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  • 八坂神社の騒動に関する英国タイムズ紙の記事を批判します

    八坂神社の騒動について英国タイムズ紙にリチャード・ロイド・パリー記者が書いた記事を批判します。この新聞記事では、一方の当事者である英国人ガイド氏が潔白な善意の被害者として描かれ、もう一方の当事者である現地女性はモブをけしかけてガイド氏の生活を台無しにした悪者として描かれます。あまりに偏った内容です。全国紙の記事として表向きは公平に見える体裁を整えているだけにたちが悪いとも言えます。 具体的に見ていきましょう。 1 英国人ガイド氏のガイド業は繁盛していたのか? 記事ではガイド氏のガイド業が繁盛していると書かれています (”a thriving business”)。この記述が疑わしいのは、前回の…

  • 八坂神社の騒動で渦中の人となった英国人ツアーガイド氏、TripAdvisor の口コミが元からとんでもなく酷い件

    先月下旬に京都の八坂神社で起きた騒動が英国タイムズ紙の記事になった。私の印象としては、一方の当事者である英国人ツアーガイドを善良な被害者として描き、もう一方の当事者である京都在住の女性を悪役として描いた公平とは言い難い記事である。[魚拓][魚拓] 記事にはその英国人ツアーガイドのビジネスが繁盛していた(thriving)と書いてあるのだが、TripAdvisorのユーザー・レビュー (口コミ) を見てみると、八坂神社の騒動が起こる前からとんでもなく評価が低い。タイムズ紙の記事にはいろいろ言いたいこともあるのだが、ここではレビューの評価が低いという点に絞って書いてみたい。 TripAdvisor…

  • ダーティー・コリアン・ビア事件を振り返る

    ワシントン・ポスト紙のアナ・ファイフィールド東京支局長 (当時) の不用意なツイートに端を発したダーティー・コリアン・ビア事件からこの5月で9年が経った。欧米ジャーナリストが日本に抱く偏見やステレオタイプによって判断を誤り、事実の確認を怠って不正確な情報を英語世界に拡散してしまうことが往々にしてあるが、これもそうした事例の1つである。この事件を以下に振り返ってみたい。 事件のきっかけとなったファイフィールド記者のツイートがこちら。 [魚拓] 「生ビール等、韓国屋台からのお持ち込みはご遠慮ください。ご協力お願いします」と書かれた張り紙の写真に、「Don’t bring your dirty Ko…

  • Unseen Japan とジェフリー・J・ホール

    海外の人が好きそうな日本の話題をニュースポータル的に英語で発信するX (旧 Twitter) アカウントがある。1つは「Unseen Japan」というアカウント。フォロワーは10万人以上いる。2008年頃に問題になった『毎日デイリーニューズWaiWai』のような悪意に満ちた根も葉もない嘘を発信しているわけではないが、外国人 (西洋人) が持つ日本人のステレオタイプにおもねるような投稿が多い。たとえば日本は閉鎖的だ、LGBTに関して意識が低い、などだ。翻訳のまちがいも散見される。中の人のひとりは Jay Allenという米国人でこういう人らしい↓。 このアカウントが最近拡散した不正確な情報の1…

  • アビゲイル・シュライアーの『Irreversible Damage』を読みました

    アビゲイル・シュライアーの『Irreversible Damage』を読んだ。ご存じの方も多いと思うが、先日KADOKAWAが翻訳本の出版をアナウンスしたが、抗議にあって短期間のうちに出版を取りやめたという本である。 私自身はシュライアーが原書の発売時におそらくプロモーションとして出演した 動画を訳していたので、概要はわかった気になっていたのだが、今回日本でも大騒ぎになったということで自分でもしっかり読んでみることにした。 読んでみた感想だが、この本には少なくとも思春期の子供を持つ親の年代の人にすればまったくもって常識的なことしか書かれていない。ではなぜこの本が「反トランス」とか「差別的」とか…

  • バフィー・セントマリー: 先住民の出自にまつわる疑惑

    カナダの先住民・クリー族の血を引くと主張して過去60年にわたって活動してきたフォークシンガー/人権活動家の出自に疑惑の目が向けられている。10月に放映されたカナダの放送局CBCの調査報道番組『The Fifth Estate』によれば、彼女は白人の両親のもとにマサチューセッツ州で生まれたアメリカ人だというのだ。 彼女の名前はバフィー・セントマリー。1960年代初頭からグリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウスなどで歌い始め、映画『いちご白書』や修正主義西部劇(開拓者を善玉とする単純な勧善懲悪ではない西部劇)の嚆矢となった映画『ソルジャー・ブルー』の主題歌を歌い、日本でも大ヒットした映画『愛と青春の…

  • 「日本の性交同意年齢は13歳」という半真実、というかデマをやっつける方法

    「日本の性行同意年齢は13歳」という半真実 (half-truth)が欧米で広まったのは、伊藤詩織氏がヨーロッパの何か国かでテレビ番組に出演してレイプ被害を訴えた2018年からです。伊藤氏はそのインタビューの中で性をめぐる日本の状況について、事実と異なる、または誤解を招く表現をいくつか用いています。たとえば「日本社会で育つと誰でも性暴力や性的暴行を経験している」「女子高生として交通機関を使うようになると毎日そういう目に遭うようになる」などです。「日本の性交同意年齢は13歳」という発言もその中の1つです。 日本国の刑法では、1907年以来、性交同意年齢は13歳と定められていました (2023年7…

  • 日本はジェンダーギャップ指数125位だとドヤる人に反論するための材料

    日経新聞の対談記事(2023/9/3公開)で駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏がジェンダー平等の点で日本は英国に30~40年遅れていると感じると発言しました。 私も日本がジェンダー平等の点で完璧な国だとは思っていませんが、自分の国の価値判断を絶対視して「日本は英国に30~40年遅れている」と無邪気に発言するのは外交官としてガードが下がりすぎているのではないかと心配になります。しかし、こうした要人の雑な発言を放っておくと、「日本は英国に30~40年遅れている」みたいな議論が通説となってしまうおそれがあるので、面倒くさがらずに反論をあてていったほうがいいと思うのです。 ジェンダー不平等指数 ジ…

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