「こんな風がいいけど、光には学校行ったりもして欲しい」それはウソじゃない。そう思う。俺は、自分が不幸とか、こんな人生とか、そんなことは思わない。親に捨てられた…
本殿が完成したのが嬉しくてつい座り込んで見ちゃってたけど、天ちゃんと鴉が居なくて、何かやってくれてるなら僕もやらなきゃって外に出た。手伝ってもらってるのは僕な…
せめて俺も草取りをって、持ってきた軍手をして天狗の近くにしゃがんだ。ぴかるんは？って天狗。まだ中って俺。「嬉しくて眺めてる？」「そう」「頑張ったもんね〜、ぴか…
今日は本殿の仕上げ。僕は張り切って朝早起きして………っていうか、多分仕上げだって思って寝たから早く目が覚めちゃっただけなんだけど、鏡チェックの僕はいつもとさほ…
できた〜って声が、大きく響いた。ここに通うことどれぐらいか。荒れ果て、朽ちた神社。多分気狐が神社に絡んでて、それにひとつ目が気づいて光に何か言って、光が俺たち…
何かすごい疲れた。まだ何もしてない。神社に来ただけで、僕はちょっとぐったりだった。一応天ちゃんはほじくらないでくれたけど、天然ふたりからの攻撃は凄まじかった。…
本殿、と言ってもそんなに大きいものではない。俺と光と光にくっついてる小さいのが3人………というべきか、3匹というべきか、が、入ったら少し圧迫感を感じる。プラス…
これ。天ちゃんが作ってくれた木彫りの僕。足元にきーちゃんが居て、にっこり笑って手を合わせてる僕。「きーちゃん、これ、本殿に置いてもいい？」天ちゃんがそれ用にっ…
「ひかる」今日もネコマタに乗って来たひとつ目が、光に天狗作の木彫りを見せられて言った。ひかるだね。きーちゃんだね。「ええ〜⁉︎いっちゃん何で分かったの⁉︎これ…
「ひかりはすべてに平等だけど、因果応報。ひかりを忘れるから矢が刺さる」するんって、天ちゃんの言葉が素直に耳に入った。多分だけど、鴉の手に気を取られてて、僕の気…
それを見たからと言って。それと同じ『光』という名だからと言って。都合よく光の首に1本残ってる矢が抜けたとか、そういうことは起こらない。次の日。光は少し抜けるこ…
僕の、最大級の、どっきん。も他所に、繋いだね〜？って軽いテンションの天ちゃん。あまりの普通さに、ちょっと今の僕のどっきんを返してって思った。ううん。天ちゃんは…
「うわっ」横で光が声をあげた。身体がびくってなったのが分かった。光には何が見えてるのか。俺と同じものが見えてるのか。「目は閉じたままで。何が見えた？」天狗の問…
1番にギブアップしたのは僕だった。口を開けて覗いたら今食べたものたちが見えそうなぐらいお腹いっぱいで苦しい。なのに天ちゃんも鴉ももう？って顔してまだ食べてる。…
いれたてのコーヒーを片手に、何となく空を見上げてた。光は焚き火の火が気になるらしく、落ちてる枝を火に突っ込んで、つかない‼︎何で⁉︎って騒いでる。それは光がそ…
キャンプファイヤー並の焚き火にバーベキュー。中学以来のこういうの。日が落ちたのにそんなに寒くないのは、ゆうちんの火だっていうこの焚き火の炎のおかげかもしれない…
小さいのがおいしいって目を輝かせながら食べる姿は、見ていていいものだと思う。小動物が必死に食べてる、みたいな。何とも微笑ましくて、思わず皿にどんどん肉を入れて…
残念ながら天ちゃんの記憶の抹消はできなかったけど、天ちゃんはちゃんとそこでやめてくれた。そんなに言っちゃダメなの〜？って、かなり不満げに。で、じゃあ、しょうが…
「そんなに言っちゃダメなの〜？じゃあ、しょうがないから、天ちゃんあっち行ってあげるねっ」うううって泣いてるのか泣き真似なのか返事なのかの光を置いて、にくにくぅ…
「何で光のことが載ってないんだ？」僕が落ち着いたのを見計らって、なんて器用なことが鴉にできるのか、たまたまそう思ったのがこのタイミングなのか。喫茶店とかでこん…
いきなりの天狗の出現に、光がうぎゃあああああって悲鳴をあげて俺を突き飛ばして俺から離れた。ソファーから立ち上がって走って居間のすみまで逃げた。何もしてない‼︎…
鴉には何も通じてなさそうだけど、ひとりで僕何してんの⁉︎ってなってた。もう絶対絶対『そういう風』に触れるのも触れられるのも無理‼︎って僕が、自分が使ったスプー…
その後少ししてひとつ目が戻って来た。光を見て痛い？って聞いた。痛くないよ？って光は答えてたけど、ひとつ目には多分何かが見えてて、光はありがとって、言ってた。「…
本気で被害者の会を発足させた方がいいんじゃないかって思う。プリンを作るために鴉と僕ときーちゃんで移動してきた台所。鴉が手際よく準備してくのを、指示に従って手伝…
光の、俺を意識しての、最初にここに来たときみたいな、物理的距離を取りたがってる感じは、プリンを作ってる間にだいぶなくなった。卵液を混ぜたりカラメルを作ってると…
すぐ隣に居る鴉に、気持ちがもぞもぞする。僕がお皿の泡を洗い流して水切りかごに置くとき、ちょんって触れる手にうううううってなってた。もぞもぞして、うううううって…
「ねぇ鴉〜」「ん？」「今日はやっぱり、神社に行かない方がいい？」光とふたりで昼ご飯の片付けをして、俺は居間のソファーでタブレットを見てた。光にちょっとびっくり…
お好み焼きは美味しかったけど、落ち着いては食べられなかった。隣は鴉だし。いつもだけど。斜め前は天ちゃんだし。いつもだけど。いつも通りだけどいつも通りじゃなくて…
「じゃ、あとは若いふたりに任せるね〜っ。よろぴくぴく〜っ」「ちょっ………天ちゃん、言い方‼︎」何のことかって、昼ご飯と食後のお茶、コーヒー、カフェオレの後片づ…
とりあえず、天ちゃん曰くの面談っていうのは終わった。終わって、模範解答の①。時間を戻して色んなことをやり直すっていう選択肢が消された。やり直さないってことは、…
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