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  • モーリタニアン 黒塗りの記録

    ジョディ・フォスター主演の『モーリタニアン 黒塗りの記録』を鑑賞。 公開週にキネノートでいきなり一位(ちなみに2位は『コレクティブ』)に躍り出た。奇しくも政治に関する映画が連続して高評価を獲得するのは、総選挙の影響が多少なりともあるのだろうか。この『モーリタニアン 黒塗りの記録』もまた内部告発の映画だ。 www.youtube.com 先ごろ名古屋税関管内でスリランカ女性が亡くなった事件があって、その時の情報公開請求に対する”黒塗り”の開示が話題になったが、この事件に限らず、この映画の言わんとすることはずれも同じ。広く解釈すれば”表現の自由”を扱ったものだと認識させる。 先に結論めいたことを書…

  • イカゲーム

    さきほど全9話を見終えた。Netflixドラマ『イカゲーム』 www.youtube.com まずこの映画には驚くような出演者がいる。主演のイ・ジョンジェはもちろんだが、『82年生まれ、キム・ジヨン』や『新感染』などのコン・ユがチョイ役だが重要な役で出てくるほか、最後の最後でとてつもない大スターが出てくる。これは驚き。 色々なレビューを読むと、あたかも『カイジ』と同じではないか、という説もあって、それはそれでそういう面も確かにあるのだが、最後までこのドラマを見れば、雲泥の差があることがわかる。 はじまりのあたりがとてもコミカルに進むので、取っつきやすいのだが、残虐なシーンがどんどん続く。次々と…

  • 甘美なるフランス ポーラ美術館コレクション展

    www.youtube.com 渋谷のBunkamuraで開催されているポーラ美術館コレクション展「甘美なるフランス」を見に行きました。 ポーラ美術館が所蔵する19世紀から20世紀にかけて活躍した大御所の輝かしい作品が並びます。もう美しさの宝箱。 セザンヌ(4人の水浴の女たち) ラプラード(バラを持つ婦人) ゴーガン(ポン=タヴェンの木陰の母と子) こうした一連の作品は風景から肖像画へと目線が変わり、印象派としての作品の背景もまた都市化という変化を告げています。 デュフィの「パリ」はこの展示の後半を盛り上げる代表作のひとつでしょう。 シャガールのタッチもいいですね。これは「オペラ座の怪人」です…

  • それでも映画は「格差」を描く 町山智弘著

    この本についてブログで記事を書こうとすると大変なことになるので、何も書かない。 とにかく「たったいま読むべき本」ということしかない。いま読まないと後悔する。 ゼッタイに後悔する。 もっとも驚くことは人類がこの問題に対し、古くから懲りていないという点について「チャップリン」を題材に示したことだ。チャップリンの映画は放浪者チャーリーを描く。放浪者とは浮浪者、すなわちホームレスだ。モノクロサイレント映画時代の大恐慌から、人類は全く懲りることなく資本主義経済を「民主主義」だと決めつけている。実は資本主義も社会主義もどちらも「民主主義」ではない。民主主義など実は存在しないのだ。存在しない幻想のような「民…

  • 真説 日本左翼史 新左翼誕生

    第四章は「新左翼」誕生への道程として、この本をまとめます。 まず安保とは何だったのか?という点から入ります。安保って闘争だけが注目されて、内容はあまり知られていないような気がします。(自分も含めて) 当時の岸信介内閣は、米軍を駐留させる代わりに、①日本が攻撃されたらアメリカが守る。 ②日本国内の暴動を米軍が鎮圧するという条項の除外。この2つだったそうで、冷静に見れば大きく批判されるような内容ではなかった。なのにとてつもない闘争が起きてしまった。 それは当時の社会党が主導した結果となった、日本各地で起きた労働運動、例えば「三池闘争」などの影響と、共産党が平和革命戦略にシフトしたことを不満に思った…

  • コレクティブ 国家の嘘

    『コレクティブ 国家の嘘』を鑑賞。 www.youtube.com ルーマニアのドキュメンタリー。世界各国の賞で話題をさらった作品。 簡単にプロットを説明すると、まずライブハウス(コレクティブ)で火災が起きる。 多くの死傷者を出しながら、病院に担ぎ込まれた患者から感染が広がり死者がどんどん増えていった。 それをルーマニアのタブロイド新聞(スポーツ紙)が調べたら、病院の消毒薬が10倍に薄められていたことが判明する。 この件で国務大臣が罷免され、新たな実務は大臣が疑惑と向き合うが、なんとこれが国家的な疑獄が隠されていたことでさらに混乱が広がる。 病院の患者からウジ虫が出てきたシーンはおぞましさに目…

  • ラストツアー

    www.youtube.com チェビー・チェイスというと我々還1960年代生まれは『ファール・プレイ』とか『名探偵ベンジー』などで芸達者でハチャメチャで案外知的というイメージでしたが、知らないうちに随分お年を召されてました、最初だれだかわかりませんでした。 この映画で相方のリチャード・ドレイファスは言わずとしれたアカデミー賞俳優。『アメリカン・グラフィティ』から始まって『ジョーズ』や『未知との遭遇』や『スタンド・バイ・ミー』にも出てましたね。 今回はドレイファスが50年ぶりにスタンダップコメディアンに復活するのをチェイスがサポートする老人二人のロードムービーでした。 チェイスがマリファナかな…

  • 真説 日本左翼史 社会党の拡大と分裂

    第三章では、社会党の拡大と分裂についてお話されています。 その前に、戦後の社会主義運動に向かう空気というのは、世界のあちこちで社会史主義国が誕生していた潮流に影響を受け、日本は食糧難でみんな飢えていたので、労働者がメーデーに集まると本気で革命が起きるのではないか、という感じだったようです。 わたくしは直接労組に入った経験はありませんが、テレビは人づてに聞く話しだと、お弁当を食べに家族連れで行く和気あいあいとした空気がメーデーだったと感じます。 戦争から少し経過した1952年(ちなみに黒澤明監督の『生きる』が高評価された年)は「血のメーデー事件」は共産党が暴徒化して、一気に支持を失い、その流れが…

  • 真説 日本左翼史 戦後左派の源流

    戦後の混乱で誰が仕掛けたかは別にして、左翼政権になってソ連へたなびくことを阻止しようとしたのは、間違いなくGHQと財界でしょうね。アメリカ発大量消費社会という資本主義へと突き進むためにどうしても左翼化を阻止したい。そうした中でいくつか事件が起きます。 ひとつが風流夢譚事件。『楢山節考』の深沢七郎が天皇を侮辱するような表現をした雑誌の社長を右翼少年が刺殺します。ここから天皇タブー社会が醸成されてゆく。 共産党の「二・一スト中止事件」もまた大きく社会にブレーキをかける。マッカーサーの要求を飲んで共産党がストを回避します。佐藤優さんは、このストが成功していたら、おそらく吉田茂内閣は倒されていただろう…

  • 真説 日本左翼史 池上彰、佐藤優 講談社

    内田樹さんと姜尚中さんの対談本『新世界秩序と日本の未来』と偶然にも同時に上野で買った本だ。いずれもこのままだと日本はおしまいだ、という危機的状況を懸念している。 特にこちらの『真説 日本左翼史』は、極めて冷静に戦後を見つめ直すことができる優れた本だ。続編も発売されるらしいので、期待している。 まず、この本のテーマは”来たるべき左翼の時代”を前提としている。「極端な大衆扇動型指導者の登場と、現実の貧困や格差」は戦争の危機を示し、必ず反作用が起こるとしている。ここがすごい。過去にも左翼が主流の時代はあったが、内ゲバや分裂などで団結できず。五五年体勢が今持って続いている。この過去の左翼が支持された背…

  • ゴジラのトランク 本多きみ著

    『ゴジラのトランク』サブタイトルがいいんですよ「夫・本多猪四郎の愛情、黒澤明の友情」っていうんですよ。もう涙涙涙・・・もううるうるですよ。一気に読んでしまいました。 奥様の本多きみさんが宝島社から2012年にリリースした本です。 知らないことばかりで驚きました。 ゴジラのトランク ~夫・本多猪四郎の愛情、黒澤明の友情 作者:本多 きみ 宝島社 Amazon もともと本多きみさんは、茨城の裕福な家の生まれでの末娘で、東京で映画会社に就職しに出てきて、転職でたまたま受けた東宝に採用されたそうです。その年の女性社員はきみさん一人だったそうです。仕事はスクリプターで黒澤組でいうと野上照代さんの仕事と同…

  • 竹川宣彰 OTA FINE ARTS

    六本木ヒルズから駅に向かう途中にギャラリーがあると聞いて行ってみた。 するとビル全体にいろんなギャラリーが入っているビルだった。びっくりだ。 中でもここOTA FINE ARTSで企画された「Summer Show」はすごい。 なんと草間彌生さんと竹川宣彰さんの作品が集結していたのである。 オリンピックを題材にしたこの作品、ご覧のとおりすべて安倍晋三氏の顔である。このおぞましき作品で最も過激なのはこれだ。 マリオがヒトラーに聖火をリレーしている。そして顔はいずれも安倍晋三氏だ。この作品の意味はここで語ることはない。見事な造形だ。オリンピックのデザインの足元に「憲法改正」と書かれた文字。その場し…

  • 新世界秩序と日本の未来 新冷戦の世界で日本は?

    第4章は「新冷戦の時代」です。 トランプで分断に揺れたアメリカは、バイデンに交代して「国際協調」を発信していますが、これもまた日本にとっては極めて危険だと内田樹さんは言います。同盟国への役割分担は日本の集団的自衛権を行使することで、すなわちアメリカ軍の一部としてオペレーションされるということになると。 軍事的な話題も興奮します。 核開発を競う時代は終わり、ハッキング技術を競うのが現代の軍事競争に変わっているそうです。国防予算の多くはAIに向けられているらしいですね。それは、核爆弾のボタンを押すハッキングをすることが軍事的主導権を握ることだからなんですね。すごい時代ですね。アメリカが核開発を公表…

  • 人新世の「資本論」 脱成長が世界を救う

    人新世の「資本論」は、気候変動と資本論を結びつけるため、マルクスの大転換の理由を考察し、資本主義の弱点を鋭く突いた。そして結論としてドーナツ経済と同じ”脱政党”に行き着くのだが、さらに根源的な取り組みの必要性を最後に指摘する。 もう遅い、ということを前提に。 第七章 脱成長コミュニズムが世界を救う。 コロナも「人新世」の産物ではないか?と著者は指摘する。すなわち資本主義、特に行き過ぎた新自由主義経済政策は、国家が民主主義をと地球環境を犠牲にした。ワクチンですら人の命を救うよりも利益(儲け)を優先している。日本の政治はワクチンを高い価格で外国から購入してマージンを受け取る。彼らは命より金が大事な…

  • TOVE トーベ

    いやぁびっくりしました。驚きましたね。すごい! これ、言うまでもなくムーミンの映画ではありません。原作者のトーベ・ヤンソンさんのお話ですからね。間違えないように。間違ってもお子様連れで見に行ってはいけません。 www.youtube.com この『TOVE トーベ』という映画をどう見るか。最初のシーンでこの映画の宣伝ポスター(跳ねるトーベとムーミンのシルエット)に見紛うような激しいダンスするトーベのシーンから始まります。このシーンはとても印象的です。そしてこのファーストシーンをよく見ておくと、後半に同じようなシーンがでてきます。だからこれは見逃せませんね。ムーミンとはまるで印象が異なる激しいシ…

  • 人新世の「資本論」 資本主義は現実逃避

    東京の食料自給率が0%代だと聞いて「?」と思うかもしれないが、日本の食料自給率は想像するまでもなく都市部に向かって減少する。これをどう考えるか?という問題にも繋がってゆく。 人新世の「資本論」はそのタイトル通り資本主義を真っ向から否定し、気候変動による地球への負荷を大胆に抑えるため、マルクスの「脱成長」という世界に突入してゆく。 第五章 加速主義という現実逃避 アンドレ・ゴルツの技術論から、開放的技術と閉鎖的技術を比較して、閉鎖的技術がもたらす負の遺産について解説する。閉鎖的技術は人々を分断し独占へ繋がり利用者を奴隷化するといのだ。例えばGAFAがそれに当たるのではないか。もはや我々はネットや…

  • 人新世の「資本論」 脱成長のマルクス

    人新世の「資本論」の続き。 そもそも「人新世」とは何か?それは「人類が地球を破壊しつくす時代」のことを言う。 第三章 資本主義システムでの「脱成長」を撃つ ここではなんと、ケイト・ラワーズの『ドーナツ経済』が紹介されている。ラワーズ教授は資本主義の中で脱成長を提唱しているが、斎藤幸平氏はそれにも与しない。 ネガティブ・エミッション・テクノロジー、惨事便乗型資本主義という切り口はつまり「風が吹けば桶屋が儲かる」と似ていて、山火事があれば保険会社が儲かり、バッタが増えれば農薬が売れ、コロナが拡大すればワクチンが売れるという資本主義を示す。どんな場合でも資本は成長に偏る。そして資本が拡大する過程で劣…

  • 人新世の「資本論」 斎藤幸平著

    たまたまだが、昨日ノーベル物理学賞の発表があって、機構物理学者の真鍋淑郎氏が受賞されたが、本書にも重なる部分がある。 実はこの本の前に『真説 日本左翼史』という佐藤優さんと池上彰さんの対談本があって、その中で触れていて興味が湧いた。それはつまり「資本論」という共通項によるものだ。斎藤幸平氏の著書を紹介したい。 冒頭のリードがすごい。「SDGsは大衆のアヘンである」とか、「私達は毎週、クレジットカード1枚分のプラスチックを食べている」とか、炭素税を否定するなど、あらゆる社会構造を否定する。全否定だ。この毒々しさは、まさにグレタ・トゥーンベリさんの活動を遠回しに支援しているようにも感じさせる。(本…

  • ジェームズ・ボンドとして Being James Bond

    しょうもないブログへようこそ。 www.youtube.com 先ごろ公開された『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が大ヒットする中で、ジェームズ・ボンドを15年間演じてきたダニエル・クレイグのドキュメンタリーが紹介されています。『ジェームズ・ボンドとして』というタイトルのドキュメンタリー。 非常にセンチメンタルなドキュメンタリーです。ダニエル・クレイグがボンド役に選ばれたときの報道がかなりネガティブで批判的でした。確かにボンドになる前の彼の印象は、個人的には『ロード・トゥ・パーディション』のどら息子の印象しかありませんでしたね。主役というよりは個性的な脇役という感じ。 ところが『カジノ・ロワイヤル』…

  • 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

    いつもしょうもないブログを読んで頂いてありがとうございます。いや読んで頂かなくて結構です。いつもすいません。ホント。 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(←KINENOTE)見てきました。以上です。 www.youtube.com いやこれ、これから鑑賞する方には何も言えませんし書けませんよ。何も書けない、マジで。この映画のタイトル、これまででは絶対にあり得ないジェームズ・ボンド。公開がここまで延びた理由など、ありとあらゆることがこの時代というか時勢にのっていることなので、何もレビューできません。 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 ”No Time to Die” 敢えて言うとすると、こ…

  • ムクドリThe Starling Netflix

    しょうもないブログです。ご迷惑をおかけしてすいません。しょうもないので読まないで下さい。以上です。 ムクドリThe Starling メリッサ・マッカーシー主演のNetflix映画ですね。 www.youtube.com 思えばこのしょうもないブログでせっせとメリッサ・マッカーシーの記事を何度か書かせてもらいました。『ザ・キッチン』から始まってオクタビア・スペンサーと共演した『サンダー・フォース』やつい最近見た『スーパーインテリジェンス』など。彼女の映画って良くも悪くも安心して見ることができるのね。いいんですよね。 今回のムクドリはちょっと暗い映画なんですけど、子供を亡くした両親の話し。そこは…

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