古い日記がまた溜まってしまったので、今日の分と合わせて載せておこうと思う。 2024年10月27日 感情はみごとに節約され、あたかも火を点ぜられていたために、明るく賑やかである代りに、身は熱蝋になって融かされていた蠟燭が、火を吹き消されて、闇の中に孤立している代りに、もう何ら身を蝕む惧れがなくなった状態と似ていた。彼は孤独が休息だとはじめて知った。 『春の雪 豊饒の海(一)』(三島由紀夫)より引用 秋は恋愛小説が読みたくなる。「恋愛小説といえばこの人」という小説家は何人もいるが、私は小池真理子さんの作品が好きだ。”恋三部作”と呼ばれている中の『恋』と『無伴奏』は特に好きな作品で、読み進めやすい…