彼は物書き志望だ。筒井康隆になりたくて、本気で直木賞を取ろうとしている。今までも小説や詩を書いて、詩集を出したりなんかもしている。 初めて彼の姿を見たとき、私は彼が何を考えているのか分からなかった。いや、人が何を考えているかなんて知る由もないのだが、彼は本当に分からなかった。どんな世界をどんな目で見ているのか、興味があった。だからという訳でもないが、私は彼の文章を読むのが好きだ。同じ空でも彼のフィルターを通すと違って見えるあの感覚が楽しい。 彼は多趣味だ。音楽は聴くのも演奏するのも好きで、私とは比にならない読書家で、村上春樹から夏目漱石、ドストエフスキーや漢詩まで幅広く読む。あとはバイクとかスケボーとか服とか、とにかく好きなものが多い。そして彼のずば抜けた記憶力はそれぞれの基礎知識や面白みを彼のものにさせ、...紫式部
彼に「浮気したい」と言われた。前に述べた通り私は人間関係の束縛はしない主義だ。浮気もしたいならすればいい。私より教養があって文化に秀でていて彼に釣り合うような人は彼の周りにたくさんいることだろう。そんな素晴らしい出会いを私が足枷になって妨げるとかそんなことはしたくない。恋人である以上私のことを好きでいて欲しいけど、情が移ってしまったときは考える。そして多分別れる。 彼の浮気願望の話をしばらく聞いてみた。私とは正反対の服装や容姿をしていて、ひたすら美術館とカフェに行くようなそんな間柄の異性が欲しいらしい。素直に「いいな。」と思った。私は美術館に行くと気に入った絵をずっと見ているタイプの人間なので人と行くことに向いていない。なんなら絵じゃなくて紙の材質とか裁断に興味を持って眺めてしまうから恋人と行くのは無理だろう。...穴
彼と私はもともと何の関わりもないただのクラスメートだった。選択授業も全部違うし、席も大して近くないし、共通の話題なんてないし。だから彼と初めてLINEしたのも出会ってから10ヶ月後とかだった。それでもって彼には代わる代わる彼女がいたから、そんなに頻繁に連絡もしなかった。もちろん通話も。だから彼から連絡が来るととても嬉しかった。スクショして何度も見返した。よく連絡をとるようになったのは高3の夏だったと思う。肉体関係を持って、彼もフリーになって、よく話すようになった。ほぼ毎日話すようになった。それでも変な期待をしないように私から連絡をすることはほとんどなかった。だから常に待ち続ける側だった。やっぱり連絡が来ると嬉しかった。学校で毎日顔を合わせているのに、学校外でも彼が私のために時間を自ら割いてくれてる。その事実が嬉...UR彼氏
彼に謝られた。「女の子とサシで遊んだ。ごめん。」正直怒る気には全くならない。呆れとかそういう感情じゃなくて、「え、普通によくない?」って意味で。確かに私は彼を構成する上でそれなりに大きな割合を占める人間になったかもしれない。それでも社会で見ればただの70億分の1にしかならない小さな存在で、そんな広い世界を全て代われるような存在にはなれない。だから彼の世界を私で狭めないためにもいろんな人と関わって欲しい。 「議論はそこじゃないだろ」って声が聞こえた気がする。つまり女の子と遊ぶことじゃなくて異性とサシで会うことが問題なのではないだろうかと。自論。「えー別に良くない?」いや、私個人の問題かもしれないけど、大人数で遊ぶのって疲れるじゃん。特に食事なんかサシの方がいろんな話できて楽しいじゃん。私も複数人で遊ぶより一対一で...束縛
将来のはなし。私は彼を養おうとしている。なぜなら彼が驚くほどに労働に向いてないからだ。国民の三大義務なんて言われてるけど、できないものはできないで、できる人が代わりにやれば良いと思っている。だから私は彼に働けとは言わない。その代わりに外で働く私を癒してくれればそれで良い。 しかし、私が目指す映像編集者の仕事は平均年収が低くブラックなので有名だ。彼を養うのは実はかなり難しい。でも、彼もこの夢に前向きに応援してくれている以上、この大学に来てしまった以上、この仕事を目指さない手はない。だから私は少しでも条件の良い企業に入れるように今から対策を始めることにした。まず手始めに資格の勉強。これはなんとなく高校卒業後から少しずつ手をつけていたし秋の試験の出願も終わっているから。良しとする。そして編集ソフトの練習。高校でも簡単...将来
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