chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
化学徒の備忘録 https://www.syero-chem.com/

化学に関することを記事にしています。大学レベルの内容が多いですが、高校や中学レベルの内容もあります。また化学であれば、無機化学、有機化学、生物化学、分析化学、物理化学、量子化学、電気化学など幅広い分野の内容の記事を書いています。

化学徒
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/06/05

arrow_drop_down
  • 分子式・構造式・構造式の簡略表現

    分子式 分子式は分子を構成する原子の種類と個数を表したものである。 水の分子式はH2O、メタンの分子式はCH4である。例えば、H2Oは水素原子2個と酸素原子1個で構成されていることを表す。 構造式 分子を構成する原子の種類と個数が、それぞれどのような順序で結合しているかを表している式が構造式である。 例えば、分子式がC3H8の分子を構造式で表すとCH3CH2CH3となる。結合をわかりやすく書くと、次のようになる。 構造式 特に有機化合物は炭素数が多くなると同じ分子式でも複数の構造が考えられるため、構造式で表すことが重要となる。 構造式の簡略表現 有機化合物では構造式が重要となるが、実際にすべて…

  • 面間隔と単位格子の体積の計算式

    面間隔 指数の隣り合った面間の距離は次の関係で求めることができる。ただし、格子定数を、単位格子の体積をとする。 立方晶: 正方晶: 斜方晶: 六方晶: 単斜晶: 三斜晶: 単位格子の体積 また、単位格子の体積は次の式で求められる。 立方晶: 正方晶: 斜方晶: 六方晶: 単斜晶: 三斜晶:

  • レナードジョーンズポテンシャル:2分子間のポテンシャルエネルギー

    レナードジョーンズポテンシャル 孤立した2分子間、もしくは2個の希ガス原子間のポテンシャルエネルギーを表すポテンシャル関数として、レナードジョーンズポテンシャルがある。 は距離にある2分子間のポテンシャルエネルギーを表す。 、は分子や希ガス原子特有の経験的に得られる定数である。また、、はその気体の第二ビリアル係数から決定することができる。 また、右辺の第一項は反発エネルギー、第二項は吸引エネルギーを表す。 一般的に、となる場合が多く、その場合レナードジョーンズの6-12ポテンシャルともいう。また、の項は長距離の引力を表し、の項は短距離形の相互作用に基づくものである。

  • σ結合とπ結合とδ結合

    共有結合とσ結合・π結合・δ結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子を出し、その2つの電子を結合電子雲とする結合である。 簡単にいうと、2つの原子に対して、電子雲がのりとして接着するようなものである この共有結合は電子軌道の重なりによって構成される。 さらに、この共有結合にはσ結合とπ結合、δ結合という分類がある。 これは結合の電子の重なりが結合軸からどのような対称性をもっているかで区別している。角運動量成分をΛで表すときに、Λが0、1、2の場合をそれぞれσ、π、δと表す。 一般的に有機物の単結合はσ結合である。また、二重結…

  • 共役二重結合:二重結合が単結合を挟むことで構成されている結合系

    共役二重結合 2つ以上の二重結合が単結合を挟むことで構成されている結合系を共役二重結合という。 二重結合はσ結合とπ結合から構成されている。しかし、π結合を形成しているπ電子は非局在性 (易動性)をもっており、σ結合のみであった単結合の間でもπ結合を形成する。 このように共役している場合、共鳴によって単結合部分も二重結合部分も単結合と二重結合の中間の性質を示す。 環状形の共役二重結合を形成している例としてベンゼンがある。 また、鎖状形の共役二重結合を形成している例として、ブタジエンやポリエンがある。 またグラファイトは電気伝導性を示すが、これは共役二重結合が平面的に広がっているためである。

  • 酸解離定数KaとpKa・塩基解離定数KbとpKb

    酸解離定数KaとpKa 酸の解離反応の平衡定数を酸解離定数という。 弱酸 (HA) の解離を次のように表す。 各濃度をで表すとき、酸解離定数は次の式で求めることができる。 この酸解離定数の値が小さい酸ほど弱酸である。 また酸解離定数の対数にマイナスをつけたものをという。 が小さいほど強酸である。 塩基解離定数KbとpKb 塩の解離反応の平衡定数を塩基解離定数もしくは塩基定数という。 弱塩基 (MOH) の解離を次のように表す。 各濃度をで表すとき、塩基解離定数は次の式で求めることができる。 この塩基解離定数の値が小さい塩基ほど弱塩基である。 また塩基解離定数の対数にマイナスをつけたものをという…

  • 有機物の単結合・二重結合・三重結合と結合の強さ・結合距離

    有機物の共有結合 単結合 二重結合 三重結合 単結合、二重結合、三重結合と結合の強さ 単結合、二重結合、三重結合と結合距離 有機物の共有結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。 共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子を出し、その2つの電子を結合電子雲とする結合である。 簡単にいうと、2つの原子に対して、電子雲がのりとして接着するようなものである。 結合の数によって、単結合、二重結合、三重結合といった分類がある。 単結合 2つの原子がそれぞれ1つの電子を出し、2つの原子が2つの電子 (1つの電子対) を共有する結合が単結合である。 化学結合の基本的な結合であり、二…

  • 実格子空間と逆格子空間

    実格子空間と逆格子空間 実際の位置ベクトルを座標とする空間を実空間という。特に、結晶のような周期的な繰り返しがある実空間を実格子空間という。 これに対して波数ベクトルを座標とし、実格子空間の周期性が反映された空間を逆格子空間という。また、単に波数ベクトルをを座標とする空間は空間や波数空間ともいわれる。 実格子空間をフーリエ変換すると逆格子空間となる。

  • 逆格子・逆格子の基本ベクトルの定義と関係

    逆格子 結晶の実空間の空間格子と正規直交の関係にある別の格子を逆格子という。 逆格子ベクトルは結晶の格子面に垂直な方向をもち、その面間隔の逆数の大きさをもつベクトルである。 実空間の基本ベクトルを、、とするとき、逆格子の基本ベクトル、、との間には次のような関係がある。 上の式のは体積であり、である。 は定数であり、、波長、のいずれかである場合が多い。 この上の関係は、逆格子の基本ベクトルの定義ということができる。 また、実空間の基本ベクトルと逆格子の基本ベクトルの間には次の関係がある。 この関係は次に示すクロネッカーのデルタを用いることでまとめることができる。 \[ \delta_{ij} =…

  • ヤーン・テラー効果とレナー・テラー効果

    ヤーン・テラー効果 (Jahn-Teller effect) ヤーン・テラー効果 (ヤーンテラー効果、Jahn-Teller effect) とは、非直線性多原子分子や固体内の原子団において、原子配列が正多角形や正多面体などの高い対象性をもつ場合に、電子状態が縮退することがあるが、このような場合に、低い対称性の配置となって、縮退を解いたほうがエネルギー的に安定になるため、対称性の低い配置をとる効果のことである。 例えば、正八面体や正四面体などの構造をもつ錯体ではd軌道は分裂している。しかしながら、d軌道の縮重は残っている。このような錯体では、ヤーン・テラー効果によって分子の形が歪むことによって…

  • アンダーソン局在とアンダーソン転移

    アンダーソン局在 結晶内のような周期的なポテンシャル中を運動する電子は結晶全体に広がって運動し、電子の波動関数は全空間に広がったブロッホ波になる。 しかし、不純物などによって結晶の周期性が乱れ、ポテンシャルの不規則性が高くなると、散乱された電子波が互いに干渉することで電子が空間的に局在する。 この電子が局在する現象がアンダーソン局在といわれる。 アンダーソン転移 不純物などによって結晶の周期性の乱れが徐々に大きくなっていく場合、乱れがある大きさになると伝導率が0になる金属から絶縁体への転移が起こると考えられる。この転移をアンダーソン転移という。

  • 光電効果・内部光電効果と外部光電効果

    光電効果 光電効果とは、物質に光が当たったときに、光のエネルギーが消費され、電子が放出される現象である。このとき、物質の外部に飛び出した電子は光電子といわれる。また、気体の原子や分子などから光電子が放出されイオンになる過程を光イオン化という。 光電効果は内部光電効果と外部光電効果に区別することができる。 内部光電効果 (光伝導効果) は光の照射によって内殻、もしくは価電子帯の電子が固体内の伝導帯に励起される。また、この内部光電効果によって電気伝導度が増加する。 外部光電効果 (光電子放出) は固体表面近傍で光励起された電子が自由電子として外部に放出される。一般的に光電効果という場合には、外部光…

  • ディラック粒子:ディラック方程式に従うスピン1/2のフェルミ粒子

    ディラック粒子 ディラック方程式に従う粒子をディラック粒子という。 スピンのフェルミ粒子を指す。電子、粒子、粒子、陽子、中性子などがディラック粒子である。 特殊な条件では、ディラック粒子は物質中で形式的に質量が0の粒子として振る舞う。

  • 量子ホール効果:ホール伝導度が離散的な値をとる現象

    量子ホール効果 半導体と絶縁体の界面や半導体のヘテロ接合面などの二次元内の電子に対して、数K以下の極低温下で、数テスラ程度の強力な磁場をかけると、ホール伝導度がとびとびの離散的な値をとる現象を量子ホール効果 (Quantum Hall Effect, QHE)という。 整数または分数を、素電荷を、プランク定数をとすると、ホール伝導度は次のように表される。 が整数の場合は整数量子ホール効果、が分数の場合は分数量子ホール効果という。 量子ホール効果では、強磁場によって電子の固有状態はランダウ準位に量子化され、半導体内の不純物などによって局在化 (アンダーソン局在) すると、電流に寄与しなくなること…

  • ホール効果とホール係数 (ホール定数)

    ホール効果 電流の流れている物質に磁束密度の磁場中においたとき、荷電粒子がローレンツ力を受けることで、電流と磁束密度のどちらにも直交する方向に電場が生じる効果をホール効果という。 生じる電場は、金属片の磁場方向の厚さをとすると、ホール係数をとすると、次のように表すことができる。 このとき生じる電位差をホール電圧という。 ホール係数 (ホール定数) ホール係数 (ホール定数) は金属の種類や温度に依存して、異なる値となる。また、ホール係数は、単位体積中の伝導電子数と電子の電荷、散乱係数によって、次のように表される。 散乱係数は高純度のSiやGeのような半導体では、金属や金属間化合物ではとなる。 …

  • 時間に依存しないシュレーディンガーの波動方程式

    時間に依存しないシュレーディンガーの波動方程式 ポテンシャルが時間に依存しない場合、波動関数を時間のみに依存する部分と場所のみ依存する部分に分離して次のように書くことができる。 この式をシュレーディンガーの波動方程式 (シュレディンガーの波動方程式) に代入して、両辺をで割ると、次のようになる。 は時間だけの関数であるため、偏微分を普通の微分に置き換えることができる。 また、この式は両辺ともエネルギーの次元であり、左辺はのみの関数であり、右辺はのみの関数である。よって、この式が任意のとで成り立つためには、両辺はとに依存しない定数である必要がある。 両辺がエネルギーの次元であるため、エネルギーに…

  • 波動関数と期待値・固有値・固有関数・固有方程式

    波動関数と期待値 波動関数が規格化されている場合、次のように波動関数の二乗を全空間において積分したものは1となる。 このとき、をの複素共役とすると、演算子の期待値は次のように求めることができる。 固有値・固有関数・固有方程式 演算子を波動関数に作用させた結果がに比例し次の式が成り立つ場合、をの固有値といい、をの固有関数という。 また、上の式は固有方程式といわれる。波動関数が演算子の固有関数であるとき、期待値は固有値と等しい。

  • ブラベ格子

    ブラベ格子 3次元空間格子は対称性などによって、14種類に分類できることが知られている。この14種類の3次元空間格子を3次元ブラベ格子 (Bravais lattice)という。 このブラベ格子は平行六面体の単位格子からなる結晶格子について、その特徴や対称性から、格子定数のa軸やc軸などの軸の比、α角やγ角などの軸角、単位格子中の格子点 (原子位置) の配列によって分類されている。 まず空間格子は対称性によって三斜、単斜、斜方、正方、菱面体、六方、立方の7種類に分類できる。さらに、複合格子を考慮して分類するとブラベ格子の分類となる。 ブラベ格子の14種類とは具体的には単純立方格子(P)、体心立…

  • デュエット則とオクテット則

    デュエット則とオクテット則 原子は正電荷をもつ原子核が中心にあり、その周りを負電荷をもつ電子が軌道を形成し取り囲んでいる。 また、原子に含まれる電子の中で最も外側の軌道に入っている電子を価電子、もしくは最外殻電子という。 内側の1s軌道 (K殻) は電子が2個入ると安定となる。2s軌道、2p軌道 (L殻)は電子が8個入ると安定となる。それぞれの数の電子が入ると、希ガスと同じ電子配置となり、安定となる。 共有結合は2つの原子が価電子のペアを共有する結合である。そして、安定化合物ではすべての原子が希ガス構造をとる。 そのため水素原子は2個の価電子をもつと安定となる。これは希ガスのヘリウム (He)…

  • 仕事関数:電子を固体から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギー

    仕事関数とは 仕事関数 (work function) とは、1個の電子を金属や半導体のような固体の表面から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギーのことである。 この電子を取り除くエネルギーは一般的に金属のような固体の場合に仕事関数といわれ、孤立原子や分子のイオン化エネルギーに相当する。また、仕事関数は電子が無限遠方にある状態のポテンシャルエネルギーである真空準位とフェルミ準位の差のエネルギーと等しい。 一般的に仕事関数が小さい物質ほど電子を放出しやすいということができる。

  • ランタノイドとランタノイド収縮

    ランタノイド (ランタニド) 57番元素のランタン(La)から71番元素のルテチウム(Lu)までの15の元素をランタノイドもしくはランタノイド元素という。また、ランタニドという場合もある。 具体的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の15元素である。 また、ランタノイド元素の性質はよく似ている。これは、ランタノイド元素は原子…

  • 粒子のシュレーディンガーの波動方程式の導出

    粒子のシュレーディンガーの波動方程式の導出 物質の波動を記述する波動方程式がシュレーディンガー方程式である。 量子力学的な粒子の波動方程式としてのシュレーディンガー方程式を導出する。 まず、波動は場所と時間の関数で表されるとする。 ここで、波数で角振動数の単純な正弦波を考える。 を複素数、を振幅として、正弦波を複素数表示すると、次のように表すことができる。 上の式の両辺をで微分すると、次のようになる。 ここで、振動数の電磁波のエネルギーは次のように量子化されるというプランクの量子仮説を考える。 この関係式を物質波にも適用できると考えると、の式は次のようになる。 また、をで二階微分すると、次のよ…

  • ド・ブロイの関係式

    物質波とド・ブロイの関係式 量子力学や量子化学では物質波という”物質は粒子である”とともに”物質は波である”という二重性が重要となる。 この物質の粒子と波の二重性を表す式が、粒子として見たときの運動量ベクトルを、波として見たときの波数ベクトルを、プランク定数をで割った換算プランク定数をとしたとき次のように表される。 また、波数は単位長さあたりに波の位相がどれだけ変化するかを示す。よって、波長と波数の間にはの関係がある。 よって、上の式は次のように表すことができる。 この関係をド・ブロイの関係、もしくはド・ブロイの式、ド・ブロイの関係式という。また、このときのをド・ブロイ波長という。

  • ミラー指数で表された面の図の書き方

    ミラー指数で表された面の図の書き方 ミラー指数が(111)の面 ミラー指数が(121)の面 ミラー指数が(101)の面 ミラー指数で表された面の図の書き方 ミラー指数がの面を図示する場合は、次のとおりである。 まず、結晶中の座標軸を、互いに独立な3つのベクトルで表すと考える。 の場合、 の各点を通る面である。ミラー指数が0の場合は、対応する軸と平行であり、交わらない。 大きさなどに注意しながら座標軸の通る点を考え、その点を結ぶ面を図示する。 ミラー指数が(111)の面 ミラー指数が(111)の面を図示する。 (111)の場合、の各点を通る。格子定数が1の立方格子の場合、、つまり、の各点を通る。…

  • ハルコン法

    ハルコン法 ハルコン法 (Halcon process) は、酸化プロペンおよびスチレンの合成方法である。 ハルコン法にもいくつか種類があるが、代表的なハルコン法は、エチルベンゼンとプロペンからスチレンと酸化プロペンを合成する方式であり、スチレンと酸化プロペンの収率も高い。 エチルベンゼンを空気酸化してヒドロペルオキシドにし、油溶性モリブデン触媒であるナフテン酸モリブデンなどを用いて液相でプロペンと反応させることで、酸化プロペンとメチルベンジルアルコールを合成できる。 メチルベンジルアルコールは酸化チタン触媒などで脱水するとスチレンとなる。

  • 電位の貴と卑

    電位の貴と卑 電位を比較するときに"貴"と"卑"と表現することがある。 一般的に貴は身分や位などが高いことを表し、卑は身分などが低いことを表す。 化学でもこの"貴"と"卑"が高低を表す際に利用されることがあり、例えば、貴金属と卑金属といった言葉はよく使われている。 電位でも同じように、+の方の電位を"貴"といい、-の方の電位を"卑"な電位という。

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、化学徒さんをフォローしませんか?

ハンドル名
化学徒さん
ブログタイトル
化学徒の備忘録
フォロー
化学徒の備忘録

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用