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2020/06/06

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  • Unseen Japan とジェフリー・J・ホール

    海外の人が好きそうな日本の話題をニュースポータル的に英語で発信するX (旧 Twitter) アカウントがある。1つは「Unseen Japan」というアカウント。フォロワーは10万人以上いる。2008年頃に問題になった『毎日デイリーニューズWaiWai』のような悪意に満ちた根も葉もない嘘を発信しているわけではないが、外国人 (西洋人) が持つ日本人のステレオタイプにおもねるような投稿が多い。たとえば日本は閉鎖的だ、LGBTに関して意識が低い、などだ。翻訳のまちがいも散見される。中の人のひとりは Jay Allenという米国人でこういう人らしい↓。 このアカウントが最近拡散した不正確な情報の1…

  • アビゲイル・シュライアーの『Irreversible Damage』を読みました

    アビゲイル・シュライアーの『Irreversible Damage』を読んだ。ご存じの方も多いと思うが、先日KADOKAWAが翻訳本の出版をアナウンスしたが、抗議にあって短期間のうちに出版を取りやめたという本である。 私自身はシュライアーが原書の発売時におそらくプロモーションとして出演した 動画を訳していたので、概要はわかった気になっていたのだが、今回日本でも大騒ぎになったということで自分でもしっかり読んでみることにした。 読んでみた感想だが、この本には少なくとも思春期の子供を持つ親の年代の人にすればまったくもって常識的なことしか書かれていない。ではなぜこの本が「反トランス」とか「差別的」とか…

  • バフィー・セントマリー: 先住民の出自にまつわる疑惑

    カナダの先住民・クリー族の血を引くと主張して過去60年にわたって活動してきたフォークシンガー/人権活動家の出自に疑惑の目が向けられている。10月に放映されたカナダの放送局CBCの調査報道番組『The Fifth Estate』によれば、彼女は白人の両親のもとにマサチューセッツ州で生まれたアメリカ人だというのだ。 彼女の名前はバフィー・セントマリー。1960年代初頭からグリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウスなどで歌い始め、映画『いちご白書』や修正主義西部劇(開拓者を善玉とする単純な勧善懲悪ではない西部劇)の嚆矢となった映画『ソルジャー・ブルー』の主題歌を歌い、日本でも大ヒットした映画『愛と青春の…

  • 「日本の性交同意年齢は13歳」という半真実、というかデマをやっつける方法

    「日本の性行同意年齢は13歳」という半真実 (half-truth)が欧米で広まったのは、伊藤詩織氏がヨーロッパの何か国かでテレビ番組に出演してレイプ被害を訴えた2018年からです。伊藤氏はそのインタビューの中で性をめぐる日本の状況について、事実と異なる、または誤解を招く表現をいくつか用いています。たとえば「日本社会で育つと誰でも性暴力や性的暴行を経験している」「女子高生として交通機関を使うようになると毎日そういう目に遭うようになる」などです。「日本の性交同意年齢は13歳」という発言もその中の1つです。 日本国の刑法では、1907年以来、性交同意年齢は13歳と定められていました (2023年7…

  • 日本はジェンダーギャップ指数125位だとドヤる人に反論するための材料

    日経新聞の対談記事(2023/9/3公開)で駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏がジェンダー平等の点で日本は英国に30~40年遅れていると感じると発言しました。 私も日本がジェンダー平等の点で完璧な国だとは思っていませんが、自分の国の価値判断を絶対視して「日本は英国に30~40年遅れている」と無邪気に発言するのは外交官としてガードが下がりすぎているのではないかと心配になります。しかし、こうした要人の雑な発言を放っておくと、「日本は英国に30~40年遅れている」みたいな議論が通説となってしまうおそれがあるので、面倒くさがらずに反論をあてていったほうがいいと思うのです。 ジェンダー不平等指数 ジ…

  • デイビッド・マクニールが産経の古森さんをだまし討ちにした件

    ずいぶん前の話になりますが、2006年にデイビッド・マクニールが産経の古森さんをだまし討ちでインタビューしたことがありました。 マクニールは英国インデペンデント紙の特派員として古森さんにコンタクトし、同紙の記事にするという約束でインタビューを行いました。ところが同紙には記事は掲載されず、マクニールが編集者を務める『Japan Focus』というネット論壇に古森さんの取材中の発言がほぼすべて掲載されました。 インタビューの目的も「靖国参拝についてのいろいろな人の意見をまとめる記事を書くため」とマクニールは言っていたのですが、彼のほんとうの目的は別のところにあったようです。 ことの顛末を古森さんが…

  • 『ウォークネス: 事務方主義の最高の段階としての』

    マルコム・シユーネの『ウォークネス―事務方主義の最高の段階としての』を訳してみた。保守系シンクタンクのマンハッタン・インスティチュートが発行する雑誌『City Journal』の2022年冬号 (2022年初頭の発行) に掲載されたコラム。 20世紀前半、アメリカの思想家であるジェームズ・バーナムは、専門化した経営者が資本家に代わって会社を支配するようになるだろうと予測した。すなわち、資本主義の後を継ぐのは社会主義者ではなく、ある種の職能集団であるということだ。ある意味、その予測は実現しつつある。ただし、シユーネによれば、新しく支配権を握ろうとしているのは経営者ではなくウォーキズムである。 マ…

  • ジェイク・エーデルスタインの『Tokyo Vice』を事情通がこき下ろす

    今年の4月から米国HBO MaxでTVドラマ『Tokyo Vice』(トウキョウ バイス)が放映された。舞台は1999年の東京。主人公は、ヤクザなどが蠢く日本のアンダーグラウンド社会に足を踏み入れたアメリカ人新聞記者だ。主演はアンセル・エルゴートで、渡辺謙や菊地凛子が脇を固める。 原作となる同名の回想録を書いたのはジェイク・エーデルスタインだ。来日後に上智大学で日本文学を学び、1992年に欧米人として初めて読売新聞の社員となり、12年間勤務した男である。 ドラマ『Tokyo Vice』のレビューはおおむね好評だ。映画評論サイトの Rotten Tomatoes によれば、平均評価点は10点中7…

  • 「ザ・ルンペンブルジョワジー」

    米国のジャーナリストであるレイトン・ウッドハウス氏のSubtrackから「ザ・ルンペンブルジョワジー」という記事を訳してみた。IT企業をはじめとして、アメリカ社会はなぜこれほどまでにウォーク(左傾)化してしまったのか。今回のTwitter社の大量レイオフにもつながる話です。 「ルンペンブルジョワジー」とは、ここでは生産性は低いが高給と社会的尊敬を得られる職についている大卒社会人ぐらいの意味。労働市場での競争で明確に有利となるスキルを持たない主に人文系の卒業生が各産業に入り込み、大学で吹き込まれた道徳的資本だけを武器にのしあがろうとする。その過程で社会がWoke化していったとする議論。 イーロン…

  • 大手メディアはどのように虚偽の人種差別事件を報道するにいたったか

    バリ・ワイスが主宰している「コモンセンス」というアメリカのオンライン・マガジンに興味深い記事が掲載されていたのでご紹介します。記事を書いたのはジェシー・シンガル記者。 www.commonsense.news 2022年8月、米国デューク大の女子バレーボール・チームがブリガム・ヤング大(BYU)に遠征して試合を行った。そこで、スターティング・メンバーの中で唯一の黒人だったレイチェル・リチャードソン選手がBYU応援団から人種差別の罵声を執拗に浴びせられたという。 試合後に彼女はこの件を自分のゴッドマザー(名付け親)に話した。たまたま法曹界の要人だったこのゴッドマザーがTwitterに投稿。たちま…

  • 戦時の娼家で1人の女性が相手にした兵士の数 - 他国の例

    水木しげるの漫画『従軍慰安婦』には次のような描写がある。場所は第二次世界大戦時のココボ (ラバウルの近く)。「日本のピーの前には100人くらい。ナワピー(沖縄出身)は90人くらい、朝鮮ピーは80人くらいだった」「これを1人の女性で処理するのだ」(中略)「1人30分とみてもとても今日中にできるとは思われない、軽く1週間くらいかかるはずだ」。ピーとはいわゆる慰安婦を指す。 水木の別の漫画『総員 玉砕せよ!』では、同じココボでの話として次のような描写がある。営業終了まであと5分だというのにピー屋の前に70人ほどの兵士が並んでいる。5時になって閉店を告げられた兵士たちはもう少し営業してくれと懇願するの…

  • チェルシー・センディ・シーダーが消し去りたい米軍の過去

    チェルシー・センディ・シーダー (Chelsea Szendi Schieder) は、ラムザイヤー論文の撤回を要求している歴史家グループの1人である。米国コロンビア大学で日本現代史の博士号を取得している。現在は青山学院大学の准教授である。 シーダーは、「The History the Japanese Government Is Trying to Erase」(日本政府が消そうとしている歴史) という記事をザ・ネイション誌に寄稿した (2021年5月26日公開)。日本政府や右翼が第二次世界大戦時の歴史を変えようとしていると主張する記事である。 この記事の中でシーダーは、青学で教えている生徒…

  • エイミー・スタンリーのエッセイ『On Contract』の問題点

    ラムザイヤー論文の撤回を要求している歴史家グループの1人、エイミー・スタンリーが書いたエッセイ『On Contract』の問題点を指摘したい。 このエッセイにおいてスタンリーは、インドネシアで起きたスラマン慰安所事件(注)のような拉致強姦が韓国でも日本軍によって広く行われていたのだと、確たる証拠もあげずに読者に信じ込ませようとしている。 注: 1944年2月、南方軍管轄の第16軍幹部候補生隊が、オランダ人女性35人を民間人抑留所からジャワ島のスマランにあった慰安所に強制連行し強制売春させ強姦した事件。戦後、国際軍事裁判所において当該軍人や軍属に有罪が宣告され、数名は死刑に処された。1992年に…

  • Amy Stanley inherits the mindset of the US commanders who portrayed the rape as a black men's problem

    Many French women were raped by U.S. soldiers in Normandy after the D-Day. The disproportionately high number of black soldiers were convicted of sexual assault. One of the reasons was that the U.S. military’s leadership tried to evade criticism by portraying the rape as a problem, not of the U.S. m…

  • 戦場における現地女性のレイプを終わらせないのは誰か?

    第二次世界大戦の後、米国兵士が沖縄でレイプした女性の数は 10,000人に及ぶと推定されている (*)。また、フランスのル・アーヴルでも、ノルマンジー上陸の後に多くの現地女性が米兵にレイプされた (**)。ル・アーヴルの市長も沖縄民政府も、地元の女性がレイプされるのを防ぐために売春施設を設立してほしいと米軍司令官に要請した。軍が管理する売春施設はヨーロッパでは一般的であったが、米軍は拒絶した。売春施設の運営に関与することに対する米国民からの道徳的批判を恐れた米軍は、自分たちの体面を保つことを最優先にしたのだ。 社会学者の宮台真司は、マグヌス・ヒルシュフェルトの『戦争と性』の邦訳版に寄せた解説文…

  • 戦地でのレイプの罪を黒人になすりつけた米軍首脳部の精神を今に受け継ぐエイミー・スタンリー教授

    第二次世界大戦でノルマンジー上陸後に米軍兵士による現地女性への性犯罪が多発した。強姦犯に占める黒人の割合は非常に高かった。その理由の1つは、米軍上層部が責任逃れのため「レイプは米軍の問題ではなく、黒人の問題だ」というイメージ操作を行う意図があったから。 1940年代の話だから軍にも被害者の側にも偏見はあった。名ばかりの裁判では、黒人が被告の場合は被害者のフランス人女性の証言が信用されたし、白人が被告の場合は被告の証言の方が信用された。「黒人は性欲が強い」という当時はびこっていたステレオタイプのイメージも利用された。 強姦犯は有罪になると、公開で絞首刑になった。処刑の場所は、犯罪が行われた地域。…

  • Who perpetuates the practice of raping local women during war?

    US soldiers raped estimated 10,000 women in Okinawa after WWII(*). Many women were also raped by US soldiers in Le Havre, France after the D-day(**). The mayor of Le Havre and the governor of Okinawa both asked the US commanders to set up brothels to prevent local women from being raped. The US refu…

  • アメリカの日本近現代史の先生たちはなぜラムザイヤー論文にあれほど強い拒絶反応を示すのか?

    マグヌス・ヒルシュフェルトの『戦争と性』を読んでいるのだが、宮台真司の解説が付いていて、その中になぜアメリカの日本近現代史の先生たちがラムザイヤー論文にあれほど強い拒絶反応を示すのかを理解するためのヒントとなるようなことが書いてあった。 ヒルシュフェルト(1868-1935)はドイツの医師・性科学者。『戦争と性』は、第一次世界大戦時の欧州における性愛の実態を詳細につづった本である。 宮台「ドイツが第一次世界大戦で採った国家による管理売春は、兵站としての性の提供であり、性病と暴力の管理を目的としました。この図式は第二次大戦期やその後にかけて広がりを見せましたが、米国だけはこれを採用しませんでした…

  • 社会正義メッセージをマーケティングに利用したナイキのCMについて

    ナイキの例のCMについてTwitterでつぶやいたことをまとめておきます。2020年12月初旬のツイートです。 www.youtube.com ナイキのCMに肯定的な人と否定的な人の違い、国内だけを見てるか、世界的な視点で見てるかの違いじゃないかな。国内だけを見てれば、マイノリティ差別ってよくないよね、で完結する。しかし、世界的に見れば日本人はマイノリティです。左翼の言葉でいえばPoC (people of colour)です。 ナイキというマルチナショナル企業が、世界のほぼどこからでもアクセスできるYoutubeというプラットフォームで、マイノリティ(日本人)を雑に悪役にした動画を公開した。…

  • イギリス保守党のケミ・ベイデノック平等問題担当副大臣の国会演説

    少し前の話になりますが、イギリス保守党のケミ・ベイデノック (Kemi Badenoch) 平等問題担当副大臣の国会演説が話題になっていたので訳してご紹介します。 The Equalities Minister could not have been clearer:Black Lives Matter and Critical Race Theory are political and do not belong in schools.Teaching ideas such as 'white privilege' as a factual reality is breaking the l…

  • 2016年に比べてトランプ大統領に投票した有色人種/女性/LGBTの有権者が増えた件

    大統領選挙の投票が終わり、大手メディアはバイデン氏の当選を宣言しました。トランプ氏は選挙の不正を主張して徹底抗戦の構え。まだまだひと悶着もふた悶着もありそうです。 人種差別主義者、性差別主義者などとメディアにレッテルを貼られ続けたトランプ大統領ですが、2016年と比べて白人男性以外の人種/性別で得票を増やしているというデータが出ています。(Edison 社の出口調査)。君らがブラック・ライブズ・マターと叫んで店を略奪し街を焼き、黒人同士で殺し合ってる間に、トランプ大統領は全てのマイノリティ男女間での支持率を伸ばしましたwこの事実は定期的に蒸し返そうと思いますw大変ありがとうございました🙌🏻 p…

  • David McNeill's article on Abe's resignation

    David McNeill wrote an article for the Irish Times on PM Abe's resignation. It is published on 28 August 2020 for the Irish Times.www.irishtimes.com I wrote my comment in the readers' comment section for the article. My comment is as follows (with some tweaks): It is interesting to compare this arti…

  • デイビッド・マクニールが安倍首相辞任時と菅直人首相辞任時に書いた記事を比べてみた

    日本外国特派員協会のデイビッド・マクニールが、アイリッシュ・タイムズ紙に安倍首相辞任に関する記事を書いていた。 www.irishtimes.com 2011年8月の菅直人の退陣時に彼が書いた記事と比べてみると、彼がジャーナリストとしての責務よりも、自分の政治的・思想的アジェンダを優先する人間であることがよくわかっておもしろい。 www.irishtimes.com 経済にも外交にも原発事故の処理にも、菅直人はいいところを見せられなかったのは周知の事実だが、それでもマクニールの記事は菅に非常に同情的だ。2人の学者 (上智の中野晃一とテンプル大のジェフ・キングストン) の言葉を引用して管を擁護す…

  • 記事翻訳『トランプの政治集会に参加した私は、民主党が2020年の準備ができていないことを悟った』

    『トランプの政治集会に参加した私は、民主党が2020年の準備ができていないことを悟った』という記事を訳してみました。記事を書いたのは、ニューハンプシャー州に住むカーリン・ボリセンコという女性。心理学の博士号を持っていて、ふだんは、労働環境などについて企業にアドバイスする仕事をしているそうです。gen.medium.com 20年にわたる民主党支持者で、趣味の編み物に没頭していた彼女が、なぜトランプの政治集会に参加し、なぜ考えを変えたのか。彼女は、この記事を書くまで特に政治的な言論活動をしていたわけではなかったのですが、それはどうしても言葉にしなければならない体験だったようです。 記事を掲載した…

  • 雑誌記事『カニエ・ウェスト、そして黒人保守派の未来』を訳してみた

    ラッパーのカニエ・ウェストが、大統領選挙に出馬すると宣言して話題になっています。そこで、ちょっと古い記事なのですが、彼について書かれた Quillette 誌の 2018年4月の記事を訳してみました。タイトルを『カニエ・ウェスト、そして黒人保守派の未来』といいます。quillette.com ウェストが、黒人女性の保守派論客でトランプ支持のキャンディス・オーウェンズに賛同したことで、大騒ぎになったころの記事です。 リベラル・エリートは、なぜそれほどまでに黒人の保守派を脅威に感じ、その声を無視しようとするのか、についてです。 記事を書いたコールマン・ヒューズは、このときまだコロンビア大学の学生。…

  • 中国が新型コロナウイルスに関連して非常に否定的な論調で語られている - 英国のポッドキャスト番組から

    ちょっと古い話になってしまうのだが、先月、新型コロナウイルス関連のポッドキャスト動画をYouTubeで見ていた。その中で、識者 (学者やジャーナリスト) が中国に対して非常に否定的な見解をあからさまに述べる動画がいくつもあったので3つほどご紹介します。 地上波や新聞などのメインストリーム・メディアでは、ここまではっきりと中国に否定的な論調が出てくることは (私の見る限り) あまりない。 まず、UnHerdという英国のオンライン・マガジンのポッドキャスト。インタビューに答えるのは、ニール・ファーガソン (Niall Ferguson) という英国出身で米国在住の歴史学者。政治的には保守。コロナウ…

  • 伊藤詩織氏のBBC『日本の秘められた恥』での発言について(特に「sexual assault」と「everyone」の訳について)

    2018年にBBCで放映された『日本の秘められた恥』(原題: Japan’s Secret Shame) という番組が、最近またツイッターなどで議論の的になっている。この番組は、性的暴行を受けた(と主張する)伊藤詩織氏を追ったドキュメンタリーである。 www.bbc.com 議論の的になっているのは、上記のBBCのページに掲載された、上から2番目の動画。この動画で、伊藤氏は英語でこう語る。 If you grow up in Japanese society, everyone have experienced sexual violence, or sexual assault, but n…

  • 英国の人種平等対策委員会のトップに任命されたミュニラ・マーザ氏

    ミネアポリスで黒人男性が警官に殺されたことを受けて、英国でもデモが各地で発生しています。ボリス・ジョンソン首相は人種平等対策委員会の設置を決め、そのトップにはミュニラ・マーザ氏が任命されました。彼女は、イングランド北部のオールダム出身。1978年生まれ。父母はパキスタンからの移民です。ジョンソンがロンドン市長だったときに、教育/文化担当市長代理を務めていました。若い頃は共産主義の政党に参加するなど左翼だったのですが、時を経るにつれて政治志向は変化したようです。ブレグジットでは離脱派。また、アイデンティティ・ポリティクスには非常に懐疑的な態度を示しています。 今回の人選には、英国の左派は不満のよ…

  • コンスタンティン・キシンがブラック・ライブズ・マター (BLM) を支持しない理由

    私がよく見るポッドキャスト番組の1つに『TRIGGERnometry』という番組があります。司会はコンスタンティン・キシンとフランシス・フォスター。2人ともイギリス人コメディアン。キシンはロシア出身、フォスターは母親がベネズエラ人でベネズエラで暮らした経験あり。つまり、共産主義(または、その名残)を経験しているというわけです。 最近のブラック・ライヴズ・マター (BLM) の抗議運動についてキシンは懐疑的で、いろいろと発言しています。その中から2つほどご紹介します。 まず、Talkradioという局のラジオ番組のインタビュー。聞き役はジュリア・ハートリー=ブリュワー。彼がBLMを支持しない理由…

  • 「タッカー・カールソン・トゥナイト」に出演したヘザー・マクドナルドの発言を訳しました

    前回の投稿では、ヘザー・マクドナルドがウォール・ストリート・ジャーナル紙に書いた記事、「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」を訳しました。 ヘザー・マクドナルドは、『The War On Cops』(対 警察官 戦争)の著書もある、マンハッタン・インスティチュート(保守系シンクタンク)のフェローです。 彼女が6月4日の「タッカー・カールソン・トゥナイト」(Fox News)に出演してコメントしていました。簡潔にまとまっていたので、これもまた以下に訳してみました。 www.youtube.com (翻訳ここから)(0:29)マクドナルド: これ(警察に組織的な偏見があるとい…

  • WSJ紙の記事「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」を訳しました

    ミネアポリスで黒人男性が警官に圧死させられた事件に関連して、「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」(The Myth of Systemic Police Racism)という記事が、6月2日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のオピニオン欄に掲載されました。www.wsj.com 書いたのはヘザー・マクドナルド、彼女はマンハッタン・インスティチュートという保守系シンクタンクのフェローで、『The War On Cops』(対 警察官 戦争)という著書もあります。 黒人男性を死に至らしめた警察官の責任は追及されるべきだが、黒人に対する「制度化された差別」が警察に存在すると…

  • ジョージ・フロイド氏が警官に圧死させられたのは、「制度化された差別」の結果なのか

    ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイド氏が警官に取り押さえられた後、約10分にわたって膝で首を押さえつけられ圧死しました。その後、全米各地で抗議運動が発生し、その一部が暴徒化したことはご存じのとおりです。動画を見る限り、私も警官の責任は追及されるべきだと思いますが、これが白人の黒人に対する、または警官の黒人に対する「制度化された差別」なのだというナラティブにはにわかには賛成しかねます。そこで、今回も米国の大学院で学ぶザック・ゴールドバーグ氏のツイートを引きながら、反証となるデータを提示したいと思います。 1/n Thought I'd follow up on this (https…

  • 「18-29歳の白人リベラル層の半分近く(45.9%) は、過去に医師/医療従事者に精神疾患だと診断されたことがある」というデータ

    ピュー・リサーチ・センター (Pew Research Center) の調査データを使用して、ザック・ゴールドバーグという名の大学院生が投稿したツイートが興味深かったのでご紹介します。この方は、社会正義について意識の高い人々について研究をしているそうです。彼によれば、18-29歳の白人リベラル層の半分近く(45.9%) は、過去に医師/医療従事者に精神疾患だと診断されたことがあるそうです。同年代の中道は25.3%、保守は20.9%なので、白人リベラル層は明らかに高い数値を示しています。11/n Overall, and with one exception (white moderates)…

  • 退院後に行ったボリス・ジョンソン首相のスピーチを訳してみた

    イギリスのボリス・ジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染し、一時は ICU に入る事態となりましたが、4月11日に無事退院。翌日の12日、イースター・サンデーにスピーチを行いました。5分ほどのスピーチの全文を訳しました。It is hard to find the words to express my debt to the NHS for saving my life.The efforts of millions of people across this country to stay home are worth it. Together we will overcome this…

  • タラ・タイガー・ブラウンなる人物とCNNのウィル・リプレー記者

    3月にエチオピアで新型コロナウイルス感染者が確認され、そのうち3人が日本人だったという報道があった。 www.theeastafrican.co.ke すると、タラ・タイガー・ブラウン (@tara) と名乗るツイッター・アカウントがShameful、Disgustingなどの強い言葉で日本を非難。3人はJICA職員なのだが、彼女は呑気な旅行者だと勘違いしたらしい。 彼女は日本に在住(または一時的に滞在)しているようで、新型コロナウイルスに対する日本のリベラルなアプローチが気に入らず、より強権的なアプローチを求めているようだ。タイムライン/プロフィールを見ると、リベラル陣営にどっぷり漬かってら…

  • ヤシャ・モンクの記事「イタリア人医師が直面する異例の意思決定」を訳してみた

    コロナウイルスに関連して、助かる見込みの高い人に医療リソースを割り当てるべきだというガイドラインをイタリアのある医学団体を発表した。これについて、アメリカの政治学者のヤシャ・モンクが米アトランティック誌に記事を書いていたのでざっと翻訳しました。 www.theatlantic.com (翻訳ここから) イタリア人医師が直面する異例の意思決定 患者が増えすぎたため、すべての人に十分なケアを提供することが単純に不可能になった 文: ヤシャ・モンク (Yascha Mounk) 2020 年 3 月 11 日 2週間前、イタリアにおけるコロナウイルスの確定感染者数は322人だった。この時点では、同国…

  • ダイヤモンドプリンセス号について薄っぺらなレポートをしたBBCのルパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者の過去の誤報

    ダイヤモンドプリンセス号について扇情的で薄っぺらなレポートをしたBBCのルパート・ウィングフィールド=ヘイズ氏。彼が過去に犯した誤報について書いておきたいと思う。 2017年7月、ウィングフィールド=ヘイズは「Sexless in Japan」(セックスレスな日本の若者たち それはなぜ)という動画レポートを公開した。セックスしない傾向にある日本の若者について、少子化とからめてレポートしたものである。 英語版 www.youtube.com 日本語版 www.youtube.com このレポートの中で、ウィングフィールド=ヘイズはあからさまなフェイク・ニュースを流している。 彼のレポートによれば…

  • 深刻な病に苦しむジョーダン・ピーターソンについて、友人のダグラス・マレーがコラムを書いていたので訳してみた

    ジョーダン・ピーターソンの病状を説明するYouTube動画を娘さんのミカエラさんが先日公開しましたが、この件について友人であるダグラス・マレーがメール・オン・サンデー紙のコラムに書いていたので訳してみました。 www.dailymail.co.uk (翻訳ここから) 言論の自由の殉教者: ジョーダン・ピーターソンはポリティカル・コレクトネスに対する反対運動の先頭に立ったことで左派に非難された大学教授だ。その彼が重い病を患っている。彼が支払った高価な代償について、親しい友人であるダグラス・マレーが明らかにする 文: ダグラス・マレー (Douglas Murray) 2020年2月16日 先週、…

  • 『三島由紀夫: 日本の文化的殉教者』というアンドリュー・ランキン氏の記事を訳してみた

    オーストラリアのオンライン・マガジン「Quillette」誌に掲載された三島由紀夫についての記事を訳してみた。執筆したのはイギリス人の日本文学研究科であるアンドリュー・ランキン氏。 海外で三島由紀夫がカルト的な人気を誇っているのはご存じの方も多いと思いますが、この記事を読めば、その理由が少しわかるかもしれません。 文中、三島の発言/文章からの引用があるのですが、日本語の原典を見つけることができなかったので、一部私なりに翻訳したものがあります。そうした箇所には「原典不明」と訳注をつけています。ご了承ください。 quillette.com (翻訳ここから) 三島由紀夫: 日本の文化的殉教者 文: …

  • ジョーダン・ピーターソンが処方薬の依存で入院していた件について

    ジョーダン・ピーターソンが薬の依存でリハビリ施設に入ったというニュースが昨秋流れていたが、娘さんのミカエラさんが最新情報を動画にしてアップロードしてくれたので、要約して訳します。 www.youtube.com (翻訳ここから) ピーターソンは、食品に対する深刻な自己免疫反応を体験し、それに伴う不安感に対処するため、数年前から低用量のベンゾジアゼピンを処方され、指示に従って服用していた。去年の4月、彼の奥さんが末期の癌と診断され、薬の処方量を増やした。その後、彼の身体に薬に対する身体的依存と奇異反応が起きていることが明らかになった。奇異反応とは、本来予想される薬の働きと逆の作用が出ること。この…

  • イギリスの政治学者、マシュー・グッドウィンの「2020年の政治はどうなるか?」という記事を訳してみた

    イギリスの政治学者、マシュー・グッドウィンの記事「2020年の政治はどうなるか?」を訳してみた。イギリスのUnherdというオンライン・マガジンに掲載された記事です。 昨年、国民的(ナショナル)ポピュリズムはますますその地盤を強固なものにしましたが、それを受けて、グッドウィンが2020年の政治を展望します。 unherd.com (翻訳ここから) 2020年の政治はどうなるか? ドナルド・トランプが勝ち、国民的ポピュリズムは勢いを増し、環境運動は成長する 2020年1月10日 マシュー・グッドウィン (Matthew Goodwin) 政治マニアにとって、2019年は当たり年だった。ヨーロッパ…

  • コラム「なぜ左派はそれほどまでにジョーダン・ピーターソンを恐れるのか」を訳してみた

    2018年8月に米アトランティック誌に掲載された「なぜ左派はそれほどまでにジョーダン・ピーターソンを恐れるのか」を訳してみた。書いたのはケイトリン・フラナガンという女性コラムニスト。 民主党の牙城ともいえるLAのリベラルな中産階級家庭で育った白人の男子学生たちに、ピーターソンがどのように受容されていったのか。そのあたりが面白かったので、ちょっと古い記事ですが、訳してみました。 www.theatlantic.com (翻訳ここから) なぜ左派はそれほどまでにジョーダン・ピーターソンを恐れるのか このカナダ人の心理学教授が大きな注目を集めるのは、左派が衰退しており、非常に脆弱であることの証拠であ…

  • 伊藤/山口事件に関するデイビッド・マクニールの生焼けの記事 (アイリッシュ・タイムズ紙)

    デイビッド・マクニールが伊藤/山口事件についてアイリッシュ・タイムズに書いた記事が 2019 年 12 月 22 日に公開されました。この記事のコメント欄に私は文章を投稿したのだが、それを日本語に訳してみました。 www.irishtimes.com (ここから) この記事は、伊藤詩織の真実の追求を一度は妨げた集団にいたジャーナリストによって書かれている。だが、彼はこの記事において、自分は女性の権利の擁護者だとばかりにアピールしている。 2017年5月29日に、伊藤は司法記者クラブで記者会見を開いた。翌日、彼女は外国特派員協会 (FCCJ) で別の記者会見を開くことを希望していたが、FCCJの…

  • 英国の政治学者マシュー・グッドウィンのインタビュー - UK 総選挙の結果を受けて @Triggernometry

    英国の政治学者マシュー・グッドウィンが、トリガノメトリー (Triggernometry) というポッドキャスト番組に出て、長めのインタビューに答えていたので、その一部を訳してみた。 昨年12月のUK総選挙の総括だけにとどまらず、英国と米国の左派/保守派の今後の動向、取るべき戦略について語っています。特に、英国の保守党が今後、政策を通すだけに満足せず、マスコミや教育機関の左派支配に挑戦していくことになるだろう、という話がおもしろかったです。 トリガノメトリーのホストは、コンスタンティン・キシンとフランシス・フォスターという2人のコメディアン。特にキシンは、行き過ぎた左派への批判で、英国において…

  • 英国総選挙: 左派ジャーナリストの記事を訳してみた。「労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない」

    2019年12月に行われた英国総選挙。今回は、左派の主張も聞いてみようということで、選挙の2日前にガーディアン紙に掲載された記事を訳してみました。題して「労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない」。しかし、選挙結果は皆さんがご存じのとおり。 筆者のアッシュ・サーカーは、英国のジャーナリスト/共産主義活動家。20代女性。 www.theguardian.com (翻訳ここから) 労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない 2019年12月10日 アッシュ・サーカー(Ash Sarker) 世論調査会社は50年前に作られた社会階層分けの方法で階級を測り、若者の経済的な…

  • 豪 Quillette 誌の「英国労働党は目覚め、そして破産した」を訳してみた

    オーストラリアのオンラインマガジンであるQuillette誌に掲載されていた「英国労働党は目覚め(woke)、そして破産(broke)した」という記事を訳してみた。 筆者のトビー・ヤングは同誌のアソシエート・エディターだが、友人がニューカッスルのある選挙区で保守党から立候補したので、選挙運動を手伝ったという。英国では合法の戸別訪問をする中で彼が体験したことから、なぜ労働党が失敗したのかを考察します。 元記事の公開は2019年12月13日。選挙の翌日です。 quillette.com (翻訳ここから) 英国労働党は目覚め、そして破産した 2019年12月13日 トビー・ヤング(Toby Youn…

  • 「アメリカ人はポリティカル・コレクトネス文化を強く嫌悪している」という米アトランティック誌の記事を訳してみた

    「アメリカ人はポリティカル・コレクトネス文化を強く嫌悪している」という記事を訳してみた。学識者による全国的な調査の結果、米国でも圧倒的多数の人がポリティカル・コレクトネス(PC)文化を嫌っていることがわかった、という記事。 記事の要点は以前こちら(↓)にまとめたのでご興味のある方はどうぞ。 tarafuku10working.hatenablog.com この記事は、2018年10月に米国のアトランティック誌に掲載されたもの。筆者はYascha Mounk氏。アトランティック誌は歴史の古い雑誌で、リベラル寄りと言っていいと思う。ちょっと古い記事なのですが、80%が嫌っているという数字に私自身び…

  • David McNeill's half-baked story on a high-profile rape case in Japan

    McNeill's article was punlished for the Irish Times on 22/Dec/2019 online and 23/Dec/2019 on paper. My comment below was posted in the comment section of the article. www.irishtimes.com This article is written by a journalist who is part of those people who once hampered Shiori Ito’s pursuit of the …

  • UK総選挙: ダグラス・マリーのコラム「英国の分断は、北 vs 南でも、赤 vs 青でもない。醜く非寛容な左派とその他の人々との間の分断である」を訳してみた

    2019年12月12日(木曜日)に行われたUKの総選挙は、ご存じのように保守党の圧勝に終わりました。これで来年1月末のブレグジットはほぼ決定。歴史的大敗を喫した労働党のコービン党首は辞任。自由民主党党首のジョー・スウィンソンは、獲得議席数こそ1減と踏みとどまったものの、本人が落選して、こちらも党首を辞任しました。 なぜ労働党は敗れたのか。選挙結果を受け、『西洋の自死』の著者であるダグラス・マレーが、ディリー・メール紙におもしろいコラムを書いていたので訳してみました。題して、「英国の分断は、北 vs 南でも、赤 vs 青でもない。醜く非寛容な左派とその他の人々との間の分断である」。 www.da…

  • 「アイルランドには中国のスパイがたくさんいる、と活動家が主張」という記事を翻訳しました

    アイリッシュタイムズ紙に「China has ‘a lot of spies’ in Ireland, activists claim (アイルランドには中国のスパイがたくさんいる、と活動家が主張)」という面白い記事の掲載されていたので、全文を翻訳してみました。記事の公開は2019/11/30 (オンライン版)。 香港の民主運動を応援しているアイルランド在住の 3 人 (香港出身2人、中国本土出身1人) のインタビューを中心とした記事。中国共産党が、海外在住の中国人をどのようにコントロールしているのかが詳細に語られます。 www.irishtimes.com <翻訳ここから↓> フェイスマスク…

  • ジョーダン・ピーターソンにアイルランド系の血が入っているという話

    去年の10月にジョーダン・ピーターソンがデイヴ・ルービンとダブリンにやってきて、オリンピア・シアターで講演を行った。 アイルランドでの講演の枕として彼が用意していたのが、彼のお父さんにアイルランド系の血が30%ほど入っているという話。 1年ほど前のことなので、うろ覚えの部分もあるが、大きくは間違っていないと思うので、その話をここに再現する。 お父さんが孫 (ピーターソンの娘) が一人暮らしをしているところに訪ねていたときに急病に倒れて入院した。せん妄状態の中でお父さんは歌を歌い出した。しかも、英語ではない言葉で。普段は歌なんか歌うことのない人だったのに。のちに、その歌はアイルランド語の歌だとわ…

  • ムンク・ディベート

    ムンク・ディベートは、カナダのトロントで年に2回開催される討論イベントだ。世界最大の産金会社であるバリック・ゴールド社などで巨額の富をなしたカナダ人実業家、ピーター・ムンク (Peter Munk) が妻のメラニーと共に始めたもの。 討論のテーマは主に社会的/政治的なもので、ディベーターも毎回豪華な人が登場。 たとえば、心理学者のスティーブン・ピンカーが登壇した2015年下半期のお題は「人類の未来は明るいか?」。このときの様子は本として出版されて日本語にも翻訳されている (『人類は絶滅を逃れられるのか』ダイアモンド社)。 また、2016年上半期には、UKIP党(当時)のマイケル・ファラージなど…

  • マイケル・ブラッドリー・沖縄キリスト教短期大学教授の沖縄基地に関する記事

    アイリッシュタイムズ紙にマイケル・ブラッドリー (Michael Bradley) という沖縄キリスト教短期大学の教授が沖縄の米軍基地に関する記事を書いている。ストレートニュースではなく、Okinawa Letter というエッセイ風の記事である。 www.irishtimes.com 記事の内容から、この教授が辺野古移設反対派に同情的であるのは明らかだが、それは人それぞれの意見だからいいだろう。この記事のやばいところはそこではない。 彼は、記事の冒頭で「IRAの武力活動なしで北アイルランドのカトリック系住民は平等な権利を獲得できたか? 独立戦争なしでアイルランドという国が建国できたか?」と問…

  • タンザニアの竹島 (独島) 記念コイン、発売したのはリヒテンシュタインの会社か?

    インターネットで調べる限り、はっきりした証拠は出てこなかったので、仮説として聞いてください。 このコインを製造して販売したのは、おそらくリヒテンシュタインにある CIT (Coin Investment Trust) という会社ではないかと思います。 https://www.coin-invest.li/ この会社は、非常に美しい仕上がりのコイン/メダルを製作する技術があるようです。竹島コインに似た色付きのコインや、変形コインなど、さまざまな種類のコインを限定販売しています。 美しい仕上がりのコインというだけなら、それはメダルにすぎません。しかし、このビジネスの味噌は、タンザニア、中央アフリカ…

  • アメリカ人の 80% がポリティカル・コレクトネス (PC) 文化は問題であると考えている件

    1 年近く前 (2018年10月) の話だが、アメリカのアトランティック誌に「Americans Strongly Dislike PC Culture」(アメリカ人は強く PC文化 を嫌っている) という記事が掲載されていたので要約して紹介したい。記事の筆者は政治学者の Yascha Mounk。 www.theatlantic.com 学識者による全国的な調査の結果、米国でも圧倒的多数の人がポリティカル・コレクトネス(PC)文化を嫌っていることがわかった。回答者の80%が「PC文化は我が国(米国)における問題の1つである」と考えている。PCを支持する割合が多いと考えられがちな20代ですら約…

  • 「原爆は戦争の終結を早め、日米の死傷者の数を減らすために必要だった」という空々しい議論への反論

    私が趣味で訳している PragerU の動画は、基本的にアメリカ人の視聴者を対象にしたものなので、私にはピンとこないものもあるし、まったく同意できないものもある。 まったく同意できないものの 1 つがこの原爆投下を肯定する動画である。 togetter.com 5年ほど前の動画なのだが、いまだにこうした単純な「原爆は戦争の終結を早め、日米の死傷者の数を減らすために必要だった」というような空々しい言い訳が一部の米国人の間では説得力をもっているようだ。 この動画への反論を以下に記す。原爆投下に至るまでの連合国側の動きや、降伏に至るまでの日本の動きを詳らかにした、公文書研究者の有馬哲夫氏による「原爆…

  • モーリー・ロバートソン氏の PragerU 批判について

    PragerU という YouTube チャンネルがあります。主にアメリカの保守系の論調や考え方に基づいて制作されたその動画の内容は、政治、経済、歴史、宗教など多岐にわたります。 私は趣味で PragerU の動画を訳していて、動画に字幕を埋め込む作業のほか、Twitter にも文字起こしを投稿しています。 さて、1 年以上前になりますが、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が、ご自分のプレイボーイ誌の連載において、PragerU を辛辣に批判していました。その批判の仕方が、PragerU の保守系論客たちが批判する左派の行動とそっくりでおもしろかったので紹介します。 wpb.shueis…

  • あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が展示中止になったことに関するNYタイムズのモトコ・リッチ記者の記事

    あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が展示中止になったことについて、ニューヨーク・タイムズ紙のモトコ・リッチ記者が記事を書いた (2019/08/05付け)。 www.nytimes.com この記事は、「日本 vs 韓国」というストーリーを沿う情報を丹念に収集することで構築されている。その結果、読者が自分で考えをまとめるために必要な情報を提供することに失敗している。すなわち、この記事はミスリーディングなのだ。 「表現の不自由展・その後」には、慰安婦像以外にも、大きな議論を巻き起こした作品が少なくとも2つあった。1つは昭和天皇と思われる人物の写真が焼かれるシーンを含む作品であり、も…

  • The NY Times article (5/Aug/2019) by Motoko Rich on the cancellation of an exhibit at Aichi Triennale

    www.nytimes.com This NY Times article written by Motoko Rich is made up by the information pieces painstakingly collected to fit the “Korea vs Japan” narrative. As a result, it fails to provide enough information for readers to make up their mind on the issue. I mean the article is misguiding. There…

  • キャンディス・オーウェンズとラリー・エルダーの対談から、日系およびアジア系アメリカ人について語っているところを訳してみた

    今年 4 月、キャンディス・オーウェンズがホストを務める The Candace Owens Show にラリー・エルダーがゲストとして出演した際の動画から、2 人が日系およびアジア系アメリカ人について語っているところを抜粋して訳してみました (47:10 ~)。記事の最後で、2 人について簡単に紹介します。 www.youtube.com ===翻訳ここから=== ラリー・エルダー(LE): (子供が) 家で勉強する時間の平均を、アジア系家庭、白人家庭、黒人家庭、ヒスパニック系家庭で比較した場合、なぜアジア系の子供が学校でいい成績を取るのかわかる。黒人やヒスパニック系より勉強に費やす時間が長…

  • あいちトリエンナーレで津田大介氏が「結果の平等」をゴリ押しした件

    あいちトリエンナーレ。「表現の不自由展・その後」については大騒ぎになったけど、津田大介氏が強引に導入した出展者の男女同数 (結果の平等) についてはあまり言われてないので、もう一度蒸し返したい。 芸術展なのだから、原則としては、個々の作品の質や作品がテーマに沿うかだけで出品作を決めるのが筋。そして、芸術に関係のない要素 (出展者の属性: 性別、民族、社会的ステータスなど) を選考基準として加味するなら、そこには説得力のある理由が必要なはずだ。 ところが、こちらの北海道新聞のインタビューを読むと、津田氏は広報活動で苦戦したので、広報の目玉としてジェンダー平等を捻じ込んだように読める。つまり、平等…

  • 外国特派員協会のデイビッド・マクニール氏が菅直人の提灯記事を書いていた件

    デイビッド・マクニールはアイルランド出身のジャーナリストで、日本を拠点としてアイリッシュ・タイムズ紙や英エコノミスト紙に日本の記事を書いており、外国特派員協会のメンバーでもある。 そのマクニールが、以前、菅直人の提灯記事を書いていたことをまとめておきたい。私はアイルランド在住で、アイリッシュ・タイムズ紙を20年以上購読しており、私が彼の名を知ったのは、彼がこの新聞に日本についての記事を書くから。 www.irishtimes.com 上記の記事は、菅が首相を辞任した時のマクニールの記事。ご存じのよう菅政権末期には内閣支持率は10%台に落ち、後の総選挙で菅は選挙区で落選(比例復活)。だがマクニー…

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