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  • ミュージカル『メリー・ポピンズ』

    ボード・ガシュ・エナジー・シアターでミュージカル『メリー・ポピンズ』を見てきました。 実は私は『メリー・ポピンズ』は映画も見たことはないし本も読んだこともなかったんですよね。風変りなナニー (乳母係) が主人公の話だというぐらいは知っていましたが。今回ちゃんとあらすじを頭に入れていきました。 とても楽しい舞台でした。舞台転換のスマートさにはいつも驚かされますが今回もすごかった。ポピンズの宙乗りの演出はとても盛り上がりました。子役の2人もがんばっていました。子役はそれぞれ5人が交代で演じるみたいで、これは学業に影響が出ないようにという配慮なんでしょうか。 『メリー・ポピンズ』のダブリン公演は11…

  • スミスフィールドの新しいカフェ「Vada」

    スミスフィールドにまた新しいカフェができたんですね。その名も Vada。ノース・ブランズウィック・ストリートとグランジゴーマン・ローワーの角です。だから、スミスフィールドというかグランジゴーマンというかストーニーバターというかそのあたり。できたのはここ1か月くらいだと思います。 私も今日ランチを食べにいってきました。30席くらいのこじんまりとしたカフェ。内装はこげ茶でシックにまとめられています。30歳くらいの男性と40歳くらいの女性で切り盛りしていました。ウエイター/ウエートレスの服ではなくて私服で給仕するタイプのお店ですね。もちろんシェフは別にいるはずです。 食べ物は本格的です。私が頼んだの…

  • 置引きを目撃しました

    先週の金曜日に置引きを目撃しました。 家の近くにナットバターというヘルシーな洋風丼ものレストランがあって、そこのポケがおいしいのでときどき通っています。いつもはカウンター席に座るのですが、その日は混んでいたので入口近くのテーブル席に座りました。 入口に一番近いところにある隣のテーブルには女性が二人座っていました。私は注文を澄ませてぼんやりスマホを見ていました。店の奥から別の女の人が歩いてきました。ふと顔をあげると、その人は隣の席に置いてあったバッグをひょいと持ち上げてそのまま外に出ていきました。一瞬の出来事でした。隣の女性2人は上着と荷物をテーブルに残して席を外していたのです。セルフサービスの…

  • 路傍の給油機 その2

    路傍の給油機第2弾です。ウィックロー、ウェックスフォード、キルケニー、そしてリーシュで撮影したものです。 ウイックロー県グランジコン (Grangecon)。退役済み。 ウイックロー県バルティングラス (Baltinglass)。退役済み。 ウイックロー県バルティングラス (Baltinglass)。退役済み。 ウイックロー県パークブリッジ (Parkbridge)。現役かどうか不明。 カーロー県ラスヴィリー (Rathvilly)。退役済み。近くのカフェの広告塔として活用されていました。 カーロー県クロニゴール (Clonegal)。たぶん現役。 カーロー県マイシャル (Myshall)。現…

  • バルティングラス

    実は風邪で寝込んでしまって10日ほどおとなしくしていました。火曜日 (10日) は天気もよかったので久しぶりにドライブにいってきました。行った町はウイックロー県のグランジコン (Grangecon)、バルティングラス (Baltinglass)、パークブリッジ (Parkbridge)、カーロー県のラスヴィリー (Rathvilly)、クロニゴール (Clonegal)、マイシャル (Myshall)、そしてウェックスフォード県のキルティーリー (Kiltealy) とラスニュア (Rathnure) です。 バルティングラス以外はこれまで聞いたこともない名前の町のばかりでした。今回もGoog…

  • ジェリー・ハッチ

    今回のアイルランドの総選挙でプロの選挙ウォッチャーを一番驚かせたのは、ギャングのボスのジェリー・ハッチ (Gerry Hutch) があわや当選か、というところまで善戦したことでしょう。 ハッチは1963年生まれの61歳。ダブリンのノースサイドのインナー・シティで育ちます。インナー・シティというのは都市中心部にある低所得地域のことです。ハッチも8人兄弟の6番目で、お父さんは港湾で働いていたものの貧困にあえいでいました。10歳の頃から非行に走り、18歳までに車の暴走、暴行、窃盗などで30件以上の有罪判決を受けていました。 その後はドラッグ・ディーラーのエイモン・ケリーを親玉とするギャングの一員と…

  • スティーヴン・ショアの写真集

    アメリカのストリート・フォトグラファーであるスティーヴン・ショアの写真集を2冊買いました。1冊は『Uncommon Places』という本でホッジズ&ヒギスで買いました。もう1冊は『American Surfaces』という本でアマゾンでアメリカから取り寄せました。両方とも1970年代にアメリカとカナダをロード・トリップしたときに撮りためた写真を収めたものです。 スティーヴン・ショア (Stephen Shore) は1947年生まれの77歳。16歳のころからアンディ・ウォーホルのファクトリーに出入りして彼と彼の取り巻きの写真を3年ほどにわたって撮り続けました。その後、ロードトリップに出て代表…

  • 2024年11月に見た映画

    tarafuku10.hatenablog.com 2本みました。 Small Things Like These (2024 年、アイルランド、ベルギー) 11/8 at Lighthouse Cinema 監督: Tim Mielants 出演: キリアン・マーフィー、エミリー・ワトソン、アイリーン・ウォルシュ クレア・キーガンの同名の小説の映画化。小説は『ほんのささやかなこと』(訳: 鴻巣友季子) というタイトルで日本語にも訳されています。主演はキリアン・マーフィー。女子修道院長にエミリー・ワトソン。舞台は1985年のウェックスフォード県ニューロス。燃料小売業を営むビルは女子修道院に石炭…

  • 総選挙の結果が出ました

    アイルランドの総選挙の結果がでました。最も多くの議席を獲得したのはフィアナフォイル(FF)の48議席。シンフェインの39議席、フィネゲール(FG)の38議席と続きます。労働党(Lab)は復調して11議席、社会民主主義党 (SD) は躍進の11議席。緑の党は大惨敗の1議席です。 FFとFGが連立を組むのはほぼ確定。FFもFGもSFと連立を組むには大きな抵抗感があるので。しかしFFとFGだけでは過半数にわずかに足りないので連立のパートナーをもう1つ見つける必要があります。その相手は労働党かSD、もしくは無所属の議員を何人か入れるという手もあります。 SFは左派連合を呼びかけるとしていますが現実的に…

  • さらに開票が進みます

    現在、日曜日の午後6時ぐらいですが、174議席のうち95議席が確定しました。現時点での獲得議席数は以下のようになります。 この調子でいきますと、FFとFGが労働党または社会民主主義党(SD)と組んで連立政権を組むということになりそうです。解散前までマイノリティ・パートナーとして連立に参加していた緑の党は、前回は12議席獲得したのですが今回1議席とれるかどうか。大惨敗です。ここのところ政権にマイノリティ・パートナーとして参加した小規模政党が次の選挙で惨敗するということが続いているのですが、今回の緑の党もそのトレンドを打ち破ることはできませんでした。 こんなことでは連立に参加してくれる小さい政党が…

  • 開票が進んでいます

    アイルランド総選挙の投票が29日(金)にありまして、現在は日曜日の午前0時半ぐらいですが、全174議席のうち31議席が確定しました。アイルランドの選挙の開票は、単記移譲式という複雑な投票形式を採用しているせいで時間がかかるんですよ。 ミホール・マーティン (FF)、メアリ・ルー・マクドナルド (SF)、サイモン・ハリス (FG) という3大政党の党首は当選を早々に決めました。最も大きな話題はギャングのボスのジェリー・ハッチに現実的な当選の可能性が出てきているということ。ハッチは私の住むダブリン・セントラル選挙区から立候補しています。定数は4人。第一回のカウントで4位につけ、第6回のカウントが終…

  • 選挙のポスター

    選挙戦たけなわです。投票日は29日。ポスターもいっぱい張り出されているのですが、今回おもしろいのはイラストのポスターがあることです。これまでもあったのかもしれませんが、私の記憶では初めてです。まず、ヘイゼル・チュー (Hazel Chu) さん。ダブリン生まれですがお父さんとお母さんは香港の人。ダブリン市議会議員、ダブリン市長、緑の党代表などを歴任しています。こちらがそのイラスト・ポスター。「Choose Chu」というキャッチフレーズいいですね。 普通に顔写真のポスターもあるのですが、チューさんはイラストのポスターもいっぱい貼ってますね。 もう一人は労働党党首のイヴァナ・バシク (Ivana…

  • スミスフィールドにスケート・リンクが戻ってきた

    昨日の月曜からクリスマス時期限定のスケート・リンクがスミスフィールド・スクエアにオープンしました。以前もスケート・リンクができた冬があったんですが、もう10年以上前になると思います。 今回はスケート・リンクだけにとどまらず、クリスマス・マーケットと観覧車も設置されています。マーケットのキオスクは30軒くらいでしょうか。飲食店とクラフトショップが中心です。そのほかにもアイス・ミュージアムとナットクラッカー・スナッグ (Nutcracker Snug) という催し物があるらしい。 スケート・リンクの料金は45分で大人15~18ユーロ、子供10~13ユーロ (手数料別) です。アイス・ミュージアムは…

  • バッド・マナーズのコンサート

    土曜日に バッド・マナーズ (Bad Manners) のコンサートに行ってきました。ソールド・アウトだったんですが、開場の1時間前に Ticketmaster をチェックしたらリセール・チケットが出ていたのでそれを買いました。 会場はウェックスフォード・ストリートのウィーランズ (Whelan’s) の裏にあるオピウム (Opium) です。オピウムには初めて行きました。300人くらい入るほぼすべて立ち見の会場。入口がわからなくてウィーランズの方の入り口にいたお兄さんに「Bad Manners?」と聞いたら、そのお兄さんはウィーランズの方に出演するバンドのスタッフだったみたいで、きょとんとし…

  • リーシュとキルケニーの小さな町巡り

    一昨日の金曜日はまたしても天気が良かったので、リーシュ県とキルケニー県に道端の給油機を撮りに行ってきました。行ったのはリーシュ県のバリナキル (Ballinakill) と、キルケニー県のバリラゲット (Ballyragget)、フレッシュフォード (Freshford)、ガルモイ (Galmoy)、タラローン (Tullaroan) です。どれもこの企画を始める前は聞いたことのなかった地名です。 最初に行ったのがバリナキル。幅の広いメインストリートが一本通っていてその中ほどの両脇に小学校と教会があります。昔はマーケット・タウンだったそうで、その面影が残っていますね。メインストリートからちょっ…

  • バレエ『白鳥の湖』

    ボード・ガシュ・エナジー劇場でジョージア国立バレエ団の『白鳥の湖』を見てきました。ジョージアというのはアメリカのジョージア州ではなくて、昔グルジアと呼ばれていた国のほうです。念のため。11月20日から24日までマチネ2回を含む7回公演。私が行った木曜のマチネ以外はほぼ完売でした。演奏はRTEコンサート・オーケストラです。 舞台セットもコスチュームも豪華でしたね。ラストはオデットと王子が魔王を倒して現世で結ばれるというハッピーエンドでした。 芸術監督のニーナ・アナニアシヴィリさんはジョージア出身で、現役時代はボリショイ・バレー団のプリマ・バレリーナを20年以上務めたという一時代を築いたダンサーだ…

  • コブルストーン・パブの模様替え

    この前の日曜日に家の近くのコブルストーン・パブが看板を貼り替えていました。古い看板を取り外すと、下から大昔の看板が出てきました。それがこちら。 「Gerry Powers Place」と書いてあります。Google で検索してみても何も情報がでてきません。Gerry Powers は名前でしょうから、やはりパブかなんかだったんでしょうか。コブルストーン・パブの新しい看板はこちらです。綺麗になりました。 コブルストーン・パブがいつから営業しているのか調べてみたら1987年からでした。1999年にRTEのラジオでこのパブに関するドキュメンタリーがオンエアされていて、その頃はアーリー・ハウスだったそ…

  • ウィックローとウェックスフォードの小さな町巡り

    昨日はとても良い天気だったのでこれはチャンスとばかりに遠出してきました。行ったのはウイックローとウェックスフォードです。目的は道ばたの給油機の写真を撮ることです。前日の夜にウィックロー、ウェックスフォード、カーロー、キルケニーの町と村をグーグル・マップでしらみつぶしに調べました。県ごとの町と村の名前はウィキペディアに載っています。 全部で20件弱見つけることができました。ほとんどが聞いたこともない名前の町や村です。このような機会でもなければ行くことがなかったかもしれません。写真を撮るだけなので20件弱全部を1日で撮影できるかと思ったのですが、そんなわけにはいきません。実際に撮影できたのは6件だ…

  • ジャーポイント・アビー

    ジャーポイント・アビー (Jerpoint Abbey) は、トーマス・タウンから南に5分ほど車を走らせたところにある修道院の遺跡です。私が前回来たのは確か2000年のこと。そのときは自由に入ることができたような記憶があるのですが、今回訪れてみると小規模なビジター・センターが開設されており、入場料も5ユーロ必要となっていました。 ジャーポイント・アビーは12世紀後半に設立されたシトー会の修道院です。ルネッサンス様式からゴシック様式への過渡期の建築スタイルです。現在残っている塔や回廊は15世紀のものです。修道院はヘンリー8世の命により16世紀前半に解散させられました。 ジャーポイント・アビーは回…

  • トーマスタウンの町

    キルケニー県のトーマスタウン (Thomastown) に行くのはこれで4回目くらいかなあ。最初に来たのはたぶん2000年だったと思います。その頃はまだゴルフをやっていて、近くのマウント・ジュリエットにプレイしにきたのでした。 トーマスタウンは昔からなんというか余裕のある町というか文化のある町という印象でした。どこかで「芸術家の集まる町」というような記事を読んだような記憶もあるのですが定かではありません。ただ確かにグレナン・ミル・クラフト・スクール (Grennan Mill Graft School) というのがあって、2年制のフルタイムの工芸学校です。トーマス・タウン・クリエイティブ・フェ…

  • ボリスの高架橋

    先週末はカーロー県のボリス (Borris) とキルケニー県のトーマスタウン (Thomastown) に行ってきました。 ボリスには16のアーチがつらなる石造りの立派な高架橋があります。マウンテン川にかかるこの高架橋は、カーロー県バグナルズタウンとウェックスフォードを結ぶ鉄道の一部として1860年に完成しました。この鉄道路線は1930年に旅客運行を取りやめたあと、1947年まで貨物路線として活用されました。最終的に廃線となったのは1963年です。 この高架橋は2021年に安全な散歩道として再整備され、一般に開放されました。近所の方でしょうか、子供連れや犬の散歩で訪れている方がけっこういました…

  • 路傍の給油機

    壁埋め込み式の郵便ポストや「犬のフンを始末しましょう」啓発看板以外に私が写真を撮って集めているものに道ばたの給油機があります。自動車の燃料であるガソリンや軽油は最近ではガソリンスタンドで入れるものということになっていますが、昔はよろず屋みたいな個人商店でも燃料を売っていたはずです。給油機ができたときに便利な機械だということで店の前に設置し、それが今でも現役で働いているのをアイルランドの地方にいくと今でもみかけます。ただ次第にその数は少なくなっていると思いますので、その姿を記録にとっておこうという試みです。 以下にこれまで撮りためた写真を掲載します。稼働しているものも稼働していないものもあります…

  • バレエ『くるみ割り人形』

    ゲイエティー劇場でバレエ・アイルランドの『くるみ割り人形』に見てきました。楽しかったです。 翻案されて舞台がダブリンの百貨店なんですよね。ダンサーの皆さんも最初はバレエの衣装ではなく日常的な服を着てでてきます。洋服のスタイルからすると1950年代か60年代の設定でしょうか。主人公の姉弟の名前もクララとフランツからキアラ (Ciara) とフィーン (Fionn) へと変更されています。第二幕のロシアの踊り (トレパック) のところでは、スポーツ用品売り場のマネキンという設定でしょうか、ダンサーがスポーツ・ジャージーを着てハーリングのスティック (ハーリー) を持って踊ります。 キアラとフィーン…

  • 演劇『The Borrowers』(床下の小人たち)

    ゲート劇場で『The Borrowers』を見てきました。イギリス人の作家メアリー・ノートンが1952年に発表した『The Borrowers』(邦題: 床下の小人たち) を原作とするファミリー向けのコメディ・ミュージカルです。この時期ですからいわゆるパントと呼んでもいいものなんでしょう。2010年には同じ本を原作としてジブリの映画『借り暮らしのアリエッティ』も公開されましたね。 アイルランドの田舎の邸宅の地下に隠れて暮らすアリエッティとその両親。ダブリンからその邸宅に休暇できていた少年とアリエッティが出会ってしまい、そこから騒動が巻き起こります。トラベラーズの登場人物がでてきたりとアイルラン…

  • ダブリン・バス 46A とのお別れ

    アイルランドで冬になるとラジオからよく流れてくるのはポーグスの『Fairytale of New York』(ニューヨークの夢) ですが、夏になると聞こえてくるのがバガテル (Bagatelle) の『Summer in Dublin』です。 『Summer in Dublin』は1980年のヒット曲。何気なく聞くと失恋の歌のようにも聞こえますが、歌詞の「you」をダブリンの町ととらえるとダブリン賛歌と捕えることもできます。都会の喧騒に疲れて静かな場所に逃げ出す主人公。しかし、静けさに飽きたらまた帰っていくだろう。そのときお前はまだそこにいてくれるだろう、みたいな歌詞です。すみません、私が要約…

  • タラモア蒸留所の見学ツアー

    前回からの続きでタラモア・デュー・ウイスキーの歴史をちょっと書きますが、1966年にアイルランド共和国の3つの蒸留所が合併してアイリッシュ・ディスティラーズという会社を作り、パワーズ蒸留所で作っていたタラモア・デューもコークのミドルトン蒸留所で作られるようになったというところまで書きました。その後、1994年にアイリッシュ・ディスティラーズは輸出向けのアイリッシュ・ウイスキーとしてジェムソンに資源を集中することにし、タラモア・デューをC&Cグループ (ブルマーズ・サイダーの会社) 売却します。2010年にC&Cはタラモア・デューを含む蒸留酒・リキュール部門をスコッチ・ウイスキーのウイリアム・グ…

  • タラモアの町

    タラモア (Tullamore) はオファリー県の県都です。人口は約15000人。タラモアは何で有名かというと、これはもう圧倒的にウイスキーのタラモア・デュー (Tullamore Dew) ですね。タラモア・デューはジェムソンに続いて世界で2番目に売れているアイリッシュ・ウイスキーです。 タラモア・デューを生んだ旧タラモア蒸留所は1829年の設立。1860年代に15歳で馬小屋の世話係として雇われたダニエル・E・ウイリアムズが10年後には蒸留所の支配人となり、1903年には創業家と共に共同経営者となるまでに出世します。ダニエルは1921年にこの世を去りますが、1931年には創業家から残りの株式…

  • イーデンデリーの町

    先週はオファリー県を攻めてきました。最初の目的地はイーデンデリー (Edenderry) です。イーデンデリーは名前がいいですね。なにしろエデンの園を連想してしまいます。もちろん語源はエデンの園とは関係なくて、アイルランド語では Éadan Doire。「樫の木の丘のてっぺん」という意味です。人口は2022年の国勢調査で7888人。1996年の調査時から倍以上になっています。 イーデンデリーのまわりには歴史的な遺跡みたいなものがあまり残ってないんですよね。最近はどこの町にいっても、その町の歴史や見どころを開設した案内板が建てられているんですが、イーデンデリーの案内板にはこの町出身の有名人とか、…

  • ミュージカル『ハミルトン』

    ボード・ガシュ・エナジー劇場でミュージカル『ハミルトン』を見てきました。アメリカ合衆国建国の父の1人であるアレクサンダー・ハミルトン(1755 - 1804)の物語。西インド諸島のネイビス島に非嫡出子として生まれ、孤児となり、ニューヨークに渡った後、文才を武器にのしあがる。フィラデルフィア憲法制定会議の発案者となり、アメリカ合衆国憲法を起草し、合衆国憲法批准を推進する連作論文『ザ・フェデラリスト』の主要執筆者となり、ワシントンの辞任演説にも影響を与えた。最後は対立関係にあるアーロン・バーとの決闘に破れて死去。 2004年にロン・チャーナウが発表したハミルトンの伝記『アレクサンダー・ハミルトン』…

  • アイルランドの『犬の糞の後始末をしましょう』啓発看板 ~ その2 ダブリン

    『犬の糞の後始末をしましょう』啓発看板第二弾。ダブリン編です。 まず、次の3つは5~6年前からダブリン中に大量に張り出された看板です。バイリンガル看板です。ダブリンは行政/立法機関が区域別に4つ存在します。ダブリン・シティ・カウンシル、ダンレアリ・ラスダウン・カウンシル、サウス・ダブリン・カウンシル、フィンガル・カウンシルの4つです。これらの看板の下部には4つのカウンシルのロゴが入ってますから、4つが協力して作ったのでしょう。 次はダブリン・シティ・カウンシルが張り出した看板です。たくさんあります。まず、こちら。かなり古いものだと思いますが、罰金がユーロなので2002年より古いということはあり…

  • アイルランドの『犬の糞の後始末をしましょう』啓発看板 ~ その1 ダブリン以外

    アイルランドには (日本もそうですが) 『犬の糞の後始末をしましょう』啓発看板があちこちに掲出されています。ピクトグラムのシンプルなものも多いですが、楽しい言葉遊びやイラストでユーモアたっぷりの看板もたくさんあります。私は数年前からこうした看板の写真を撮って集めています。100枚ぐらい集まったらスライドショーにしてYoutubeにアップしようと思っています。まだ道半ばなのですが、途中経過ということでこれまで撮りためた写真の一部を県 (カウンティ) 別に2回に分けてアップします。まずはダブリン以外から。 カーロー県 左端の「messing about」は「ふざける」という意味ですが「mess」に…

  • ドラムシャンボのザ・シェッド・ディスティラリー

    ドラムシャンボ (Drumshanbo) の町にあるザ・シェッド・ディスティラリー (The Shed Distillery) は 2014 年創業の新しい蒸留所です。まずはジンの製造・販売から開始して、2017年に初のウイスキー、その名もドラムシャンボ・ウイスキーをリリースします。これはコネマラ地方で製造されたウイスキーとしては100年以上ぶりのものだったそうです。2020年にはビジター・センターを開設。その当時のニュースは私もブログ記事に書きました。 蒸留所には来場者用の駐車場があるので車で行くことができますが、私はドラムシャンボの街なかに車を置いて歩いていきました。すぐそこです。蒸留所に…

  • ドラムシャンボの町

    リートリム (Leitrim) の村からさらに北上してドラムシャンボ (Drumshanbo) の町に向かいます。ドラムシャンボは声に出して読みたいアイルランドの地名ベスト5には入りますね。もちろん先日訪れたキャヴァン県のバリジェームズダフ (Ballyjamesduff) もその1つです。 ドラムシャンボ (Drumshanbo) の英語の綴りのユニークなところは、「b」の前に「n」が来ていること。英語なら普通は「m」が来るところです。これはもちろん Drumshanbo の地名が元々アイルランド語だったからです。アイルランド語では Droim Seanbhó。「古い小屋の峰」という意味です…

  • リートリムの村

    リートリム県にはリートリム (Leitrim) という名前の村があります。リートリム県の名前はこの村の名前にちなみます。人口は2016年の国勢調査で594人。シャノン川とアーン川 (River Erne) をつなぐ運河がこの村の近くでシャノン川と接続します。キャリック・オン・シャノンほどの規模ではないですが、ここにも小さなマリーナがあり、プレジャー・ボートが泊まっています。釣りを楽しむ人も何人か見かけました。 歴史的には、このあたりはコナハトとアルスターの間に横たわるシャノン川が浅瀬になっている場所で、戦略的に重要な場所とされていました。1270年にノルマン系アイルランド人とコナハトのゲール人…

  • キャリック・オン・シャノンの町

    先週はリートリム県 (County Leitrim) に行ってきました。リートリム県の人口は約3万5千人。アイルランドに32ある県 (北アイルランド含む) の中で最も少ない人口です。リートリム県は何度か車で通ったことがあるだけで私はこれまで訪れたことがありません。もしかしたらドライブの途中でキャリック・オン・シャノンで休憩したことがあったかもしれない。そのくらいの感じです。 というわけで、まず訪れたのは県都であるキャリック・オン・シャノン (Carrick-on-Shannon)。人口は2022年の世論調査で4743人。名前の通りシャノン川のほとりにできた町。かつては水運の中心地だったようです…

  • 2024年10月に見た映画

    tarafuku10.hatenablog.com 9月は1本も見てません。 The Outrun (2024 年、イギリス・ドイツ) 10/9 at Lighthouse Cinema 監督: Nora Fingscheidt 出演: シアーシャ・ローナン スコットランドのジャーナリスト、エイミー・リプトロットが2016年に発表した回想録『Outrun』の映画化。オークニー諸島で育った主人公は、ロンドンに出て暮らすうちにドラッグとアルコールに依存するようになる。人生を立て直すためにオークニーに帰って野鳥の保護に取り組む主人公。紀行文とも自然に関するノンフィクションとも依存からの立ち直りの回想…

  • 巨大廃墟ダケッツ・グローヴ

    ブラウンズヒル・ドルメンから巨大廃墟のダケッツ・グローヴ (Duckett’s Grove) に向かいます。ダケッツ・グローヴはアングロ・アイリッシュのダケッツ家の豪邸でした。同家はこのあたりの土地を12000エーカー (49平方キロ) ほど所有していたといいます。目的地に向かう途中でいきなり出てくるのがこの廃墟。ドケッツ・グローヴのゲート・ロッジ。すなわち、ゲート兼門番小屋です。昔はここから先がダケッツ家の所有地ということだったのでしょう。今は公道になっていますので普通にこのゲートをくぐって大丈夫です。日本だと公道をまたぐように鳥居が立っていることがありますが、こちらは規模が違いますね。 こ…

  • ブラウンズヒル・ドルメン

    ブラウンズヒル・ドルメン (Brownshill Dolmen) はカーローの町から東に3kmのところにある支石墓です。正式名称はKernanstown Cromlech (カーマンズタウン環状列石) というらしいのですが、どの観光案内をみてもブラウンズヒル・ドルメンと書かれています。このあたり一帯がブラウン家のエステートだったためこのように呼ばれるようになりました。このドルメンが作られたのは紀元前4000年から3000年ごろ。発掘調査はまだ行われていません。 ブラウンズヒル・ドルメンの特徴はキャップストーン (上に乗っている石) が巨大であることです。150トンあると推定されており、ヨーロッ…

  • カーロー・カウンティ博物館

    カーロー・カウンティ博物館は1973年のオープンですが、2012年に現在の元女子修道院の建物に移ってきました。ツーリスト・オフィスが併設されています。カーローの町の中心には Cultural Quarter (文教地区) というエリアがありまして、大学、図書館、美術館/劇場などが集まっています。そこに最後にオープンした文化施設がこの博物館となります。カーロー・タウンとカーロー県の役所が運営にあたっています。 3つの階に展示は分かれているんですが、1階は主にカーローの産業についてです。私が一番興味を惹かれたのは砂糖工場の物語です。カーローの町に砂糖工場ができたのは1926年のこと。アイルランドは…

  • カーローの町

    先週はカーロー (Carlow) に行ってきました。カーローの町はカーロー県の県都です。人口は約27000人。これは意外に多いと感じました。キルケニー・タウンと同じくらいですね。カーロー県はラウズ県に次いで2番目に面積の小さい県です (北アイルランドの県を含む)。町の中をバロー川 (River Barrow) が流れます。歴史的にはバロー川がカーロー県とリーシュ県の境だったのですが (カーロー・タウンはリーシュ県との県境にあります)、現在はカーロー・タウン全体がカーロー県になっています。 バロー川 バロー川のほとりにはカーロー・キャッスルの廃墟があります。現在は西側の壁と2つの円塔のみが残って…

  • ストロークスタウンのナショナル飢饉博物館

    ストロークスタウン (Strokestown) は、タルスクから15分ほど車でN5を東に走ったところにあるロスコモン県の町です。人口は2016年の国勢調査で825人。アイルランドで2番目に広い道路があります (最も広いのはもちろんダブリンのオコネル・ストリート)。人口の割には商店などが多い印象です。 ストロークスタウンの街並み ストロークスタウンにはナショナル飢饉博物館 (National Famine Museum) なるものがあります。「ナショナル」とありますが、ナショナル・ワックス・ミュージアムと同様に、これは「国立」という意味ではありません。もともとは1979年に私企業によって設立され…

  • タルスクのラスクローアン・ビジター・センター

    ロスコモンから北に19kmのところにタルスク (Tulsk) という小さな村があります。N5とN61の交差点のまわりに広がっています。人口241人。 この村にはラスクローアン・ビジター・センター (Rathcroghan Visitor Centre) なるものがあります。私もまったく知らなかったのですが、このあたりは先史時代および有史初期にコナハト王国の首都で、タルスク近辺には当時の遺跡がたくさん残っているそうです。この遺跡群を総称してラスクローアンと呼びます。6平方キロの範囲に240を超えるの考古学的遺跡があり、そのうち60が国定記念物に指定されています。基本的には構造物はほとんどなくて、…

  • クローバーヒルの珍しい郵便ポスト

    ロスコモン・カウンティ博物館の係の女性に教えてもらった珍しい郵便ポストを観に行きました。ロスコモン・タウンから5分くらい車を走らせたところにあるクローバーヒル (Cloverhill) という集落。グーグル・マップで「Cloverhill, Roscommon」と検索すると出てくる場所がありますが、そことは違います。私が目指すクローバーヒルはおそらくは公式に登録された名前ではなく、教会と老人ホームと数件の家があるだけの小さな集落です。行きたい方は「St Patrick Church, Cloverhill, Roscommon」で検索してください。 さて、目的の郵便ポストはこちら。聖パトリック…

  • ロスコモン・カウンティ博物館 ~ フィル・ライノットのヴァンがぶつけた郵便ポスト

    ロスコモン・カウンティ博物館はツーリスト・オフィスと一緒にスクエアのそばのかつては長老派の教会だった建物に入っています。その建物というのが下の写真。キリスト教の教会だというのに入口の上に大きな六芒星があしらわれています。これは、この教会を建てるときにウェールズから石工を呼んだからだそうです。ウェールズの守護聖人が聖デイビッドなんですね。六芒星はダビデの星ともいわれ、ユダヤ教のシンボルとなっていますが、ユダヤ教が教義の上からこの図形を神聖なものとして見ているというような事実はないそうです。ユダヤ人を表わす記号として定着したのも17世紀以降とのこと。 建物に入るとそこはツーリスト・インフォメーショ…

  • ロスコモンの町

    先週、ロスコモン (Roscommon) の町に行ってきました。ロスコモンの町はロスコモン県の県都です。人口は約6500人。ロスコモン県全体でも人口は約7万人しかいないんですね。アイルランド語のつづりは Ros Comáin で「聖コマンの木」という意味。5世紀にこの地に修道院を設立した Coman mac Faelchon にちなみます。修道院の近くに林があり、そこが Ros Comáin と呼ばれるようになり、それを英語風につづって Roscommon になりました。 私はロスコモン・タウンに来るのはまったくの初めて。ロスコモン県でいっても、M4やM6が通っているので車で通ったことはありま…

  • 演劇『Krapp's Last Tape』(クラップの最後のテープ)

    ゲイエティ劇場で演劇『Krapp's Last Tape』(クラップの最後のテープ)を見てきました。サミュエル・ベケットが50代のときに英語で書いた一幕物。モノローグ劇。演じるのはスティーヴン・レイ。 主人公の男の名前はクラップ。69歳。彼は毎年、一年の出来事や将来への思いをオープンリールのテープに吹き込んでいる。30年前の自分が吹き込んだテープを聞くクラップ。テープの中のクラップはそのまた10年程前のテープを聞いたばかりだ。20代の自分のウブさと理想主義を笑う30代のクラップ。30代のクラップと一緒になって20代のクラップを笑う60代のクラップ。30代のクラップはそれまでの人生の選択を後悔す…

  • スコッツハウス ~ ドラム ~ クートヒル ~ キャニングスタウン

    バリジェームスダフとクローニスを回ったときに立ち寄った町や村についてご紹介します。 まずはバリジェームズダフからクローニスに向かう途中に通ったスコッツハウス (Scotshouse) という村。名前からしてスコットランドからの移民が作った村なのでしょう。街道沿いにはガソリンスタンド兼コンビニとたぶん営業をやめたパブと教会があるだけですが、ちょっと奥に入ると20軒ほどの新興住宅地があります。ここからだとモナハン・タウンもキャヴァン・タウンにもクローニスにも通えるということでしょうか。 たぶん営業をやめたパブ ガソリンスタンドにあったランプポスト型の郵便ポスト 次はクローニスの近くにあるヒルトン・…

  • クローニス (Clones) の町

    モナハン県の Clones は「クローンズ」ではなくクローニスと読みます。北アイルランドとのボーダーにとても近い町。この町の経済圏はお隣のファーマナ県にまで広がっていたのですが、ボーダーができたことにより長年にわたって経済的な発展が大きく阻害されてきました。2016年の世論調査では人口1680人。 クローニスにはこれまで2回来たことがあるような気がするのだが、1回かもしれない。初めて来たのは1996年か1997年で、そのときはポートリーシュで仕事の打ち合わせをした後、北アイルランド代表のサッカーの国際試合を見ようとベルファストに向かったのだが、日付を1日間違えていたことに途中で気づき、クローニ…

  • キャヴァン・カウンティ博物館

    バリジェームズダフ (Ballyjamesduff) に行くまで知らなかったのですが、キャヴァン・カウンティ博物館 (Cavan County Museum) は県都のキャヴァン・タウンではなくバリジェームズダフにあるのでした。ここがまた力の入った展示内容でした。 博物館になっている建物は1872年に建てられたもので、もともとはプア・プレア・シスターズ (Poor Clare Sisters) の女子修道院でした。ここが博物館に生まれ変わったのは1996年です。 展示は3階建ての建物の中だけでなく、屋外にもあります。屋外展示物のテーマは2つ。まず1910年代の独立の機運が高まっていたころのアイ…

  • バリジェームズダフとパーシー・フレンチ

    先日ボールスブリッジの運河沿いでソングライターのパーシー・フレンチ (Percy French) のベンチを見たことから彼のことを調べていたら、キャヴァン県のバリジェームズダフ (Ballyjamesduff) という町に彼の像が座ったベンチがあるというので行ってきました。モナハン県のクローニス (Clones) には行きたいと思っていて、同じ方向でもあったので。 バリジェームズダフは人口3000人ほど。昔はマーケット・タウン (マーケットを開くライセンスを持っていた町) でした。バリジェームズダフという名前はユニークですが、昔、ジェームズ・ダフというスコットランド系の領主さんがこのあたりにい…

  • パトリック・キャバナーのベンチ

    ボールスブリッジのグランド・キャナル沿いにはパトリック・キャバナー (1904 - 1967) のベンチが2つあります。キャナルの北側と南側に1つずつあるのですが、有名なのは南側のウォルトン・テラス沿いにある方です。こちらはベンチというか、パトリック・キャバナーがベンチに座っている像になっています。これは彼の「Lines written on a Seat on the Grand Canal, Dublin」という詩にインスピレーションを得て製作されたもの。作者は彫刻家のジョン・コル (John Coll) さん。1991年にメアリ・ロビンソン大統領の出席のもと序幕式が行われました。 運河の…

  • スミスフィールドの新しいカフェ「Hidden」

    スミスフィールドにまた新しいカフェができました。その名も「Hidden」。スクエアに面していなくて、ライトハウス・シネマの向かって左のビルの横をすりぬけたあたりにあります。文字通り「Hidden」なわけです。 昔は Thunder Cut Alley っていうバーだったんですが、そのときは若い人向けの騒がしそうなバーだったので入ったことはありませんでした。入口にはまだ Thunder Cut Alley だった頃のネオンが残っています。 きょう食べたのはチキン&チョリソ・クラブ・サンドイッチ (11.50 ユーロ)。そしてカプチーノが 3.50ユーロです。もう 3.50 ユーロというと安く感じ…

  • 最近手に入れたバッジ

    最近手に入れたバッジをご紹介します。 60年代の商品宣伝のピンバッジ。昔はこんな風に長いピンのバッジがありましたが危険なので最近は目にしませんね。アイルランド関係のバッジだけを集めることにしているのですが、アイルランドでもおなじみの有名ブランドの詰め合わせだったので買ってしまいました。まとめて35ユーロ。デルモンテ、ファイフス、スパー、BIC、ウィルキンソン、コルゲート、ウェラ、タッパーウェア、クリネックス、リー・クーパー、フィアットなど。 次も有名ブランドまたはデザインがレトロなので買ってしまったもの。コルゲート(4ユーロ)、フィリップス(3ユーロ)、スミス (ポテトチップス)(2ユーロ)、…

  • 1974年のダブリン爆弾事件の現場

    1974年5月17日、ダブリンとモナハンで北アイルランドのプロテスタント系民兵組織 UVF (Ulster Volunteer Force) による連続爆破事件が発生しました。ダブリンではシティ・センターの3か所で盗難車に仕掛けられた爆弾が爆発し、計27人が命を落としました。モナハンでの爆破と合わせると計34人が犠牲になったことになります。 先日、ダブリンの3か所の現場を回ってきました。 最初の爆発はパーネル・ストリートで午後5時28分。パーネル・ストリートとマールボロ・ストリートが交わる交差点のあたりで発生しました。爆弾が仕掛けられていたのは、ウェルカム・インという今は営業していないパブの近…

  • シャーコックの町

    先週の木曜日は、アナメアのコート・トゥーム、イニスキーンのパトリック・キャバナー・センター、ラーラのブリキの教会を巡った後、キャリックマクロスにもう一度行きました。キャリックマクロス・ワークハウスを見学したかったのですが、ここはどうもガイドツアーでなければだめみたいで断られました。そこで夕暮れまで時間があったので近くのシャーコック (Shercock) という町まで行ってきました。 シャーコックはモナハンとの県境に近いキャヴァン県の町。人口は2022年の国勢調査で574人。シラン湖 (Lough Sillan) という湖の近くにあります。19世紀の半ばにはこのあたりには5000人が暮らしていた…

  • イニスキーンの村

    パトリック・キャバナー・センターのあるイニスキーン (Inniskeen) の村は思いがけず美しい村で、散歩が楽しかったです。 村のはずれをフェイン川 (River Fane) が流れ、川のほとりには古い教会とラウンドタワーがあります。ここは6世紀に聖ダイ (St Daigh) が修道院を開いたところ。 現在の教会は1854年ごろに古い教会のあった場所に建てられたものです。ラウンドタワーは上部が失われており、元々は現在残っているの塔の2倍から3倍あったのではないかと言われています。 フェイン川 ラウンドタワーと教会 村のいたるところにパトリック・キャバナーの面影が潜んでいます。カフェの名前はラ…

  • イニスキーンのパトリック・キャバナー・センター

    1989年発行の宮崎昭威著『鉄道・バス利用のアイルランドの旅』に「イニスキーン(Inniskeen)の村には郷土博物館があり、博物館内に、詩人で小説家のP. カバナ (Patrick Kavanagh, 1905 -67) の特別室がある」と書いてあります。ただし、夏の日曜日しか開館していないとも書いてあります。 調べてみると、現在はパトリック・キャバナー・センター (Patrick Kavanagh Centre) という名前で平日のみ営業となっています。パトリック・キャバナーはイニスキーン生まれの詩人。父親は靴職人と農業を兼業しており、長男のキャバナーも初期のころは実家の仕事をしながら詩作…

  • ラーラのブリキの教会

    モナハン県のラーラ (Laragh) にブリキの教会があります。正式名称は聖ピーター教会 (St. Peter's Church)。ブリキでできていることからラーラの Tin Church (ブリキの教会) とも呼ばれています。アイルランドの教会とは思えないとても可愛いらしい佇まいです。 ラーラの村で紡績工場を経営していたジェイムズ・マキーンという人が奥さんと一緒にスイスに旅行したとき、そこで見たスイス・ゴシック風の教会にインスピレーションを得て建設を思い立ったそうです。奥さんにプレゼントしたものだとも、自分の工場で働く人々のために造ったとも言われています。しかし、労働争議とかいろいろあって、…

  • アナメアのコート・トゥーム (Annaghmare Court Tomb)

    昨日の木曜日にまたアーマー県・モナハン県方面に行ってきました。先日モナハン・カウンティー博物館にいったときに、このあたりの観光名所を紹介するビデオがあって、ちょっと行ってみたい場所があったのと、平日にしかオープンしていない施設で行ってみたいところがあったので。 まず、アナメアのコート・トゥーム。アナメアはアーマー県のクロスマグレンに近いところにある村。コート・トゥームというのは新石器時代の巨石墳墓の一形態です。 アイルランドには1000を超える巨石墳墓が残っており、4つの形態に分類されます。コート・トゥームは、「石塚」を意味する Cairn とも呼ばれ、東側に屋根のない前庭 (Court) が…

  • 最近手に入れたバッジ

    最近手に入れたバッジをご紹介します。 まずアイルランドのサッカー関連のバッジです。左端はシェルボーン (Shelbourne A.F.C) のバッジ。シェルボーンは1895年設立のアイルランドの強豪クラブ。今季も現在のところリーグの首位を走っています。35ユーロ。 左から2番目はコーク・ハイバーニアンズ (Cork Hibernians F.C.)。1957年から1976年までアイルランドのトップ・リーグに属していたクラブです。残念ながら財政難のため1976年に解散しました。20ユーロ。 真ん中はウォーターフォード (Waterford A.F.C.)。1930年の設立で現在はプレミア・リーグ…

  • モナハンの街角のアイルランド自由国郵便ポスト

    モナハンの町を歩いていたら、キャリックマクロスに引き続いてまた見つけました。アイルランド自由国時代の郵便ポストです。 これはまたちょっと珍しい郵便ポストです。というのも、ポストの下部には「S E」の文字、上部には「P & T」という文字が入っています。普通はどちらか1つしか入っていません。 キャリックマクロスのところでも書きましたが、ケルト模様で飾られた円の中にケルト文字の「S E」は、アイルランド自由国を意味するアイルランド語、Saorstát Éireann の頭文字。アイルランド自由国が存在したのは 1922 年から 1937 年までです。「P & T」は Post and Telegr…

  • モナハン (Monaghan) カウンティ博物館

    モナハンはモナハン県の県都で人口は約8000人です。モナハンの町を歩くのはたぶん初めてだと思います。デリーに行くときに通ったことはあるはずなのですが、その頃は幹線道路が町の中を走っていたのか、それとももうバイパスができていたのか、記憶にありません。 モナハン・ピース・キャンパスという新しい市民センター的な建物が今年の5月にオープンしたんですね。その中に入っているモナハン・カウンティ博物館に行ってきました。この博物館はもともと町の中心部にあったんですが、キャンパスのオープンと共にこちらに移ってきたものです。 ピース・キャンパスの建物の入り口に置かれているのはアイスクリーム売りの自転車です。イタリ…

  • キャッスルブレイニー(Castleblayney)

    昔むかし、ウェールズにエドワード・ブレイニー卿 (Sir Edward Blayney) という人がいました。ブレイニー卿は、9年戦争 (1594 -1603) の後にアルスターを支配下においたエリザベス1世から、マクノー湖 (Lough Muckno) のほとりの土地を拝受し、ブレイニー男爵を名乗るようになります。ブレイニー男爵はこの土地にブレイニー・キャッスルを建て、その周りにできた町はキャッスルブレイニーと呼ばれるようになりました。 現在残っている建物は1780年代に建て替えられたものです。ブレイニー家は1853年にスコットランド/オランダ系銀行家のホープ家に土地と建物を譲り渡します。そ…

  • クロスマグレン (Crossmaglen)

    週末恒例のドライブ、今回はモナハン県方面に行ってきました。キャッスルブレイニー (Castleblaney) とモナハン・タウン (Monaghan) を目指したのですが、途中でアーマー県のクロスマグレンに近いところを通るので、まずここに寄り道しました。 クロスマグレンはある程度の規模の町としては最も南にある北アイルランドの町です。当然のことながら共和国との国境にも近いです。 クロスマグレンの名前を昔よく聞いたのは、やはり北アイルランド紛争に関してです。クロスマグレンを含むアーマー県南部は大多数の住民がカトリック系で、IRAなどの活動も活発でした。あまりにも事件が多いので「バンディット・カウン…

  • 演劇『グローニャ』(Grania)

    アビー・シアターで演劇『グローニャ』(Grania)を見てきました。『グローニャ』はアビー・シアターをWBイェーツなどと共に立ち上げ立ち上げたオータスタ・グレゴリー (グレゴリー夫人) が1912年に発表した戯曲。アイルランドの神話というか伝承文学のフィン物語群にある『グローニャとディアムッドの追跡』に想を得た作品です。 主人公のグローニャは上王コーマックの娘。フィアナ騎士団の団長フィン・マックールとの結婚が決まっています。フィンは妻を亡くしたばかりでグローニャよりもかなりの年上。グローニャはフィンの部下で騎士のディアムッドと恋仲になり駆け落ちします。それを追いかけるフィン。 アルスター物語群…

  • ラウズ (Louth) の村

    ラウズ (Louth) の村はラウズ県の名前の由来となった村ですが、あまり普段耳にすることはありません。県都のダンドークやドロハダは人口が44000人を超えているのに、ラウズの村の人口は約700人です。正直な話、存在感は薄いです。キャリックマクロスからも近いので、どんな場所なんだろうとこの目で確かめるために行ってきました。 村はパブが3軒ほど、コンビニも2軒ほどあります。新しい建売住宅みたいなのもできていて、人口は増えているようです。 この村にはいくつも遺跡があります。おそらくもっとも重要なのは聖モクタの家 (St. Mochta's House) という遺跡なのですが、下調べしていなかったの…

  • キャリックマクロス (Carrickmacros) の町

    アーディーから N2 を 15 分ほど北上してキャリックマクロス (Carrickmacros) の町に向かいます。キャリックマクロスはモナハン県の南部に位置するマーケット・タウン。人口は5000人を少し超えるくらいです。 アイルランドの小規模な街には、両サイドを駐車スペースにできるほど道幅の広いメイン・ストリートが一本通っているものと、三角や四角のスペースが真ん中にあってそこから放射状に町が広がっているものの2とおりありますが、キャリックマクロスは前者です。 メイン・ストリート キャリックマクロスの町というと私がいつも連想していたのは自動車レースです。というのも、アイルランドに来る前か直後に…

  • アーディー (Ardee) の町

    アーディー (Ardee) は N2 沿いにあるラウズ県の町です。 人口約5000人。最近の幹線道路はバイパスになっていて町の中を通ってないことが多いのですが、アーディーは町の中を N2 が通っています。したがって交通量が多いです。アーディーは中世の頃から壁に囲まれた街として発展したのですが、最近は開発が進んで中世の面影はだんだん少なくなっているそうです。 町の名前は Áth Fhirdia というアイルランド語が元になっているのですが、これは「フェルディアの砦」という意味です。ケルト神話の英雄であるクー・フーリンとコナハトの先史フェルディアがこの地で4日間戦ったという伝説に基づくものです。こ…

  • メリフォント・アビー(Mellifont Abbey)

    メリフォント・アビーはモナスターボイスから車で10分ほど走ったところにあります。ビジター・センターはもうオフシーズンに入っていました。再オープンは来年4月になります。 メリフォント・アビーはかなり大きな遺跡で私が見た中ではトーマスタウンのジャーポイント・アビーと同規模くらい。ただしメリフォント・アビーの方が荒廃が進んでいてディストピア感が漂っており、そういった雰囲気がお好きな方には最適です。 メリフォント・アビーは1142年にアーマー大司教の聖マラキーによって設立された、アイルランド初のシトー会の修道院です。メリフォントの意味は「蜜の泉」です。1170年頃には100人の修道僧と300人の平信徒…

  • モナスターボイス (Monasterboice)

    週末恒例のドライブはラウズ (Louth) 県方面に行ってきました。当初はアーディー (Ardee) の町を最初の目的地にしていたのですが、スマホの地図で経路を確認してみるとドロハダ経由が最短ということだったのでまずドロハダに近いモナスターボイスに寄ることにしました。ダブリンから車で1時間ほど。 モナスターボイスには1回行ったことがあったつもりだったのですが、着いてみると私の記憶とまったく違っています。ビジター・センターがあったはずなんですが見当たらない。よく考えてみたら近くのメリフォント・アビー (Mellifont Abbey) の遺跡と勘違いしていたのでした。私はモナスターボイスに来たこ…

  • ニック・ロウのライヴ @ダブリン

    ダブリンのナショナル・コンサート・ホールで行われたニック・ロウのライヴに行ってきました。3日ぶり2回目です。 今回はロス・ストレートジャケッツは連れてきておらず、アコギ一本のアコースティック・ライブ。ライヴ中のニック・ロウのMCによりますと、ダブリンの日程は今回のUKツアーが決定する前から決まっていたとのこと。だからアコギだけでやることは元々のプランだったのかもしれません。調べてみたら前回だか前々回に日本にきた時もアコギ一本で演ったこともあったようですから。 ナショナル・コンサート・ホールはキャパが1200人なんですけど、ニック・ロウはこんな大きなところだとは思わなかったと言ってました。ナショ…

  • リーズの街

    リーズは思ったよりもずっと大きな町でした。人口は約53万人で、これはロンドン、バーミンガム、グラスゴーについでイギリスで第4位。これまでの私のリーズに関するイメージというと、学校で習った繊維産業の町ということ。あとはやはりサッカーですかね。この夏に日本代表の田中碧選手がリーズ・ユナイテッドに入団しました。 リーズの最寄りの空港はリーズ・ブラッドフォード空港といって2つの都市から同じくらいの距離にあります。空港からリーズ市街へはバスだと45分くらいで料金はたった2ポンド。日中は30分ごとに運行しています。私はあまり調べていなかったのと面倒くさかったのとでタクシーを使ってしまいました。なんと32ポ…

  • ニック・ロウ&ロス・ストレートジャケッツのライブ

    ニック・ロウのライブを見にイギリスのリーズまで行ってきました。Ticketmaster.ie でニック・ケイヴのコンサートのチケットを買おうと思って調べていたら、たまたまニック・ロウのライブ情報が検索に上がってきていたので。 ロンドン、リーズ、バーミンガム、マンチェスターの4つの選択肢があったのですが、フライトの時間と値段を考慮して最も無理のなかったリーズに行くことにしました。 ニック・ロウは今はたぶん「エルビス・コステロの初期のアルバムのプロデューサーだった人」なんていう紹介の仕方がとおりがいいかもしれません。現在 75 歳で70年代からイギリスのパブ・ロック・シーンで活躍し、私の好きなステ…

  • ポートアーリントン (Portarlington)

    イモを出るときもまだ日が明るかったので近くのポートアーリントン (Portarlington) の町にも寄ってきました。私は初めていく町。リーシュ県の町ですがオファリー県との県境に近いところにあります。ポートアーリントンの人口は約9000人。2002年の調査では約4000人だった人口が2016年には倍以上の約 8300人に増えたそうです。 Portarlington の読み方なんですけど、私はずっとポータリントンと「リ」にアクセントを置いて読んでたんですが、これ Port Arlington なんですね。だから「ア」のところにアクセントを置くのが正しいみたい。Port はどうも Fort、つま…

  • イモ・コート (Emo Court)

    アイルランドで最も名前がエモい村。それがイモ (Emo) です。前から一度は行ってみたかった村、イモ。どうせならエモと発音してほしかった村、それがイモです。 イモにはイモ・コートというネオクラシカル様式の大邸宅があります。というか、イモ・コートの周りにできた村がイモなのです。Emo はアイルランド語では Ioma と綴ります。意味は、"ベッド"とか"休憩場所"とかです。 この大邸宅は、ダブリンのフォー・コーツ (裁判所) やカスタム・ハウス (税関) を設計した建築家ジェイムズ・ガンドンが、初代ポートアーリントン伯爵のジョン・ドーソンのために1790年に設計したものです。しかし、建設には時間が…

  • ロック・オブ・ドゥナメイス (Rock of Dunamase)

    「ロック・オブ ~」と呼ばれるアイルランドの有名な遺跡はもちろんロック・オブ・カシェルです。あちらも丘の上に遺跡があります。どうも平野の中に岩盤が隆起して丘のように見えるところをロックと呼ぶようですね。ロック・オブ・ドゥナメイスは「リーシュのカシェル」などとも呼ばれているようです (この場所はリーシュ県にあります)。 恥ずかしながらロック・オブ・ドゥナメイスというのは初めて聞きました。ティマホーから10分ほど車に乗って牧草地帯をうねうね走っていると、突然、丘の上に石造りのキャッスルの残骸が目に飛び込んできるわけです。これはちょっとふいをつかれたのではっとしてしまいました。 9世紀にキリスト教徒…

  • ティマホー (Timahoe) のラウンド・タワー

    ポートリーシュから車を南に10分ほど走らせたところにティマホー (Timahoe) という静かな村があります。ここは、7世紀に聖モクア (Saint Mochua) が修道院を開いたところです。この村には12世紀半ばに建てられたラウンド・タワーがあります。村に近づくにつれて木立の中にタワーのてっぺんが見えてくるのが趣があります。 タワーの高さは30メートルほど。先端のとんがり帽子だけは19世紀に再建されたものだそうです。専門家によれば、このラウンド・タワーは現存する中で最も優雅なものの1つだそうです。私もラウンド・タワーをいくつか見て回りましたが、この意見には納得です。まず、タワー自体が美しい…

  • ポートリーシュ・プリズン

    週末恒例のドライブですが、今回はポートリーシュ近辺に行ってきました。 ポートリーシュは人口2万3千人を超えるリーシュ県の県都です。ダブリンからリムリックへ行くときとコークに行くときの幹線道路の分岐点になっているので、よく通るっちゃ通るんですが、街の中に入ったのは 25 年以上ぶりだと思います。前にきた時はなんかの仕事の打ち合わせで来たのでした。 ポートリーシュの街は活気があって栄えている印象です。人口も増えていて、2011年から2016年までは伸び率でアイルランドの街トップ20に入っていました。ただし2022年の国勢調査では6.6%にとどまり、アイルランド全体の8%には届きませんでした。アイル…

  • ホッジス・ヒギスの改装

    ドーソン・ストリートのホッジス・ヒギスという本屋さんがいま改装中なんですね。営業を続けながら改装しています。おととい行ったときは1階のレジの部分を工事していました。 ホッジス・ヒギスは世界で3番目に古い本屋と言われています。設立は1768年。ここより古いのはリスボンのベルトラン書店(1732年)とペンシルベニアのモラヴィアン書店 (1745年)です。 ホッジス・ヒギスはジョン・ミリケンという人がクライスト・チャーチの近くにお店を開いたのが始まり。彼は約30年後の1797年に店をグラフトン・ストリートに移転します。グラフトン・ストリートでは1920年まで店を構えていました。 財政難に陥った店は1…

  • 最近手に入れたバッジ

    まずこちらはレイヴァリ夫人のバッジです。1ユーロ。 彼女はベルファスト生まれの人物画家ジョン・レイヴァリの奥さんでアイルランド系アメリカ人。フルネームはヘイゼル・レイヴァリです。この肖像画はもちろん夫のジョンによって描かれていますが、おそらくアイルランド史上最も多く印刷された肖像画ではないかと思われます。というのもこの絵は長くアイルランドの紙幣に使われていたのです。 1922年に建国されたアイルランド自由国は新しい紙幣を発行するにあたって、その肖像画として使用するためにキャスリン・ニ・フーリハンの絵を描いてほしいとジョン・レイヴァリに依頼しました。キャスリン・ニ・フーリハンとは、文学や絵画でア…

  • スワスティカ・ランドリー

    最近バッジをよく買っているのは、あるコレクターの方がいろいろコレクションの整理を初めているみたいで、昔の珍しいバッジをいっぱい adverts.ie で売りに出しているからです。その中の 1 つがスワスティカ・ランドリーのバッジ。これは私が気づく前に売れてしまったので残念ながら私は購入できませんでした。小さい写真ですがこちら↓。これ欲しかったなあ。35ユーロで売れてました。 スワスティカ・ランドリーは 1912 年から 1987 年までダブリンのボールブリッジで営業していたクリーニング業者です。もちろんナチスがそのシンボルにスワスティカを採用する前から営業しています。 スワスティカはサンスクリ…

  • フォー・アビー (Fore Abbey)

    タリナリー・キャッスルを後にしてフォー・アビー (Fore Abbey) に向かいます。車で10分くらい。フォー・アビーは7世紀ごろに設立されたベネディクト会の修道院の遺跡です。7世紀半ばにはこのコミュニティに300人ほどが暮らしていたと考えられています。771年から1169年の間に様々な軍勢に攻められて12度も焼き討ちに遭い、現在残っている建造物はほぼ13世紀から15世紀の間に建てられたものだそうです。 フォー・アビーはのどかな田園風景の中にたたずんでいます。周りで牛さんが草を食んでいます。修道院の敷地には自由に出入りすることができます。 回廊の構造も一部残っています。 道を挟んで反対側の山…

  • タリナリー・キャッスル (Tullynally Castle)

    次の目的地はタリナリー・キャッスル (Tullynally Castle) です。ベルヴェディア・ハウスから車で40分くらいかかりましたかね。マリンガーから直接行っても30分くらいかかると思います。マリンガー近郊というにはちょっと遠いですが、ここもウェストミース県です。キャッスルポラードという町の近くにあります。 タリナリー・キャッスルはキャッスルという名前ですがカントリー・ハウスです。1665年にヘンリー・パッケナムによって建てられ、350年以上経った今もパッケナム家が所有し、今でもここに住まれています。現在の所有者のトーマス・パッケナム氏は歴史家で第八代ロングフォード伯爵の爵位をお持ちです…

  • ベルヴェディア・ハウス & ガーデンズ (Belvedere House and Gardens)

    マリンガーから15分くらいドライブするとベルヴェディア・ハウスに着きます。 ベルヴェディア・ハウスはベルヴェディア初代伯爵のロバート・ロックフォードによって1740年に建てられました。もともとは狩猟の時に使う宿泊所として作られたのですが、そのうちにメインの住居となりました。アイルランドの誇るパッラーディオ建築の 1 つだそうです。 ベルベディア・ハウスはエネル湖 (Lough Ennell) のほとりにあり、見晴らしがとてもいいです。もともと Belvedere という普通名詞は「見晴らしのいい部屋、建物、場所」などを意味します。 このカントリー・ハウスの持ち主だったロバート・ロックフォード伯…

  • マリンガーの街

    週末恒例となりました日帰りドライブ、今週はマリンガー (Mullingar) に行ってきました。マリンガーはウェストミース(Westmeath)県の県都で人口は2万人ちょっと。マリンガーのアクセントは「ガー」のところにあります。またWestmeathはウェストミーズと発音することもあります。ダブリンから車で1時間ほどです。 マリンガーに来たことは一回だけあって、1996年のこと。ケイリー (アイルランド音楽) のギグを観に行きました。ミドルスクールかなんかの風情のある古い講堂でした。 マリンガーの街に近づくにつれて2本の特徴的な塔が見えてきます。カトリック教会ですね。名称は Cathedral…

  • 最近手に入れたバッジ

    最近手に入れたバッジです。 まず、モーターバイクのラリーのバッジです。ラリーといってもレースではなくてツーリングのことのようです。上から2列目のバッジに DMTC と書いてありますが、これは Dublin Motercycle Touring Club の略。1970年前後の設立で現在も存続するダブリンのバイク愛好家のクラブです。いくつかのラリーのバッジがありますが、DMTC Riders Rally と The Way West Rally は DMTC が主催したものでまちがいないでしょう。Shamrock Rally は DMTC 設立前からあるラリーなのでたぶん違います。赤い三角形のE…

  • アイルランド対イングランド、いわゆる因縁の対決

    先週土曜日にダブリンでアイルランドとイングランドのサッカーの試合があり、アイルランドは2対0で負けたわけですが、両国はいろんな因縁があるためピッチの内外でさまざまな出来事がありました。 イングランドにはデクラン・ライスという選手とジャック・グリーリッシュという選手がいるのですが、この2人はアイルランド国籍も持っており、かつてはアイルランド代表でもプレイしたことがあるのです。ライスはユースの時代からずっとアイルランド代表でプレイし、シニア代表でもキャップを3つ獲得しています。公式戦でなければ別の国の代表になることはルール違反ではありませんので、2019年以降はイングランド代表です。グリーリッシュ…

  • キルケア・キャッスル (Kilkea Castle)

    アサイ (Athy) 方面にはなんの下調べもせずにいったんですね。アサイに行ってから観光案内の看板をみてどこ行こうかと決める感じでした。で、近くのキルケア (Kilkea) というところにはキャッスルがあるということで行ってみました。 私の想像としてはエニスコーシー・キャッスルみたいに博物館的なものを予想していたんですが、高級ホテル & ゴルフコースになっていました。お城のホテルはコングのアシュフォード・キャッスルが有名ですが、ほかにもいくつかありますね。 キルケア・キャッスル お城は管理がたいへんなんで、個人が今でも住んでいるところは少なくて、だいたいエニスコーシーみたいに公的な機関が所有し…

  • バリトア (Ballitore) のクエーカー博物館

    ムーンからまた10分ほど車を走らせてバリトア (Ballitore) に移動します。2016年の国勢調査によると人口は800人弱。 バリトアはクエーカーと関わりの深い町です。17世紀の終わりに英国ヨークシャーのクエーカーが、このあたりを流れるグリース川 (River Griese) のほとりに集落をつくるためにやってきます。バリトアは、イギリスおよびアイルランドで初めてのクエーカーによる計画集落であり、ヨーロッパに現存する唯一のものであるそうです。 町の目抜き通りの一画に小さな図書館があります。その二階がクエーカー博物館になっています。18 - 19 世紀ごろのクエーカーの衣類、家具、調度類な…

  • ムーン (Moone) のハイクロス

    キャッスルダーモットからまた車で10分ほど走ってムーン (Moone) に移動します。このあたりは道路もよく整備されています。ムーンはカフェが1つ、パブが1つ、教会が1つ、学校が1つくらいのほんとうに小さな村です。 この村のハイクロスは高さが5メートル30センチほどで、アイルランドで2番目の高さを誇ります。ちなみに最も高いのはラウズ県のモナスタボイスにあるハイクロスで、こちらは7メートルです。またムーンのハイクロスは保存状態が良いのでも有名です。 こちらのハイクロスは上部、中部、下部の3つの部分から構成されています。まず1835年に上部と下部が土の中から見つかり、1893年に中部も見つかったこ…

  • キャッスルダーモットの遺跡

    アサイ (Athy) から10分ほど南東に下ったところに キャッスルダーモット (Castledermot) があります。人口は2016年の国勢調査で1500人弱。ダブリンに近いということから最近人口は増えているらしいです (2006年の国勢調査では887人でした)。 アサイでも見かけたんですが、ゴードン・ベネット・ルート (Gordon Bennett Route) と書かれた標識があるんですね。これは何だろうと思って帰って調べてみたら、1900年から1905年までこのあたりでゴードン・ベネット・カップというモーター・レースが行われていたらしいです。そのスポンサーがゴードン・ベネットさん。彼…

  • アサイ (Athy) の町

    キルデア県のアサイ (Athy) という町とその周辺の町・村に行ってきました。周辺の町・村というのは、キルケア (Kilkea)、キャッスルダーモット (Castledermot)。ムーン (Moone)、バリトア (Ballitore) などです。週末に近場の町まで行くのは3週連続。日が短くなるまでは続けようと思います。これまで言うほどアイルランドの国内を巡っていないなと思いまして。 このブログ記事ではアサイ (Athy) について書きます。アサイは 人口11000人ほどでキルデア県で6番目に大きい町です。ダブリンからは意外と近くて車で1時間ほど。イギリスのバンド、ザ・スミスのジョニー・マー…

  • ライド (Ride) のコンサート

    9/3 (火) にライド (Ride) のコンサートに行ってきました。オリンピア・シアターです。 Rideは1988年デビューのイギリスのバンド。90年代に一世を風靡したシューゲイザー系のバンドの代表格ですね。 私は Ride にはうっすい思い出しかなくて、割と好意的に見てたとは思うんですが、ちょうど音楽に興味をなくしていた頃というのもあって、アルバム1枚通して聞いたことがあるかないか。 ただ、アイルランドに来るときに Ride の T シャツを持ってきて、しばらく来ていたのは覚えています。 当日券で入れましたが、客席は9割がた埋まっていましたね (アッパーサークルはクローズしてましたが)。 …

  • ポモドーロ・テクニック

    最近、ポモドーロ・テクニックというのを実践しています。 ポモドーロ・テクニックというのは、フランチェスコ・チリッロさんというイタリアの作家が考案した生産性向上のための時間管理術です。 と書くと大仰に聞こえますが、要は25分集中して5分休憩を繰り返すというテクニックです。でもこれが私にはけっこう効果があるようです。 私はいろいろとやりたいことがあるわけですよ。本を読みたいとか、翻訳したいとか、ブログ書きたいとかです。そうすると、何をやろうかといろいろ考えているうちに 1 日が終わったりするわけです。 ところがとりあえずタスクを決めて25分だけと区切りますと割とうまくいきます。まず、25分って割と…

  • 絵葉書の宝庫だったエニスコーシー

    地方の町を訪れる楽しみの1つに絵葉書の購入があります。記念になにか買いたいという気持ちもありますし、せっかくなのでちょっとお金を落としたいという気持ちもあります。その点でちょうどいいのが、私の場合、絵葉書なんですね。たいして高いものではありませんし。 私が子供の頃には観光ペナントなんてものがありました。私も何枚かかってもらって部屋に飾っていました。また同じような目的でキーホルダーや冷蔵庫マグネットなんてのを買っていらっしゃる方もいるかと思います。 アイルランドの絵葉書の大手といえば Real Ireland 社と John Hinde 社ですが、こうした会社の絵葉書もダブリンでは手に入りにくい…

  • ファーンズ・キャッスル

    エニスコーシーに行った帰りに近くのファーンズ (Ferns) という街にも寄ってきました。 ファーンズは今でこそ人口1300人ほどの小さな町ですが、かつてはレンスター王国の首都であり、当時としてはかなり大きな都市だったそうです。 ファーンズに集落ができたのは6世紀。ファーンズ司教だったクロンモアの聖モーグのための修道院ができたのが598年。その後、レンスター王国の首都となって発展するのですが、大火事によって大部分が焼失。この火事さえなければファーンズは今でもアイルランド有数の大都市だったのではないかという説もあります。 ここにはファーンズ・キャッスルという廃墟があり、ビジターセンターも併設され…

  • エニスコーシーで撮った写真

    エニスコーシーで撮った写真を載せます。 地方の街に行くといいのはレトロなたたずまのお店がいっぱいあることです。 こちらは車が壁に突き刺さっているガレージ。 街の中を流れるスレーニー川。 聖エイダン大聖堂。 スレーニー・ストリート。傘によるある種のアーケード街。 街の中央にある像。ジョン・マーフィー神父と1798年の反乱軍の少年。神父が指し示している方向にはヴィネガー・ヒルがあります。1798年の反乱で最も激しい戦いが繰り広げられたのがヴィネガー・ヒルでした。 グラフィティ。 ちなみにボイル・スポーツというブックメーカーがなぜか街の中に4軒もありました。エニスコーシーは割と坂の多い街です。 アイ…

  • 最近手に入れたバッジ

    まず、DEN TV のバッジ (写真左)。DEN TV というのは RTE で平日昼間に放送していた子供向けの番組です。私はアイルランドに来た頃、昼間部屋にいたときは英語の勉強のために DEN TV を見ていました。私が見ていた頃はレイ・ダーシーがホスト役で茶化し役がマペットのダスティンとソッキーでした。(写真右は前から持ってた I Love Zig & Zag のバッジです) DEN TV は 1986 年から 2010 年まで続いた長寿番組 (2020 年にも短期で復活)。私のバッジはロゴの形からいって 2005 年くらいのものでしょう。DEN TV の初代のホストは今はラジオで活躍してい…

  • エニスコーシー・キャッスル

    土曜日にウェックスフォード県第二の街であるエニスコーシー (Enniscorthy) に行ってきました。車で2時間弱。エニスコーシーは映画『Brooklyn』の舞台となり、ロケも行われた場所です。 12時ごろに着いたのでコットン・ツリー・カフェというところでシーフード・チャウダーを食べます。 その後、エニスコーシー最大の観光アトラクションであるエニスコーシー・キャッスルを見学します。 このお城は1190年代にノルマン人のプレンダーガスト (Prendergast) 家によって建設されました。その後は歴史の荒波にもまれて持ち主や居住者は次々と変わっていきます。1370年代にはレンスター王のアート…

  • 2024年8月に見た映画

    tarafuku10.hatenablog.com Kneecap (2024 年、アイルランド、イギリス) 8/15 at Lighthouse Cinema 監督: Rich Peppiatt 出演: Kneecap (Naoise Ó Cairealláin、Liam Óg Ó Hannaidh、JJ Ó Dochartaigh) 北アイルランドのヒップホップ・グループの Kneecap の結成から売れるまでを描くコメディ・ドラマ映画。かなり事実に基づいていると思うんだけど、フィクションも混ぜてあるっぽい。だからドキュメンタリーではありません。Kneecap は 3 人組で 2 人がラッ…

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