画像は下記サイト様から。https://www.beiz.jp/ 私の部屋にただ一人佇む人がいる。 居るはずがない人が・・・・・ 「母上・・・・・どうして・・・」 「東宮・・・・・・・・・」 淑景北舎に幽閉されているはずの母上が、何故ここに居るのだ。 私が入ってきたのを知って母上は嬉しそうな表情をしたのだ。 「東宮・・・・ありがとう・・・・ありがとう・・・」 「何をおっしゃっているのですか?」 私は母上に感謝の言葉を言われることを一切していない。 母上の目的は瑠璃姫への復讐。 それをいまだに私は達成していないのだから 感謝を述べられてもどうしようもない。 なのに母上は、私にひたすら感謝の言葉を…
画像は下記サイト様から。https://www.beiz.jp/ ははうえ~~~~~~ははうえ~~~~~~~~~ こっちかな~ねえ~ははうえ? 子供が嬉しそうに母親に色々話しかけている姿が見える。 ふふ~~~そうですよ、東宮あちらのほうにあなたの大切な姫君がお見えなのですよ。 うわ~~~~~こっちに瑠璃姫がいるんだね~~~~~ 早く会いたいなあ~瑠璃姫に・・・・・・・ まだまだ瑠璃姫には会えませんよ東宮。 まだ赤子ですからね。 でもあなたのために生まれてきたのです。 あなたは瑠璃姫を幸せにしなければなりませんよ。 もちろんですははうえ。 早く瑠璃姫に会いたいなあ~~~~ 何も知らないあの頃が私…
写真素材 pro.foto 真っ暗な暗闇の中をあたしはさまよっていた。 あたしはどうしたんだろう・・・・・ 見渡す限り真っ黒な闇。あたしは死んだんだ。 鷹男の目の前で毒薬を飲んで・・・ 鷹男はずっとあたしの命を狙っていたといっていた。 それが叶ったんだもの悲しむわけはないだろう。 それでもあたしは願う。鷹男はあたしの死を悲しんでくれているって。鷹男はあたしを憎んでいるだけじゃないって、あの優しさは本物だったから! だからあたしは自分の命を懸けてこの無謀ともいえる賭けに出たのだから! 「瑠璃姫・・・・瑠璃姫・・・・瑠璃姫・・・・・」 あたしを呼ぶ声が聞こえる。 その声に導かれながら近づいていった…
写真素材 pro.foto 弾正院宮様から聞いたことはとても驚く内容だった。 その話を聞いて、確かにあたしの命を狙う理由はそこにあるのだと思った。でも、親のしたことで、あたしが恨まれるのは違うと思うのよ。被害者からすればそう考える気持ちも分からないわけじゃないわ。 苦しくそして悲しい気持ちはその人じゃないと分からないから。でも弾正院宮様がおっしゃっていたわ。 鷹男は母君である麗景殿女御様にしばられてしまっている。長いこと長いこと。だから弾正院宮様に言われた。鷹男を救ってほしいって。 だからこそあたしは、いろいろ考えその計画を実行に移したの。これは自分の命を懸けた一世一代の賭け。 これが失敗した…
写真素材 pro.foto あたしは愛する人に命を狙われた。 弓を向けられ足に怪我をしてしまった。 あまりにも沢山の事が起こったため何もできなかったけど今はゆっくり考えることができるわ。 あんなに大きな事件が起こったというのに、あの事件はただの事故だとあっさり処理されてしまっていた 。東宮が自分の女御の命を狙ったというのに! 暴走した猪からあたしを助けようと鷹男の部下である若い公達に矢を射られた。そして猪に当てるつもりが誤って怪我をおわせてしまった。 若い公達は、あたしに怪我を負わせた責務でしばらく謹慎処分に処された。そして自分の部下がしでかしたことだといい鷹男も自ら謹慎することになった。 こ…
写真素材 pro.foto あ~~~~今日もいい天気。 風が吹いて気持ちがいいわ。実はあたしは、本当に外に出ているの。それもお忍びじゃなくて公式な行事として後宮から外に出ることを許されているのよ。 まだ正式な女御じゃないから、外に出る許可を頂いてきたの。 今日は鷹男や若い公達たちが鷹狩りをするということで、あたしは隅っこのほうで見学を許されていた。初めて鷹狩りを見るわ。皆腕を振るいながら狩りを楽しんでいる。イイナ~~~あたしも出来るんだったらやりたいな。そう思いながら鷹狩りを眺めていたの。 そのときだった。 誰かの悲鳴声がこの場を支配する。 「梨壷の女御様~~~~逃げてください!」 え!?何な…
写真素材 pro.foto 瑠・様・・・瑠・様・・・・・・・・ 瑠・様・・・・・・・・・ また誰かがあたしを呼ぶ声がする。 そして! ばさっと! あたしはすぐに飛び起きた! ここがどこなのか確認もせず部屋を飛び出そうとしたとき 「瑠璃さま!!!!!どうされたのです!?」 「え!?」 瑠璃?????????? あたしは名前を呼ぶ人の顔を眺める 「あれ??????小萩?」 「はい!そうです。しかし一体どうなさったのでございますか?そんな血相なお顔で! もう高彬様が門の中に入ったと連絡がございましたのでお知らせに参ったのに」 そんな・・・・・・・まさかあれは夢だったって言うの? あまりにも長い長い夢…
写真素材 pro.foto あたしはひたすら歩いた。どこをどう歩いたのか分からず闇雲に廊下を渡っていく。 その時誰かとあたしはぶつかってしまった。 「一体何者です!」 厳しい女性の声が咎める。 あたしは誰とぶつかったのか顔を上げる。 その時あたしの顔に気が付いた女性が驚きの声を上げる。 「梨壺の女御様!」 誰?見知らぬ女性に名前を言われても分からないわ。 あたしの名前を呼んだ女性はすぐさま部屋の中に入ってしまった。 でもすぐにあたしに向かって部屋の中に入るように手招きをされたの。 あたしはそのままその手に招かれて中に入る。 それと同時に中の女房達は全て部屋を出て行ってしまったの。 「梨壺の女御…
写真素材 pro.foto どれだけ姫を想っても姫は私に答えてくれなかった。 どれほど私が瑠璃姫に恋焦がれているのかあなたは分からないのでしょうね。 私はあなただけを生涯愛し続けることを誓います。 もう、あなたは手の届かないところにいってしまったが それでも私はあなただけを愛していたのですよ。 瑠璃姫・・・・・・・あなただけを・・・・・・・・・・ 星に願いを☆彡 あたしはついに高彬と結婚することが決まった。 今日は高彬と初夜を迎える日。 やっとあたしは高彬の妻になるの。 でも本当に高彬を愛しているわけではないの。 あたしが本当に愛しているのは東宮である鷹男なの。 でも、あたしは鷹男を選ばず高彬…
写真素材 pro.foto 幸せな日々が続いた。 鷹男はとても優しく頼りがいがあった。 だからこそ後宮での暮らしも何とか耐えられた。 何事もない暮らしに見えたけど、実はさまざまな嫌がらせが梨壷にあった。 それにも耐えられるのはやっぱり鷹男がいたから。 急に吉野から現れ、鷹男の寵愛を一身に受けているあたしは、他のもの達からすれば邪魔なものに映っていたのだろう。 物が無くなるのはしょっちゅうだったし物の怪騒ぎもあった。 でも、あたしは物の怪騒ぎがあっても信じていなかった。 物の怪とは人間の仕業に違いないから。 だから誰かの嫌がらせだと思い、信じなかった。 あたしにそんな嫌がらせは通用しないんだから…
写真素材 pro.foto それは・・・・・・ 「融!一体外で何をしているのです。」 「あっ!?父さま?」 「父さまではありません。庭園に出て周りのものが見たら普請がるにちがいありませんぞ。」 「でも~」 そう融が父様に一生懸命に説明していたときようやくあたしに気がついたのよ。 「瑠璃!!!!!そなたが何故後宮の外に出ているのです。まさか抜け出したのではないですか!!」 父様は顔を真っ赤にして怒鳴りだしたの。 「あたしは・・・・」 自分でここに来たわけじゃない。ここへは鷹男があたしの気持ちを分かってくれて連れてきてくれただけ。でも父様の姿を見るとなぜか反論が出来ない。 どうしたら・・・・・ そ…
写真素材 pro.foto あれから変わらず鷹男は毎日ご機嫌伺いにやってくる。そして沢山の贈り物と共に。美味しいお菓子のときや珍しい唐から伝わった物語や楽器などさまざまなものを届けてくれる。 慣れない後宮での生活だったけど鷹男の心遣いのおかげであたしはあんなに嫌だった後宮での生活が苦にならなくなっていたのよ。 そんなある日のこと。 いつものように鷹男は梨壷にやってきた。 でもあたしに手を差し伸べた後行き先も告げずにスタスタと歩き出してしまったの。 一体どういうことなのか分からずに聞いてみると内緒だといいそれ以上多くは語ってくれなかった。 だけど鷹男の温かい手に差し伸べられたのだもの。 悪いよう…
写真素材 pro.foto あんなに吉野に帰りたいと思っていたのに、自分が鷹男に恋したと自覚した途端もう吉野に帰ろうという気持ちはおさまっていったの。 変わりについ鷹男のことを思い浮かべてしまうのよ。 あたしは今まで恋をしたことがない。 吉野から出ることは許されていなかったから男性への免疫は極端になかったといえるわ。 でもね~あたしにとって会ったことがなくても生まれながらの婚約者だった鷹男には深い思いれがあったの。 多分鷹男は覚えていないかもしれないけれど、あたしがまだ幼い頃鷹男から何度も文をもらっていた。 鷹男が幼い頃に書いたと思われる拙い字で書かれた文をあたしは大切に大切に保管していたの。…
写真素材 pro.foto あたしは吉野から出たことがない。 吉野で生まれ、吉野で育った。 母様はお体が弱く京であたしを産むことができないため、静養を兼ねて一時期吉野で暮らしていたそうよ。 そしてあたしは無事に生まれたの。 でも生まれたばかりのあたしを京につれていくことは出来ず、あたしだけ吉野で暮らすことになってしまった。そして月日が経ってもあたしを母様も父さまも京に呼ぶこともなく、会いに来ることもなく寂しい生活をしていたわ。 幼い頃は両親に会いたくて会いたくて京にいきたくて仕方がなかった。 でも何度も両親に文を届けさせても、あたしは京へ迎えられることはなかったの。 そうしていつの間にか京へ行…
写真素材 pro.foto 私の目の前で天女が舞っている。 それほど美しく素晴らしいものだった。 ここは吉野。 天武天皇が吉野にいる時天女が舞を舞ったという伝説がある。 そう思えるほどその景色は幻想的だったのだ。 私は瑠璃姫が隠れる場所を女房に聞いた。 吉野はきたのは初めてではないが 土地勘はなく女房に聞いた場所に無事にたどり着くかは分からない。 しかし絶対に瑠璃姫を京に連れ帰りたいのだ。 私の計画のためにも。 そう思いながらフラフラと山の中を歩いているうちに自分がどこを歩いているのか分からなくなっていた。 そんな中、うっすらと何か声がしたのだ。 それは声なのか分からないが、私はそれに魅かれて…
写真素材 pro.foto 失礼な出会いをしたあたし達は結局小萩に促されて邸へと戻っていったの。 そこで先ほどの男と挨拶を交わすことになったの。 あたしは御簾の中に入ってその男を観察していた。 あたしは今14歳。 多分少しだけ私よりも年がいっている感じがする。 名前は鷹男と名乗っていたわ。 落ち着きがあって今じっくり見てみると 美男子だわ。 声もいいしあんな酷い出会いじゃなければ あたしはウットリして 話を聞いていたかもしれない。 でも先ほどの無礼な物言いをあたしは忘れたわけじゃないわ。 どれだけ言葉を丁寧にされても、綺麗な挨拶をされてもあたしは虚しいだけ。 先ほどのことは一体なんだったんだろ…
写真素材 pro.foto 会いたい・・・・・・・・・会いたい・・・・・・・・・・・・あなたに会いたい・・・・・・・・・・・どうしてあなたはあたしに会いに来てくれないの?あたしはずっとずっと待っているのに、どうして?会いたい気持ちは募るばかりなのに あなたの姿は分からないの。早く会って気持ちを確認させて頂戴。お願いよ・・・・・・・・会いたい・・・・・会いたい・・・・・・・・・君に会いたい・・・・・・・・・・・君に早く会うために勉学に励んだし武術も鍛えた。そうして君に相応しくなるために頑張った。それなのにどうしてなんだ!一夜にしてこの気持ちは無になってしまった。この狂おしい気持ちを どうぶつけれ…
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