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海外オヤジの読書ノート https://lifewithbooks.hateblo.jp/

40代、全く出世しない窓際おじさんが、成長し生き抜くために読書をします。その読書録。最近、生き抜くより息抜く読書が多めです。2014年から海外で生活しています。因みに奥さんは外人。

仕事術、健康(サラリーマンとして)、思想、歴史、陰謀論(趣味用)、教育、金融(家庭の維持用)などの本を読んでいきます。今年は老後の生き方の模索とキリスト教がテーマ

海外オヤジ
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東南アジア
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東京都
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2019/12/13

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  • 不登校児こころが、仲間を救う。絆は時間を超える。 『かがみの孤城』辻村深月

    皆さん、こんにちは。 先週、六大学野球の観戦に神宮球場に参りました。 実はその前週にもパパ友と行ったものの、その時は結構席はスカスカ。しかし今回の試合は、(早慶戦ではないものの)慶應と早稲田のカードがそれぞれあり、前週とは比べ物にならない人出でした。神宮球場前は長蛇の列。 試合は、(応援席ではなく)一般席で見ていましたが、観客にもカラーがありますね。 慶應の応援の方(OB/OG?)は、静かに観戦しつつも、慶應の好プレーには万雷の拍手で、無言の圧、といった雰囲気を醸し出していました。中高年層が多い。一方、早稲田の応援の方は、着席と共に、いそいそとマルーン色のシャツやタオルをカバンから出し、装着。…

  • 中学駅伝を通して知る、友人のあたたかさ 『あと少し、もう少し』瀬尾まいこ

    はじめに あらすじ 中学生の心のうちを描写 おわりに はじめに 瀬尾さんは、うちの下の子が中学生の時、高校受験の問題か何かで知ることができた作家さんです。以降読み進めて分かりましたが、家族に焦点を当てる作品が多く、非常にハートフルな印象。 なお瀬尾さんは2002年に『卵の緒』(これおすすめ)でデビュー。『そして、バトンが渡された』は2021年に映画化(泣けます)。 本作は2012年に発表された作品。 あらすじ 田舎の中学生による、駅伝大会出場にまつわるお話。 しっかり者の桝井は、人数不足の陸上部で、何とか駅伝大会に出場するべくメンバー集めに奔走する。そのメンバー集めと県大会予選の終りまでを綴る…

  • ドラマのような実話。自死とノルマと組織ぐるみの不正 『対馬の海に沈む』窪田新之助

    本作概要 組織ぐるみの不正、巨大なノルマ、崇められる「神」 読後に自身の過去を思い出す おわりに 本作概要 本作『対馬の海に沈む』はフリーのジャーナリストの窪田新之助氏による、JA対馬所属の社員の自死と、彼の起こした不正およびその原因について迫る力作であります。 本作で第22回開高健ノンフィクション賞受賞。 組織ぐるみの不正、巨大なノルマ、崇められる「神」 一言でいうと、本作、まるでスリラーのごとく面白い。ぐんぐん読める。 共済販売を手掛けるスター役職員の自死から、彼が行っていた壮大な不正が次々と明らかになるという流れ。 あろうことかその不正はむしろ組織ぐるみで行われていたこと。更には、その不…

  • とある商店街での恋のさや当ては・・・。大人の恋愛小説 『よるのふくらみ』窪美澄

    筆者ご紹介 選書の理由 なかなかよい。こんな話 おわりに 筆者ご紹介 窪美澄氏は2010年に『ふがいない僕は空を見た』でデビュー。2022年の『夜に星を放つ』で167回直木賞受賞。そのほか各種文学賞受賞。 本作は2014年に発表された作品。 選書の理由 以前窪氏の作品『晴天の迷いクジラ』を読んで、余りにも自分のテイストと合わず、以降敬遠していた作家さんです。 で、老化の効果か、いい感じに前回読んだ作品も忘れてきて、再度チャレンジ?しようと購買に至ったものです(同じタイトルを買わなくって良かった)。 やはり、最近よく名前を聞くので、そらあ何か持っているんだろう、以前読んだものは「はずれ」なだけで…

  • 定年後の労働とお金の収支の事実。結構ホッとした! 『本当の定年後』坂本貴志

    はじめに:老後が心配な人に読んで欲しい 先ずは収支を把握 月10万のバイトでいける!? 老後の生き甲斐 DIE WITH ZEROと読み合わせる 仕事に取り組む意味 おわりに はじめに:老後が心配な人に読んで欲しい 老後2000万円問題、あるいは年金不払い・逓減の恐れ等、老後の問題に関する話題は巷間かまびすしい限りであります。 しかし、実際はどうなの?というと、ファクターが多すぎてようわからん、となってしまいがちです。もちろん、絡まった糸を解けば分かるのですが、日常で忙しい多くの方には難しい。 そのよく見えない老後の解像度を、本書はかなり上げてくれると思います。 先ずは収支を把握 私が一番良か…

  • 映像的な美しさを湛えた作品。大阪の若者たちの瞬間 『ショートカット』柴崎友香

    はじめに 選書の理由 ふんわり系!?ショートムービーになりそう 大阪らしさ、関西らしくなさ おわりに はじめに 2000年にデビューされた柴崎友香氏。2014年に「春の庭」で151回芥川賞受賞。 本作は2004年に発表された短篇集。 選書の理由 今回、はじめて柴崎氏の作品を読みました。普段から方々のブログにお邪魔しているのですが、そこで名前を見かけることが多かったから、という理由です。で、どんなんだろ、と思い手に取ってみた次第です。 ふんわり系!?ショートムービーになりそう 青春モノとカテゴライズするには大人すぎる。さりとてずっぽりと恋愛描写をするかというとそうでもありません。 しいて言えば、…

  • 怒涛の言葉の奔流。前衛も前衛過ぎてチョイ眠に 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』川上未映子

    皆さん、こんにちは。 ここ2カ月、今後の生き方の参考にするべく、ノンフィクションや自己啓発系の本を結構読んでいます。 ただ、読んだら読んだで、頭の中がこんがらがってくるんですよね。まあ知恵熱みたいなもので。 そういう時、小説は私にとって一種のシェルターであります。小説世界に没入して楽しむと。 幸い、日本に帰ってくる前にごっそりと買っておいた本の数々があります。そうして積読している本を眺める時間が好き! そんなとき、うっかりニンマリしてしまうのですが、家内に見られてはキモイといわれています。 そんなキモイタイムを経て手に取ったのが本書ですが、いやいや、むしろちょっとキツかったなー。 ということで…

  • 漢字・文字と独特なリズムが織りなす不思議世界。ちょいミステリー 『死ねばいいのに』京極夏彦

    はじめに 構成の妙と移りゆく視点。「亜佐美」の実像を探る 会話が明らかにするもの 凄い感じの漢字 おわりに はじめに 京極夏彦氏の作品、実は初めてでした。怪奇系、ミステリー系の印象のがあるのですが、とにかく点数が多いですよね。当初どれを読もうか迷いました。結果いつもの通り、一番安い(しかも中古品)のを買いました。 京極氏ですが、1994年に『姑獲鳥の夏』でデビュー。以降多産であり、多くの作品を執筆されていらっしゃいます。本作は2010年の作品で、どうやら氏の得意とする怪奇系シリーズのものからは外れる作品である様子です。 構成の妙と移りゆく視点。「亜佐美」の実像を探る さて、初めての京極作品を読…

  • 安定の村上作品短篇集 『一人称単数』村上春樹

    皆さん、こんにちは。 突然ですが、ブックオフのブックチケット、なる制度、ご存じでしょうか。 ブックオフはただでさえ安いのですが、このブックチケットは言わばプリペイド。月350円払うと店内220円(税込)以下の本と月5冊まで交換可能、というものです。 つまり5冊までだけど一冊70円で買える、というものです。 ということで、最近比較的新し目の本が読めるのはこうした制度の恩恵もあります。 さて、では本題に入ります。 はじめに 所収作品 個人的経験か、それとも創作か、での関係なく面白い おわりに はじめに 謂わずと知れた巨匠、村上春樹氏。本作は2020年に発表された作品となります。 所収作品 本作は短…

  • 経験・思い出への投資、その複利効果。だから今やる 『DIE WITH ZERO』ビル・パーキンス 翻訳:児島修

    皆さん、こんにちは。 高頻度で、生きるとか死ぬとか申し訳ないです。訪問された方からしたら、鬱陶しいですよね。娘からも、お願いだからおんなじこと繰り返さないでと、この前謂われたばかり。 でも続けます笑 この一年は今後10年を生きるための中計作成の一年にしたいのです。そして残された時間は多くないことも認識し(今すぐ死ぬわけじゃないですが)、どのようなことに時間と金とやる気を使うかを考えたいということです。 でまあ、今回の本は珍しく最近の売れ筋です。 在所の日本語新聞の週間書籍売り上げランキングでここ数カ月10位以内にランクインしている本書ですが、日本に一時帰国中ということもあり、堪らず買ってしまい…

  • 自死遺族カップルの恢復の物語 『鳥たち』吉本ばなな

    皆さん、こんにちは。 先週、在所にいたパパ友6人と飲み会をしてきました。 私は移住ですが、他は駐在の方々。同じ時期に子どもが野球をしており、その縁でこうやって今も集まることが出来ています。 今回出席していない方々も含めても、駐在で今も残っている方は僅か1名(因みに在所駐在13年目。私より長い!)。後は皆、横へ異動されたり、本帰国されたり。一番上は57歳。一番下は49歳でした。 やれ子どもが入学した、留学した、休学した、就職した、という子どもの話が中心。父親たちが練習でサポートしていた当時、子どもたちはほっぺたぷるんのチンチクリン小学生だったり、やっと中学に上がった程度。今や彼女を連れ歩いたり、…

  • アンティークに憑いたつくもがみが江戸の事件を解決する 『つくもがみ貸します』畠中恵

    はじめに つくもがみ、とは 妖怪と人間と事件 おわりに はじめに 江戸の時代小説というと、池波正太郎氏、宮部みゆき氏などが有名だと思います。その中で、ここ数年、耳遠い私のところでも畠中氏の名前がアンテナに引っかかるようになってきました。 畠中恵氏は、シリーズものを中心に時代小説を多く手掛け、とうとう私も昨年、幾つか人情モノを読ませていただきました。 で、今回はお得意の妖怪小編を読ませて頂きました。 つくもがみ、とは タイトルにもある、つくもがみ。 漢字だと付喪神、と書きます。これは、100年を超えるモノに、あやかし(妖)がつくというもの。言わば妖怪を宿したアンティークです。何か事故物件みたい。…

  • 透析患者の苦しい死に方。地方医療に光明あり 『透析を止めた日』堀川惠子

    皆さん、こんにちは。 最近、暗めというか、病・死・老などに関する本を読んでいます。 こうした事実はそれ自体は悲しいものですが、不遜な言い方をしますと、驚きの連続。 体の衰えや病など、死へ至るプロセスはとかく忌避されることが多いのですが、そのためか、知らないことが多い。故に読むと、そうなのか、と学びになります。 これらの予習が今後役に立つ、少なくとも心の準備の一端になるといいなと思います。とはいえ、机上の理論という言葉があるくらいだから、実際にはそれどころではなく『んものすごく』大変なんでしょうが。 ということで、今回は透析患者の看取りに関するノンフィクションです。 はじめに 透析というもの 「…

  • ピュアじゃない、大人の恋愛風景。そこがよい。 『ほかならぬ人へ』白石一文

    ひとこと 白石一文氏 恋愛系 ベストの相手!? 併せて楽しむ選考委員コメント おわりに ひとこと 白石氏というと、私にとっては恋愛系、というイメ―ジです。 以前読んだ『どれくらいの愛情』がなかなか良くて、今回の芥川賞受賞作を手に取りました。で、こちらもなかなか良かったというのが率直なところ。 大人な恋、みたいな。 白石一文氏 おさらいをさせてください。 白石氏は福岡県出身。大卒後文藝春秋に勤務しつつ創作活動を開始し、1992年にデビュー。『どれくらいの愛情』(2006)で芥川賞候補となり、本作『ほかならぬ人へ』(2009)で芥川賞受賞。 恋愛系 本作、中篇「ほかならぬ人へ」「かけがえのない人へ…

  • 常識的。自分を振り返るのに使えます 『50代にしておきたい17のこと』本田健

    皆さん、こんにちは。 来月5月でとうとう50になります。 しつこいようで申し訳ないのですが、未だ人生模索中。とりわけ今後10年の方向付けをしたい、と考えています。類書を乱読して、何か光明を見出したい。 そんな藁にもすがる思いでぽちっておいた本が本作。 常識的! あやしい人? シリーズ作のようです 17のこと おわりに 常識的! 買っておいてナンですが、本田氏のような自己啓発系の方は余り好きではないんです。だってみんながきちんと上手に真似できたら全員金持ちじゃないですか!みたいな。 ということで、本田氏の著作は初めてでした。 でも、猜疑心を持ちながらも著作を購入してしまう。というのも、自分にノウ…

  • 疎外感を描く圧倒的な筆力 『まちあわせ』柳美里

    皆さん、こんにちは。 リモートワークの功罪について問わず語り。 私の勤務する会社はかなりフレキシブルで、特例ではあるものの、理由があれば自宅勤務(しかも外国の実家から)を相応の長さで認めてくれる柔軟さがあります。 私の場合、親が半ボケだったり、自身も脳にメス入れていたりするので、突然ぶっ倒れたり辞められるよりもマシ、また仕事自体も完全に内勤でありリモートでも十二分に成果が出るから、ということはあります。 一方、その恩恵に浴している自身から省察すると、実は慢心が生じてくるのは否めません。慢心というか、なんだろう、”out of sight, out of mind(去るもの日々に疎し)”が、より…

  • ユルさに光る、センスと真理の言葉。か、ただのエロ 『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』みうらじゅん、リリー・フランキー

    皆さん、こんにちは。 私、もうすぐ50になるんですが、今年一年はこれからの5-10年を考える年にしたい、と考えております。 今後のキャリア、趣味、健康なども考慮すると、やはり死を意識するということは避けられません。優先順位とか、なにをやるべきで、やらぬべきか、とか。 まあ実際、これは若くても年がいってても同様に意識するべきですが、若い時はその若さゆえ、そんなことは意識できないものです。 そんなこんなで、老親のこともあり死に関連する本を渉猟しているものです。 その一環で、何か学べればよいと思い手に取ったのが今回の本でした。 はじめに 良い意味でいつも通り!? マインドフル・みうら&リリー、「本当…

  • 恵まれ過ぎる自分に罪悪感。感情の機微を滑らかに捉える 『 i アイ』西加奈子

    皆さん、こんにちは。 先週末に多摩川をぶらぶらと歩いてきました。実に6時間程度かけて25kmくらい。 川崎市から始まり、大田区、世田谷区、狛江市、調布市と辿りました。 競馬場があったり、打ちっぱなし、グラウンド(サッカーや野球)、はたまたお花見、入園・入学用の写真撮影等々、皆さん思い思いの様子で春を楽しんでいました。 やっぱり、四季は良いですねえ。 さて、本題に入ります。 はじめに こんなお話 西さんの感情を捉える珠玉の言の葉 おわりに はじめに 2004年デビューの西加奈子さん。彼女の2016年の作品。 米国男性と日本人女性の家庭に養子となったシリア人アイの物語。彼女のガラスのような繊細な心…

  • こころない発言で心を切り刻まれる容疑者城野美姫 『白ゆき姫殺人事件』湊かなえ

    はじめに 構成の妙 ネットの闇・裏の心 責任を取らない発言について おわりに はじめに いやあ、今回も面白かった。久し振りに湊氏の作品を読みました。彼女の作品を読むのはかれこれ三カ月ぶりでした。 実は本作は過去に映画も見ていましたが、その時は結末がイマイチよく理解できなかったんです。しかし、こうして原作を見て、納得して理解できた形であります。 なお本作、2012年の作品で、2014年に映画化されています。 構成の妙 さて、本作ですが、超ザックリ言うと化粧品会社の美人社員の殺人事件であります。 これを社内の関係者の証言を拾い集める形で進行します。 誰が拾い集めるかというと、同社の社員にツテがある…

  • ことばへの愛、深いコミットメントで、ルーマニア小宇宙を築く 『千葉から引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないまま小説家になった話』済東鉄腸

    皆さん、こんにちは。 突然ですが、当方が数年来考えているセカンドライフについて。 年金・貯金ともに多くないため、どうにかして就労は70前半くらいまでは継続する方向で考えています。とはいえ、その就労もできれば自分の意に沿う(趣味の延長?得意なものをいかす)ものを、みたいな、まるで夢でも見たような(寝ぼけた)ことを考えています。 現在、東南アジアくんだりですが、海外に居ると英語は概ねできると感じるようになりました。アジアの現地語も多少勉強してすこーしくらいは通じると、やはり言葉を武器にできないかとか考えてきます。得意か不得意かは自分でも分かりませんが、興味だけはあると。 頭に浮かび上がる職業は日本…

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