株式投資や医薬品業界のニュースについてご紹介します!
医薬品開発に従事する薬剤師。投資と宝石集めが趣味。ブログには株や医薬品業界に関するお話について書いていきます。 ブログは2019年12月22日から開始。 ちまちま更新して月間5万PVまで行ったけど、満足して不定期更新に。ファーネットマガジンにも医療コラムを連載しています! のんびり更新だけどよろしくね! Twitterはフォロワー約7,000人
薬はどうやってできたの?人工合成以外の薬のタネのご紹介②(スタチン、キニーネ、アスピリン、イソジンもおまけ)
先日、漢方薬のことを記事で取り上げましたが、天然由来のものは何も、東洋医学だけではなく、西洋医学における医薬品にもあるのです。 今日はそんな天然由来の薬のタネについて、有名なものを何個か取り上げてみたいと思います。 ・前回はこちら:もう半年前だ! 目次 スタチン アスピリン(バファリン) キニーネ ポビドンヨード(イソジン) まとめ // スタチン 脂質異常症改善薬のスタチン系薬剤はご存知ですか? 医療関係者では知らない方は皆無なぐらいの有名な系統の薬剤です。 みなさまの中にも服用されている方もおられるかもしれません。 体内においてコレステロール合成に関与するHMG-CoA還元酵素という酵素を…
先日、漢方薬は自然由来だから副作用がない!みたいなtweetが医療従事者から「ふるぼっこ」にされているのを見かけました。 私としても失笑を禁じ得ない内容ではありましたが、漢方薬には副作用がないといった認識は、意外と持たれている方も多いのではないかと思います。 今日は少し古めですが、2014年の漢方薬の副作用に関する論文や添付文書を見ながら、「漢方薬には副作用がない」の誤解を解いていきましょう。 そもそも自然由来だから副作用がない、の時点で、 「は?じゃあ、ネギでもかじって寝てろ。」 ぐらいに激おこですが、とりあえず今日は落ち着いて、漢方薬の副作用について見ていきましょう。 私は反ワクチンや天然…
【成功のコツ?】バイオベンチャー投資、私の嗜み方【失敗の原因?】
最近めっきり投資関係の記事を書いていませんので、たまにはいいかなと思って書きました。 ポートフォリオでは開示していませんが、私はバイオ関係の株については常日頃色々と触っております。 また学生時代から触れていることもあり、古くはアキュセラショックから、最近ではサンバイオショックまで、いわゆるバイオショックについても実戦の場で見てきていますので、それなりに扱いについては手馴れているつもりです。 だからといって、常勝不敗とはいかず負けることも当然あります。 でも、大きく勝てずとも大きく負けないことを意識してバイオ株を嗜んでいるため、それなりの利益を出しています。 今日は、そんな私のバイオベンチャー投…
COVID-19治療薬の臨床試験の適切な評価項目とは?レムデシビルやアビガンも例に(ICMRA)
COVID-19治療薬候補の臨床試験において、稚拙な試験デザインのものが散見されるのは過去に記したとおりです。 では、どんな評価項目が良いのか、何に留意すればよいのか? 今日はその点について、各国の規制当局が集まって協議をした結果をご紹介しようと思います。 規制当局の議論というのは、すなわち、医薬品を承認する際の着眼点でもあります。 試験デザインについて考えるうえでは、非常に参考になるものと思われます。 そんなん関係ないわー!って方は、報道されるような治療薬候補の臨床試験の試験デザインや評価項目に注目してみてください。 それがちゃんとした内容でなければ、その薬は候補から外れると思っていただいて…
年間の医療費総額や薬剤費の占める割合はどれくらい?医療財政健全化に必要なことは?
医療財政がやばいからと、薬価が目の敵にされています。 「薬価をぽんぽこ安くするのはやめてほしい!」と、私は年がら年中言っていていますので、またそれかよーと思われる方が多いかもしれません。 医療財政は火の車であり、少しでも財政を良化するために、叩きやすい薬価が狙い撃ちにされるわけです。 もうね、撃たれすぎて蜂の巣ですよ。 製薬会社も豆鉄砲で応戦していますが。 私としてはグレネードランチャーで応戦して頂きたい。 ・・・といった私のぷちおこはとりあえず置いておいて、 今日は日本における医療財政の実態について確認し、医療財政の問題点について考えてみましょう。 目次 年間医療費総額 1人当たりの年間医療…
「統計学的有意差」と「臨床的に意味のある差」は同じなのか?アナセトラピブを例に考えよう!
臨床試験の結果について考えるとき、統計学的な有意差がつくことは非常に重要です。 2つの群の結果に明らかに差があると示すためには、統計学的に有意差があることを示さなくてはならないからです。 そうでないとその結果は「単なる偶然」である可能性があります。 差がいくら開こうが、ばらつきが大きかったりすれば、統計学的な有意差が出ません。 アビガンの特定臨床研究の際に、効果がレムデシビルより強かったとの論調も見かけましたが、統計学的有意差が出ていない以上、そんなものに意味はありません。 それはただの偶然だからです。 では、統計学的有意差が出ていれば、それはすなわち、試験の成功と言えるのでしょうか? そして…
特許と聞いて何を思い浮かべますか? 素晴らしい研究をまねされないように守るものでしょうか? 特許はいち早く取ったほうが良いのでしょうか? バイオベンチャーの特許取得IRは全て歓迎するべきでしょうか? 今日はそんな特許に対する疑問やと医薬品開発との関係性について、医薬品のライフサイクルマネジメントにも触れながら見ていきたいと思います。 目次 特許制度と医薬品開発 医薬品における特許の種類 物質特許 製法特許 用途特許 製剤特許 まとめ // 特許制度と医薬品開発 特許制度とは、特許の内容を公開することを条件に、独占的に20年間、特許を使用する権利を与える制度です。 特許と聞くと後部分の「独占的使…
【臨床試験】実薬(既存薬)対照試験、その利点と欠点を比較する【ICH-E10】
先日に引き続き、臨床試験における対照薬について考えます。 今日は「実薬対照の利点や欠点をテーマ」に取り上げてみたいと思います。 そんなに読まれないであろう真面目度が高い記事です。 宜しければお付き合いください。 参考とするのは先日と同様にICH-E10になります。 https://www.ema.europa.eu/en/ich-e10-choice-control-group-clinical-trials 前回の記事 目次 実薬対照試験の概要 実薬対照とする利点 倫理面 Dr.の心理的負担の軽減 患者さんの組み入れやすさ 脱落率/中止率の低下 得られる情報の内容 実薬対象とする欠点 勝つの…
オーソライズドジェネリック(AG)ってなに?先発品や普通の後発品との違いは?
以前、バイオ医薬品の後発品たるバイオシミラーを取り上げた際に、バイオ医薬品のオーソライズドジェネリックは先発品と同等であり、信頼性が高いというお話を頂きました。 厳密にいうとバイオシミラー(似ているもの)ではなく、バイオセイム(同じもの)ということになりますね。 このお話も踏まえ、先発品と同じものと言える「オーソライズドジェネリック」についても取り上げてみようかと思います。 ちなみに私はジェネリック医薬品は嫌いですが、オーソライズドジェネリックであれば嫌いではありません。 いったい何が違うのか?といった点も含めて見ていきましょう。 目的 ジェネリック医薬品(後発品) 先発品との違い 供給の不安…
【あなたの名前はどこから?:5】抗ウイルス薬の名前の由来のご紹介
手軽に書けて、手軽に読める(と思われる)お薬の名前の由来シリーズ。 この若干くだらないシリーズですが、最近重いテーマが多かったので、久しぶりにやってみます! 今日はCOVID-19が蔓延しているこの状況を鑑みて、抗ウイルス薬で行ってみましょう。 なお、いつものように真面目に書いていません。 半分くらいがくだらない内容で占められています。 一応医療系の内容ということで、その点はご留意ください♡ なお、あげているものは名前の由来が見つかったものの一部です。 目次 タミフル(オセルタミビル) ラピアクタ(ペラミビル) リレンザ(ザナミビル) ゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル) イナビル(ラニナミ…
【COVID-19】検査方法の整理と考察、単純にPCR検査を拡大するだけでよいのか?
「PCR検査を希望者全員に何度でも実施する」なんてことがもてはやされていて、私には全く理解できなかったので、今日は検査方法を整理しつつ、タスクフォースの資料や論文をもとに、PCR検査拡大の是非について考えてみました。 先に申し上げておきますが、PCR検査を拡大すること自体は反対ではありません。 希望者全員に拡大するということ、不要な部分にまで拡大することが理解できかねるというスタンスです。 目次 PCR検査 ウイルスの推移と感染力、感度の推移 抗原検査 抗体検査 PCR検査を拡大して希望者全員に実施すればいい? まとめ // PCR検査 PCR(ぴーしーあーる)とはPolymerase Cha…
【臨床試験】プラセボ(偽薬)対照試験、その利点と欠点を考える【ICH-E10】
今日はいつになく堅苦しいテーマをあげています。 いつだったか忘れましたが、読者の方から治験の対照薬の選択について、ご質問頂いたことがありました。 それに対する直接的な答えではありませんが、今日は臨床試験における対照薬の選択について、まずはプラセボ対照の利点や欠点をテーマに取り上げてみたいと思います。 参考とするのはICH-E10になります。 ICH E10 Choice of control group in clinical trials European Medicines Agency COVID-19下における治験において、プラセボ対照が大事なのだ! と散々言ってきましたが、改めて…
【薬害】MMRワクチンの事例から何を学ぶか?他のワクチン接種の否定につなげないで!
9価の子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)であるシルガードが5年の歳月を経て承認され、喜びの声があがっています。 私も記事を作成して、微力ながらワクチン接種の啓発に努めました。 シルガードは臨床試験や世界/日本における大規模調査で安全性に問題ないことが確認されております。 しかし過去にはワクチンによる副反応(原因も明確)で大きな事件となったものがあります。 それがMMRワクチン事件です。 今日はMMRワクチンの事例を振り返り、その原因や対策について考えてみましょう。 なお、私は承認されているワクチンについては、積極的に接種するべきというスタンスです。 反ワクチンは心底軽蔑しており、HPVワクチン…
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