定し、高ゴナドトロピン値(血中FSH>25mIU/ml)、低エストロゲン値を確認する)残存卵胞数の診断:現在のところ、POI症例において、残存卵胞の有無を正確に診断できる方法はない。抗ミュラー管ホルモン(AMH)値は参考になるが、POIのほとんどの症例で測定感...早発卵巣不全(POI)

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ある産婦人科医のひとりごと
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