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認知症診療あれこれ見聞録 https://kotobukireha.hatenablog.com/

日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。

きた みちを
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2019/06/25

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  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(14)

    認知症治療における投薬と家族によるケアについて強調しておきたかったこと ここまで数回にわたって、認知症の投薬治療について少し詳しくお話ししてきました。 そのため「『お父さん!違うでしょ!』といったような家族の対応が認知症患者さんの病状を進行させかねない」という今回のテーマからは少し離れてしまったようにも感じられます。 しかしそれは、認知症の投薬治療では実際にどのような点に苦心しているのか、そしてそれはどんな理由からなのかについて知っておくことが、適切な認知症ケアの理解を深めるうえで、とても役に立つと考えたからです。 それでは、今回どうしてもお伝えしておきたかったことを以下の6点に整理しておきま…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(13)

    前回は、精神症状と身体症状に対する薬の効果は完全に「シーソー関係」にあり、精神症状を良くする薬を使うと身体の動きが悪くなり、身体症状を良くする薬を使うと精神症状が悪くなる傾向があること、そして精神症状に対する投薬で最も出現頻度の高い副作用は「薬剤性パーキンソニズム」であること、一方で身体症状に対する過度な投薬は幻覚や妄想などの精神症状を出現・再燃させかねないということをお話ししました。 そのため認知症の投薬調整の「キモ」は、精神症状と身体症状の「シーソー関係」を保ちつつ、両者のバランスが大きく崩れないよう全体的に症状を「底上げ」することになりますが、薬には必ず副作用があるのでどうしても投薬治療…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(12)

    前回は、認知症患者さんの多くが有している「薬剤過敏性」こそが認知症治療の難易度を上げている主要な要因の一つであり、そのため投薬治療を安全に進めていくには、予期せぬ薬の効果が出ていないかどうかを注意深く見極めながら、おかしな兆候があればすぐにそれを察知して、減薬・中止などの適切な対応ができるよう、微量で投薬調整を重ねていくしかないというお話をしました。 今回はその続きになります。 精神症状と身体症状に対する「薬効」は「シーソー関係」 ①最も出現頻度が高い副作用は「薬剤性パーキンソニズム」 以前もお話ししましたが、認知症治療に用いる薬の効果は、精神症状と身体症状においては完全に「シーソー関係」にあ…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(11)

    前回は、認知症医療の臨床において、家族が勝手に薬を調整してしまうケースは治療に最も難渋するが、そもそも自己判断で内服薬の調整をすることは「悪性症候群」という命に係わる状況を引き起こしかねず、非常に危険なので絶対にしてはいけないというお話をしました。 また、認知症を伴う神経変性疾患ではほとんどの方が「薬剤過敏性」を有しているので、家族が内服薬を勝手に調節してしまうと症状が大きく波打ちやすく、治療が上手く進まなくなるということもお話ししました。 今回はその続きになります。 「薬剤過敏性」が認知症治療の難易度を上げている 私は昔「フライトシュミレーター」という旅客機を操縦して着陸させるアーケードゲー…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(10)

    前回は、患者さんの客観的な症状と変化を報告できない家族の場合、家族の大げさな話にこちらが振り回されないようにしながら、できるだけ客観的な情報を引き出せるように問診するとともに、その他の家族やケアマネを初めとする医療・介護保険スタッフとも積極的に情報交換するよう心掛けているというお話をしました。 また、認知症治療においては適切な投薬治療とケアは両輪なので、どちらが欠けても上手くいかないことが多く、ましてやどちらも不適切だと症状の改善は一層困難になるけれども、治療に最も難渋するのが家族が勝手に薬をいじってしまうケースだということもお話ししました。 今回はその続きになります。 自己判断で内服薬の調整…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(9)

    前回は、認知症患者さんがデイサービスやデイケアなどの通所サービスを利用するようになると、生活リズムが整って夜間の睡眠の質が上がり、それによってほとんどの認知症症状のベースになっている「意識の変容」が改善するので、認知症症状も全体的に落ち着きやすくなるというお話をしました。 また、通所サービスを導入すると同居家族の介護負担の軽減も期待できるので、それが家族の気持ちに余裕を生じさせることにもつながり、それによって家族が今まで気付けなかったような患者さんの症状や変化にも気付けるようになると、主治医も投薬治療をより的確に行えるようになるので、さらに患者さんの症状が改善されていくといった好循環が生まれや…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(8)

    前回は、認知症患者さんと同居されている方が、どうしても本人の気持ちを落ち着かなくさせてしまうような言動をしており、それを改めるのがなかなか難しい場合、当院では本人にデイサービスやデイケアなどの通所サービスを利用してもらうようお勧めしているというお話をしました。 そして通所サービスを導入できれば、その方と認知症患者さんを定期的に一定時間離せるようになるばかりか、患者さん本人も多くの人と交流したり、身体を動かす機会が格段に増えることで脳が活性化され、さらに生活リズムも整いやすくなるため、本人の症状も目に見えて落ち着ちついてくるとお話ししました。 今回はその続きになります。 通所サービスの導入・拡充…

  • 「お父さん!違うでしょ!」が症状を進行させる(7)

    前回は、認知症患者さんと同居されている方が、どうしても本人の気持ちを落ち着かなくさせてしまうような言動をしてしまい、それを改められない場合には、自宅でその方と2人だけで過ごす時間を減らしていくことが必要であり、そのためには介護保険サービスを利用するのが現実的であるというお話をしました。 そして利用をお勧めしているサービスには訪問型と通所型があり、それぞれにメリットがあるのですが、前回は訪問型サービスのメリットについてお話ししました。 今回はその続きになります。 デイサービスやデイケアの導入は非常に有効 当院で利用を一番お勧めしているのが、デイサービスやデイケアといった施設へ通いながら受ける通所…

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