chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
化学徒の備忘録 https://www.syero-chem.com/

化学に関することを記事にしています。大学レベルの内容が多いですが、高校や中学レベルの内容もあります。また化学であれば、無機化学、有機化学、生物化学、分析化学、物理化学、量子化学、電気化学など幅広い分野の内容の記事を書いています。

化学徒
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/06/05

arrow_drop_down
  • 共存イオン効果とイオンの活量・平衡定数・pHの関係

    共存イオン効果とは 溶液中に共存するイオンが電解質の解離や、溶解度へ影響を与える効果のことである。 一般的に共存する塩(ただし平衡に関与する共通するイオンは含まない)は、弱電解質の解離や沈殿の溶解度を増加させる。 陽イオンは反対符号である陰イオンを引き付け、陰イオンは反対符号である陽イオンを引き付ける。そのため、陽イオンに注目すると、共存する陰イオンに囲まれる。この現象はイオン雰囲気が形成されると表現される。その結果、平衡に関与するイオン間の引力は、溶解している電解質によって遮蔽されるため、それらの有効濃度を減少させ、平衡を移動させる。共存塩、もしくは平衡に関与するイオンのどちらかの電荷が増加…

  • 【Writefull】英語論文のアカデミックな言い換え・書き換えの便利サイト

    Writefull 学術論文を執筆する際は、ほぼ間違いなく英語で執筆するのが、現在の主流です。 ただ、英語で文章を書くのは、慣れてないとなかなか大変です。他の論文の英文を借用しようとする人もいますが、きちんと単語や文章を変えて借用しないと、盗用や剽窃などの機械的なチェックで引っかかってしまい、それが原因で、論文が査読までまわしてもらえないというケースも想定できます。 ただし、最近は、Google翻訳やDeepLなどの言語も翻訳も充実はしてきましたので、とりあえず英語の文章を作るまでは、比較的どうにかなります。 ここでは、その次の英語の文章の英語の単語を類語を調べて適切な単語を探したり、英文をア…

  • あなたの大学に論文が引用された回数のトップ層は何人いますか?

    毎年、ClarivateからHigly Cited Researchers (直訳すると、高被引用論文著者)が発表されています。2022年の報告についても発表がされています。 被引用回数についての解説 被引用について、詳しくない方に説明しますと、科学では最新の研究成果を論文として発表します。この時、どこまでが自分の新しい研究成果で、どこまでは他の人の研究成果や、アイデアなどで影響を受けているかを、ハッキリさせる必要があります。 そのために、論文の形式として、過去に出版された論文を引用して、その研究分野の背景や、他の研究者の結果や知見を示したうえで、自分の研究のどこに新規性があるかを、示します。…

  • 【分析化学】ケルダール分析:タンパク質の定量方法の解説

    ケルダール分析とは ケルダール分析は、ドイツの化学者ケルダールが開発した、タンパク質分析の方法の1つである。 ケルダール分析は、タンパク質などの窒素含有化合物に含まれる窒素を正確に分析する方法である。タンパク質中の窒素含有率からタンパク質の定量を行う。 タンパク質の定量には、ケルダール分析以外の手法もあるが、ケルダール分析はさまざまな分析対象に対する標準法となり、他の多くの分析法もケルダール分析に基づいていることが多い。 ケルダール分析では、硫酸で試料を分解し、試料中の窒素を硫酸水素アンモニウムに変換する。化学式で表すと、以下のようになる。 溶液を冷却した後、濃アルカリを加えて溶液を塩基性にす…

  • 【分析化学】化学平衡と電解質効果、その性質の解説

    モル平衡濃度 化学平衡は、化学平衡の法則や質量作用の法則によって考えていくことができる。さらに、活量でより詳細に考えることができる。 しかしながら、溶質であれば、モル濃度で簡易的に代用することができる。 以下のような化学平衡を考える。 ここで、モル濃度平衡定数を考える。モル濃度平衡定数は、温度、共存物質の組成などによって変化する。これを式で表すと次のようになる。 化学平衡と電解質効果 実際に水溶液中の化学平衡の一例である酢酸の解離反応を考える。 反応式は以下のようになる。 モル濃度を用いた化学平衡の式は次のようになる。 ここに例えばNaClなどを溶液に加え、共存する電解質の濃度を変化させてモル…

  • 【理系就活】2025年に求められるスキルと修士・博士課程の過ごし方

    2025年版 トップ10スキル 少し古い話ですが、2020年10月に世界経済フォーラムで発表された主にビジネスパーソンに2025年に求められるトップ10スキルの内容を、どこかで目にした方は多いのではないでしょうか。 そのスキルの内容は以下の10種です。 引用 World Economic Forum 人によって、多少は捉え方が違うかもしれませんが、日本語にすると、だいたい以下のような感じです。 分析的思考力とイノベーション(革新) アクティブラーニング(主体的学習)と学習戦略 複雑な問題の解決能力 クリティカルシンキング(論理的・批判的思考力)と分析力 クリエイティビティ(創造性)・独創性・問…

  • 男子理系学生は大学教員になる進路は諦めよ!!

    大学関連のニュースを目にする方は、最近は、東京大学の女性教員300人採用計画のような、女性教員の採用を加速させる取り組みのニュースを目にした方もいるのではないかと思います。 まずは現状を整理しましょう。 2022年現在、大学では女性研究者や女性教員の割合を増加させる取り組みが行われています。男性、女性が共に、その能力を最大限発揮できる環境を整えていくことは、様々な社会問題の解決のためにも必要な課題でしょう。 そもそも、大学の理系の学部に通ったことのある学生は、同じ学部や学科の男女比率だったり、教員の男女比率などから、なんとなく分かっているように、基本的に多くの理系分野は男性の割合が多いのも事実…

  • 【分析化学】過マンガン酸カリウム滴定とCODの測定

    過マンガン酸カリウム滴定法 過マンガン酸カリウム滴定法は、頻繁に用いられる滴定法の1つである。 過マンガン酸カリウム滴定法の利点の1つは、終点の検出に指示薬がいらないことである。過マンガン酸カリウム標準溶液は、それ自体がMnO4-の赤紫色をしており、当量点前は、MnO4-が全て消費されて、Mn2+となるため、無色になる。実際にはMn2+は非常に淡いピンク色をしているが、吸光係数が低いため、ほぼ無色に見える。一方で、当量点を過ぎるとMnO4-の色が残ることで、溶液が淡いピンク色になるため、終点が求められる。MnO4-の半反応式は以下のようになる。 過マンガン酸カリウム滴定とCOD測定 過マンガン…

  • 博士号は足の裏の米粒ってイヤミなの?

    大学などで研究を行い、論文を執筆し、1st author(第一著者)の論文を2報や3報とacceptまで準備し、さらに博士論文の執筆や、海外ではDefense(ディフェンス)とも呼ばれる審査会や公聴会をやり遂げて得ることのできる資格が博士号です。 修士課程などの大学院に進学した経験のある人であれば、この大変さは少しは想像ができると思います。 一方で「博士号は足の裏の米粒」って言葉聞いたことはありますか? おそらく日本では数十年前から言われているであろう例えです。意味は人によって多少異なりますが、大きく以下の2つです。 とらないと気になる とっても食えない とらないと気になる 特に修士号をもって…

  • 【理系研究発表】卒論発表のスライド例とポイントをわかりやすく解説

    大学の理系の学部4年生は1年間程度研究室に配属され、卒業研究を行い、卒業論文を執筆し、その内容を審査する教員の前で発表することが多いと思います。 この記事では、参考文献のnature communicationに発表されている論文を題材に使用して、卒論発表(研究発表)のスライド例と、意図やポイントを解説します。 ここでは、卒業論文を提出した学生が、その内容について10分間で発表し、5分間質疑応答を行うという設定でスライドを作成しました。 また、本記事で使用した論文にはCC BY 4.0のライセンスが付与されています。 タイトルスライド 研究背景 研究目的 実験内容、結果と考察 結論スライド 謝…

  • ゼミで質問が思いつかないときは"なぜ"を活用するといい3つの理由

    この記事は研究室やゼミに配属されて日が浅い学生を主な対象にしています。 大学で研究室に配属されると、順番に発表者が教科書の一部の担当部分や最近の論文、本人の研究の進捗などを発表するゼミやセミナーなどが実施されていることが多いです。 発表者が内容を文章にまとめたりや発表内容を動画に撮影して共有したほうが、大勢のメンバーの都合を合わせやすいはずですが、あえて研究室のメンバーが集まってゼミやセミナーを行う理由の一つは、その場で質疑応答をすることで、発表者とやり取りを行うことでお互いに理解を深められたり、議論をすることができるからだと思います。 せっかくのゼミやセミナーの場で、一回も質問をしなかったり…

  • 【分析化学】分配平衡・分配係数・分配比と抽出

    分配平衡・分配係数・分配比 分配について考えるために、物質が溶媒に溶けることについて考える。 塩や極性分子は水によく溶ける。一方で、無極性の有機分子は水に溶けにくい。 反対に、ベンゼンのような無極性の有機溶媒には、塩や極性分子は溶けにくいが、無極性分子はよく溶ける。 そして、水と無極性の有機溶媒は、水と油を混ぜたときのように、お互いに混じりあわず2相を形成する。 溶質Sが溶けている水溶液に、水とは混じりあわないヘキサンを加えて、充分に振り混ぜた後に静置する。こうしたとき、溶質Sの一部は水相にとどまるが、一部はヘキサン相にも溶ける。このときの、溶ける割合は、その溶質の性質よって大きく異なる。 溶…

  • 【分析化学】錯滴定の原理と最適な試薬の条件

    錯滴定の原理 錯生成反応を利用することで、金属イオンを滴定する方法を錯滴定という。 特にキレート試薬を用いるキレート滴定は一般に広く知られており、その中でもエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いるEDTA滴定はよく知られている。 ただし、全ての錯生成反応が錯滴定に適しているわけではない。錯滴定に用いりやすい錯生成反応としては、以下のような条件を満たすものが挙げられる。 金属イオンと滴定試薬が1:1の錯体を形成する 錯滴定に対して、充分に大きい錯生成定数をもっている 錯生成の反応速度が充分に大きい 反応速度が大きいものが錯滴定に適している理由は、反応速度が小さい場合は、滴定に長い時間が必要にな…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、化学徒さんをフォローしませんか?

ハンドル名
化学徒さん
ブログタイトル
化学徒の備忘録
フォロー
化学徒の備忘録

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用