『クーリエ:最高機密の運び屋』(←KINENOTE) www.youtube.com 圧倒された。 このTrailerを見ただけでは、この映画の真意は伝わらない。(その意味でよくでた予告編である。) ここでいう『運び屋』は、冷戦時代のキューバ危機前後が舞台だ。フルシチョフ政権時代に実際にあった話しだそうです。東欧を仕事で頻繁に出張する有能なビジネスマンに目をつけたMI6が、ロシア高官との情報連絡に使われたというお話。 頻繁に主人公とロシア高官の行き来が行われるうちに、二人には不思議な友情が芽生える。緊迫した状況の中で生まれる友情は強い。しかし過度な接触は疑いのターゲットとなる。この付かず離れず…
www.youtube.com メリッサ・マッカーシー主演、ご主人のベン・ファルコーン監督(本人もある役で出演されてます)のコンビニよる新作です。コロナで劇場公開に至らずDVDスルーした作品。その名も『スーパーインテリジェンス』 『スーパーインテリジェンス』とはAIであり、ほとんど神です。神のお告げが主人公を翻弄する、という話し。 ポイントはいくつかあって、AIの神が地球に三択を要求するのね。人類滅亡までの三択です。滅亡するか、コンピューターの奴隷になるか、自ら意識して生活をダウンサイジングするか。すごいチョイスです。 主人公のキャロルはある企業も元幹部ですが、自らの仕事に満足できずに新しい仕…
『MINAMATA-ミナマタ-』 www.youtube.com ジョニー・デップはよくやったと思う。 彼がユージン・スミスを演じるという二重性も含めて、ジョニー・デップは凄まじい勇気をもってこの映画のプロデューサーとして偉大な仕事にチャレンジしたと思う。この功績はどんなビハインドがあっても消えないだろう。素晴らしい映画だった。 ジョニー・デップがユージン・スミスになりきっている姿に驚く。そしてユージンと日本の関係についても初めて知る。もちろん当時の彼のキャリアがジャーナリズムとしてのキャリアであることは間違いないのだが、彼の残した写真に威力は芸術の領域だと思う。 ネタバレになるかもしれないが…
前回の続きです。前回の記事はこちらを押して下さい。(←ポチ!) いつもしょうもない内容で申し訳ないです。 菅政権は崩壊しましたが、崩壊する前にリリースされたこの本で、「国民に国政の長が”自助”を求める国は日本だけだ。」と断じています。ノープラン・ノービジョン・ジャパーーーーーんですね。ひどい国になってしまった、マジで。 はい、ということでこの本の続きです。 第2章はアメリカについて考えます。 アメリカ、それは自由で夢のある国。それがわたくしどもの子供の頃に感じたアメリカ像です。アメリカのものならなんでもいい、という時代でした。 この本では、そうした日本人のアメリカ観というよりも、実際のアメリカ…
『スイング・ステート』 www.youtube.com これはつまり、ヒラリーが楽勝するだろうと言われた2016年の大統領選で破れた民主党の選挙参謀が激戦区(スイング・ステート)を取り返すために、ウィスコンシン州の田舎の町長選挙に進出して起死回生を狙うという話しだ。 すっごく面白いです。とてつもなく面白い。2011年の『スーパー・チューズデー』に近いといえば近い映画なのですが、作り手がジョン・スチュワートだという点で大きく違います。大爆笑コメディです。 民主党の参謀としてスティーブ・カレル演じるゲイリーが乗り込みますが、乗り込んだ町の人たちは皆さんフレンドリーなんですね。違和感があるほどフレン…
内田樹さんと姜尚中さんの対談本です。これまた衝動買いです。興奮のあまりあっという間に読めてしまった。余談ですけど、本てやはり読む体勢がいるよね。貧しい私は電車の移動中とか本を読むんですけど、結局家でノートを横に読み直します。ロスが多いね。残された時間はないのにね。 はい、ということでこの本、サブタイトルは「米中の狭間でどう生きるか」となってます。これ冷静に考えると、日本て自立国家じゃなかったのね。戦争で中国を占領して、敗戦でアメリカに占領されて、いまはまた中国依存しないと生きていけない。国家として自立した存在意義があるのかね?政局などを見てるとどんどん祖国が嫌いになるよ、マジで。 序論で姜尚中…
幾度となく見た『赤ひげ』を午前十時の映画祭で鑑賞、日本橋のTOHOシネマ。 劇場は満席です。一つおきの席ですが、ネット予約の時点で空席はほとんどありませんでした。年配のご同輩や先輩方でぎっしり。こみ上げるものがありますね。 大画面で見るドアップの俳優の表情や動きや音を体感しました。素晴らしかった。 www.youtube.com この映画についてあれこれ言うのは意味がありません。というか黒沢映画を今更説明しても意味がない。とにかく黒澤明しか撮れない。同じ映画を撮ることは誰もできないという芸術映画だということです。それだけ。 三船敏郎さんのこの眼差しを映画館の大スクリーンで見ることのドキドキ感。…
公開日初日にこの映画『由宇子の天秤』(←ポチ)を鑑賞してきました。 外国語タイトルは『A BALANCE』ですね。いやこれはいかにも現在の日本の映画、日本人が見るべき映画でした。恐ろしかったです。 www.youtube.com これ、ちょっとこれから鑑賞する方のために、何も書けないです。 見ていただくしかありません。 女性のドキュメンタリー監督の由宇子が主人公です。彼女はジャーナリストであり、父親の経営する塾を手伝ったりしています。そして彼女は女子高校生の自殺から波紋を広げる様々な関係者と、塾に通う女子高生をめぐるとんでもない事態の2つの狭間で苦悩します。まさにこの2つの問題が天秤にかかりま…
KAWSことブライアン・ドネリーの展示を目の当たりにしてきました。 www.youtube.com 驚きました。これほどKAWSが人気あるなんてすごすぎます。それは彼がまだ19歳の頃に日本を異邦人(エイリアン)として訪れたことに起因しているようです。 ガイコツと目の☓が彼の作品のトレードマーク。 現実のあるキャラクターや人物などを彼のキャラにすり替える、という作品でいかにもポップカルチャーという見栄えのする内容なんですね。素晴らしく華やかで見事でした。 これ、すごいでしょ。自分の目を疑いました。アトムがピチューの内蔵を取り出してますよ。これどういう意味があるんでしょう。 とにかく大勢のお客さん…
ラワーズ博士は偉人の言葉を並べ、金融の罪を説く。 ニュートン「人間の狂気は計算できない。」という自然界のジレンマを示し、 ミンスキー「金融の世界では、安定が不安定を生む。安定するとリスクを冒そうとする。」 聖書、マタイの法則にまで触れ「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。」マルクスも資本論で同じことを書いている。 第4章はシステムについて解説を加える。 気候変動のダイナミズムを受け、人々の脳に潜む”成長”概念を改め、ニック・ハノーアーの言葉通り「機械脳から庭園脳へ」と変える必要性を示す。 こうした考え方を改めることを前提に第5章では、分配について設計している。成長による獲得か…
ニーナ・シモン www.youtube.com 『ニーナ・シモン 魂の詩』を鑑賞。町山智弘がラジオで紹介してたらしい。 きっかけは先ごろ映画館で見た『サマー・オブ・ソウル』。 冒頭、なぜシモンが失踪したのか?という手紙の文字が示され、そのあとジャズフェスティバルで彼女が紹介され、静かに登場する。そして深々と長い時間頭を下げてお辞儀をし、万来の拍手を浴びて客席を見下ろす。拍手が鳴りやんでも彼女は客席を見下ろし見渡す。このワンシーンだけで映画が成立している。彼女の生い立ち、彼女の才能、彼女の戦いなど、ありとあらゆる意味がこのワンシーンに込められている。 そして最後に同じシーンが繰り返されるのだが、…
第2章でラワーズ博士は全体を俯瞰します。 将来不安、家計支出減少、雇用減少(失業増加)、国全体の所得が減少しているデフレ、すなわちスパイラルの仕組みについて解説します。不況が不況を招くデフレスパイラル。ケインズは町にいる大量の失業者や浮浪者を見て「政府支出を増やす」という提案をします。有効需要政策ですね。チャップリンの映画なでよく見かける光景こそまさに大恐慌のあとの失業状態です。 さらに当時はソ連の驚異がありました。冷戦です。軍拡競争で東西が分裂する中で、新自由主義が台頭してきます。ハイエクやフリードマンなどの新自由主義者の影響をサッチャーやレーガンが引き受けて福祉を切り捨て、どんどん経済は良…
いつもしょうもないブログですいません。読まなくても結構です。 沖田修一監督の最新作、といっても『おらおらでひとりいぐも』より前、2年も前に作られた映画がようやくここに日の目を見ることになったといういわくつきの作品ですね。 www.youtube.com 笑顔で背泳ぎをする主人公美波を上白石萌歌さんが好演しています。すっごく面白かったです。 この劇場で舞台挨拶があったんですね。小さな劇場ですけど、熱気ムンムン。どうでしょう、日曜日の朝10時の回でしたが、なんとなく年配の方が多かったような気がします。若干オタクな方もいたかもしれません。もともとは田島列島さんのマンガが原作で2014年にリリースされ…
写真を撮りすぎたので、小分けにして記事を連載中。バンクシーの代表作が最後に示される。 アメリカの消費意欲はいまだに衰えず旺盛だ。世界の消費意欲が成長と止める経済の足元で揺らいでいる。そして時として為政者は、お金がなくなると戦争を金儲けに使いたくなる。 いまこのようにブログを買いていても、しょうもなく無駄なことをしていると思う。目の前のパソコンもまた消費の代表だ。そして手元にあるスマホ。こんなくだらないものが生活必需品だ。そして捨てられた中古品も戦争に加担しているのではないかと思わせる。 バンクシーの価値を自ら否定する姿勢もまた驚きだ。 ★ 貼りました。みつけてみてくださいね。 ブログサークルブ…
イギリス人のケイト・ラワーズさんが書いた本をたまたま見かけて衝動買いしてしまいました。 www.youtube.com なかなか重みのある本なので、正確にこの著書のすべてを伝えることはできませんが、要するに昨今企業にも求められているSDGsにまつわる話題とも言えます。ただし、単に環境について掘り下げるという話題ではありません。 フラワーズ博士は、過去の偉人の言葉をまず並べます。学ぶとはどういうことか。 「いかに学んで、忘れ、ふたたび学ぶか?」トフラー 「実務家は過去の経済学者を盲信する。」ケインズ 「最初に学んだことをあとで捨てるのは難しい」シュンペーター など、いかに古い考えから脱却するか?…
www.youtube.com ボリウッド映画である。ベタな映画。もう最高。『ギニーとサニーの結婚』 婚活の映画。ギニーは母と二人で過ごすOLで、金持ちの息子と付き合っている。彼女はこの男に求婚をほのめかすが、男は遊び人で正式に返答しない。対するサニーは全く恋愛経験のない下町の料理人の息子で、お嫁さんが来ない。サニーの父親がたまたまギニーと母親と知り合いで、嫁探しを依頼すると娘のギニーを紹介しようとする。 二人は最初反りが合わないが、ギニーの母親の画策のとおりサニーがギニーに近づくことで次第に距離を縮めていく。ギニーは自分の父親に連れられて障害者施設をまわったり、信者のためにお菓子を作ったりす…
正直言うと、がっかりした。いや、ドラマとしては面白いし、マンガにもなったほどなのできっと映画にもなるでしょう。極めてドラマチックに描かれたこのドラマはとても読みやすくてぐいぐい惹き込まれるのですが、自分には合わなかった。その理由はのちほど。 和田竜さんは、膨大な量の情報のノンフィクションの中から、ぎりぎりの想像力を生かしてフィクションを描いているのでしょうか。村上水軍もあった、そこに女性のボスらしき人物もいた、信長の兵糧攻めを凌ぐのに実際に海を使って兵糧を搬送した。しかしそこで交わされた会話などについては間違いなく作り物です。そこが面白いといえば面白いんでしょうね。映画『のぼうの城』を見たこと…
かつてジョン・レノンが訴えたメッセージを、誰もが茶番だと思ったかもしれないが「愛こそが平和をもたらす」とは、暴力的なメッセージで表裏を示す。 この巨大なメッセージを言葉で説明はできない。 同じくパレスチナで展開された作品は、よりしたたかだ。近づくと銃弾の痕跡が痛々しい。 平和の象徴も防弾チョッキのお世話にならないと生きていけない。 ここでキリストが生まれたと思うと、平和と宗教の関連が何かと問われているように思えてくる。 (=^・^=) ★ 貼りました。みつけてみてくださいね。 ブログサークルブログにフォーカスしたコミュニティーサービス(SNS)。同じ趣味の仲間とつながろう! こんなブログもやっ…
www.youtube.com いやもうすごい感動でした。 まず、劇場が超満員!空席なしの超満員です。空きがない劇場って今年2回目で、『2001年宇宙の旅』以来。話題の映画は狙いを定めて早めに見に行くのがいいですね。大勢のお客さんと一緒に鑑賞するのってすごく嬉しいんです。若い方が大勢集まるライブで盛り上がるでしょ?あの感覚と同じ。前から2列目でしたけど、なんとかチケットが取れて、映画が始まる前に後ろの客先を振り返ったら皆さん生き生きとしてるのね。映画っていいですね。 主人公は007シリーズで適役を演じたり『スター・ウォーズ』のスピンオフムービーなどでおなじみのデンマーク人マッツ・ミケルソンです…
サマー・オブ・ソウル (エンドロールが終わっても席を立たないで)
いつもしょうもないブログを読んで頂いて申し訳ありません。 今回もしょうもない内容なんですけどね、でも、これはなんとか見てほしい映画。今年のベストワンかもしれません。『アメリカン・ユートピア』とこの映画が同率首位って感じかな、個人的に。やばいです。涙なくしては見られない。できれば大きな画面の大音響で見てほしい映画。美しい映画です。美しさこそこの映画の目指した高みの部分だと思います。絶対見てほしい。絶対に! www.youtube.com ハーレム文化祭です。『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』。(←より詳しくはこちらをポチ)びっくり仰天の素晴らしい映画だった。こん…
パビリオン・トウキョウの続き。もっと早く予定をたてて全部見ることができたら良かった。五輪開催がきっかけとなった企画だろうが、世界の目に彼らの作品が示されればもっと良かった。 こちらは平田晃久氏の作品。国連大学前の広場になにげなく置いてある。木製で釘が使われていない。この球体の隙間の向こうに見える風景もまたアートだ。 ここから六本木方面に歩く。ワタリウム美術館の向かいにひっそりと展示されているのが真鍋大度氏の作品だ。テクノロジーの幅広い可能性とメッセージが込められた作品だ。ここに流れる文字にも辛辣な批判が隠されている。 そして最後は会田誠さんの作品だ。これが目的で渋谷からヘトヘトになりながら外苑…
パビリオン・トウキョウ2021 www.youtube.com 残念ながらすべてを網羅することはできなかった。 それでも夏の暑い日にいくつかの展示を楽しむことができてとても良かった。街なかに作品がさりげなく存在する。 この日、まずはじめに草間彌生さんの「オブリタレーション」に向かう。直前にスマホから予約できた。 驚くことに、来場者が勝手にシールを貼る、というだけだ。それで草間彌生さんの作品になってゆく。 こちらは藤原徹平さんの「ストリート・ガーデン・シアター」場所は青山通りの旧こどもの城前。江戸の園芸文化を劇場のように示そうとしているそうです。 舞台に登ると自分が劇場の主役になった気持ちになる…
バンクシーって誰? The Walled Off Hotel
とにかく朝から大盛況で、大勢のお客さんが集まっていた。 こんな作品もある。 バンクシーのこうした反政府的な姿勢にシンパシーを感じているなら正常だ。そしてなんといっても、この展示の中でも最大級といえるインスタレーションもまた刺激的だ。 イスラエルの分断された壁の目の前にホテルを作るという作品だ。このホテルは実際に宿泊することができるらしい。ホテルの前には壁しかない。その壁にバンクシーが壁画を描いて息吹を与えるという作品だ。ファンにはここが聖地となっているらしい。 バンクシーがこのように分断された社会に絵を描くという行為は、芸術と社会と全く縁もゆかりもないものの可能性を高く意識させる。このブログで…
www.youtube.com 映画館でジブリを見るのは、なんと『風立ちぬ』以来です。大きなスクリーンにトトロのが現れると、どこか胸がときめく。でも宮崎駿さんの映画以外は、映画館で見ないという自分の歴史があって、今回はそれを打破することになった。 もともとNHKで放映された映画の劇場版なんですね。知らなかった。冒頭はカーチェスシーンから始まる。以外な始まりだが、この不思議なシーンがラストにつながっている。ここでオートバイで疾走するのはアーヤの母親だ。彼女がアーヤを孤児院に預けるというのが前半の物語。 アーヤは大きくなり、マンドレークとベラ・ヤーガという二人に連れられて、ひたすらこの家の小間使い…
www.youtube.com あまりにも刺激的だったので『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』というドキュメンタリーを見てみた。 これもまたニューヨークの作品だが、彼がニューヨークに現れて、次々と作品をあちこちに配置することで、町は大混乱となってゆく。 彼が想定したことかどうかは別にして、ニューヨークは彼の作品を巡って混迷してゆく。冒頭のシーンはバンクシーの作品を盗もうとしたファンが逮捕され作品も押収されてゆく暴力的なシーンだ。奪った作品を奪おうとする人も混ざってもみ合いが始まる。もともとニューヨークは壁画アートの町とも言える。そこにバンクシーが降り立って、大混乱の後、作品は塗りつぶされてゆく。…
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