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夫婦ふたりのなごやか暮らし https://otowayahappylife.blog.fc2.com/

日々のできごとも、夫と妻の視点はこんなに違う!? 結婚十年余の夫婦がふたりで書いています。お金をかけない分、家事を協力しながら楽しくこなしています。ふたり暮らし、自炊、オーガニック、ねこ好きさんとは相性がよさそう。見に来てくださいね!

結婚生活は、毎日が異文化体験。江戸っ子の夫「もなか」(和菓子に目がない)と、雪国生まれの妻「タルト」(洋菓子好き)のふたりが、かわりばんこにブログを書いています。話題は、日々の生活や食べもの、健康、お買い物節約術、ときどき海外旅行など。毎日の料理や家事も、ふたりで話し合えば、いい知恵もわいてくるもの。「どうせやるなら、楽しく」を合言葉に、いつも夫婦でちょっとしたアイディアを出し合っています。

もなか&タルト
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2019/12/15

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  • 僕の理想のプリン

    妻の作るプリンは素朴なものだ。使うのは卵と牛乳と砂糖だけ。ヴァニラも入れない。生クリームもチョコレイトもなし。新しもの好きならば、皮肉の一つでも言いたくなる代物かも しれない。だが、このプリンが美味しい。卵と牛乳を掛け合わせたカスタードの、とろりとした味と食感 こそがプリンの魅力で、これを味わうには、簡素とも言える ものが一番だ。それに、これは外で買えない。ケーキ屋で売っているプリンには、必ずヴァ...

  • わたしの鍋炊きごはん体験(鍋炊きごはん②)

    ごはんを鍋で炊くのは、小学校の林間学校の飯盒炊爨(はんごうすいさん)に遡るくらい前のことだ。

  • 自家製鮭フレーク、好評につき

    鮭、植物油脂、ph調整剤、調味料(アミノ酸)、安定剤、 酸味料、香料、着色料、酸化防止剤。妻がスーパーマーケットで手にした瓶詰に書いてある材料が これだった。「添加物だらけじゃないか」「だって、鮭フレイクを食べたかったんだもん」「鮭を焼いたものだろう?」「違う、違う。フレイクよ」「flake というんだから、身を細かくほぐしたものじゃないの?」「そう、それ。わかっているじゃない」「だったら、鮭を焼いてほぐ...

  • そうだ、鍋でごはんを炊こう(鍋炊きごはん①)

    手帳の記録によると、我が家で初めて鍋でごはんを炊いたのは、 2013年のことらしい。きっかけは、夫の長期出張だった。出張の準備は鍋炊きごはんから家を長く離れているときでも元気に過ごすには、食事がかなり 重要だ。特に夫のように、食べもの中心主義者(?)の場合は、その 度合いが高まる。夫は食べるのが好きだし、おいしいものを食べるための労力を いとわない。傍で見ていると、生きるために食べているんだか、食べる...

  • 炒め物万歳

    親元を離れて独り暮らしを始め、困ったのは料理だった。初めは外食に頼っていたが、カネが続かないし、第一まずい。自分で料理をする必要性が日に日に高まっていった。やってみるなら炒め物かな。炒め物には親しみがあった。東南アジアに駐在していた頃、屋台で食事を摂るのが常だったが、 大方の店が炒め物を出していた。店主らは料理学校に行ったこともなく、家で少し練習しただけで 店を始めていると地元の人が言っていたのを...

  • 出汁巻き卵の思い出

    子どものころ、夏休みに伯母の家に遊びに行くのが楽しみだった。家が海にすぐ近いのも、いとこたちと遊ぶのも愉快だったが、 それとは別に、伯母の作ってくれる料理を食べる楽しみがあった。二家族で集まって、わいわいとにぎやかに食べるのも一年に一度の ことだったし、子どもたちが好きな揚げ物やお刺身を、大皿で 出してくれるのも休暇気分を盛り上げた。わたしの家は両親とも働いていて、平日は追われるように料理を 作り...

  • プリンは肉料理だった?

    プリンが好きだ。ランチセットのデザートに、もしプリンがついていたら。わたしが選ぶのは、もちろんプリンつきのセットだ、主菜が 苦手なものでない限り。そんなわたしが、英和辞典を眺めていて目をとめたことわざが ある。 The proof of pudding is in the eating.(プディングの品定めは食べてみること)『英和中辞典』(旺文社) 要はプリンの価値は食べてみなければわからない、ということ だろう。日本語のことわざとし...

  • 沿岸の味、内陸の味

    おいしいものがきらいな人はいないはずだが、何をおいしいと 思うかは、人それぞれだ。わたしは子どものときにも、おとなになってからも、他人の家で 暮らした時期があり、好みや味覚の違いを感じる機会が多かった。港町育ちのわたしの両親は、魚が好きだし、鮮度にもちょっと うるさい。お刺身を食べない週なんて考えられないし、貝も海藻もよく 食べる。それが転勤で内陸に引っ越したものだから、同じ県内でも 結構なカルチ...

  • さらば、ロールキャベツ

    昨日、10年ぶりにロールキャベツを作った。最近、美味しい挽肉が手に入るようになったので、餃子以外も 作ってみようと思い立ったのである。 日曜日は「餃子の日」とはいえ、長いこと作らなかったのには訳がある。面倒なのだ。挽(ひき)肉に味をつけ、他の物、昨日はしめじと木耳だったが、 これも微塵(みじん)切りにし、挽肉と混ぜ、そこに粉を入れて 更に混ぜる。これだけで1時間。もっとも、ここまでなら餃子の中身をこ...

  • 注文の多い同居人

    「意外だったなあ。タルトさんてさ、料理ができないわけじゃ なかったんだねえ」同居して何年も経ってから、夫がそんなことを言った。いや、決して得意ではないけれど、料理が「できない」とは 言ってないはずだけど。 「料理ができない女」と結婚した話「だって最初のころは、ほとんど僕が料理していたじゃない?」正確には、結婚後、わたしも料理をしたことはあった。ただ、同居を始めた当初、食事に関する夫の注文のあまりの...

  • 料理上手への近道

    妻は料理に自信がない。きちんと学ぶ機会がなかったからだ。 「料理ができない」妻の考えた、苦手克服法 こどもの頃は両親共忙しく、手伝いはしても、ゆっくり 教えてもらえなかった。社会人になってからは仕事一辺倒の生活で、料理どころではない。時間があったのは大学時代のことだが、栄養学専攻でもないのに、 そんなことに時間を割くはずがない。というわけで、彼女の料理は「生きるのに必要な術」に 毛が生えた程度のも...

  • 「料理ができない」妻の考えた、苦手克服法

    結婚当初、妻はなかなか台所に立とうとしなかった。掃除も洗濯もよくやるのだが、料理については腰が重く、僕は 「この人は料理ができないに違いない」と思い込んでいた。のちに彼女が言うには、何を出しても「不味い」と言われそうで、 進んで料理をする気になれなかったのだそうだ。 妻側の事情はこちら 「料理ができない女」と結婚した話僕は、若い頃に海外に住んだり、長い独身時代に食べ歩いたり してきた。食べることに...

  • 「料理ができない女」と結婚した話

    夫は、「料理ができない女」と暮らすのだと思っていたらしい。 結婚して、しばらく経ってからそう聞いて、本当に驚いた。独り暮らしをしていたことも話していたのに、いったいその間、 わたしがどうやって暮らしていたと思っていたのだろう?「だってさ、料理をしたの、見たことがなかったんだもの」 ―なるほど。 そういえば、一緒に住む家に引っ越してから、台所に立って いたら「どうした! 何かあったのか?」と駆け...

  • 赤ずきんおじさん現わる

    夏場の電車が苦手だ。天井の吹き出し口から出る冷気で首から肩の辺りが冷たくなり、 筋肉が固まってしまう。 おかげで、夏は毎日ひどい肩こりに悩ませられる。決め手となる対策はないが、せめて冷気に直接当たないように、 薄手の長袖シャツを着て、首にはスカーフを巻いている。僕の持っているスカーフは化繊で、60センチ四方の大判だ。 皴(しわ)になるのを気にせずに済むので、鞄だろうが、 上着だろうが、何ならズボンの...

  • カラメル、かたまる!

    「きゃー、もなかさん、たすけてえ!」 わたしの悲鳴に驚いて、夫が台所に飛び込んできた。 「どうしたっ、大丈夫か!」そのときわたしは、プリンに添えるカラメルソースを 煮詰めていた。ほろ苦い、上品なカラメルにしようと思ったまではよかった のだが、砂糖をぎりぎりまで加熱したせいで、カラメルを 通り越して飴状になってしまった。 うちで作る、昔のプリン夏目漱石の『吾輩は猫である』の最初、ねこの「吾輩」氏...

  • レシピの誤植

    あちゃー、誤植がある。しかも、レシピに。料理を作っている最中、分量がおかしいことに気が付いた。 牛乳 150カップ150cc を3/4カップとでもしたかったのだろうか。単位だけを変えたものだから、大変な量になってしまったものだ。1リットル入りを30本も買う人がいるとは思わないけれど。出版社に勤めていたことがあるものだから、わたしは誤字や脱字がとても気になる。自分でそういう間違いをしないように、というのが第一...

  • 小田急線で、目指せ金メダル

    2020年の東京大会は延期になったけれど、オリンピックの時期に 電車に乗ると、吊革をつかんで吊り輪の真似をしたくなる。この誘惑が大きくなるのは、平日の午後だ。一つの車両に20人ぐらいしか乗っていないと、吊革に ぶら下がってもよいかなという気分になる。7人掛けの椅子の前ではさすがにまずいので、扉の近くに 下がっている吊革をつかみ、両腕を上に伸ばしてぶらーんと すると、肩が伸びて気持ちがよい。でも、本当にし...

  • 岡山からメロン10個を抱えて帰る

    旅先の岡山での朝食は、桃にぶどうにメロン。 これだけで満腹になる。昼は刺身定食にしたが、夕食はデザート中心。もちろん、また桃にぶどうにメロンである。

  • 「体調管理」は自己責任か?

    「体調管理」という言葉に引っかかる。工業製品ではあるまいし、「管理」なんてできるものか。わたしは、数年病院通いをしたことがある。治療を受けなければならないくらいだから、もちろん調子は よくない。しかし、通院日には、その不調を押して診察を受けに行った。本当は家で休んでいたい時間を通院に充てるので、休養が 半日分減ってしまう。そのころは、毎朝必ず検温して記録をとっていた。女性の場合は生理周期による体調...

  • 新婚愛情炒飯

    「ハネムーン・サラダ」という一品がある。

  • 安いアイスを美味しく食べるには

    「ねえ、ココアをかけてみたらどうかしら?」 買ってきたアイスクリームを皿に盛って出したら、妻が、 そう言った。「アイスクリームにココアかあ……」半信半疑でも、試してみるのが我が家の流儀。一匙(さじ)ココア・パウダーをかけてみると、たしかに 美味しくなった。「これはいけるね」「でしょう?」「よく気付いたね」「そりゃあ、何かしないわけにいかないじゃない」「なんで?」「まずいものを食べた時のあなたって、...

  • うちで作る、昔のプリン

    子どものころからプリンが好きだった。母が作ってくれたのは、牛乳だけで作れる「プリンミクス」 だったけれど、作っている最中の甘いにおいはなんとも 魅力的で、型に入れたプリンが冷めるのを待ちきれなかった。わたしはよく風邪をひく子どもで、しょっちゅうのどを 腫らしては、高熱を出した。おかゆを受け付けないときにも、プリンだけは食べたという から、かなり好きだったのは間違いない。ひとりで暮らし始めてからは、...

  • オリンピックでムズムズ

    「昨日、京王線に乗っていたでしょう?」仕事が一段落ついたとき、同僚に話しかけられた。「なんで知ってんの?」「同じ車両にいたんですよ」「声をかけてくれればよかったのに」「そんなことできませんよ。恥ずかしいじゃありませんか」「なんで?」「吊革にぶら下がって、腕をぶらーんとしてたでしょう」「うん。肩が伸びて、気持ちいいんだよ」「見てる方が恥ずかしくなりましたよ」東京オリンピックが延期になったが、オリンピ...

  • 暑い夏を涼しく乗り切る方法

    あつい…。まだ8月も半ばだというのに、早くもわたしは夏バテの ようだ。この数週間、体がだるくて仕方がない。食欲もない。ちょっと台所仕事をしては横になり、書き物をしては横になる。 傍目にはぐうたら人間にしか見えないと思う。まるで水の中を歩いているように、何をしてもくたびれる。寒いところで育つと、汗腺が働かなくなるという。たしかに、わたしはあまり汗をかかない。あるテレビ番組で、暑いところに住んでいる人を...

  • 海老を買うなら頭つき

    頭付きの生海老を買った。値段はするが、美味しい汁を楽しめるのが良い点だ。まず、その日のうちに洗い、水気を切ってから、頭を取る。料理の邪魔になるので、海老の長い髭(ひげ)を取り除く。鍋に海老の頭を入れ、水を張り、火にかける。煮立ってきたら灰汁を掬い取り、弱火でしばらく放っておく。もう一度灰汁を掬(すく)い取ったら、火を止め、海老の 頭を取り除き、海老出汁の出来上がり。具には、下茹(ゆ)でした大根が合...

  • 和食党とワンプレートごはん

    「うちはね、わたしが料理を作るときには、夫が洗って くれるの。だから皿の数を増やさないようにワンプレートで 済ませているのよ」「え、ワンプレートって、ひと皿におかずを全部盛っちゃう ってこと?」「そうよ、きれいに盛ればお店のランチセットみたいで見栄えも いいし、ひとり1枚ずつだったら、洗うのも楽だし」友だちのマサコさんがびっくりするようなことを言うので、 帰宅してから夫に話した。「だってマサコさん...

  • 旬の食卓

    独り暮らしをしていたころのこと。家に帰る途中の魚屋が、閉店間際、夕方の投げ売りをしていた。「安いよ! 鰯一尾50円!」の掛け声に思わず足を止めた僕は、 20尾も買ってきてしまった。こんなに買っちゃって、どうしよう……。独り暮らしなのに、つい20尾も買ってしまい、食べきるのに 往生した。朝も鰯、夜も鰯、パン食でも鰯。数日続けると流石(さすが)に飽きる。けれど、食べきった頃に、あの魚屋が「安いよ!」と 張り上...

  • 憧れの裁縫三昧の休日

    「へえ、あなたが裁縫をするなんて。変われば変わるものねえ」ミシンを買ったと言ったら、久しぶりに会った母親にそう 言われた。母が驚くのも無理はない。わたしは親戚中に呆れられるほど不器用で、家庭科の実習さえ、 母に助けてもらわなければ仕上げられないほどだったのだから。ちなみに、母は子どもの服くらいならさっと縫ったり、編んだり できる器用な人で、そのまた母(わたしの祖母)などは、 頼まれて和服を仕立てて...

  • 我が家の風邪退治法

    妻が風邪を引くと、マッサージをしてやっている。身体がほぐれると軽く感じるようになるだけでなく、治りも早い。今では、風邪かなと思ったらすぐに「マッサージして~」と 言ってくるようになった。だが、そんな妻も、結婚後に初めて風邪を引いて 「マッサージをしてやろう」と言われたときは不安だったようだ。「風邪のときにマッサージなんかして大丈夫なの? 安静にして なきゃいけないんじゃないの?」 「大丈夫だよ。...

  • いつも同じ服を着ている理由

    わたしは、家ではいつもほとんど同じ格好をしている。洒落っ気も何もないといえばそうなのだが、気に入ったTシャツを 大量に買ったので、一日に2~3度着替えても、見た目が全然変わらない。まるで、「ドラえもん」ののび太くんか、ルパン三世である。きっかけは、数年前にアレルギーが悪化して、綿以外の素材の 服がまったく着られなくなったことだ。わたしの家系は、いわゆるぜんそく・アレルギー体質で、身内にも アトピー...

  • 焼き肉パーティー奮戦記

    「おい、タレに浸けてある肉なんて買うなよ」友人のオクヤマの家で、焼き肉パーティーをすることになった。焼き肉用の牛肉をスーパーマーケットに買いに行ったとき、 オクヤマがタレつき肉に手を伸ばすので、慌てて止めた。「これ、便利なんだぜ」この男は肉の選び方をわかっていない。「タレなら自分で浸ければいいじゃないか」「え? お前、タレを作れるの?」これだから自炊能力の低い男は嫌だ。「簡単だよ。誰にでもできるっ...

  • 日曜日は「餃子の日」

    最近我が家は、毎週のように餃子を作っている。 きっかけは先月、近所のお肉屋さんが、その場で肉を挽(ひ)いて くれると知ったことだった。そこで、夫に頼んでみた。「ねえ、今度あのお店で豚肉を挽いてもらえないかしら」「豚肉? 何を作るの?」「餃子とか、ワンタンを自分で作れたらいいなあと思って」「いいよ。来週頼んでみよう」わたしが初めてのお店の人と話すのが下手なものだから、 うちでは、渉外は夫が引き受け...

  • カップ麺10種食べ比べ

    近所のスーパーマーケットでカップ麺をかごに入れている おっさんがいた。 全部で10個。 しかも、全部種類が違う。カップ麺の食べ比べをしたいのだな。僕も比較が好きなので、その気持ちはわかる。 だが、カップ麺を比べて何が面白いのか?そりゃあ、「赤いたぬき」と「緑のきつね」は違うかもしれない。 いや、違うのだろう。 しかし、比べたくなるほどの差があるのか? カップ麺なんて、どれをとっても変わらんじゃないか...

  • 台所に出るアライグマ

    夫はとてもまめな性格だ。兼業主夫と言ってもいいくらいに、家事もよくする。友だちと話していると、 「いいわねえ、なんでもしてくれるだんなさんで。うちなんて…」 と必ず言われる。その通りだと思う。使い終わったマグカップやお皿だって、さっと流しにもっていって 洗うし、わたしが夜遅く水を飲むのに使ったグラスも、朝には きちんとコップ立てに並んでいる。すばらしい。難点は、細かすぎること。「これは何? 何に使...

  • 盛り付けよければ、味もよし

    「またこんなことやってるー」食卓につくや、妻が笑う。野菜をどう盛り付けたものかと迷った挙句に二通り出したところ、 これがおもしろいと言う。「凝るわよねえ」今日は、新鮮なさやいんげんとカリフラワーが手に入ったので、 早速茹(ゆ)でた。夕食にどう出そうかな。まず、小分けにしよう。妻の口の大きさに合わせると、さやいんげんは長さ2センチ、 カリフラワーは2センチ角程度に切るのがよかろう。そして、盛り付けだ。...

  • お買い得情報に強い男

    「ティシューペイパーが5箱で225円? これで『特価』? 高いなあ」 「静かに! お店の前で大声で言わないの」声を抑えて言ったつもりだが、妻にはそう聞こえたのだろうか。 耳が良いのも困ったものだ。「でも、高いよ」「わかってるけど、ここで言わないで。お店に迷惑でしょう?」「でもさ」と言いかけたとき、若い女がそのティシューペイパーを 手にして会計に向かっていった。その薬屋は、我が家から歩いて3分。もっ...

  • うちのひと預かってもらえませんか?

    「ちょっと。やめてよ、嫌味だわ」結婚したての頃、わたしがそうじ掃除を済ませた直後に、夫が 小ぼうきでほこりを集めていたことがあった。「まだごみがある」と言わんばかりで嫌味だと言ったが、夫は きょとんとしている。 含みのない性格なので、仕事の後に他人にやり直されると、粗探しを されているようで不愉快だと感じることすら、ぴんとこなかっ たらしい。彼の方は意地悪でも嫌がらせでもなく、単純に取り残しのほこ...

  • 今でも現役の「買い出し」

    「安売りの日だけは早く起きるのね」「早起きは2割引きの得って昔から言うだろう?」「そうだっけ?」今日は、近所のスーパーマーケットの開店10周年だ。先週配っていたチラシで、記念日の安売りを予告していた。このチラシはいつもの倍の大きさで、力が入っている。周辺の人達が押し寄せることは間違いなく、休みの日だからと いって、おちおち寝ているわけにはゆかない。開店時刻に間に合うよう、朝食も摂らずに自転車を走らせ...

  • 夫のそうじで休みがつぶれる

    自分では決して認めないと思うけれど、夫は完璧主義者だ。「する」となったら、徹底的にしたい。裏返すと、それまでは何もしない。この点わたしは、かなり基準がゆるいと思う。「無理なく」とは言わないまでも、できるときに、できる範囲のことを することにしている。夫は、家全体のそうじを一気にしたい。寝室から始めて、居間も、台所も、玄関も、家具をすべて動かして ほうきをかける。その後、板の間はモップでふいて、棚の...

  • キャバクラにも適正価格を(後篇)

    「エビスビールがいくらだと思う?」「いや~、頼んだことがないんで…」「小瓶で2500円もするんだぞ。いいか、うちの近くのスーパー マーケットでは330㏄1缶が250円、まとめて買えば1缶当たり 220円だ。何で10倍もするんだよ!」(前篇からのつづき)オノダの困った様子が受話器を通してもわかったが、気にせず 話し続けた。

  • キャバクラにも適正価格を(前篇)

    「来週、キャバクラに付き合ってくれませんか?」後輩のオノダが仕事で東京に来ることになり、連絡をくれた。東京から転勤になって初めての電話だった。「こっちにはキャバクラがなくて、寂しいんです」「キャバクラってどういうところなの?」僕はキャバクラに行ったことがない。「ホステスさんが隣に座って、話相手になってくれるんです」「キャバレーみたいなもの?」「そんな感じです」若い頃、先輩にキャバレーに連れて行かれ...

  • 「お宅訪問」を夫が見ると

    ある日テレビで、芸能人のお宅を訪問、という番組が放映されていた。立派な門構えに、豪華なシャンデリア、数々の調度品が映されて、女性レポーターが家の広さや家具・調度品の豪華さに驚いてみせたり、ほめちぎったりしている。見るともなしに、そばで見ていた夫がひとこと。「いやだなあ、こんな家。そうじが大変そうだ」-そ、そこがポイントですか!? 「シャンデリアなんか最悪だよ、まったく。高いところにあるから、脚立に...

  • 健康的な非常食「ひっつみ」を楽しむ

    「お米を切らしちゃった。買いに行かなきゃね」「じゃあ、今日はひっつみにする?」「ひっつみ」(すいとん)は妻の出身地の郷土料理で、 我が家の非常食。ピンチのときのメニューは「すいとん」小麦粉に水を加えて練り、小さくちぎって汁に入れる。汁は塩仕立て、醤油仕立て、味噌仕立て、何なら洋風でもよい。材料はうどんと同じだが、麺にしないので作るのが簡単。小麦粉を練るときに、塩を少し加えてもよい。しかし、こんなに...

  • アボカド新発見

    「アボカドを買ってみるかい?」果物屋さんでオレンジを選んでいたら、夫がそう言った。いいよ、と答えたものの、わたしはアボカドにあまり なじみがない。「どうやって食べるの? ワカモーレ・ソースとか?」「そのまま食べてもいいし、パンに塗ってもいいんだよ」「パンに?」黒褐色のアボカドのごつごつした皮をむくと、きれいな黄緑色の 実が現れる。次に、真ん中の大きな種を取り出し、そのまわりを薄く削る。実はそのまま...

  • くもりでも晴れ女

    雨が続くと市場の野菜が減る。 先週は根菜とカリフラワーしか買えず、そのカリフラワーも 昨日で食べつくした。 仕方がない、今日は近くのスーパーマーケットに行こう。と支度を整えたが、空模様がよろしくない。 今にも降りそうというほどではないが、空一面が灰色の雲に 覆われている。こういうとき、僕達夫婦は腰が重くなる。 「降りそうね」「いや、この空の色ならまだ大丈夫だよ」「途中で降られるのは嫌よ」「でも...

  • なぜ夫は、わたしが台所に入るとお茶をいれに来るのか

    夫は、お茶がとても好きだ。朝起きてきて一番先にするのは、やかんでお湯をわかすことで、 湯呑みのほかに、保温できる水筒にもお茶を詰めてから、 仕事に取り掛かる。食事の前にも、必ずお茶を用意する。 結婚以来ずっと謎なのは、わたしが夕食の支度をしに台所に 行くと、後から夫もやってきて、やかんでお湯を沸かし 始めることだ。 これから料理をしようというときにコンロを使われると、 煮炊きの作業が進まない。...

  • The Right Size of Omusubi (「おむすびの最適サイズ」英語版)

    *以前書いた記事「おむすびの最適サイズ」を、英語に訳してみました。When I worked as an employee of a private company in Tokyo, I had lunch in my office every day which my husband made for me.He made

  • 夫のおかげで酢の物が好きになった話

    グレープフルーツの話を以前書いたけれど、わたしは 酸っぱいものが苦手だ。 そして、酸っぱいものに甘味がまじったのも好みではない。そういうわけで、和食に出てくる酢の物は、持て余しがちな 一品だった。 たとえば、わかめときゅうりを和(あ)えたようなもの。 残したら悪いと思うし、わたしも箸休めはほしい。 「ねえ、あれ作って」 それが、夫にねだる料理のひとつに酢の物が入るように なったのだから不思...

  • 辞書で体力づくり?

    妻は辞書を持ち歩いている。 英和に和英に国語に漢和。 なぜ4冊も?「知らない単語や、あやふやな言葉の意味を調べるのに使う でしょう?」 「そうじゃなくて、なんで4冊も持ってるの?」 「仕事で使うからよ」 「仕事場に辞書がないの?」 「あるわよ。でも、電車に乗っているときとか、お昼に出かけた ときとかに調べたくなることってあるじゃない?」 「そういうときは、手帳に書き留めておいて、家に帰って...

  • 夫とわたしの腕比べ

    「代わりましょうか?」「ううむ。頼む!」 手先の器用な夫だが、びんのふたを開けることだけは、 わたしの方がうまくいくことが多い。我が家では、湯冷ましをびんに入れて冷蔵している。熱い状態で閉めたふたが、冷やした後に締まって堅くなることが よくある。水を飲もうとしているものだから、夫は気が急いていて、中空で びんを抱えた状態で開けようとする。その状態でふたが開くと、中身がこぼれるのですけど。または...

  • 困ったときの本だのみ

    「カリフラワーって冷凍できるんだっけ?」台所から夫の声が飛んでくる。 こんなときこそ、『冷蔵・冷凍保存ブック』の出番。『家の光』という雑誌の付録なのだけれど、どんな野菜が 冷凍できて、その前にどう下処理をしたらいいのか、 すぐに調べられる。「えーと…大丈夫、冷凍できるって!」カリフラワーは固めにゆでて、冷ましてから冷凍できる。ただし、冷凍すると繊維がふにゃっという食感に変わるので、 できれば冷蔵...

  • 「うまいパイ」に誘われて行ったのに 後篇

    言われてみると、店員は確かにミニスカートを履いている。 「俺たちはパイを食べに来たんだぞ。 スカートを見に来たんじゃないっ」 (これまでの話はこちら) 「俺、ここの制服が好きなんだよ」 「制服を見に来たのかよ」 「そうじゃないよ。女の子を見に来たんだよ。 制服が似合っててかわいいじゃん」 道理で、そわそわするはずだ。ヨコヤマの目当てはミニスカートの女店員とわかって、僕は 腹が立ってきた...

  • 「うまいパイ」に誘われて行ったのに 前篇

    僕が大学時代のこと。「うまいパイの店を見つけたんだ。一緒に行かないか?」と、 授業の後に友人のヨコヤマが話しかけてきた。僕が甘党だと知っているからこその誘いだろう。持つべきものは、よき友だ。店は、歩いて15分ほどのところにあるという。大学の裏門を出て、住宅街を歩く間、僕の頭の中ではパイが 踊っていた。

  • 結婚生活に必要な「味覚の一致」

    結婚前、二人で食事に出かけたときに、後に妻となる彼女が、 東北の出身だと言った。 僕は、思わず箸を落としそうになった。 この人との縁(えにし)は薄いかもしれない、と心で 呟(つぶや)いた。 東北の人とは、食べものの好みが合わなかったからだ。 僕には、東北地方に住む親戚が何人かいる。 どうも味覚が違うようで、彼らが作る料理は塩味が濃すぎる。何より困るのは汁物で、味噌汁だろうが豚汁だろうが、 塩辛...

  • シーツで作った、私の一着

    「なんだよ、それ、シーツじゃないか!」新しく縫った木綿のスカートを見て、夫が驚いている。「そうよ。でも、よそんちの人はうちのシーツを見ているわけ じゃないんだから、わからないでしょ?」 外枠が壊れたのを機に、わたしたちはベッドを使うのをやめた。今では、木の床にふとんを敷いて寝ている。部屋の大半を占領していた大きなベッドがなくなって、部屋が すっきりした。ところが、当然のことだが、ベッド用のシー...

  • おじさんとパックご飯

    近所のスーパーマーケットにパックご飯の棚がある。 幅1メートル半ぐらいの棚を、上から下までパックご飯が 占領している。「こんなもん、売れないのにねえ」「何言ってんのよ。売れないものを置くわけないじゃない。 しかも、こんなにあるのよ。意外と人気商品なんじゃない?」僕も何年か前に誰かにもらって食べたが、あまりのまずさに 「いつ、どこで、誰から」が記憶から消えてしまった。だから、一度も買ったことがないし...

  • 新婚の思い出 たけのこごはん

    人生でもっともたけのこを食べたのは、まちがいなく 夫と暮らし始めた最初の年だ。それまでわたしは、たけのこが好きでなかった。ざらざらとした食感、舌に残る苦味、口に含むと鼻に抜ける、 くせのあるにおいがどうにも苦手だった。ラーメンを食べるときも「メンマを抜いていただけますか」と わざわざ頼んでいたくらいだ。ところが。ふたりで暮らすようになって初めての春を迎えようというとき、 生協のカタログを見ていた夫...

  • 猫の喧嘩に乱入する

    近所の猫が喧嘩をする声で目が覚めた。 時計を見たら6時過ぎ。いい加減にしてくれ。昨夜は資料を読んでいたので、寝たのは3時半。 こんなに早く起こされてはたまらんよ。外を見ると、二匹の猫が大声を出して睨(にら)み合っている。 どちらもこの辺りを縄張りにしており、よく見かける猫だ。 猫同士の関係はどうなっているのだろうかと不思議に思って いただけに、喧嘩になっているのを見て、むしろ納得した。 猫同...

  • 夫が玄米食を止めたわけ

    「なあんだ、白いごはんも食べるんじゃありませんか」。会食する機会があったとき、夫の後輩に当たる人がそう言った。独身時代、夫は玄米を食べていた。白米は、玄米の表皮を削ったものだけれど、食べやすい反面、 栄養分が減ってしまう。夫は、ミネラルや繊維を効率よく摂れるからと、長年玄米食を していた。久しぶりに会った後輩氏は、それを覚えていたのだろう。夫が玄米食を止めたのは、実はわたしのせいだ。一緒に暮らし始...

  • 大安売りに惹かれる男心

    「新入社員にセロテープを買いに行かせたら、コンビニエンス ストアで買ってきたんで怒っちゃったよ」「何て言ったの?」「100円の店で買うものだ、ってね」「それはそうね。でも、皆が皆、あなたのように節約重視の 生活をしているわけじゃないのよ」 「そんなことないよ。僕は、むしろ浪費家だよ」「経済観念がしっかりしているのは、あなたのいいところだと思う。 ギャンブルはしない、宝くじは買わない、飲みにも行かな...

  • 夫のシャツで小物づくり

    「このシャツ、袖を短くできないかな?」何年も前に買ったシャツを、夫がもってきた。最近は夏の暑さも厳しいから、長袖よりも半袖のほうが出番が 多い。「少し袖口がくたびれてきているから、ちょうどいいわね。 短くしましょうか」ちょきちょき、ちょきちょき。シャツは半袖丈に仕上げて、夫に渡した。さて、中途半端に余った袖部分をどうするか?腕カバーにするには短いし、袖口に芯地が入っているので 縫物には使いにくい。...

  • お昼ごはんこそ探検のチャンス!

    「電車に乗って昼ごはんを食べには行きませんよ、ふつう」同僚があきれたような顔をしてそう言った。 そうなのかなあ?夕食は家でとるわたしにとっては、昼ごはんこそが探検の チャンスだ。大きな駅の近くなら、地図帳に詳細図がある。そうでない場合は、住宅地図があればビルの名前など、かなり 細かいところまでわかる。 わたしは職場を中心に、ひと駅区間内の住宅地図を手に入れて、 暇なときにインターネットで調べたお...

  • お弁当版「わらしべ長者」<後篇>

    「このおむすびってご主人が作っていたんだ」「タルトさんのご主人って料理できるの?」「お仕事は何なの?」 (これまでの話はこちら)夫が妻の弁当を作っているのがよほど珍しいのか、あれこれ きいてくる。何から説明したらよいか、妻が口ごもっていると、女達の話題は いつのまにか、自分の夫に移っていった。「うちの夫が作ったのなんて食べれないわ」「そうよねえ。トイレから出て来て、手も洗わないのよ」「うわー、それ...

  • お弁当版「わらしべ長者」<前篇>

    その頃の妻は、帰宅すると毎日、同僚の弁当のおかずについて 話をしていた。「今日はヤマダさんに、ししゃものフライをもらっちゃった」「イマムラさんちの卵焼きって甘いのよ」妻は仕事が忙しく、昼休みも外に行けなかった。そこで、毎日おむすびを持たせることにしたが、僕も忙しく、 それしか作ってやれない。「おかずは、朝、駅の近くで買えるから気にしないで」と妻が 言っていたのを幸い、おむすびだけを毎朝作っておいた...

  • 我が家の「Xの悲劇」

    夜型の夫と朝型のわたしは生活時間帯が違うので、寝る時間も ずれる。先に休むのはわたしの方だが、どうやらかなりふとんを 占有した状態で寝ているらしい。しかし、わたしは眠りが浅い。 夜中にちょっとした物音で目を覚ますことがあり、本でも読んで ふとんに戻ろうとすると、夫の寝相に驚くことがある。 ある日の寝姿はX。両手を万歳するように伸ばして、足も広げているので、どこから ふとんに入っていいのかわから...

  • 妻が考えた、僕のための料理

    「あら、長葱(ねぎ)は嫌いなんじゃないの?」 外出先で牛鍋を食べていたとき、妻が驚いて言った。その通りだ。 いや、嫌いなんてものじゃない。 食べると胃腸の具合が悪くなり、吐き気を催すことさえある。 体に合わないのだ。ところが、その僕が長葱をおいしそうに食べているのだから、 妻が驚くのも当然だ。「こういうふうに、くたくたになっていれば好きなんだ。 汁が浸(し)みていておいしいね」  * * *...

  • 覚えられるパスワードがもうない!

    学生時代、算数や数学がとても苦手だった。数字が覚えられないからだ。そろばんも習っていたし、計算そのものは、今なら電卓を使えば いいのでそう困らない。日常的に困っているのは、電話番号や暗証番号が覚えられない ことだ。どのくらい重症かというと、すでに8年使っている自宅の電話番号が 覚えられない。お店で、何かの手続きをしようとすると、こうなる。「お客様、こちらにご自宅のお電話番号をご記入いただけます で...

  • ごみ出しと男の面子

    「ヤマグチさんのご主人って、ごみを出してくれないんだって」夕飯の席に着いたとき、妻が藪から棒に言いだした。ヤマグチさんって誰?なぜ、ごみの話なの?頭が混乱したまま、何も言わずにいると、妻が畳かけてきた。 「ねえ、聞いてる? ごみを出してくれないのよ!」 「ちょっと待ってくれ。何の話?」 「ヤマグチさんと一緒にお昼ご飯を食べていたら、ご主人が、 朝、出勤するときにごみ袋を置き場まで持って行ってくれな...

  • 「健康に良い」も、人それぞれ

    「はちみつは非加熱がいいのよ!」健康食に熱心な知り合いに勧められて、わたしは困ってしまった。はちみつが大好きなのだけれど、合わないはちみつがあるからだ。はちみつと一口に言っても、本当は蜂の種類や産地、蜜を集める 花によって味が変わる。今のところ、日本と台湾、中国のはちみつは美味しく食べられる ようだ。しかし、オーストラリアのはちみつには合わないものがあるようで、 そのままかけて食べるとわたしはおな...

  • 家のそうじはふたりで仲良く

    今日は久し振りに掃除をした。 この2、3日、床に埃(ほこり)が飛んでいたが、忙しいのを 言い訳に、見ない振りを決め込んでいた。だが、布団の周りを綿埃が舞っているようでは、掃除をしない わけにもいかない。 妻に促されて重い腰を上げた。我が家は、ふたりで掃除をする。 一方が忙しいと一人ですることもあるが、二人でするのを原則に している。 一人でするより効率的だし、ずっときれいになるからだ。 僕達は...

  • 記憶力がよすぎるのも困りもの

    夫と一緒に暮らすようになって、本当に助かっているのは、 彼が数字に強いことだ。計算機と一緒に歩いているようなものだから、わたしは 電卓を持ち歩かなくなった。しかし、物事には必ず裏がある。夫の記憶力がよすぎるために、わたしのような常人には 理解できないことが起きるのだ。「あ、もうすぐお味噌がなくなっちゃうわよね。買わなくちゃ」「待った―! その味噌はAスーパーなら1キロ516円だったはず」「え? ちょっと...

  • 気合で食べるぞ、マグロ一尾

    先日は、おいしい魚が食べたくて、自転車で40分もかかる スーパーマーケットに行ってきた。 その日一番のものはキハダマグロ。目は澄み、身体もよく張っている。新鮮そのものだ。しかも、体長は70センチぐらいか。これで1尾580円!よし、買おう!「ちょっと待って。こんなに大きいのをふたりでどうやって 食べるの? パーティーでも開く気?」と、妻が、魚をつかもうとした僕を止めた。いくら魚好きの妻でも、この大きさ...

  • おうち床屋さん、よろしく

    美容院が苦手だ。客の立場で行っているのだから、もう少しリラックスしても いいのかもしれないのだけれど、美容師さんと世間話をするのが 意外と難しい。わたしはテレビを観ないので、ドラマや芸能ニュースには とんと疎い。本の話も、読んでいる分野が近くないと嚙み合わないだろう。美容師さんは結構おしゃれな人が多いので、ファッションの 話もレベルが高そうだ。以前行った美容院は、ものすごく熱心な美容師さんが担当に...

  • 千切りキャベツの天国と地獄

    僕が育った家では、よくとんかつが出た。 とんかつの横には、必ずキャベツの千切りが添えてあった。ところがキャベツが山のように盛られているものだから、 とんかつを食べているのか、キャベツを食べているのか わからないほどで、好きなとんかつを食べる喜びが半減した。嫌だったのはキャベツののだけではない、味が問題だった。キャベツの千切りといったが、実家で出すキャベツは、幅が 5ミリもあった。 幅だけ見れば短冊...

  • ピンチのときのメニューは「すいとん」

    先日は、風邪で一週間寝込んでしまった。買い物に行けなかったので、冷蔵庫が空っぽ。ひらたけに、にんじん、こんにゃく…。 うーん、これでごちそうは難しい。わたしのおなかもまだ本調子ではないし。 そうだ、今日はすいとんにしよう。 「これ、なあに?」と夫。「ひっつみ鍋よ」「ひっつみ???」すいとんをつくったのなんて初めてなので、夫は不思議そうに している。わたしの郷里では、すいとんを「ひっつみ」と呼ぶ...

  • 縁結びのブリ―チーズ

    知り合って間もないころ、妻と僕はお互いに忙しく、会う時間が なかなかとれなかった。 しかも、二人とも電話が嫌い。 そこで、やり取りには電子メイルを使っていた。あるとき、食べ物の話になり、彼女がチーズが好きと書いてきた。 どんなチーズかと尋ねると、カマンベールだと言う。 僕もチーズが好きで、カマンベールもよく食べていた。 けれど、その頃の僕は、カマンベールに似ているが、もっと柔らかい ブリーを買うこ...

  • 反グレープフルーツ同盟

    夫は酸っぱいものが苦手だ。 酢の物、梅干し、レモンあたりはまだわかるが、いつか オレンジゼリーをつくったら、 「うおー、す、すっぱい!」 と部屋の中を走り回っていたくらい酸味に敏感だ。 実はわたしも酸っぱいものが苦手。 子どものころは、夏になると出回るグレープフルーツが憂鬱の 種だった。 舌を刺すような酸味が、わたしにはきつすぎたのだ。その上、わたしの実家ではグレープフルーツに砂糖をかける。 ...

  • ひよこ豆ごはん誕生秘話(後篇)

    (前篇からのつづき)僕は朝8時に宿舎を出て、夜8時ごろに戻ってくる。夜も宿舎で仕事だ。 一方、妻は午後の数時間、会社に来て僕の仕事を手伝う。と聞くと楽そうだが、とんでもない。慣れない土地で、料理など家事一切を引き受け、朝は彼女が 請負っている外部委託の仕事をし、その上、夜は僕の仕事を 手伝ってくれた。身体の具合も悪かったろうに、よく倒れずにいてくれたものだ。もっとも大変だったのは、買い物だろう。最...

  • ひよこ豆ごはん誕生秘話(前篇)

    「久し振りに、ひよこ豆ごはんはどう?」今ではすっかり僕の好物になったひよこ豆ごはんだが、我が家の 食卓に上るようになってから、まだ数年しか経っていない。 ★妻タルトによる「思い出のひよこ豆ごはん」 その頃、僕はコンサルタントとしての仕事を始めたばかりで、 まだそれほど忙しいわけではなかった。むしろ、真っ白な手帖に少しでも予定を書き込みたかった 時期である。 そんな僕に会いたいと、知り合いの会社...

  • 洗濯ネットに夫は何を入れているのか?

    どうしてこれが洗濯ネットに入っているんだろう?夫が洗濯をすると、不思議なものがネットに入っていることがある。 ・くつした ・ガーゼのハンカチ ・ミニタオル ・ヘアバンド ・木綿のスカート etc.このあいだは、日本手ぬぐいが出てきた。なぜこんな丈夫なものを、洗濯ネットに入れる必要があるのか?というわけで、夫に突撃インタビューをしてみた。洗濯ネットに入れるものと、そうでないものって、どうやって 決...

  • 妻に前髪のカットを頼まれる

    「前髪を切ってくれない?」 ホイ来た。お任せあれ。風呂場の床に新聞紙を敷き詰め、風呂用の椅子に妻を座らせる。 散髪鋏(はさみ)を右手でもったら準備完了。 このとき、どうしても「チャリラ~ン」と必殺仕掛人のテーマ曲が 口をつく。病気だね。 ところが、鋏を入れようとすると鼻歌どころではなくなる。 緊張の一瞬、無音の世界だ。ジョキッ、チョキッ、チョキン。 少しずつ慎重に切り進む。緊張のあまり...

  • 冬の楽しみ 冬季限定チョコレート

    寒い冬は苦手だけれど、わたしたちには楽しみなことがひとつある。この時期限定のチョコレート、バッカスがあることだ。 最初に見かけたのは、スーパーマーケットのチョコレート売り場 だったと思う。鮮やかな緑字に赤のロゴというパッケージも印象的だったし、 「バッカス」という名前もいい。 ギリシャ神話に出てくる、お酒の神様だよね?バッカスのチョコレートは、少し甘め。一粒一粒のチョコレートに、たっぷりのブラ...

  • 疑わしきは洗濯ネットへ!

    結婚してから洗濯に困るようになった。 妻の服をどう扱ったらよいかわからない。 そのまま洗濯機に放り込むのではなく、洗濯ネットに入れて 洗うものがあるそうだ。 洗濯物の一部を選択して、洗濯ネットに入れて洗濯する。 こんな禅問答のようなことを言われてもわかるはずがない。 だから、初めのうちは何でもかんでも洗濯ネットに入れた。 「こんなものも洗濯ネットに入れているの?」 洗濯物を干そうとする度に妻...

  • 思い出のひよこ豆ごはん

    「タルトさん、今日はひよこ豆ごはん?」と夫が声をかけてきた。期待で目をきらきらさせているのが、なんだかかわいらしい。それまで食べなかったと思うのだけれど、彼はひよこ豆を炊きこんだごはんが好きだ。かくいうわたしも、実は結婚するまで食べたことがない。それどころか、ひよこ豆自体、ほとんどなじみがない食材だった。数年前、夫は仕事の都合で、遠くの街に長期滞在することになった。ひとりで行ってもよかったのだけれ...

  • 妻のお昼におむすびを作る

    一時期、妻の弁当に毎日おむすびを作っていた。 妻タルトが書いた「おむすびの最適サイズ」 https://otowayahappylife.blog.fc2.com/blog-entry-1.html 当時彼女は仕事が忙しく、昼休みに外に出られないことがよくあった。 そういうときは、職場の机で昼食を摂らねばならない。 僕も似たような状況だったため、様子は想像できた。 こんな職場の昼休みは「休み」になっていない。 昼食を摂りつつ書類を読む...

  • 商店街育ちとスーパーマーケット育ち

    夫は買い物が上手だ。品を選ぶのも丁寧だし、値段もよく調べて覚えている。数字は見るそばから忘れてしまう、算数音痴のわたしには、 とうてい真似できそうにない。けれども、一番うらやましいと思っているのは、お店の人と 臆せず話せることだ。わたしは、あいさつはするのだけれど、知らない人と おしゃべりするのがどうも苦手だ。スーパーマーケットの鮮魚売り場で、さばいてほしかったのだけれど、 なんと声をかけていいの...

  • 買い物と男の沽券

    ティシューペイパー5箱を持って電車で帰った、と同僚に話したところ大笑いされた。 下北沢の商店街を歩いていたら、薬屋に5箱で158円で売っているのを見つけ、思わず買ってしまったのだ。当時、僕は町田で一人暮らしをしていた。 下北沢からは小田急線で30分以上かかるが、乗り換えはない。リュックサックとティシューペイパーと5箱入りを網棚に乗せ、吊革につかまったまま、仕事の資料を読み、町田に戻ったのである。 どこに...

  • 理系人間攻略法

    先日、バスに乗って気に入りのお菓子屋さんに行った。目当ては、オーブンで焼きたてのエッグタルト。飾り気のない小さなお店だが、ここの焼き菓子は本当においしい。ひとりで切り盛りしているおばさんが、オーブンの前で忙しく立ち働いている。 「エッグタルトは何個買うの?」と夫が尋ねた。「24個」「えっ、そんなに?」「1回目に買ったのは6個、2回目は12個、3回目は18個…となれば次は何個?」「等差数列だな。24個!」「ご...

  • 雪の札幌で傘探し

    「傘を買いましょうよ」札幌に向かう車中で妻が言った。こんな大雪の街を歩くのに、僕たちの折り畳み傘では心許(もと)ないのだ。だが、数度しか来たことのない街で、どこに行けばよいのか。ひとまず駅前のデパートに行こう。 売り場に着くや、妻は傘を手に取り、開いてみる。中棒が曲がっていないか、糸がほつれていないかなど、じっくりと見て、閉じた。他の傘に手を伸ばし、同じように見る。点検、とでも言った方がよさそ...

  • 早い者勝ち

    家のトイレで紙がなくなったのに、家族がホルダーに補充せず、ロールのまま使い続けている、と知人が嘆いていた。毎日の家事は果てしないほどあるので、「あとでちゃんとしよう」が無期限延期になってしまったり、ほかの家族とタイミングが合わないことはありそうだ。知人の家では、どうも知人が一番に気がついて、なおかつ体が動くものだから、ほかの家族は彼女に頼り切り、ということなのだろう。うちの場合は、どちらの担当とい...

  • 猫のやきもち

    月の輪猫に会いに行くと、代わりに見知らぬ猫がいた。全身真っ黒。月の輪猫のように喉(のど)に模様があるわけでもなし、白足袋でもなし。漆黒の猫なんだね。 こちらが近づくと、距離を取る。初めての相手に警戒するのは動物の本能。こういうときは無理をせず、向こうから近づいてくるのを待つのがよい。その場にしゃがんでいよう。 3分ほどそうしていると、真っ黒猫が近づいてきた。こちらに興味を覚えたのだろうか。餌をくれる...

  • 寒さよけの上着

    冷え性のわたしは、冬の寒いときや、夏に冷房が強いところでは、手足がひどく冷たくなる。親が言うには、子どものころから冬は頬や爪先にしもやけが絶えなかったという。自分の体質はわかっているので、外出時はスカーフや手袋、レッグウォーマーは必ずかばんに入れるようにしている。けれど、うっかり忘れたときには、かなり困ったことになる。ある夏、強力に冷房が効いたショッピングセンターで、すっかり体が冷えてしまったこと...

  • 鮭にぎり30貫の謎

    「サーモン、ください」東京の寿司屋で隣り合わせた西洋人が鮭を注文した。僕は心でつぶやいた、鮭から始めたか……。寿司屋で他人が食べる順番を見るのは面白い。鮪(まぐろ)から始める人もいれば、いかや白身もある。この人は鮭からか。などと考えていたら、あっという間に2貫を平らげ、また注文した。「サーモン、ください」また鮭か。よほど好きなんだね。 それも食べ終えるや、また「サーモン、ください」そしてまた「サーモン...

  • はじめての贈り物

    夫からの最初の贈り物を、わたしは今でも鮮明に覚えている。とても重かったからだ。何度目かのデートの帰り際、のちに夫になるひとはこう言ったのだ。「あっ、そうだ。これ使ってみて」30センチくらいの高さの箱を受け取ると、ずっしりとした手応えがあった。「…これは?」「浄水器。もっていないと言っていたから」健康に人一倍敏感な、彼らしいプレゼントだと思った。しかし、据え置き型の大きな浄水器は重かった。本体だけで2キ...

  • 猫と遊んでいるうちに品切れに

    今日は土曜日。朝市だ。半分眠った頭で市場に出かける。まだ暗いんだけど、食い気には勝てない。 今日の狙いは豚肉。朝市で売っている肉はスーパーマーケットのよりおいしく、これも早起きする理由の一つだ。買うのはバラとフィレの中間といった感じにしている。バラでは脂が多すぎて、僕達の好みではない。かといってフィレは、パサパサして食指が伸びない。ほどほどに脂がのっているものがおいしい。 さて、市場に近づくと、今日...

  • オレンジ色の幸せ

    オレンジの香りが好きだ。アロマテラピーに凝っていたころは、買い足すエッセンシャルオイルの中に、いつも必ずオレンジがあったものだ。最近わたしが気に入っているのは、中東産のオレンジだ。ころんと丸い形もかわいらしいし、太陽のように明るいだいだい色も好ましい。何より好きなのはやはり香りで、台所で皮をむいているときに、これほど楽しい果物があるだろうか、とさえ思う。清潔な甘い香りに包まれていると、気分がいい。...

  • 土曜日は朝市

    目覚まし時計が鳴っているけど、起きられない。でも起きなきゃいけないんだ。買い出しに行かなきゃ。眠気覚ましにシャワーを浴びて、家を後にした。 東の空には太陽の頭が見えるが、西の空はまだ暗い。遅寝遅起きの僕にとって今は「夜」。まだ眠っていたい。でも、そんなことは妻が許さない。「土曜日の朝市は野菜が新鮮なのよ」そりゃ、君はいいよ。朝型人間なんだから。でも、こっちは夜型。早起きはつらいんだよ。ただ、朝市の...

  • おむすびの最適サイズ

    東京で会社に勤めていたころ、夫はわたしのために、毎日お弁当をこしらえてくれた。ごはん党のわたしに合わせて、中身はたいてい、ごはん。そして、冷えても食べやすいおむすびだった。わたしよりも手が大きいはずなのに、彼がつくる俵むすびは、ずいぶんと小さい。「小さいほうが、きれいで食べやすいだろう?」と言う。言われてわたしも、おむすびを作るときに大きさを気にするようになった。西洋のように手元のナイフで切りなが...

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