「伝統構法3大テーマ」 ①耐久性+強度を最大限に引き出す日本伝統の職人技 ②長寿命で最後は無害で土に還る、再利用が容易 ③自然素材の心地よさ 今回は、伝統構法の3大テーマの2つめと3つめについ書いていきます ②長寿命で最後は無害で土に還る、再利用が容易 この住まいは、無垢の木の柱や梁、土でできた壁など、ボルトなどは使わず いつかは無害で土に還ることのできる自然素材でできています。 また、それらは再利用が容易な材料でもあります。 自宅の材料の比率を調べてみました。構造計算でまず初めにするのが建物の重量を出すことです。構造計算書から、全体の重量は20300Kg、そのうち木と土が16200Kgとなっ…
2024.10.20 大幅に加筆いたしました!! しばらく更新せずにいましたが、動画配信(予定)にあわせ再開します、よろしくお願いいたします!! 皆さんに広く私の思う住まいのあり方・伝統建築のすばらしさを知っていただきたく、自宅詳解を何回かに分けてお話したいと思います。(忘備録もかねていて、まま修正することがあります、また過去の記事との重複もありますお許しください,)動画のアップも予定しています。映像によるイメージはそちらを中心に、こちらは詳解ということでより詳しい内容をお伝えできればと思っています。 伝統構法に対して様々な考えがあると思います、そして他の構法に比べ伝統構法はその違いがかなりあ…
伝統構法になぜ限界耐力計算が必要なのか 法規編 2018.05.09メモを改定
-伝統構法の建築基準法(以下基準法または法と呼びます)における位置付けについて- 足元を固定せず仕口に金物を使用しない木組みを基本とする伝統構法は基準法上一般的な2階建てまでの木造住宅(4号建物と呼びます)とは扱いが異なります。基準法に書いてある通りに作ること(いわゆる仕様規定)が緩和される代わりに限界耐力計算等で安全性を確認する規定となっています。 《法概要と計算方法選定までの流れ》※令は施行令の略①法20 条 建物の構造区分の確定:1項4号ロに該当、イは仕様規定の一般的な2階建て木造建築等②法20 条 1項4号ロの具体的選択対象を1項二号イとする③法20 条 1項二号イにおいて令36 条技…
真夏の川崎民家園 石場建て 足元調査その2 2022 0718
引き続きもう少し古い建物です。 2)旧鈴木家 :19世紀初頭 築約200年 (民家園ホームページより転載 ) 川崎市教育委員会の文化財紹介によると 「鈴木家は屋号を「赤浦屋」といい、奥州街道に面する宿場町・八丁目宿本町(福島県松川町)の馬宿であった。当住宅の建立年代を示す資料はなく、また解体移築にあたってもその種の史料は発見できなかったが、様式や技法から判断して、19世紀初めごろの建築と考えられている。基本的には建立当初の姿に復原されているが、街道側の立面については、当住宅が宿場民家として最も整った姿を見せていた幕末期の間口3間の時の店構えと連子付板暖簾を持つ形式に復原されている。」とあります…
真夏の川崎民家園 石場建て 足元調査その1 2022.07.18 In case of earthquake, away from this building immediately.
今年の夏は猛暑でしたよね・・・エアコンの無い我が家はさすがに参りました。 7月18日、良く晴れた暑い暑い暑い1日でした 💦・・・・川崎民家園に石場建の足元調査に行ってきました。シロアリや腐朽菌による被害についていろいろと文献を中心に調べてきたわけですが、実態はどうなの??一見は百聞にしかずというわけです! 川崎民家園はたぶん?日本でも有数の古民家を集めたところです。以下ホームページより抜粋 「川崎市立日本民家園は、急速に消滅しつつある古民家を永く将来に残すことを目的に、昭和42年に開園した古民家の野外博物館です。東日本の代表的な民家をはじめ、水車小屋・船頭小屋・高倉・歌舞伎舞台など25件の建物…
2022建築基準法改正~伝統構法の限界耐力計算はどこへ向かうのか??
伝統構法の構造計算の法改正・・・2022建築基準法の一部改正が行われます!! 石場建の伝統構法の構造計算の申請が大きく緩和されます。手続きの問題ではありますが、申請にかかる時間や費用が圧縮できるのは朗報だと思います。が、一方で計算自体がいまだに国としてオーソライズされたものはなく、国交省の下で行われた「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験」検討委員会(平成20年度設置)http://green-arch.or.jp/dentoh/による様々な調査・研究・新たな計算方法がいまだに成果として表に出てきていません。 あの膨大な時間・予算・人を使った事業はなんだったのか? すくなくとも、経過報告くら…
前回はシロアリの生態を中心に書きましたが、今回はシロアリの被害の条件について書いてみます。 まずは、被害の実態調査から・・・ 今回も、日本しろあり対策協会の「シロアリ及び腐朽防除施工の基礎知識」を参考にまとめました。 1995年1月に起こった阪神大震災の被害状況について、日本建築学会の調査によれば神戸市東灘区では、倒壊した住宅の80%以上がシロアリ・腐朽による被害を受けており、それらの被害を受けていなかった住宅の被害率は40%未満だったとあります。 また、定量的調査はされていませんが、森拓郎氏らの調査において2011年東北大震災・2016年熊本地震においても地震により損壊した住宅の多くでシロア…
(黒い色がカワラタケ)・・・シロアリの続きは後ほどで・・・・ 木材の腐朽について はじめに、木造建築の耐久性についての概観・・・・・・ 日本の木造建築の歴史は古く、維持のために補修をくり返した結果、法隆寺などは千年以上の時間を経てもなお現存しています。また、各地に残る古民家などでも築後数百年という建物も少なくありません。昔の家の柱は4寸角を使い、このような太い柱では、数回根継ぎが可能でした。3寸5部で2回位、3寸になれば1回などと言われており、このような手当をすればかなりの期間、建物としての機能を維持できることが知られています。(出典:木を活かす建築推進協議会 木造建築の耐用年数(木造建築の寿…
シロアリの被害について 伝統構法特に石場建の場合は足元などシロアリの被害が気になります。 まずはそのためにシロアリの生態と被害を受ける木材知る必要があります。 ネットで検索しても色々と出てくると思いますが、私は日本しろあり対策協会の「シロアリ及び腐朽防除施工の基礎知識」を参考に以下に概要をまとめました、参考にしてください。 シロアリの生態について シロアリは蟻の仲間ではなく、ゴキブリに近い原始的昆虫でゴキブリ目シロアリ下目に属しています。3000種ほどが確認されていて、そのうち建造物に被害を及ぼすものは371種、残りの大部分は、枯れた木や落ち葉を食べ地球の物質循環に大きな役割を果たしている有益…
「新築の石場建」住宅のシロアリ対策*石場建はシロアリに食べられても修復が簡単
柱の底の部分に天然の腐敗防止剤を塗っています。 構造を支える柱の上に「ひさし」を設置し、雨でぬれて材木が腐敗することを予防しています。 最悪、足元が腐ったり、シロアリに食べられたとしても、朽ちた部分を切り取って、別の木を噛ませことで簡単に修復できます。
2021年に一級建築士が建てた伝統工法「石場建て」の新築住宅・その1
現代に建てられた伝統構法の住宅 石場建の足元 湿度調整の土壁 頑丈な木組み設計 現代に建てられた伝統構法の住宅 こんにちは。E-TECH一級建築士事務所の中野剛です。2021年に伝統構法で新築住宅を建てました。一級建築士が建てた現代の伝統構法住宅をシリーズでご紹介していきたいと思います。 この住宅の主要テーマは「サスティナブルな家」で、建築には必要最小限の資源を使用し、人間に必要な必要最小限のスペースで暮らすということをコンセプトとして建てられました。 石場建の足元 足元は石場建。 湿度調整の土壁 頑丈な木組み設計 石場建てとは 石場建ての長所・メリット 石場建ての短所・デメリット 新築石場建…
伝統構法コンセプト住宅「母と暮らす家」見学者の感想(さいたま市K様)
コンセプト住宅「母と暮らす家」の見学者様の感想文(さいたま市K様)
伝統構法とは何か?分かりやすく説明。
丈夫な「伝統構法」は、なぜ丈夫なのか?伝統構法の特徴「石場建て」「木組み」「土壁」を動画で紹介。
伝統構法のデメリットを現場の一級建築士が率直に説明。
伝統工法の基礎(石場建て)と在来工法の基礎の違いを写真で詳しく説明。
アニメーションで紹介する伝統構法・現在も使われている仕口・継ぎ手
伝統構法で建てた家にはこのような継手・仕口の工法が使われています。
伝統構法とは 伝統構法の三つの特徴 石場建て 木組み 真壁づくり 土壁 現代、伝統構法に期待が寄せられている 豊かな森に恵まれたこの国では縄文時代以前より、木の文化が脈々と根付いており、木を使った様々なものが作られてきました。その木の文化の集大成が「伝統構法」なのです。 現在でも国土の67%は森林です。この木や土、草を使って昔の建物は作られていました。世界最古の現存する木造建築である法隆寺は1300年以上の歴史を刻んでいます。伝統の知恵を用いて建てられた木造建築物の耐久性は歴史が証明しています。 自然の恵みを最大限に活かし、長きに渡り使い続け、そして土に還す。持続可能な社会へのヒントとなる循環…
伝統工法の基礎(石場建て)と在来工法の基礎の違いを写真で詳しく説明。
伝統構法のデメリットを現場の一級建築士が率直に説明。
伝統構法の特徴のひとつである「石場建て」のデメリットについて一級建築士が解説
長期優良住宅(木造) 伝統構法住宅(木造) 伝統構法住宅の耐震分析 「伝統工法」の耐震・免震に影響する構造上の大きな特徴は、 「仕口」「継ぎ手」といった技法を使い、接合部分に金物を使わず固定している 「石場建て」という技法で柱を地面に固定せず、土台となる石の上に乗せているだけ の二つがあげられます。 直線的に切った材木を金具でつなぐだけの「在来工法」は地震の際金具が外れてしまったり、金具が破損してしまったりすると、危険な場合もあります。ですが、複雑に切り込んだ材木どうしを穴に通したり、パズルのように組み合わせたりする「伝統工法」は、材木を複雑に「組んで」あるので、地震の際も非常にしなやかに揺れ…
日本の伝統的建築物に見られる伝統構法の「石場建て」の長所・メリットを詳しく解説。
伝統構法のデメリットを現場の一級建築士が率直に説明。
束石と礎石の読み方 礎石と束石の読み方は以下の通りです。 束石(つかいし) 礎石(そせき) 束石と礎石の違い この写真の中に礎石と束石の両方が映っています。さて、どれが礎石で、どれが束石でしょうか。 分かりやすいように近くに寄った写真です。この写真の仲にも礎石と束石が映っています。 これが正解です。 この図だけを見ると、太い柱を支えているのが礎石で、細い柱を支えているのが束石に見えるかもしれませんが、そうではありません。 建物の構造自体を支える柱の下に敷かれているのが礎石と呼ばれ、横に寝かせた構造材を支える短い柱を支えるのが束石と呼ばれます。横に寝かせた構造材とは、梁、棟木、床材などのことを指…
アニメーションで紹介する伝統構法・現在も使われている仕口・継ぎ手
伝統構法で建てた家にはこのような継手・仕口の工法が使われています。
E-TECH(イーテック)一級建築士事務所の概要 一級建築士・中野剛のプロフィール 一級建築士・中野剛の設計実績 E-TECH一級建築士事務所の方向性 E-TECH一級建築士事務所の活動 E-TECH一級建築士事務所の経営方針 E-TECH(イーテック)一級建築士事務所の概要 事務所名 E-TECH(イーテック)一級建築士事務所 設立年(創業) 2004年 免許登録番号 一級建築士 登録番号:272998 代表者氏名 中野 剛(なかの たけし) 所在地 さいたま市浦和区木崎5-7-16 電話番号 048-887-2262 E-mail 問い合わせページ参照 所属団体 日本建築学会 NPO伝統木…
木組みとは何か?の動画(2分08秒) ◆木を組んでいく工程の動画(6分26秒) ◆木組みのドキュメンタリードラマ(33分46秒)
伝統構法の特徴のひとつである「石場建て」の概要について説明
伝統構法の柱や梁は、以下のように複雑な形に彫った木を組み合わせて、金具を使わずに立体パズルのように組み合わせることで「組んで」あります。 このように木を組んだ「木組み」で一体化した建築物を、「石場建て」の礎石の上に乗せることで、その高い免震性を発揮するのです。 継手(つぎて) ひっかけて継ぐ 四枚鎌継ぎ 竿車知継ぎ 半いすか竿車知継ぎ 天秤の逆組み継ぎ 仕口(しくち) 通し違い枘差し枘鼻栓仕口 渡り顎二重枘仕口
伝統構法記事のリスト
丈夫な「伝統構法」は、なぜ丈夫なのか?伝統構法の特徴「石場建て」「木組み」「土壁」を動画で紹介。
サスティナブル(持続可能)な建築世界を目指す一級建築士の建築コンセプト。
伝統工法の基礎(石場建て)と在来工法の基礎の違いを写真で詳しく説明。
何かを生み出す宅地「生産宅地」の概念。
長期優良住宅(木造) 伝統構法住宅(木造) 伝統構法住宅の耐震分析 「伝統工法」の大きな特徴は、 「仕口」「継ぎ手」といった技法を使い、接合部分に金物を使わず固定している 「石場建て」という技法で柱を地面に固定せず、土台となる石の上に乗せているだけ の二つがあげられます。 直線的に切った材木を金具でつなぐだけの「在来工法」は地震の際金具が外れてしまったり、金具が破損してしまったりすると、危険な場合もあります。ですが、複雑に切り込んだ材木どうしを穴に通したり、パズルのように組み合わせたりする「伝統工法」は、材木を複雑に「組んで」あるので、地震の際も非常にしなやかに揺れ、倒壊することがありません。…
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伝統工法を軸にした「サスティナブル(持続可能)な家」の実際の建設現場。
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