国家転覆行為などを取り締まる「香港国家安全維持法」の可決・施行がいよいよ秒読み段階となり、この法案計画が明らかになって以降、すっかり表舞台から姿を消してしまった民主活動家たちだが、彼らが追い込まれている状況が地元紙からも見て取れる。 (「大公報」1面) 本日(6月29日)付「大公報」、「星島日報」などは、米トランプ米大統領が今月初めに、米国放送理事会(USAGM)が世界の民主活動に充てていた資金200万米ドル(約2億1000万円)を凍結したと伝えた。これは雑誌「タイム」の最新号からの引用で、この資金の一部は、昨年から続く香港の反政府活動に充てられていた。また同誌によると中国政府から制裁措置を食…
「香港版国家安全法」施行前の最後の日曜日になるであろう6月28日、事前に申請されていた反政府デモは許可されなかったが、ネットでの呼びかけに応じた市民が自発的に集まり、午後3時ごろから九龍半島の佐敦から旺角まで行進した。 テレビやネットのニュースによると、集まった市民が、警察の解散の警告を無視して歩き続けた。途中、沿道などからも抗議の声を発する市民がいたという。警察が対峙する市民に向かって胡椒スプレーを放つ場面もあったようだ。警察は不法集会を行ったとして53人(男性41人、女性12人)を拘束した。 (RTHKネットニュースより) 同じく午後3時からデモが予定されていると噂されていた香港島・銅鑼湾…
[ 「香港の鉄の女」「香港の良心」「陳太(チャンおばさん)」と言われた陳方安生(アンソン・チャン)さんが6月26日、80歳を機に公民及び政治活動から身を引くと発表した。「香港版国家安全法」の導入の動きが進む中での引退宣言。一夜明けた香港の主要紙はやはり、読み応えがあった。 アンソン・チャンさんといえば、香港で知らない人はいない。サザエさん似の親しみやすい容貌はさておき、中国返還前の香港政庁時代には、総督に次ぐポジション、布政司に華人として初めて就任、最後の総督に仕えた。返還後の香港特区政府では行政長官に次ぐ政務局長として行政手腕を発揮した。引退後は立法会(議会)選に出馬して議員となったり、行政…
2ヶ月半ぶりぐらいで、九龍半島の繁華街・チムシャツイの地下鉄駅を出て地上に上がったら、昨夏以降の反政府デモで破壊されていた地下鉄の地上出入口やその周辺が修復されていた。デモ隊によって粉砕されたガラス部分は金網に変わるなど、以前とは違った格好に。新型コロナの流行で、今年に入って反政府デモや抗議活動が鳴りを潜めた間に、"デモに強い"仕様に生まれ変わっていたのだ。 以下、「デモ期間中」と「コロナを経た今(6月22日)」の状態がわかる写真を並べて比較してみる。 デモ隊が書き殴ったスローガンなどはスッカリ消されていた。 ガラスの壁はヒビが入って危険なため、緊急避難的に木の板で覆っていたが、今は厚いガッシ…
多くの香港市民にとって待ちに待った申請手続きが始まった。香港政府による1万香港ドル(約14万円)支給の申し込み受け付けが6月21日(日)から、ネットバンキングや銀行の窓口などで始まったのだ。日曜日にも関わらず、初日だけで約200万人が申請。この現金支給も、政府支給のマスク「Cuマスク」同様、計画が立法会(議会)で可決されてから申請開始までわずか1か月だった。7月8日から支給されるが、ネット申請は「3秒で完了した」という友人がいるほど、簡単で、相変わらず細部にわたりスピード感があるシステムだ。(冒頭の写真は中国銀行(香港)のネットバンキングの申請画面) (建設銀行のネットバンキングの申請画面) …
6月18日に鳴り物入りで第二上場した、中国インターネット通販2位の京東(JDドット・コム=9619)は、まさに塞翁が馬で今の王国を築き上げた。 同社は18日、米ナスダック市場に続き、香港市場にも上場した。初日の終値は、公開価格よりも8香港ドル(3.54%)高の234香港ドル(約3100円)だった。今回、市場から300億香港ドル(約4200億円)を調達したわけだが、この京東のオーナーでCEOの劉強東氏は、逆境をビジネスチャンスに変えた。まさに塞翁が馬。災い転じて福となしたのだ。 同社の創立は1998年だが、当時は日用品の店舗販売会社だった。2001年には中国最大の磁気光学製品の代理店となり、10…
1952年に開業した九龍半島・ネイザンロード沿いの新楽酒店(シャムロック・ホテル)が6月15 日に約70年の歴史に幕を閉じた。あのブルース・リーや薛家燕(ナンシー・シット)など、人気俳優や売れっ子歌手などが訪れていた歴史あるホテルだけに、閉館前の最後の週末は多くの市民が別れを惜しんでやってきた。 新楽酒店は、九龍半島のメーンストリート、ネーザンロード沿いに構えるホテル。(最寄りの地下鉄駅は「ジョーダン駅」) 今では高層ビルに挟まれて目立たないが、完成当時は九龍半島一番の高層ホテルだった。 (オープンを伝える新聞記事と当時の写真、「蘋果日報」より) ホテル内のレストランには、ブルース・リーが幼い…
香港のフラッグシップ「キャセイ・パシフィック航空」が「倒産寸前の危機的状況」陥り、香港政府が救済に乗り出すことになった。6月9日に発表した。香港政府は新たに発行する優先株を引き受けるとともに貸し付けをし、持ち株が4番目に多い株主になる。香港を代表する優良企業の同社が、わずか5ヶ月余りで破綻寸前に追い込まれるとは。世界を大きく変えてしまった新型コロナウイルスの破壊力は、底知れぬ凄まじさだ。 キャセイ航空は、現在の時価総額の倍以上の、390億香港ドル(約5400億円)の資金を調達して再編に乗り出す。うち、195億香港ドル分(約2700億円)は香港政府に対して優先株を発行。また78億香港ドル分(約1…
久しぶりにスターバックスに行ってホットコーヒーを注文したら、紙カップ用カップスリーブが写真のような特別バージョンだった。 描かれているのは、 20th STARBUCKS HONG KONG という、香港のスタバの20周年を祝う文字とクマのイラストだ。 スタバが香港に上陸してもう20年になるんだ、と当時を懐かしく思わずにはいられなかった。何せ香港にコーヒー文化が根付くきっかけを作ったのは、スタバだから。 コーヒー好きの私にとって来港時辛かったのは、美味しいコーヒーが手軽に飲めなかったことだ。当時も大衆食堂でもコーヒーはあったが、これがえらく不味かった。大昔の日本のインスタントコーヒーのような味…
1989年の天安門事件の犠牲者を追悼する、恒例のビクトリア公園での「6・4集会」。31回目の今年は、新型コロナ対策を理由に警察からは集会の許可が下りず、違法の中で行われた。にもかかわらず、多くの市民が集まり、「平反六四(事件は学生の動乱という評価を見直せ)」と訴えた。 ビクトリア公園での集会が認められなかったことから、主催者団体の「香港市民支援愛国民主運動聯合会(支聯会)」は、メンバー数人で公園で行うが、市民には各地で行う集会か、ネットを見ながら自宅で追悼して欲しいと呼びかけた。 しかし、「違法だろうが公園に来るつもりだった」(年配の男性)というように、多くの市民が続々とビクトリア公園に集結。…
香港政府は、新型コロナ対策として6月4日まで禁じている9人以上の集まりをさらに2週間延ばして、6月18日までとすると発表した。新型コロナは、地元市民の感染例ゼロが続いていたが、ここに来て小規模ながら集団発生が起こっていることを考慮しての措置というがー。 この延長措置で、 (1):30年続いた、6月4日の天安門事件を追悼する「6・4集会」 (2):「逃亡犯条例改正案」に反対した、6月9日の市民100万人の抗議デモから1周年 (3):(2)に関連して6月12日の立法会(議会)ビルを取り囲んだ抗議活動から1周年 (4):(2)と(3)に関連して、6月16日に行われた市民200万人による抗議デモから1…
5月31日、海外渡航歴がない香港人夫婦が新型コロナに感染していたことが確認されたが、夫婦が住む公共住宅と妻の勤務先で、集団感染が発生していることに警戒感が高まっている。女性は輸入品の荷受け倉庫に勤務していることから、ウイルスが付着した輸入品が感染源だったのではないかとの見方が出ているのだ。さらに、この夫婦のどちらかが、多くの人を感染させるスーパースプレッダーだったようで、夫婦が住む公共住宅で連日新たな感染者が確認されており、こちらの情況も心配される。 妻は、渡航歴がないが輸入品を取り扱うコンテナ貨物会社に勤めている。このため、英国からの輸入品にウイルスが付着して香港に持ち込まれたのではないか、…
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