猪や鹿の肉を美味しくいただくには様々な配慮が求められます。また捕獲時の状態に応じた処理、その後の解体作業における注意点や技術など含めて一定の考察力も必要です。残念ながら、これらを理解して実践できている者は ごく一部に限られると感じています。仕留めることと同等に解体も大切なのに。とにかく狩猟者である以上は、獲るだけでなく、その肉を全力で美味しく食べることにも拘って貰いたいものです。見ていると、射術向...
様々な許可や免許を取得して、やっと始められる狩猟。この労力は、かなりのモノですし、そこに至るまでの費用もそれなりに必要です。そして、そこからの狩猟の楽しみ方は人それぞれ。「こうでなければならない」とか「ここまでやるべき」との縛りはありません。大切なことは楽しむこと。ただし安全狩猟を意識することは絶対ですが。私の場合、ニホンジカの捕獲業務に関わることが当初の目標でした。「役立てる猟師となるには、10...
今までに2度、跳弾を確認したことがあり、銃所持や狩猟の教本にその危険性が強く記されているのも頷けます。2度とも危険を感じる程ではありませんでしたが、驚いてしまいました。1度目は木による跳弾。隣のタツが放ったスラッグ弾が木に跳ね返り、バックストップの土手に着弾。私の前方の土手が崩れたため、分かりました。タツの位置と発射方向と距離を考えると、本来の着弾位置より5メートル以上も逸れていました。木には跳ね...
人の欲深さは、その種類も度合いも色々。例えば仕事欲や金銭欲の強い人は・・・事業で成功して金を稼ぎ、行く末はさらなる展開を・・・とか、投資で儲けて・・・などと野心溢れる人。一方では、何が何でも金持ちになって裕福な生活を送りたいと考える人。そんな私などは、宝くじが当たったら・・・と妄想に明け暮れるばかり。金銭欲はそれなりにあるものの、野心の無い仕事欲が弱いただの欲深い人。もしも宝くじが当たったら、放蕩...
今日は猟場を攪拌することにしました。そう、読んで字のごとく、猟場の獲物たちをかき回すのです。どうも猟場内の状況が昨年とは違う。周年で行われているニホンジカ管理捕獲の影響や、おかしな気候が影響しているのかもしれません。獲物たちの発情期を含めた行動パターンが読み切れないのです。そこで広大な猟場内を一気にシャッフルして、一からやり直す作戦を遂行することに。それにあたっては、我が家の強力撹拌機を投入。ビー...
これは以前にも記したことではありますが・・・またもや同じ場面に出くわして「まあまあ、お二人さん冷静に」と仲裁に入った出来事があったため、書くことにします。と言いますか、書かずにはいられない心境なのであります。以前、師匠が言っていたことを思い出します。「他人の犬や犬種について、絶対にとやかく言うなよ」と。犬や犬種の悪口はもちろん、勢子が複数人いる場合は、褒める必要もないとの事なのです。当時、猟犬を飼...
この物価高の中、我が家は相変わらずスーパーにて半額の食品を購入して毎日を凌いでいます。当初は「どうせ明日食べるのだから、夕方に正価で買うより、夜に売れ残った物を半額で買った方が合理的」との考えで始めた半額ハンティング。今では凄腕の域に達し、曜日や天候、そして各担当者の習性を見抜き、買い物に行く時間を調整。他にも幾つかの考慮すべき点があり、そこに何とも言えぬ醍醐味を感じているところです。そこには狩猟...
さて、猟犬たちの食事を作りましょう・・・で、冷凍ストッカーの奥から出てきたイノシシのスネ肉。昨猟期の物ですが、解体時の衛生管理を今まで以上に気を遣った肉だったため、傷みは皆無。手を何度も洗い、刃物を使い分け、毛付着させない解体に徹しました。やはり、解体は衛生管理が命。そんなスネ肉が急に勿体なく感じてしまったため、家族で食べることに。うん?それでは猟犬たちに失礼か?いつも「猟犬は家族も同然」と、声高...
昨日のことですが、悩ましい出来事がありました。猟犬たちとの散歩で立ち寄る山際の公園には、休憩用の東屋があるのです。そこに数日前より、中学生くらいの男の子と小学生くらいの女の子が野宿をしていました。二畳ほどの平らな木の腰掛にブルーシートを敷き、その上で寝袋に包まり、いつもスマホをいじっていたのです。初めは「野宿ごっこをしているのかな?」と思い、その横をさり気なく通過。子犬たちも不思議そうに二人を眺め...
狩猟についての基礎を教えて頂き、お世話になった猟隊。しかし捕獲報奨金制度が元で、瓦解するかの如く崩壊してしまった私の所属していた猟隊。あれから随分と時が経ちました。その後、私は幾つかの猟隊から誘いを受けて、勢子請負人として猟に参加。ところが様々な事があり、私は「自分の猟場を守るべき」との結論に達し、今があります。「是は是 非は非」との私の考え方が通じないことに失望したことも、単独猟となった一つの要...
大河ドラマの鎌倉殿の13人を観ていて思うのです。何だか、やたらと我が家に関係あると。猟犬の訓練は、頼朝が一時潜伏していた山中で行っていますし・・・家内の四国の実家は、源平合戦で命を落とした落武者の霊が、未だに彷徨っていると噂される戦場跡地に位置します。夜になると、何処からともなく琵琶の音が聞こえてくるそう。。。息子に至っては・・・当時、身重だった家内と小さな娘を連れて、伊豆の国市にある願成就院に寄...
今日は午後から雨の予報で猟は中止。なので、午前中は近所の山で金剛と山散歩。猟犬にとって、この時期からの山訓練は大切だと感じています。ただし実体験から、獲物には当てるべきではないとも。あくまでも山での足運びや身のこなしの訓練にとどめる範囲で。人が人の感覚で焦った猟犬の仕込みを行えば、上手くいかない事もありますから。そのような例を山ほど確認していますし。とにかく初めは人と同調することの大切さを学ばせる...
この親子の猟犬は、奥のトラが父で、手前のマルコが息子。何だか、やたらと足が合うのです。また、お互いに信頼し合い、心配し合う。親子を越えた友情のようなものまで感じられる相性の良さ。私は、この2頭と猟をしている時は、何故だか心休まり幸せな気持ちになれるのです。それは、彼らが本当に生き生きと猟場を駆け回っているから。「楽しくて仕方がないんだろうなぁ」と。その姿を見ているだけで、狩猟の醍醐味を堪能できてい...
いそいそと仕事から戻り、届いた箱を開けてみます。中から出てきた物はカットベストと、追加で注文したウレタンベルト。キタヤマト ガンサービス(KGS)さんにて購入させて頂いた猟犬用の装備品です。まずはカットベストを確認。ケプラー生地と強固な縫製による高い品質に、安心感を覚えます。装着金具類も堅牢そのもの。これなら大丈夫でしょう。今までの物とは全然違う。一昔前の「服じゃないんだからさぁ」とか「ウエットス...
こちらの地域で豚熱の伝播が確認されたのは昨年のこと。現在は、その蔓延の実態がアチコチから報告されている状況です。つい先日も私の猟場近くの山で報告が上がったとのこと。おそらく猪狩り中止となるのは時間の問題でしょう。農家の方々と話をする中でも、豚熱の話題で持ちきりでした。「これでイノシシが居なくなってくれたら助かる」と。その切実なる思いは良く分かります。イノシシはミカンの実を食べようと枝に足を掛けて・...
毎日の遊びの中で、動きに切れが見られるようになってきた生後5ヶ月となった三重地犬の子犬たち。順調にスクスクと成長しています。あの暑い夏を乗り越えて、よくぞここまで育ってくれました。そこで今日は定期健診を行うことに。とは言っても、素人の私が触診をするだけ。でも、思いのほか異変に気付けるものです。ついでに体重も計測します。では、金剛君から。まずは触診。体周りよ~し。耳の中よ~し。歯の状態よ~し。オチン...
猟犬用防刃ベストを購入するにあたり、今日は猟犬たちの胸囲を測ることにしました。我が家の猟犬たちの体重は17~19kgほどで、体型は色々。よって、胸囲を測ってベストのベストなタイプやサイズをベストな形で・・・って、しつこい。せっかくなので、暇そうな娘にも手伝ってもらうことに。測定においては、家内の裁縫箱からメジャーを借用・・・こっそりと。では測定開始。三重地犬の雄のユキカゼ号は、ガッシリ体型で66c...
このイノシシのバラ肉。何だか、やたらと脂が乗っている。焼いてみよう。いかんいかん、炎に見入ってしまいました。この様な肉は5枚も食べれば十分。やっぱりベーコンに加工した方が食べやすい。もう少し寒くなったら今年も作ってみるかな。応援ありがとうございます!にほんブログ村...
「よし、次の場所に行こう」とユキと向かった先は、猟場の山から離れた別の山。この山に生息する未知の生物とユキとを対峙させるのです。ユキからすれば、まさしく未知との遭遇。ではユキよ、ここで待ててちょ。で、まずは父を呼びに行きます。「あれ、この人は誰?」と、不思議そうに父を見つめるユキ。しかし、私と話す姿を見て・・・どうやら私とかなり親しい間柄であることを瞬時に理解した様子。そんなユキに「こんにちは♪は...
今日は気温が少々高いものの絶好の猟日和。やる気満々のユキと共に出猟しました。まずはシダ場に向かってイノシシの寝場を直撃してみます。足跡の匂いを嗅いでいるところを見ると、そんなに時間が経っていないのでしょう。ならば一番手前のシダ場を・・・ここは、ちょっとシダが薄いな。昨年よりも更にシダの背が低くなっている。これではイノシシが潜んでいるはずがない。では次のシダ場へ。遠巻きに様子を見ますが、ユキの反応は...
「猟犬の名前は正確に呼びたまえ」と、いつも偉そうに家族に注意をしていた私。毎日の躾や、猟場での呼び戻しでは、名前をシッカリと認識させることが大切だと考えていたからです。それなのに家内はテキトー過ぎる。コーシンは → コーチン。カノは → カノピッピ。トラは → トラボルタ。ミカサは → ミカちゃん。マルコは → マルコーニ。ユキカゼ号は → ユキポヨ。もう、めちゃくちゃ。猟場で呼んで帰って来なくなった...
今朝、職場の駐輪場で若手社員から声を掛けられました。「今年もレジ袋の季節が来ましたね♪ププッ」と。通勤バイクに防寒対策を施してから、スグの若手の反応だったため、おそらくこの装備を心待ちにしていたのでしょう。駐輪場での冬の風物詩でもあったようです。それにしても、なんで笑っていたのだろう。。。私の通勤車両は、社内では『ド根性バイク』とか『奇跡の特攻バイク』と呼ばれています。10年ほど前の交通事故で変わ...
三重県の猟犬師匠から猟犬用防刃ベストの各製品のアドバイスを頂きました。このところ、私も猟犬たちへの防刃ベストの必要性を感じていたため、アドバイスはとてもタイムリーで助かります。罠猟により、危険サイズのイノシシが減り、猟場はお手軽イノシシばかり。イノシシをナメて掛かる傾向が強くなっているのを、猟犬たちには感じていました。とにかく間合いを取らなくなってきたし、咬みに行こうとするし。今までの私は、猟犬に...
灯油代は高止まり、電気料金は値上げ、おまけに猟犬たちの主食も値上げで、私の主食ですらも値上げ。夕食に炭水化物の摂取をヤメて、主食をビールとしている私は、どうやって生きていけばいいのだろう。この窮状を凌ぐには、出来るだけエネルギーロスを抑えて出費を減らすしかない。給料は全然アップしないし。そんな中、今年の冬はシッカリと冷えるらしい。ならば、お婆ちゃんの知恵で乗り切ろう!まずは通勤バイクの防寒対策。コ...
どうやら罠猟によるニホンジカ管理捕獲が、かなり効いている様子。猟場散策での見切りや、先輩方との話をすり合わせた上での見解です。ところが、肝心の「かなり効いている」にも色々とある。本来ならば「生息密度が下がった」と言いたいところですが。どうも、それだけではない。シカたちは大きく生息域を変えているのです。この状況は以前から繰り返されてきました。括り罠を警戒して山の標高の高い場所に移動したり、山自体を変...
今期初の出猟ではありますが、今日は猟場散策がメイン。よって猟犬たちは自宅待機。いきなり猟犬を放ってのガラ掛けでもいいのですが、それではつまらない。下見をして、ある程度目星をつけたうえで計画的に攻めたいところ。まずは一番初めに犬を掛けようと考えている猟場へ。猟期始めは、ここ数年、この猟場から猟を行うことが多いのです。ところが、おかしい。獲物気配が全くしない。いつもだと、イノシシの仕事跡や糞が確認でき...
犬の気持ちになって食糞の理由を考える毎日。犬の食糞は「異常行動」とする向きもあるようですが、実際にはどうなのだろう。そこには何か重要な意味があるように思えてならないのです。むしろ、犬にとっては生きるために必要な行動となる場合もあるはず。私は毎日の観察の中で、食糞を行うタイミングや、前後の状況を考察。そこで見えてきたものは・・・まずは、食糞をしない犬は絶対にしない。これは我が家では少数派で、コーシン...
以前、猟仲間から聞かれたことがあるのです。「なんで捕獲した獲物と一緒に記念撮影しないの?」と。「えっ、いつもやってるじゃん。有害とかで」と私。「いやいや、あれは実績の証明写真でしょ。そうじゃなくて・・・」と猟仲間さん。そこで、真面目に答えることに。「猪だって鹿だって、命を授かって懸命に生きてきたわけでしょ。そんな彼らに対して何だか申し訳ない気がしてね」と私。続けて、こうも。「だけど出猟記録の観点か...
今日は文化の日、猟期に入って初めての休日。よしっ! 出猟じゃ!と、猟場に向かったのは「意識」だけ。肝心の体は職場にありました。そう、私は幽体離脱をしていたのです。。。それにしても仕事が忙しい。この原料高を克服するためには、円安の今、海外での営業を強化するしかない!との会社上層部の檄文に応えて、少し前から海外事業部がスイッチオン!そんな彼らが頑張りすぎて、職場のどの部門も、てんてこ舞い。私の休日を返...
昨日の話の続きになりますが、これもこちらの地域での話になります。罠猟を始めようと考えている方は依然として多いようですが、これだけは頭に入れておいて頂きたいのです。自身が農業従事者か、もしくは猟が可能な山の地権者か、また身内に罠師がいる人以外は、罠猟免許を取得しても罠猟は簡単に行えないと考えた方がいいでしょう。「友人や知人に罠師がいる」・・・レベルでは、上手く事が運ばない場合も多いのです。そんな中で...
猟期を長くすれば、その分猟師たちが山に繰り出してイノシシやシカを獲ってくれる。生息密度を下げて、獣害を減らすにあたっての財政負担も軽減するであろうし。「これぞまさしくウィンウィンの一石二鳥だな」などと考えているようにしか思えない行政。果たして行政の思惑どおりに事が運ぶのだろうか。少なくとも猟犬を使った大物猟は、そうではないと実感しています。とにかく猟期始まりを早めた、この「秋」はリスクが高すぎる。...
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猪や鹿の肉を美味しくいただくには様々な配慮が求められます。また捕獲時の状態に応じた処理、その後の解体作業における注意点や技術など含めて一定の考察力も必要です。残念ながら、これらを理解して実践できている者は ごく一部に限られると感じています。仕留めることと同等に解体も大切なのに。とにかく狩猟者である以上は、獲るだけでなく、その肉を全力で美味しく食べることにも拘って貰いたいものです。見ていると、射術向...
もう3日も断続的に大雨が降っている。近頃は予報で「線状降水帯」と耳にすると、まずは通勤手段を考えてしまいます。とにかく至る所で冠水が発生するため悩むのです。その点ではベトナム仕込みのディオ110は意外と心強い。機動力に優れる上に、20㎝くらいの水深なら走破できる。それにしても心配。また内水氾濫しなければいいのだけれど。おまけに移設犬舎への行き来も大変。それに盛大に泥だらけとなったサカエとホマレが「遊ぼ~...
早朝から元気に駆け回り、それが終わると同時に始まるワンプロ。移設犬舎の訓練区画では早朝と夕方の1日2回 猟犬たちを放ち、力いっぱい運動させています。その間に個々の呼び戻しやコマンドに対する服従等の躾も行い、犬たちが常に私の制御下にあるかを確認。これは安全狩猟の上でも大切だと実感しているため欠かせません。そんな中、訓練区画内の植物に目が留まり凝視。茎がオニヒトデのようにトゲトゲなのです。ネットで調べる...
猟場内に猪と鹿が混在している場合、猟犬は逃げ惑うだけの鹿を追いたがるもの。こんな話をよく耳にしますが、その度に「そんなことはないよ」と実際の状況を説明します。確かに これだけ鹿の生息密度が高ければ、真っ先に鹿を発見して追ってしまうのは仕方のないこと。でも「追ってしまう」と「追いたがる」は別の話で、それを混同してはいけない。勢子が上手く導けば「猟犬は、むしろ猪を追いたがる」と実感しているだけに冒頭の...
今年も子犬の世話でバタバタしていましたが・・・気がつくと、もはや制御不能なほどに激しくなってきた今回の2頭。もうワルワルなんてもんじゃない。生後3ヶ月半の子犬ってこんなに強烈だったかな。お婆ちゃん犬のコーシンが子犬だった頃のことを思い出してみると…確かにワルワルだった。先輩犬のヤマがノイローゼになるほどにコーシンも激しかったのを思い出します。でもヤマは幼いコーシンに揉みくちゃにされても決して怒らなか...
「熱中症になるのは気合いが足らないからだ!気合いだ!気合いだ!」と、いつも声高に言っている私。でも熱中症は気まぐれ。熱中症になりそうな時にならなくて、熱中症にならなさそうな時になったりもする。日中の気温が30℃にもなる初夏の捕獲業務で大汗をかきながら真面目に頑張る勢子の私。でも以前のように熱中症で尾根で倒れて、カラスの餌食になることは無くなりました。。暑さに慣れて、体力もレベルアップしたのでしょう。...
狩猟で酷使している私の猟車。林道での横転や大木への激突などもありました。もはや満身創痍の状態。でも猟車のスズキ キャリイは一生乗り続けるつもです。ところが…猟場の下見中に岩に乗り上げてしまい、下回りを強打したことが原因で面倒なことになってしまいました。フロントのシャフトブーツが破れて、取付金具も変形。そこで、いつもお世話になっている整備工場で直してもらうことに。すると驚きの事実が判明。純正品のシャフ...
この日曜日のニホンジカ管理捕獲は県境の標高の高い奥山。私はこの地域には苦い思い出があるため、長らく猟犬を引いていません。「なんだ、犬を連れて来なかったのか」と言われても、頑なにすっとぼけ続けた8年間。「いや、また皆さんに迷惑をかけちゃうんで」と。鹿の大群を猛追した猟犬たちが隣の県まで行ってしまい…回収したのは日が暮れてから。数十名の隊員たちが その帰りを待っていてくれたのです。そして先輩方が「お疲れ...
一ヶ月ほど前に移設犬舎の訓練区画で捕まえたヒキガエルの亜成体。雌雄の判別をしてみると、メスの特徴が出始めていたため「ヒキ美ちゃん」と命名。観察も兼ねて しばらく飼育してみることにしました。エサやりは専ら自然任せ。古家の玄関灯下に飼育ケージを置くと、勝手に蛾や小さな甲虫がその中へと落ちるため、ヒキ美ちゃんはせっせと舌を伸ばして お食事を。舌の伸ばす際に「ペチッ」と舌の発射音がするのが面白い。射程距離は...
不思議なもので、世の中にはウリ科の食物が大好きな人と全くダメな人が居るようです。考えてみれば、どんな食べ物にも好き嫌いはあるものですが、ウリ科の食物は身近なだけに その違いが目立ちます。我が家でも息子は大のウリ科嫌い。キュウリだけではなく、メロンやスイカもダメ。あの共通したニオイが受け入れられないのだとか。カットしたマスクメロンを前に「いらない」と皿を押し戻す姿の何と気の毒なことよ。その瞬間「待っ...
毎年、猟犬たちの体調や仕上がり具合に応じて出猟や予防接種のタイミング等を調整しています。しかし、ここ3∼4年は豚熱の影響もあって猪狩りの方は休止状態。また勢子役が激減する中で、各猟隊が協力し合っての合同猟が増えため、一銃一狗や少人数での出猟は減る一方。そんな中で一時期は日本犬(三重地犬)のみの飼育に徹して、その中から個々の特性や気質を鑑みて一銃一狗に使う犬と巻狩りに使う犬とに分ける予定でした。しかし...
猟場の事前調査の努力に応えてくれるかのように、遠方からも多くの猟師たちが応援に駆け付けてくれた昨日のニホンジカ管理捕獲。まさに鉄壁の布陣と言えます。隣山への逃走ルートを塞ぎ、前進守備の中タツには凄腕猟師たちを配置。その布陣はまるで大阪の陣の真田丸が如く。全員が赤備えで気合いもバッチリ。いや、オレンジ備えか…そして尾根上には全国大会上位者のライフルマンたち。つまり極めて優秀な狙撃兵を見通しの良い場所...
巻狩りにおいて、囲み役や その配置場所を「タツ」「マチ」「タツマ」などと呼びます。また、これらタツの目安となるのが「通り」「ウツ」と呼んでいる獲物の通り道。山から山への日常的な移動に使う通りや、水を飲みに行くためにだけ使う通り等々。一般的には日常的な移動の通りを逃走ルートとするため、その見極めは大切です。そんなタツの場所が決まったら、次に考えることはタツ役同士で撃ち合わないための位置取りやバックス...
まずは玉ネギとニンジンを炒めて、先に煮込みを開始。主役の猪肉は、塊のまま表面を軽く焼いて肉汁の流出をストップ。塊肉のまま鍋に投入します。ちょっと猪肉の量が多かったかな。で、30分ほど煮たら塊肉を取り出します。やはり1.5kgは多かったな。カレールーの箱裏に書いてあった量の3倍だもの。でも取り出した塊肉は煮る前と殆ど同じ大きさで、肉汁を蓄えたまま火が通った状態。小さく縮んでしまった肉とは違って筋繊維間の空間...
「シェー! もう やめてほしいザンス!」「そんな つぶらな瞳で見つめてもダメ」でもヤメられない止まらない地底探検への穴掘り。懸命に掘り進めるホマレ。そこへ作業効率をアップさせようと、サカエが連結。ツインパワーで土をかき出します。その後ろで様子を見ていたコーシンの顔に土が直撃。ほら出入口が土だらけになっちゃたじゃない…って、脱走禁止!よし、言うことを聞かないのなら奥の手じゃ。父ちゃんを侮るでないぞ。前...
まだまだ続くニホンジカ管理捕獲。県担当者と猟友会上役の方々から新たなる実施区域の調査依頼を受けて、猟仲間たちと共にタツ配置のマーキング等を行いに猟場へと向かいました。標高400m程の低山を囲む巻狩りとなるため、今回も かなり大がかりな捕獲となります。こんな事もあろうかとタツ配置場所に通じる林道を復旧整備しておいて正解でした。基本的には猟場に詳しい先輩に教えて頂きながらの調査。次々とマーキングして行きま...
雨降る森の中、移設犬舎の古家で一人黙々と焼く猪肉。半径200m以内には自分しか居ないとのヘンな優越感。森を独り占めした気分になれるのです。そして森の一部にもなっている。そんな森から授かった恵みを力いっぱい美味しくいただく。猪肉は やはり焼肉が一番。今回の部位は肩ロース肉とホホ肉とタン。そう言えば未だに食器を用意していなかったな。学生の頃から使っていたラーメン鉢が一つあるだけ。我が家の食器は全てセットな...
体をかがめて暗闇の中を進んで行く。まるでノストロモ号の排気ダクトの中でエイリアン狩りを行っている感じ。そして「ぐわぁ~っ!」と、自分が狩られる…でも私はダラス船長とは違って経験豊富な凄腕猟師だから大丈夫。。まずは強力なライトで視界を確保!武器は火炎放射器…ではなくて草刈り鍬と炭スコップ。これは何となく負けている気がする…なので強力掃除機で撃退!って吸ってどうするの。ゴーストバスターズじゃあるまいし。...
「積載量 積めるだけ」なんてステッカーが貼ってある貨物車を時々目にします。そんな茶目っ気ある文句に微笑ましい気持ちにもなりますが、これがインドやパキスタンだったら大変。彼らは本当に積めるだけ積みます。とにかく怖いもの知らず。また、スクーターならベトナムやタイだって凄い。家族全員でスクーターに乗ったり、荷台に大きな豚を積んだりもする。私の愛車、ベトナム・ホンダ製のディオ110は、それら過積載を想定しての...
先日に実施されたニホンジカ管理捕獲の対象地区は隊員たちにとっては馴染の山。皆がそれぞれに鹿の逃走ルートを把握しています。また、猟期中は私たちが合同猟を行う猟場なので、手堅く成果を上げられる間違いない山でもあるのです。今回は静岡県猟友会会長はじめ、県職員の方々も参加しての大がかりなもの。よってタツ役は私たちが猟期中に行う巻狩り時の4倍も。鉄壁の囲みと言えます。おまけに参加者の多くが凄腕猟師で、射術に...
東電が老朽化した鉄塔を建て替えるとのことで、私の職場は9日間も送電がストップ。主要なところは自家発電機で凌ぎますが、それは職場の中のほんの一部。なので私を含めて殆どの社員は夏季休暇を取ることに。その上で職場が9日間もクローズするということは、その前後が大忙しになるということでも。人手不足や新型コロナ感染者続出の影響と相まって、バタバタが続いていました。そんな中で父の容体が悪化。今は元気を取り戻しまし...
なんともグッドなタイミング。アマゾンプライムデーで目星を付けていた溶接機がほぼ半額になっていたのです。製造国は中国ですが迷わずに「ポチッ」とな♪中国製品でも優れた物は沢山あります。もちろん残念な商品も沢山。大切なのは、それを見抜く選択眼を有しているかどうか。以前に購入した㈱高儀の中国製チップソー。同レベルの日本メーカー品の半額以下でしたが、性能や使い勝手は遜色なしで耐久性も十分。我が家と犬舎移設地...
伊豆半島に移住を決めた両親に合わせて、私も移住を決断したのは およそ30年前。将来的に両親の面倒を見るために退職して、近くに住む可能性が高いと考えたからに他ならないのですが。また当時の転勤に次ぐ転勤では、家族にも負担が掛かり続けてしまうと考え「早いに越したことはない」と行動に移したのでした。その思い描いていた人生の流れは的中し、今日に至ります。つまり両親の面倒を本格的に見ることとなったのです。それに...
趣味の工作で金属を接合する場合は、それを職場に持ち込み、昼休みに工務室にて溶接作業を行っています。本当はダメなのですが、工務課の課長が笑顔で「いいですよ」と言ってくれるので、イイのです。。。とにかく職場の工務室は素晴らしい。200Vの溶接機が各種揃っているのです。アーク溶接、ノンガス半自動溶接、TIG溶接の交流と直流、そしてアセチレン溶接機も。なので材質や大きさは何でもござれ。ところが大きな物はどうにも...
我が家の犬舎横の道端に生えていた謎の植物。大きく育ってしまい ご近所さんの通行の妨げとなりだしたため、刈ることに。ところが庭にその植物を捨てたところ、犬たちが引っ張り出してムシャムシャと食べだしたのです。「もしや♪」と葉を齧ってみると、これが結構イケル♪粘り気があるあたりはツルムラサキにも似ている。でも毒性は大丈夫なのだろうか。今までに野草で このような植物を見たことが無かったため、調べてみることに。...
三重地犬の子犬、シオちゃん♪マチちゃん♪そして フミ君!みんな可愛い顔して もうワルワル!子犬が複数頭であっても躾のコツを掴んでいる私は、今まで全頭上手くいったと実感しています。ところが、このワルワルな3頭には そのコツが通用しない。とにかく激し過ぎるのです。そこでジックリと観察を続けたところ、あることに気が付きました。今までは数頭に一頭の割だった斬り込み隊長のような怖いもの知らずの子犬。それが今回の子...
私は素人の一狩猟者であってプロ猟師ではないため、獲物肉の販売に関する許可は得ていません。よって猪肉や鹿肉の販売はできず。また猟犬の繁殖は血筋存続が目的であり、販売を目的としていません。したがいまして、血筋存続に協力して下さる方にのみ子犬や仕込み犬を差し上げている状況です。そんなことなので、ブログ写真においては誤解を招かぬように解体場面などは極力掲載しないようにしています。以前に何度か猪の解体シーン...
私の職場では新型コロナウイルスによる病欠者が目立つようになってきました。エアコン使用による部屋の閉め切りが それを助長しているのかもしれません。いずれにしても夏季の第一次長期休暇を前に職場はテンテコ舞い。人材不足が深刻な問題となっている中で、更に人が足りない状況となり、皆がバタバタ。でも長期休暇は何が何でも休んでみせる。休日返上なんてまっぴらごめん。私は出勤日より休日の方が断然に忙しいため、休日は...
先日、近所のスーパーで半額にて購入した 丸のままのボイル豚足。1本はその日のうちに美味しく頂きました。ところが残りのもう1本はチルドルームに入れていたのに 3日ほどで残念なニオイに。ただでさえ悪くなるのが早い豚足。半額品ともなれば最大級の警戒をしつつ、早めに食べるべきでした。普段から「SDGs 命!」などと声高に言っておいて、これでは豚ちゃんに申し訳ない。とりあえず丸のまま洗ってみましたが・・・まだ少し臭う...
今年の冬で9歳になるビープロのメスのコーシン。発情期が来たものの、どうやら排卵はしていない様子。でも発情フェロモンはプンプンに発散しているようで、オス犬たちはメロメロ。犬もある程度の歳になると排卵は止まるようですが、発情は一生続くとのことで、なんだか不思議。その生態に意味があるのだろうか。祖先であるオオカミの存続において、この状態に優位性があったからに他ならないとは思うのですが。コーシンは早めに引...
最高気温が40℃とは何事なのだ!あまりの暑さにバリカンで頭を丸刈りにしてしまいました。ついでに子犬たちも丸刈りにしてあげたいくらい。暑すぎて大人しくなってしまったのです。今は扇風機で何とか凌いでいる状態ですが。でも少し体が冷えてると、大人しくしていた分を取り返さんとばかりにハッスルするのは如何なものか。子犬は冷やし加減が難しいのです。。。脱走禁止!エサも今は猛暑仕様。獲物肉と野菜を煮て一旦冷まし、後...
実直な猟犬のミカサ。人に例えるならば「真面目な働き者」といった感じで、私に似ています。。。今日はそんなミカサが猟師仲間さんへの元へと旅立ちました。その役目は先導犬として頑張ってもらうため。猟師仲間さん宅には生後4ヶ月になるプロットハウンドが飼われています。名前はスカイちゃん。とても可愛い女の子。そのスカイちゃんの先生役がミカサなのです。なんかイヤな予感がする。禁断の愛が。。。ミカサ、教え子に手を出...
狩猟を始めるにあたっては、まずは猟友会の先輩方を頼るのが一般的。右も左も分からぬ中で好き勝手に猟を始めれば、トラブルを引き起こすであろうことは誰でも察しがつくでしょうし。猟友会の会員になることは、狩猟を始める第一歩でもあるのです。問題は そのあと。「良好な人間関係の先に本来の狩猟がある」と私は強く感じています。「狩猟を行うために人を頼る」ではなく、あくまでもお互いに信頼し合えるような人間関係を構築...
生後3ヶ月半となった三重地犬の子犬たち。そろそろ躾を始めようかと考えて、1頭ずつ分けることにしました。初めのうちは寂しいのか、互いに鳴き合ったりもしましたが、程なくすると静かに。食事をゆっくりと取れるため「単独も悪くない」と気が付いたようにも見えます。毎度のことではありますが、単独飼育に移行した方が断然飼いやすい。やはり1対1だと互いの距離が一気に縮まります(これは物理的に)。マチちゃん近いよ。そして...
趣味的なことにアレコレと手を出す私ではありますが、実は一番の趣味は釣りなのです。小学二年生の時に貯水池でフナを釣って以来、もう釣りに どハマり。あの日の記憶は今でも鮮明に残っています。その後、進路においては紆余曲折あったものの、最終的には 釣り→魚類→水産との流れで その道を突き進み、挙句の果てには原点に立ち返り 脱サラして釣具屋を共同経営。傾きかけた釣具屋を買い取り、懸命に働き続けたところ、スタッフた...
昨日は3年ごとの狩猟免許更新のための講習に行ってきました。周りを見渡すと、今回が最後の更新になるであろう ご高齢の先輩方も多い。「歳なんだから やめろって家族がうるさいんだよ」と少し寂しそう。でも ご家族のお気持ちも十分に理解できます。狩猟は危険を伴いますから。人生の区切りのためにも、3年ごとの更新は意味があるのでしょう。昼過ぎに講習が終わると、同席していた会長が役場からの捕獲要請を伝えてきました。猪...
猟犬用のGPS発信機と受信機は今や無くてはならない存在です。狩猟事故防止や猟犬の命を守るにおいて、これほど心強いモノはありません。「便利なモノを手に入れてしまった以上、人類はもう後戻りはできない」との お決まりの流れに当てはまる物の一つに。つまり車や電話やパソコンといった利器と同じ。その運用のために法律が新しく制定され、今もなお改正が続いているのです。ところが運用上の不備における法律改正の狭間で、理不...
我が家の三重地犬の血筋存続計画において、次なる段階に入りました。まずは将来に向けての我が家の繁殖可能なメスが3頭となり、猟師仲間の元へと貰われて行った4頭を含めると7頭となったことで「最後の1頭」との危機的な状況は脱しました。そこでオスたちを別猟隊へと旅立たせ、武者修行を行いつつ、そちらの方の各系統の種親となってもらうことに。せっかく猪犬に仕込み上げても、こちらの地域では豚熱の影響が長引いたこと等によ...
これで三日目。日曜日は休診日なのにもかかわらず、父を診て下さった主治医の先生。抗生剤と栄養剤の点滴が父の窮地を何度救ってくれたことか。毎度のことながら感謝の言葉しかありません。父は今年で89歳。心臓弁の手術から10年以上が経過し、本人は「座して死を待つのみ」と雑音の混ざり出した心音に腹を決めています。「死の迫った老人でありながら、国家に高額な医療費を支出させてはならない」と。しかし今回の急性前立腺炎は...
今日の昼休みに母からの電話がありました。父が倒れたと。持病の急性前立腺炎が再発して、またもや動けなくなってしまったようなのです。仕事を早目に切り上げたものの、行く手を阻む線状降水帯による強烈な雨。車がアチコチで立ち往生する中、水しぶきを上げて突き進む愛機インターセプター。「マジで浮く!」と焦りながらも、なんとか実家へ到着。バイクは冠水に強い。その間、病院には家内が連絡を。こともあろうに母のスマホの...