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小島てつを「人生が見えるから俳句は面白い」ブログ版 https://kojima-tetsuo328.blog.jp/

俳句は、自身の心を表現する短い詩です。喜怒哀楽を表現できる五七五、計十七文字(十七語韻)のショート・ポエムなのです。当然そこには、さまざま人生が描かれます。さあ、俳句の楽しい扉を私とくぐりませんか。

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2019/08/18

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  • 隠岐の牛島打つ雷にたぢろがず 南光翠峰

    隠岐島は島根県の離れ小島のようなところがある。歴史的に見ても、隠岐島は後醍醐天皇を幽閉したてまつった辺鄙なところということになっている。もちろん、今は、そこに生活する人はたくさんいるのだろうが、人口密度からいえば、本土の比ではない。むしろ、隠岐島は牛の方

  • 春泥(しゅんでい)を踏めと仁王の大草鞋(わらじ) 橋本 華

    山の上にある神社仏閣の山門などに、大きな草鞋が架けられていることがある。いうまでもなく、草鞋で峰をすたすたと自在に登り降りした山伏が、信仰の対象になった宗教からきたもの。詳細は分からないが、奈良時代以前、役行者(えんのぎょうじゃ)に始まるといわれる。筆者は

  • 駅ピアノ置けば弾く人冬のばら 藤島光一

    読売新聞「読売俳壇」から。今日(2020.2.17)の読売俳壇の正木ゆう子選で評されている句を取り上げる。「駅ピアノ」とは、いうまでもなく作者か駅員、またはマスコミの造語であろうが、理解できる言葉である。駅の構内にピアノが置かれている。きっとたれでも自由に弾けるのだ

  • 花の冷え人の言葉を包み込む 秋尾 敏

    この句、上五「花の冷え」は季語ながら、すべてがこの言葉に収斂していく俳句だ。花の冷え、つまり「花冷え」は、桜が咲いているころ、急に訪れる寒い陽気のことをいう。この句、そのように寒い桜の下で、友人と話をしていたのだろう。花冷えが言葉を包み込むというのだから

  • 乳房に触れ子の手つめたし花の昼 今泉礼奈

    今年版の角川俳句年鑑を読んでいたら、この句に出会った。作者は平成6年生まれというから、まだ二十代だ。二十代の感性が詠んだ女性の、母性を感じさせる俳句である。「乳房に触れ」た我が子、その「子の手つめたし」、つまり、冷たい、と感じ驚いた作者。冷たさを温めてあ

  • マスクして渋谷はいつまでも未完     小山玄黙

    中国の武漢を発生源とする新型ウイルスが世界中を恐怖に陥れている。防衛手段は、手洗い、うがい、それとマスクだという。結果的に、マスクが市場から消えるほど、売れている。たれもこのウイルスに侵されたくないのだから仕方ないといえば仕方ない。一日も早い鎮静化が望ま

  • みんな夢雪割草が咲いたのね     三橋鷹女

    近代・現代俳句の世界で、いろいろな俳人が出た。もちろん、それぞれに個性があるから面白いのだが、その極北にいるのは三橋鷹女だと思う。彼女の俳句は、伝統派か前衛派かなどと言う区分けが出来ない面白さ(ユニークさ)があるのである。今、伝統派か前衛派かと書いたが、特

  • つりばしをわたれば蝶もわたりけり     清水凡亭

    清水さんが自らの著書にこの句を揮毫されている写真を見た。清水さんは、現在のマガジンハウスの前身、平凡出版の雑誌「平凡」初代編集長を経て、マガジンハウスの会長になる。ご自身、詩歌がお好きだった。「鳩よ」という詩歌文芸誌も発行した。途中、判型を変えたり、小説

  • 里山の朝のひかりは木の芽より     青柳志解樹

    作者名は「あおやぎ・しげき」と読む。青柳さんは、若き日、郷里の長野県から東京に出て来られ、造園業を営むかたわら「鹿火屋」で俳句を学ばれた。植物に対する造詣は深く、多くの俳句歳時記で植物の解説を書かれている。さて掲句、言わんとすることは、よく分かる句である

  • 恐るべき八十粒や年の豆     相生垣瓜人

    作者名は「あいおいがき・かじん」と読む。1976年、角川書店の振興財団が主催する第10回蛇笏賞の授賞式で、授賞された相生垣さんのお姿を拝見したことがある。 庶民的で物腰柔らかな方ながら、どこか仙人のような浮世離れした雰囲気ももっておられる方だと思った。節分の豆

  • 紅葉山もみぢせぬ山黄葉山(もみじやま)     辻恵美子

    俳句では「紅葉」も「黄葉」も、ともに「もみじ」と読む。句会の披講(採られた作品が読み上げられる)では、読み上げられる声だけだから、わからないことになる。このように、文字で見て初めてわかる句なのである。だからどうという気はない。俳句は、いまや句会だけが発表の

  • うるみつつ老いの瞳(ひとみ)や冬籠(ふゆごもり)    森   潮

    この句の前書きに「十二月二十一日、父脳溢血で倒れる」とある。森潮さんといえば、この句のあと、倒れた父、澄雄先生の介助で長い歳月を過ごされたことを思い出す。われわれには先生の話される言葉が聞き取れないのである。一生懸命話されるのだが、語彙が明瞭に聞き取れな

  • 落葉掃く気持ち澄みゆくところまで     和田順子

    「落葉掃く」作業というのは、それはそれは「気持ち(の穏やかになって)澄む(澄みきる・心静かになる)ところまで」やるものなのです、というのが句意。もちろん、この句、たれに強要されるわけでもなく、自分自身に語りかけているのだ。心が澄むまでになるには、ある作業に徹

  • ウイルスの街へ出てゆく春帽子     長峰竹芳

    句集「直線」より。この文を書いている2020年2月1日現在、中国湖北省武漢を発生元とする「新型コロナウイルス」という病原菌が、世界中に猛威をふるっている。特に中国では感染者が一万人を越え、死者も二百人を越えている。このウイルスから守る手立ては手洗い、うがいしか

  • 春待つや一病抱へ百弐歳     後藤比奈夫

    句集「喝采」より。「一病抱え」つつ生きている人は多い。一病もない人よりも、一病ぐらいあった方が、かえって体を気遣うぶん、長生きできる、という意見もある。たしかに、見るからに頑健そうな人が、急に亡くなられることもあるし、その反対に、病いを抱えて生きておられ

  • 風花といふ雪の子の舞踏会     八染藍子

    風花は、風に乗って宙を舞う雪のこと。水分の多い雪は別だが、綿のようなふわふわとした雪は、すぐに地面に落ちてこない。舞い降りてきたかと思うと、ふいにまた風に舞い上がるといった動作をえんえんと繰り返す。そうやっていていつか地面に到着するわけである。風花は、雪

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