10代で「業界デビュー」したものの、全く馴染めずすぐに撤退。自分なりの稼ぎ方を失敗しながらも模索中。
過去は無関係 僕は初対面の時に、自分の過去の実績や著名人との交友関係をひけらかす人とは、深い付き合いをしないことにしている。同時に、僕自身のキャリアについて話すことも、ほとんどない。 「こんなすごいことをやってきた」とか、「こんな有名人と知り合いだ」という情報は、僕にとって無価値である。「今のあなた」に関心を持てるかどうかが全てであり、過去や交友関係を知ったところで、「あなた」に対する評価にマイナスに働くことはあってもプラスに働くことはない。 どんな人と付き合ってゆくのか? もし自分が今後付き合ってゆくべき人間に、ある程度の「レベル」を求めるなら、その人の価値基準がどこにあるのかを見極める必要…
スキルの価値 自分が属しているコミュニティーの中で、自分が持っているスキルの価値を理解してもらうには、どうすれば良いのだろうか? プロであれば通常、様々なルートで仕事を取っているだろうが、ここで言う「スキルの価値」とは、プロもアマも関係なく、友人や知人の間でのやりとりについてに限定したい。と言うのは、そういう自分が関わっているコミュニティーの中で、それぞれが持っているスキルについての理解が進まないと、一方的に「損をする」人が出てきてしまい、消耗させてしまうからだ。 様々な人が属することができるコミュニティーこそ、価値が高いはずなのだが、こういう「人をタダで使う」ような風潮が蔓延してしまえば、ク…
冬が近づくと、思い出す猫がいる。 2年前の冷たい雨が降る夜に、マンションの駐車場で白い子猫に会った。 雨が降っていたせいだろうか、真っ白に輝いて見えた。 冬は、外で暮らす猫たちにとって苛酷な季節だ。 特に子猫は、春まで生き延びることができる確率は、極めて低い。 「ウチにもお友達の猫さんがいるから、困ったらウチへおいで」 近づこうとすると逃げてしまうので、そう言ってあげることしかできなかった。 その夜、自室で作業していると、ベランダで物音がした。 窓を開けてみると、その子猫が来ていた。 「本当に来てくれたの?」 嬉しくなって網戸を開けようとしたのだが、驚いたのか逃げてしまった。 しばらくして、ま…
カバーを歌うプレッシャー ボランティアで施設などで歌わせていただく機会がある。ご年配の方が多いので、選曲もそれに合わせたものになることがほとんどだが、普段ステージで緊張しない僕でも、このケースでは多少緊張することがある。 正確に言えば、カバー曲を歌うプレッシャーを普段よりも強烈に感じる。それぞれの曲に、聴く人それぞれの「想い」があり、僕が歌うことで簡単に想い出を「台無し」にしてしまうこともできるからだ。 原曲を超えるようなパフォーマンスなど望まれてはいないが、最低限「想い出を汚さない」ことを意識して準備する。事前にリクエストされた曲を僕がその時点では知らなくても、リクエストした本人以上にその曲…
イベントなどでPAをしていると、マイクの使い方を知らない出演者がけっこう多く、もったいないことになっている。マイクは、自分の声やメッセージを届けるための心強い「味方」なので、扱い方を理解しておいたほうが有利だ。 マイクの種類 マイクは、音を拾う範囲(指向性)が広いものと狭いものがある。アマチュア主体のイベントでは、マイクの使い方を知らない人も多いので、広めに集音できるタイプのものを使っている場合が多い。 通常使用されているマイクは、「ダイナミックマイク」と呼ばれるもので、耐久性や汎用性が高い。最近では高音質なものも市販されているし、太い音が出せるものが多いので、声質によっては相性も良い。 レコ…
シンガーのバックで演奏する「歌伴」の仕事をして、いつの間にか自分でも驚くほどの年月が経った。そもそも、「業界」に入ったきっかけも、バックバンドの仕事からだったので、僕の音楽的なキャリアのほとんどが「歌伴」ということになる。 ここ数年は、バンドとしての仕事よりもギターやピアノを僕一人で演奏する形のほうが多くなっている。バンドの人間関係の面倒な部分が無い分、気楽ではある。 「出しゃばらない」技術 「歌伴」の仕事で気をつけているのは、とにかく「出しゃばらない」ことだ。主役は当然ながらシンガーである以上は、僕のギターやピアノの演奏が「評価」されてしまったら負けだと思っている。 先日のライブでも「歌伴」…
珈琲通の友人 いつも美味しい珈琲を淹れてくれる友人がいる。彼自身が大の珈琲好きであり、何十年も自分好みの味を追求してきた結果としての「美味しさ」を、惜しげもなく僕に提供してくれる。 自宅で豆を手間暇かけて焙煎し、ブレンドの割合も日夜研究を重ねている彼の、珈琲に対する情熱に触れているだけでも刺激的だ。焙煎している時の豊かな珈琲の薫りは、挽いてある豆を買ってくるだけの僕には、未知の世界を垣間見るような感覚がある。 カフェの経営者でもある彼のこだわりの味に慣れたせいか、いつの間にか僕自身も珈琲通のような感覚になってきている。少なくとも、彼に出会う前まではわからなかった味の「違い」に、かなり敏感になっ…
僕は基本的に「歌もの」の作曲や編曲の仕事をしているが、以前は映像に音を付ける仕事がメインだった。歌う前提の曲作りと、映像(映画)を引き立てるための音作りは、大きく異なる。 最近、また映像関連の音作りをすることになりそうなので、アタマの中の整理をしておく意味でも、その違いについて考えてみる。 歌ものの「作曲」 歌ものを作る=メロディーを作るということになるが、仕事である以上当然〆切があり、それまでに要望にあったアイデアに辿り着けるかどうかが勝負になる。コンスタントに作曲の仕事を受けるには、良いメロディーのストックもしておかないと苦しくなってくる。 僕の場合、メロディーは「作る」という感覚ではなく…
「最後」のライブ 今夜、あるお店でライブがある。今年に入ってそのお店の存在を知り、3回ほど演奏させていただいただけだが、4回目になる今夜のライブは今までとは違うものになる。 そのお店は、地域の「サロン」として6年間やってきたのだが、先日オーナーさんが亡くなり、今月いっぱいで閉店することになったので、今夜のライブが「最後」になる。 オーナーさんとは春先に一度だけお会いしたことがあるが、ずっと闘病生活を送っていたらしい。利益度外視の消耗戦を6年間も続けて来られて、心身共に本当にたいへんだったことと思う。 地域に開かれた「サロン」 比較するのも失礼ではあるが、僕も一時期ライブハウスを経営したことがあ…
以前、劇団の伴奏の仕事をしていた時期がある。いわゆる「劇伴」というやつだが、僕がやっていたのは、シーンごとに生でピアノを弾くという形だった。 とにかく、劇の稽古時間は長い。僕が普段やっているバンド関係の仕事では想像もつかない長さだ。8時間越えは当たり前で、ツアーの通し稽古(ゲネプロ)でも、そこまで長くない。 演出家と演者のバトルを横目で眺めながら、シーンに合った音楽を考え、即興に近い形だが弾き続ける。雰囲気に合っていなければクレームが入るのだが、どうしても抽象的な指示になるので、なかなか難しい。 「もっとモノクロに弾け」とか、「もう少しブルーに」とか。今ならもう少し上手く対応できそうな気もする…
関連記事 僕が放浪した(できた)理由。 https://okikobo.hatenablog.com/entry/2019/11/10/070000 放浪した一年間に、本当にたくさんの出会いがあった。その中でも印象に残っていることがある。 ギターを持ってフラフラ歩いていると、かなりの不審者に見えるらしく、けっこう声をかけられるのだが、その時もお寺の前を歩いていると、「兄ちゃんどうした?」と住職らしき方に声をかけられた。 着替えも僅かしか持っていなかったし、風呂なんて滅多に入れなかったので、かなり怪しい若者だったと思うが、それでも声をかけてくれるのは住職の方が多かった。 居間に通され、お茶をいた…
僕たち音楽を人前で演奏する人間にとって、音響を担当するPAさんの存在は必要不可欠だ。 PAとは… https://ja.wikipedia.org/wiki/Public_Address (Wikipedia) 元々は、政治家の演説を聴衆にしっかり届けるために発展したもので、PAが無かったら生の声や音の届く範囲でしか演説や演奏をすることはできない。主にクラシックのオーケストラの生演奏が行われるコンサートホールなどでは、最初から音が遠くまで届くように設計されているため、PAを使用しないこともある。 PAの役割 PAさんの役割は、目立たないがとてもたいへんだ。僕もPAをやる時があるが、出演する時以…
当たり前のことかもしれないが、純喫茶だから必ず珈琲が美味しいというわけではない。でも、気になってしまう存在。それが僕にとっての純喫茶。 純喫茶とは、 「純喫茶(じゅんきっさ)とは、酒類を扱わない、純粋な喫茶店のこと。酒類を扱い、女給(ホステス)による接客を伴う特殊喫茶(カフェー)に対してのレトロニム的な呼称。」 (Wikipedia) 純喫茶と一言で括ってみても、実際はいろいろな形がある。小ぎれいでおしゃれなお店もあれば、雑然としているが居心地の良いお店もある。僕は雑然としているお店が好きだ。 漫画やスポーツ新聞が大量に置いてあったり、地域のイベントのフライヤーが壁にペタペタ貼ってあったり、B…
歌うタイミング どんなに美味しい料理でも、お腹いっぱい食べた直後に出されたら、食べられない。 最高品質のものでも、出すタイミングを間違えば、正当な評価は得られない。 僕の歌が最高品質かどうかは別として(汗)、歌をちゃんと聴いてもらうには相手の受け入れ態勢に留意する必要がある。僕の歌が「欲しい状態」を創れるかどうか。 そこを考えずに、「歌いたいから歌う」だけでは、カラオケでマイクを離さない迷惑なおっさんと何も変わらない。歌うという「利己的な行為」を、相手が求めてくれる状況というのは、よほどのファンでもない限り難しい。 自分では高品質なつもりでも、求められていなければ「雑音」でしかない。 僕は、恋…
「上手く歌えるようになりたい」 長年、音楽講師をやってきて一番多い要望が、これ。 僕自身は、以前ブログに書いたようなポイントを意識して歌っている。 関連記事 自分の声を知る。〈僕のボイトレ〉 https://okikobo.hatenablog.com/entry/2019/10/18/060000 「曲を上手く歌う」ことと、「声を上手く出すこと」は違う領域の話になるので、「上手いってなんだろう?」という定義の問題はとりあえず置いておいて、ボイストレーニング的な「声の出し方」の観点で、レッスンで実践してきたことの中からいくつかピックアップしてみる。文章より動画のほうがわかりやすいけどね… 深い…
共同経営の難しさ 一時期、ライブハウスを経営していたことがある。10年ほど前に工場を改装してライブレストランをやろうとしていた箱を、たまたま知人が所有していたので、共同経営しようということになった。 物置き同然と化していたため、片付けるところからのスタート。友人たちのチカラも借り、メインフロアの掃除だけで3ヶ月以上を費やした。 元手となるお金を持たない僕にとって、すでにある箱で商売を始められるというのは、まさに「美味しい話」だったのだが、店をオープンさせ集客に奔走するも上手くいかず、経営方針でオーナーとトラブルになり、結局1年持たずに辞めることになった。 確かにオーナーと揉めたことが辞める直接…
人脈を作る 僕のテーマである「ローカルシーンの形成」というものには、様々な人たちとの協力体制を作れるかどうかか鍵になる。様々なジャンルの人たちとの交流を深めるため、積極的に人に会うようにしている。 違う職種の話が聞けるのは、やはり面白い。音楽の世界のことならそれなりにわかっているつもりでも、他業種のことはほとんどわからない。「未知の世界」に少しでも触れることで、自分の視野も限定されずに済む。 様々な人に出会うことで、ローカルシーンでミュージシャンとして生き残るための選択肢を増やしていくことが必要だが、注意しなければならないことがある。 まず、狭める 人脈を広げるには、自分をあまり主張しないほう…
「それっきり」 あるコミュニティーの運営者と、初めてお話しさせていただく機会があった。貴重な体験談をたくさん聞けて充実した時間だったのだが、その中に「またか」と思ってしまうことがあった。 そのコミュニティーに、以前音楽をやっている人が関わっていたらしい。あるきっかけでコミュニティーのテーマソングを作ることになり、その人が中心になって曲は完成したのだが、「それっきり」だと言う。 コミュニティーとしては、せっかく生まれた曲を最大限有意義に使っていくことを考えていたのだが、曲を作った本人としては「作って満足」してしまったため、今ではその曲をかけることも演奏することも皆無だと言う。 僕が「またか」と思…
自分を知ってもらう難しさ 初対面の人に、自分をどこまで語って良いものか。自己紹介も苦手だし、面白い話が咄嗟にできるわけでもない。かと言って、何も語らなければ何も起きない。僕のような売れないミュージシャンにとって、出会いの機会はかなり重要だ。 関連記事 自分の「ポータルサイト」としてのブログ。 https://okikobo.hatenablog.com/entry/2019/11/05/070000 せっかく自分を知ってもらえる機会なのに、職業や出身地を言ってお茶を濁すしかないのは、やはりもったいない。最近は、このブログのアドレスを伝えて「お時間のある時にでも読んでみてください」と言ってみたり…
「ファーストタッチ」の重要性 作曲を始めた頃、とりあえず形になった嬉しさで、今思えば恥ずかしいほど周囲の人に聴いてもらっていた。もしその段階での、作品に対する「最初の評価」が最悪だったなら、作曲を投げ出していた可能性が高い。感想を求められた方はコメントに困っていたかもしれないが、お世辞だとしてもそこそこの評価はもらえたから続けていけたはずだ。 続けていく中での酷評には耐えられても、最初の段階で否定されてしまえば、継続は難しかったと思う。続けるか辞めるかは、初心者ほど紙一重だ。 何かを始めてみて、最初の反応(ファーストタッチ)は、かなりの重みがある。教える立場としていつも意識しているのは、「挑戦…
不幸な合格 ギターを始めて4年目に知人のススメで、あるオーディションを受けた。まだ初心者だし、受かるはずもないと思っていたのだが、合格してしまった。 某アイドルのバックバンドのギタリストとして仕事を始めた。まだ10代の僕は天狗になりかけたが、そんな余裕もないほどの苦しい日々の始まりでもあった。 苦しみの理由は、実力が伴っていないのに合格してしまったことだった。バンドメンバーの先輩たちやプロデューサーの要求に応えられず、なんとか足を引っ張らないようにするだけで精一杯だ。それこそ寝ずに練習しなければ、明日にでもクビになると思っていた。 あっという間に数か月が経過し、少しは仕事にも慣れた頃、リハーサ…
「繋がる場」での「繋げる人」の必要性 フェスやマルシェなど、人が繋がる絶好の機会に、コーディネーター的な人がいてくれるかどうかで、場の充実度はかなり変わってくる。 コーディネーターとは、 「いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる係」(goo辞書) 僕的な感覚では、「黒幕」的な存在。自分は表に出ず、場の充実のために黒子に徹することができる人。かなりのコミュニケーション力が求められるポジションでもあるだろう。 コーディネーターの役割 フェスやマルシェのような人が集まる場には、大まかに言って二つの客層が存在している。「楽しみに来ている人」と、「繋がりを求めている人」だ。 「楽し…
「はじめの一歩」の難しさ 「作曲できるようになるには、どうすればいいか?」という質問をよくされる。自分のことを思い返してみると、「最初から書いていた」ので、なかなか返答に困るのだが、教えるプロ(レッスン講師)としてはそうも言っていられない。 「とりあえず何でもいいから書いてみてください」というアドバイスは、通用しないことがほとんどだ。そのやり方がわからないからこそ、質問してきているのだから。作曲を学ぶとしたら、「音楽理論を理解する」という選択肢がある。構造的に曲を理解していくことで、作り方もわかってくるというアプローチだ。 ただ、理論を学べば曲が書けるわけではない。「何かを学べば、何かができる…
「黒歴史」は「白歴史」? 僕は、10代の頃に1年間全国を放浪したことがある。いろいろあって結果的にそうなったことだし、突然行方不明になり捜索願いが出されたりして、けっこう回りには迷惑もかけたので、僕の中では「黒歴史」だった。 所属していたプロダクションの社長とトラブルになり、辞めることになった時のこと。「最後に一杯呑むか」となり、屈託なくいろいろな話をする中で、放浪のことを言ってみたら、物凄い勢いで喰いついてきた。「そういうことは早く言ってよ」。 社長にとって、放浪の話は至極魅力的だったらしい。終電までいろいろ聞かれ、結局プロダクションは辞めずに契約延長になった。 それ以来、放浪した時のことは…
「裏方」から見るフェス ある音楽フェスに、ボランティアとして参加した時の話。知人を通じて人手不足と聞き、いろいろと勉強になると思い、音響担当として参加した。参加するにあたり、今までやってきた人たちに敬意を払う意味で「出しゃばらない」ことを徹底した。 参加してみて、あらためて深刻な人手不足に衝撃を受けた。それなりに有名なフェスであり、外から見ているぶんには上手くいっているように感じていたからだ。やはり実際に参加してみなければ、内情はわからない。 音楽フェスには、今までは出演者として関わってきたのだが、ステージを支える裏方として関わってみると、半年以上前から準備を重ね、想像もしなかったような様々な…
「自己紹介」の重要性 僕は自己紹介が苦手だ。名前や出身地、職業を言ってみたところで、何も伝わる気がしない。そもそも、お互い初対面の人にそこまでの「繋がり」を求めていないことが普通だろう。 せっかく紹介してもらったのだから、最大限活かしたいとは思っても、自分の何を伝えれば関心を持ってもらえるのか、なかなか難しい。音楽好きの人になら、「ミュージシャンです」とでも言えば興味を持ってもらえるかもしれないが、ミュージシャンにもいろいろいるし、逆に先入観を持たれても困ることもある。 初対面のあと、また会える機会があるとは限らない。だからこそ、自己紹介をどうするのかは、けっこう重要になってくる。特に僕のよう…
赤とんぼはなぜ竿の先にとまるのか?童謡・唱歌を科学する 稲垣栄洋 近くても遠い「日本語」 施設などでボランティアで歌わせていただく際に、童謡や唱歌をリクエストされることがある。僕が知っている曲ならいいのだが、知らない曲のほうが多く、覚えるのはなかなかたいへんだ。 何がたいへんなのかというと、歌詞の意味が把握しにくく、なかなか頭に入らない。意味が理解できなければ情景も浮かばず、音楽的な演奏にも繋がらない。母国語である「日本語」のはずなのに、英語よりも距離を感じてしまうほどだ。 僕は極力、演奏時に譜面を見ないようにしている。「見る」ことによって、耳よりも目に神経が行ってしまうことによるエネルギーの…
「激戦区」の飽和感 久しぶりにショッピングモールに行った。最近行ってなかったので、新鮮に感じる。数えきれないほどのお店が入っているわけだが、結局食事だけして帰宅した。 以前はよく利用していた。いろいろなお店があるというのは、便利には違いない。待ち合わせをするにも、ウインドーショッピングでもしていれば退屈せずに済む。本屋で新刊のチェックをしてもいいし、CDショップで新譜の視聴、疲れたらカフェで一休み。 様々な店が集まり、ひとつの「街」を形成している。昔は商店街がその役目だったが、人々の暮らしが変化するにつれ、今は「シャッター街」になっているところも多い。 僕の住むエリアは、ショッピングモールがた…
カッコいいカフェは珈琲も美味しい。〈「整然」と「雑然」のバランス〉
入り口からすでに「カッコいい」 昨日、あるカフェに行った。初めて訪れたのだが、珈琲好きなのでカフェの情報にはアンテナを張っているつもりでも、ゆったりと街を歩いてみなければ気づけないことは多い。 納屋を改装したカフェは、細い路地の奥にひっそりと佇んでいたのだが、もうその時点でカッコ良かった。何気なく飾られた鉢植えや盆栽にも、気品を感じる。 10人も入ればいっぱいのお店は、満席。居心地が良いお店には、みんな長居したくなる。 「お名前を書いてお待ちください」 品のある庭を眺めていれば、待ち時間も全く気にならない。 「整然」と「雑然」の絶妙なバランス カウンター席に案内され、大好きな浅煎り珈琲を待つ間…
「愛すべき小屋」景山正隆 冬樹社 「民衆」のしたたかさ 僕は歴史好きだが、いわゆる「日本史」と括った場合、権力者の歴史という要素が大半になる。町人や農民といった「民衆」の様子を知るには、柳田國男氏などの「民俗学」や、全国の有志の方々による「郷土史」の研究に触れる必要があった。 先日、ある仕事を通じて「人形師」の方とお話しさせていただく機会があったのだが、「伝統芸能」の枠に囚われない自由な発想や挑戦に、多くの刺激を得た。音楽をやる人間の一人として、あらためて自分の「ルーツ」を確認したくなり、近世以降人々に愛されてきた大衆芸能である「村芝居」と、披露する場としての「農村舞台」について書かれているこ…
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