10代で「業界デビュー」したものの、全く馴染めずすぐに撤退。自分なりの稼ぎ方を失敗しながらも模索中。
ブログという「未知の世界」に飛び込んで、今日で80日目。今年最後の記事になる。 自分の思考の痕跡を残しておく密かな「アーカイブ」になればと思い、友人たちにも内緒で記事を書き始めた。思考の整理が進むほど、自分の内側に貯め込んできた「テーマ」の様なものに気付かされ、「言語化」しておくことのメリットを感じている。 自分が普段考えていることは、わかっているようでわかっていない。ブログを始めてみたことによる最もわかりやすい「効果」として、他人との会話が少し「スムーズ」になった気がする。 思考や感情を言語化しておくことで、会話の時にその痕跡を「トレース」するだけで済んでいる部分があり、多少なりとも「理路整…
仕事を終え寒い夜道を歩き、いつもお世話になっているカフェに辿り着く。店に入ると、「だし」の薫りが一瞬で寒さを忘れさせてくれた。 カフェでの忘年会に、東京の下町で老舗の食堂を営む友人が、何日も手間暇をかけて作った「おでん」を持ってきてくれていた。材料の買い出しや仕込みにかかっている膨大なエネルギーを感じながら、熱々のおでんをゆっくりといただく。 彼のお店は、魚料理をメインにした「和食」を提供しているのだが、すぐには店を継がず、南フランスで修行をし都内の高級ホテルで「洋食」のシェフとして腕を磨いた。 「自分の代になったら、新しいことをやってみたい」 和食の魅力を知りつつも、フランス料理の奥深さを学…
今年、ある音楽フェスにボランティアとして参加した。全国的な知名度を持つフェスなのだが、「核」になって動けるスタッフが圧倒的に不足していると聞き、「ローカルシーンの形成」をテーマにしている僕としては、いろいろと学べる機会だと思い関わることにした。 フェスでの体験は、僕にとって貴重な経験になったことは間違いないのだが、来年も参加するかどうかは、正直躊躇している。おそらく、参加しないことになる可能性が高い。 何万人もの観客が押し寄せるフェスを運営するのは、当然ながら容易ではない。半年以上前から準備を始め、行政とのやりとりや、会場の選択、招聘アーティストとの交渉、協賛金の確保、出演者の募集と事前説明な…
何かに「挑戦」してみた人は、必ず「失敗」もしてきている。その数が多ければ多いほど、「また立ち上がるチカラ」が強い人だろう。 成功や失敗をどんな基準で考えるのかは、当然ながら人それぞれで、「常識」で測れるような代物では無い。他人から見れば「深刻」な失敗でも、本人がそれをどう受け止めるのかは、本人の「自由」だ。 いわゆる「世間体」を自分の価値観の基準に置いてしまえば、自分がしてきたことの「偏差値」を他人が決めてくれるから、ラクだ。お手本の無い独自性の高いことをしようと思えば、他人が付けてくる「点数」などに構っていられない。 「失敗」には、それに伴う「代償」が付きまとう。普通の「オトナ」としての生活…
眠れない夜がある。きっと誰にでもある。 自分の心をコントロールすることは、本当に難しい。自らの意思とは関係の無い場所で、何処かへコロコロと転がってゆく。気分が塞ぐと身動きできなくなるくらい、僕の「全て」を司っている。 僕は「人」が好きだ。そして一番苦手なのもまた「人」だ。 僕が心を閉ざしてしまう時の理由は、「人」との関係。一番元気をもらうのも、同じだ。近づいたり離れたり、良かったり悪かったり、まるで打ち寄せる「波」のよう。 眠れない時、僕は全ての思考を「外す」ようにしている。言うほど簡単では無いが、とにかくまともに「向き合う」ことを辞めてしまうことで、その場の「波」からとりあえず逃れる。 向き…
僕が暮らす街に、とても腕のいい「ギター職人」さんがいる。彼の存在を知ったのは、1年ほど前になる。 車でよく通る道に、以前から「気になるお店」があった。花屋さんなのだが、遠目に見る限りどうも「ギターらしきもの」がディスプレイされていて、「ギター好きの店員さんがいるのかな?」と、印象に残っていたのだが、駐車場も無くなかなか寄る機会が無かった。 実際に行ってみると、店内のスペースの半分が花屋さん、もう半分がギターショップになっていて、普通の楽器屋さんに通い慣れている僕は、まずその目新しさに驚いた。 展示販売されているギターは、中古のエレキギターを中心に20本ほどで、オーナーさんが直接メンテナンスした…
今夜、小田和正さんが様々なゲストと一夜限りのセッションをする音楽番組「クリスマスの約束2019」が放送される。 クリスマスの約束2019 番組公式ページ https://www.tbs.co.jp/xmas-yakusoku/ 「音楽番組」はいろいろあるが、こんなに良心的に創っているものはなかなか無いと言い切れるので、ぜひ観て欲しいと思う。 何が「良心的」なのかと言えば、制作期間が今どき異様に長い。時間をかけて、ゲストやスタッフと入念な準備をしている。番組を創る以上そんなことは「当然」だと思われるかもしれないが、残念ながらそうでは無い。 「合理化」の名のもとに、失われてしまったものがたくさんあ…
「流し」という職業がある。主に居酒屋さんなどにギター1本を持って行き、客のリクエストに応えることで謝礼をもらうという仕事だ。以前は歓楽街などに当然のように存在していたのだが、「呑むスタイル」の変化や、そもそも若い世代を中心に呑む機会が激減していることもあり、聞いた話だが今では全盛期の10パーセントほどの人数しかいないらしい。 僕の生徒さんに以前「流し」をやっていた方がいたが、バブルの頃は客の気前も良く、チップを貯めてベンツを購入したという話を、古き良き想い出として話してくれたことを覚えている。 当時「流し」として登録するには、3000曲のレパートリーが必要だったと聞き、本当に驚いた。僕もリクエ…
「武勇伝」はイラナイ 初対面で、「自分語り」ばかりする人が苦手だ。僕にとって、その人の「実績」や「知名度」、「輝かしい人脈」なんて、全く興味が無い。それらは、あくまでも「人柄」に対する「オマケ」でしか無い。 本人にとっては自慢話のつもりかもしれないが、その手の「武勇伝」を聞かされるほど、その人の「軽さ」ばかりが印象に残り、せいぜい愛想笑い(半笑い)でもしてあげるしか無くなってしまう。僕が知りたいのは、その人の「今」でしかないし、「何を大切にしているのか」ということだけだ。 自分が努力して手に入れてきたものは、「財産」であることには違いないが、それが他人にとっても価値のあるものであるかは相手が決…
先日、ある本屋さんの忘年会に参加させていただいた。様々な人たちの交流の場になっているということもあり、多種多様な生き方をしている人たちとお話しさせていただき、あっという間に時間が過ぎていった。 僕は「本屋さん」が好きだ。もしかすると、本より本屋さんが好きなのかもしれない。ずらっと並んでいる本を眺めているだけでも、知的好奇心を強く刺激されてわくわくしてくる。立ち読みしている人たちも、きっと何かが知りたくて来ているだろうし、店員さんもきっと本好きに違いない。そんなイメージが本屋さんにはある。 小学校低学年の時に転校した僕は、知らない場所で友人もいない「孤独」を味わい、記憶してはいないのだがある期間…
僕のようなフリーランスで仕事をしている人間にとって、「人脈」はとても大切だ。人が集まる場所には積極的に出かけてゆき、「顔を売る」必要がある。このブログのテーマである「ローカルシーンの形成」にとっても、街で暮らす様々な人たちと誠実な関係性を創っていくことは、大きな課題になる。 より多くの人脈を持つことが大切なのは間違いないが、「量」よりも「質」について考えていかないと、知人は多いが仕事や未来には繋がらないことになりかねない。自分が何をしたいのかということを把握するために、動きながらも自分を掘り下げてみることが必要になる。 人も街も常に変化している以上、アタマの中だけでいろいろこねくり回しているだ…
誰の言葉だったか、もしかしたら僕のオリジナル?まあでも、似たようなことを言っている人はいると思う。「気付いた時が最速」。この言葉は、「超」がつくほどの楽天家である僕との相性が抜群に良い。 中学生の時、弱小野球部に所属していた僕は、最後の夏の大会で早々に一回戦負けを喫し、夏休みの間に進路について考えていた。進学?就職?本当は、中学卒業のタイミングで、アメリカに留学したかったのだが、両親に猛反対され、仕方なく近所にできた新設の高校に通うことになった。 その時の僕は、15歳。19歳で音楽業界に入り、すぐに挫折を経験することになる。 挫折してからの僕は、持ち前の「楽天家」が身を潜めてしまい、業界の激し…
音楽講師を長年やっているが、時折僕の「先生」としての評価を耳にする。ありがたいことに概ね好意的な評価みたいだが、そもそも「良い先生」とはどんな存在だろう? 仕事で教えさせてもらっている以上、少しでも「良い先生」であろうとはしてきたつもりだが、いざレッスンが始まると夢中になってやってしまっているだけのような気がする。これでは「プロ失格」なのかもしれないが、ビジネスとしての戦略性には欠けていても、自分のペースや信条を守ってきたからこそ、長年やってこれたのだと思う。 音楽のレッスン講師という仕事も、当然ながら世の中の競争に晒されている。ビジネスとして成功させる、もしくは失敗しないためには、競合相手と…
シンガーソングライターとしての僕の日常として、曲を書く作業がある。毎日書けるわけではないし、特にここ数年はなかなか書けなかったのだが、ある映画のロケに同行させていただいたことをきっかけに、モノを作り上げる楽しさを想い出し、久しぶりに書き始めている。 曲を書く手法はいろいろあるが、単なる「音遊び」にはしたくないので、「何を伝えたいのか?」を先に考えておくのだが、僕の場合は「人」をテーマにすることが多い。印象的な出会いや、心に残しておきたい話など、ドキュメンタリー番組を創るような感覚でイメージを膨らませてみる。 曲の題材だからと言って、特別な「ドラマ性」が必要なわけでもなく、むしろ日常の中にあるさ…
僕が住んでいるエリアには、新しい街のせいか大きなマンションが立ち並ぶ。そして、山育ちの僕の感覚的には驚くほど山が遠く、海も近いとは言えない。でも数年暮らしていると、この街の良さも見えてくる。 日常の何気ない瞬間の中でも、自分の「感度」さえ上げておけば、意外なほど豊かな「季節感」を味わうことができる。 ウチには猫が4人いるのだが、一番若い子は好奇心旺盛で窓から外を眺めるのが好きだ。特別見晴らしが良いわけでは無いのだが、一日中飽きずに何かを見ている。この時期には色づく樹々が見えるので、もしかしたら季節の移り変わりを堪能しているのかもしれない。猫の目には、どんな風に映っているのかな? 僕が契約してい…
写真が好きで、いつもカメラを持ち歩いている。以前は主に風景を撮っていたのだが、一番良く撮っていた頃は夜明け前に現地に到着するために、真夜中に出発していた。その頃に撮りためていた写真は、このブログでも使っている。 最近は、コンパクトカメラをバッグには入れてあるものの、よほど心が動かない限り撮らなくなっている。撮影のために遠出することも無くなった。仕事絡みで遠出する際には、空き時間があれば少し撮るくらいだ。 写真に対する情熱が冷めてしまったわけではない。猛烈に「人」が撮りたくなってしまったのだ。 肖像権などの問題で、気軽に人が撮れなくなって久しいが、街歩きをしながら行き過ぎる人の表情を撮るなんて、…
僕は、やると決めたことなら夢中になってやれる。逆に言えば、興味のないことには残酷なほどに素っ気ない。 残念ながら最近行けてないが、バッティングセンターにハマっていた時は、一日中バットを振っていた。部屋にもミニバットが置いてあり、フォームの確認に使っている。 中学生の頃、弱小野球部にいたのだが、ルールもろくに知らないまま3年間やってしまった。野球が大好きだった祖父に少しでも恩返しできたらと入部したのだが、ハードな練習についてゆくのが精一杯で、野球のことを知る余裕も無かった。 大人になって一人暮らしを始めた時に、隣室のおじさんが草野球をやっていたのでチームに参加させてもらったのだが、強豪校出身の人…
高校生の時に、バイトして買った4チャンネルのマルチトラックレコーダーがある。カセットテープを使うのだが、今聴いても音質はなかなか良い。久しぶりに動かしてみたら、流石に不具合が出てきているので、オークションで同じものを探したのたが見つからず、同じメーカーの違うものを落札して使ってみた。 驚くほど安く落札できたのだが、動作は良好。さっそくレコーディングしてみると、高校生の頃の記憶が鮮明に蘇る。カセットテープの再生や停止する時の「ガチャコン」という音が好きだ。 音楽制作の仕事では、利便性からパソコンを使うことがほとんどだが、自分のための曲はカセットテープのレコーダーを使いたくなる。確かに面倒な部分は…
弱さの中でこそ感じとれるもの。〈「曲を書ける自分」の厄介さ〉
久しぶりに曲を書きあげてから、数日が経過した。曲を書く時のクリエイティブなモードのまま日常生活を送っているが、これがなかなか難しい。 普段からそういうモードにいられれば、ギャップに苦しむこともないのかもしれないが、数年ぶりに書き上げただけに、普段おおざっぱな僕が繊細な状態にいることに違和感があったりする。 考えてみれば、このブログを始めた2ヵ月前、集中して文章を書くという不慣れな作業に挑戦するということもあって、普段とは異なるモードに入ろうとはしていたのだろう。継続してみると、少しずつではあるが習慣化してきている。 曲を書くという作業は僕の本業でありながら、長期間書けずにいた。正確に言えば、「…
僕が住んでいるマンションからは、貨物列車の「ガタンゴトン」という音がよく聴こえる。窓を閉め切っていてもかなりの音量で聴こえてくるが、そんなに嫌な音ではない。電話していても、相手から「なんの音?」と質問されるくらいには聴こえているようで、友人たちにとってもこの部屋と貨物列車の音はセットで記憶されてゆくのだろう。 自称「引っ越しマニア」の僕は、今までに数十回の転居をしてきたが、それぞれの部屋に想い出がある。特に、部屋にいて聴こえてきた「音」は、印象深い記憶になっている。 都内の潰れたパチンコ屋の1フロアーを借り切って、音楽三昧の生活をしていた時は、すぐそばにあった踏切の音を覚えている。レコーディン…
放浪していた時に、長期間滞在していた湖がある。観光地としても著名な場所だが、僕が惹かれたのは湖のほとりに静かに佇む「龍神様」だった。 信仰心などとは無縁な僕でも、自然に対する「畏敬の念」くらいは持っている。子供の頃に一人で遊んだ小さな山で、遠くから聴こえて来る雷鳴に恐怖を感じたり、よく遊んでいた小川で溺れかけたりするうちに、いつのまにか心に刻み込まれた感覚だと思っている。 観光客で賑わうエリアから、少し離れた場所に「龍神様」へ続く道がある。森の中を歩いてゆくと、湖のほとりに降りるための梯子がかかっているのだが、一瞬躊躇するほどの絶壁を降りて行かなければならない。 高い所が得意とは言えない僕だが…
知り合いに、凄い人がいる。ある震災の時に避難所のリーダーとして大活躍し、「明るい避難所」として有名になり、一部の被災者からは「居心地が良いから自宅に帰りたくない」という声まであったらしい。 彼がやったことを無理やり要約すれば、「責任はオレが持つ」から、被災者が必要としていることを個別にヒアリングしスピーディーに処理していくことと、優先順位の最上位に「人間の本能的な欲求」を置き、眠れる環境作りやトイレの整備などを、行政には頼らずに仲間でどんどんこなしていったそうだ。 避難所で「レジェンド」となった彼の決断力と行動力は、どこから来ているのだろうか? 彼に避難所での体験談を聞かせてもらった時、その話…
ボランティアで、街の自治会館で演奏した。以前にも同じ市内にある別の自治会館で演奏する機会があり、そのご縁で紹介していただいた。セットリストは「お任せします」とのことだったので、年配の方が多いことを考慮しいわゆる「昭和歌謡」中心にした。 最初のご縁は、僕が以前関わっていた本屋さんで、僕の伴奏で無料で歌っていただける場を企画していたのだが、そこに近所の自治会でボランティアスタッフをされている方が遊びに来てくれたことだった。 自治会は多くの方のボランティアで成り立っているが、僕が演奏で参加させていただくことを「大切に」扱ってくれることが、皆さんの人柄からヒシヒシと伝わってきたのでお受けした。と言うの…
ギターを弾き始めたのは、15歳の時。田舎育ちの僕は、近所に楽器屋も音楽スタジオも無く、弦が切れたら自転車で2時間かけて買いに行くしか無かった。 そんな田舎でも音楽好きの仲間には恵まれ、バンドを組むには苦労しなかった。友人の家のプレハブ小屋に楽器を持ち寄り、爆音で練習しても苦情が来なかったのは、田舎ならではの良さだった。 そして、10代のうちにまがりなりにもプロになれたわけだが、一番大きかったのは父とのセッションだろう。ジャズドラマー崩れの父の部屋からは、日曜日になると爆音でいつも音楽が流れていた。狭い我が家では、家中に聴こえてくる。僕にとって、父は僕専用の「DJ」でもあった。 高校生の時、毎週…
京都に行くと、いつもその「奥深さ」に感動してしまう。僕にとって、なにげない路地をなんとなく歩いているだけでも、感性を強く刺激してくる街だ。 前回訪れた時の話。路線バスに乗ったら、隣に着物の着こなしが素晴らしい女性が座った。思わず「とてもよくお似合いですね」と声を掛けてしまったのだが、いろいろお話しさせていただくと、あらためて京都という町が持つ魅力の一面を知った。 京都出身の彼女は、ご主人がオーストラリアの方で、結婚と同時に移住。今回は、毎年あるお寺で開催されている「着物バザー」で掘り出し物を見つけるために帰国。 バザーでは驚くような低価格で古い着物が購入できるそうで、 「今来ている私の着物、い…
僕にとって「仕事場」でもある音楽用のレンタルスタジオに、楽器を弾いている友人たちと行ってみた。楽器を持って駅前を仲間と歩くなんて、かなり久しぶりで新鮮だった。 スタジオに初めて行く友人は、多少緊張していたらしい。慣れない場所に行くのは、誰でも最初は構えてしまうものだ。その姿を見ていると、楽器を始めた頃の感覚を思い出す。スタジオには、「上手い人」しか来てはいけないというイメージを持っていたらしく、実際に体験してもらうことで、人と演奏する楽しさを少しでも伝えられればと思う。 割と最近できたスタジオでもあり、綺麗な店内、まだ新しい機材、楽器のレンタルも豊富に用意されていて、手ぶらで行っても楽しめる。…
音楽=バンドだった 僕が音楽を始めたきっかけは、「バンド」だった。同級生とコピーバンドを組んで、学校の文化祭でライブをやる。その目標のために、楽器を買い、スタジオで練習して、ファミレスあたりで反省会もどきをやる日々は、純粋に楽しかった。 僕は「凝り性」なので、やる以上は徹底的にやらないと気が済まず、同級生バンドでは物足りなくなり、レベルが高いと評判のバンドに加入し、他校の文化祭に「お忍び」で出たりしていた。 そういう行動は、同級生からすれば「裏切り行為」であり、口をきいてくれなくなったりもしたが、時間が経つにつれて和解できた。元々僕は、ギターを買う前からプロを目指して音楽を始めていたこともあっ…
数年ぶりに、歌詞を書く作業と真剣に向き合っている。ブランクがあると、どうやって書いていたのか我ながら忘れている部分も多い。 もちろん書き方に決まりがあるわけではないが、「自分なりのやり方」はある。久しぶりの作業の中で感じていることを、記録しておく。 自分が歌うのか、他人が歌うのか 自分で歌う場合と、他人に提供する場合の差は、「キャラクター」をどう設定するかだ。自分の曲なら、自然体で書いてしまえることもあるが、他人に渡すとなるとそうはいかない。 そのシンガーが「言いそうなこと」や「考えそうなこと」を想像しながら書いてゆく。今回は他人に提供するものを書いているのだが、事前の打ち合わせでシンガーの人…
「無料」の難しさ 僕は一時期、誰でも参加できるように無料で歌える場を提供していたことがある。基本的に僕が伴奏をして、歌いたい人に歌ってもらうのだが、僕の中では「失敗体験」になっている。 思ったよりも多くの人に参加してもらい、「閑古鳥」にはならずに済んでいたのだが、参加者の中には「無料」だからこそ参加している人が少なからずいて、場の雰囲気を壊されてしまうことが何度かあった。 これは、僕の「無料」というフィルターに対するコンセプトが不足していたことによる失敗だった。「無料だから気軽に来て下さい」をやってしまった結果、他の参加者の気分を害する言動や、場に対する配慮に欠ける行いが目についても、コンセプ…
僕の中の「基準」を創った人がいる。 その彼は、ドイツで数年間ピアニストとしての修業をし、日本に帰国してきたばかりだった。当時僕が19歳、彼は16歳。 僕はバックバンドのギタリストとしてオーディションに合格したものの、早々に辞めてしまい、そのまま一年ほどの放浪の旅を終えたタイミングで彼に出会った。 関連記事 僕が放浪した(できた)理由。 https://okikobo.hatenablog.com/entry/2019/11/10/070000 彼に初めて会った時の「衝撃」は、今でも鮮明に覚えている。 「彼」のエピソード 日本人離れした顔つき、ガリガリに痩せ細った体形、くるぶしまで伸びた髪。 一…
「古民家」を守る 良く写真を撮らせていただく古民家がある。 そこは「記念館」として一般公開されていて、誰でも見学できるようになっている。僕もカメラを持って何度か寄らせていただいたのだが、とても気さくなオーナーさんで、様々な話をさせていただくうちに、顔を覚えていただいた。 「私はこの家で育ったので、訪れる子供さんたちが自分と同じように走り回れるようにしている」 築100年近い家の中には、歴史の教科書に出てくる「偉人」たちの揮毫が立派な額に飾られている。この地域に訪れる際の宿泊所でもあったらしい。 窓に使われている紋様の入ったガラスや、精巧に作られた欄干など、もう修理できる職人を見つけることが困難…
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