コロナ渦のオランダで流行する飲食店支援の食べ歩き企画 Tasty Walk に参加してみた
ついに!オランダに根差した記事を書くことができるぞ! 昨年2月に引っ越してきて以来、ロックダウンになったりならなかったり。あとアジア人に対する憎悪が事件にまで発展したこともあり、勝手がわからないなか積極的に外に出て活動しようと思えなかったんだよね。 ところが遂に、先週の政府記者会見で今週中に規制の一部が軽減されることが決定し、なんかこのままグダグダになりそうな雰囲気が漂いはじめた。いや、いままでもオランダ民衆のコロナ対策はグダグダだったのだけど、もうワクチン接種を拒否する人は感染しても仕方ないね、的な暗黙の了解が本格的に形成されつつあるように感じる。 日本の状況をあまり追っていないのだけど、日本人的にワクチン接種を拒否する場合、副作用や長期的な健康への影響が主な懸案にあがるだろう。でもオランダの場合は、それに宗教上の理由が加わる。要するに神様に与えられた命を人間ごときがいじくりまわして良いはずがない、というわけ。これは理屈じゃないから説得のしようもないのである。 その一方で、教科書的にはカルバン派プロテスタントが主流のオランダでも、日本の葬式仏教徒みたいな、ほぼ無宗教の不良キリシタンが増えており、自分自身や社会全体の命を蔑ろにしてまで信仰を貫く人たちは、もはやマイノリティ。 僕はオランダ語もできないし、もとより空気は読めないけど、ワクチンや防疫に対する温度差でオランダ社会の分断が一部可視化されたように感じた。 飲食店支援の食べ歩き企画 そんなわけで全体で見るとオランダ社会のコロナ対策はグダグダな感を否めない。でも一部の人たちは意識が高いだけでなく、それに見合う行動力と実力も備えていて、政府が定めた規制に完全に従った上で楽しめる新たな文化を次々と生み出していった。 この週末に僕が参加した Tasty Walk も、そのひとつ。 コロナ規制で瀕死の飲食店と、家で孤立しがちな人々を、規制を満たしたうえで結び付けようという、この企画。特設サイトでチケットを購入すると、選んだ地域のレストラン6店舗で食べ歩きに対応した軽食を受け取れるのだ。 このWebサービスが秀逸で、チケットを購入した時点で各レストランに連絡がいき、営業時間中に店頭で名前を伝えるだけで料理が出てくる。財布やスマホを出す必要もない。 アイデアとスピード感に脱帽である。 チケットのお値段は4500円とお高めながら、もともとオランダにあっては外食が高くつく。レス
カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」を今更読んだ。 ノーベル賞を受賞した時に彼の名前を初めて知ったレベルのヘタレ読書家として、脳内積ん読リストの上の方に常にランクインしてはいたんだよね。それが今年ようやくリアル積ん読に移行して、実際に読むまで4年近くかかってしまった。 いや〜、衝撃である。 これならノーベル賞くらい取れるだろうという衝撃。 彼の作品をもっと読みたくなって、カズオ・イシグロご本人が自信作と言う「充たされざる者」を書評も確認せずにポチってしまい、今は1000ページもの果てしない夢の中で迷子になっている(=^・・^;=) 外国人技能実習制度 「わたしを離さないで」は、おそらく20世紀後半あたりが舞台だろうSF小説だ。携帯電話とか登場しないけど、その他の設定は概ね現代社会と同じ。 では何がSFなのかというと、人権を制限された下位階級が存在し、上位階級のために人生を捧げることを生まれた時から運命づけられているのだ。 この架空の社会制度のもと、懸命に生きようとする自己犠牲を強いられる下位階級たちと、それを「支援」しようとする一部の上位階級たちの人生模様を描くのが本作である。 これって外国人技能実習制度じゃないか(=^・・^;=) 読み進めるうち、この物語は現代社会の人権格差を風刺しているんじゃないかと思い始めた。 格差社会といった場合、お金の有る人と無い人で、受けられる待遇が異なる社会を意味する。でも格差のパラメーターはお金だけで、原則としては同じ人間だ。例えば、貧乏人が宝くじに当たるとか、金持ちが騙されて路上生活に堕ちるみたいな階級の変更が、ごく稀なケースだとしても、実際にあり得る。 それはお金の有る無しに関わらず、法律上、少なくとも建前では「平等な人間」として扱われているからだ。 ところが最近の格差は人権のレベルにまでおよび、例えば外国人技能実習制度で日本にやってきた人には、日本人と同じ人権が認められていない。最低賃金みたいな労働基準法が適用されないのはもちろん、結婚や子供をもうけるといった生命活動レベルの権利も剥奪されている。 ちなみに僕は日本を批判したいのではない。同様の制度を持つ国はたくさんある。 例えばシンガポールでは一般家庭でもメイドを雇う。主にフィリピンやインドネシアから来た女性が日常の家事を担っているわけだけど、結婚する権利は当然無いし、定期的に専門の医療施設に行って妊娠していないか検査を
オキシトシン、セロトニン、ドーパミンが3つともぶっ壊れている気がする
満員電車にさよなら、対人関係にさよなら、目覚まし時計にさよなら。ということで、在宅フリーランス稼業も早いもので3年目。前半は東南アジアを流浪しながら修行していたから、正確には在宅じゃないけど…。 もろもろのストレスから解放され、サラリーマン時代と比べると全体的に体調は良い。 しかし、それでもやっぱりスッキリ爽快からは程遠く、今後もこのブログのネタに困ることは無さそうだ。 すべての不調の原因は、結局、睡眠の質が悪いことにある。これはもう、ストレスとか原因によるものではなく、漠然とした体質の問題なんだろうな。 今思えば子供の頃から寝つきが悪かった。でも子供時代はそれが普通だったわけで。自分が睡眠の問題を抱えていることを自覚したのは、うつ病になって本当にまったく寝られなくなった時だ。 今は当然その時よりは寝られている。でもApple WatchのAutoSleepというアプリで測る限り、最近は平均して70点くらいの睡眠しか取れていない。生きていく上で大きな問題はないだろうけど、やっぱりもっと深く寝られたら、人生変わるんじゃないかなぁ。 すべては脳内物質? 最近読んだ本に、幸福を司る脳内物質には大きく3種類あると書いてあった。言わずと知れたオキシトシン、セロトニン、ドーパミンである。 なんか僕の場合、この3つともぶっ壊れている気がしてならない。 オキシトシンは愛情ホルモンとか言われているように、パートナーや赤ちゃんと戯れているときに感じる幸福を司っている。 ところが僕は他人といると変な言動をして機嫌を損ねないかビクビクしてしまうし、実際変な言動をして空気が悪くなって逆ギレぎみにイライラしてくるし、赤ちゃんに至っては落っことして壊しちゃいそうで恐怖しか感じない。Little Nightmares 2という、陶器でできた子供の頭をカチ割っていくホラーゲームがあるんだけど、あんな感じを想像してしまう。 唯一、あぁ今オキシトシン出てるぅと感じるのは、ワン様やおキャット様と戯れているとき。でも、それも2分くらいで飽きる。まぁワンニャンも2分くらいで僕に飽きるので、彼らとは今後も仲良くやっていけそうであるU^ェ^U(=^・・^=) セロトニンは安心ホルモンとか言われるように、日常の安心感や平常心を司っている。 ところが僕ときたら、朝から晩までワサワサと常に動き回ってばかり。ラズベリーパイという小型コンピュータで自分を監視する仕組みを
オランダ移住をフリーランスビザで目指す日本人の安定した仕事について考える
海外移住に求められる職業形態は国によってめっちゃ異なる。 僕が6年住んだシンガポールと、移住して2年目に突入したオランダが良い例なので対比してみよう。 シンガポールは高スペックのサラリーマンにとって移住しやすい国だ。僕がシンガポールに移住した2012年は低スペックのサラリーマンも「おこぼれ」にあずかることができたのだけど、今では東大とか出てないと厳しいらしい。早慶がFラン扱いである。 どんだけだよ(=^・・^;=) 一方で、フリーランスとしてシンガポールに移住するのは難しい、というか無理だと思う。まずビザ取得に際してシンガポール人を雇用する必要があり、資本金も高く積み上げる必要がある。だから本格的に起業するか、シンガポールに移住してメディアを賑わせる有名人くらいには社会的に成功する必要がある。 無理ゲーだ(=^・・^;=) まぁコロナ後のシンガポールが特に厳しいのは事実だけど、そもそもフリーランスとして移住できる国は少ない。独力で海外移住を目指すなら、当地で求められるスキルを調べて、その中から自分に務まる求人に応募し、現地採用として赴くのが、世界中の大多数の国で一番現実的な移住の可能性なのだ。 ところが我ら日本人にとって、この例外に当たるのがオランダである。 日蘭通商航海条約という奇跡の抜け穴によって、フリーランスとして簡単に移住できる道が開かれた。一方、サラリーマンとしてオランダに移住する道は、依然としてヨーロッパ現地採用の高い高いハードルを維持したまま。 結果的に今のオランダでは、サラリーマンよりもフリーランスの方が移住しやすいという、世界的に珍しい謎の逆転現象が起きているのである。 この記事では、フリーランスビザを取得してオランダ移住を成功させ、永住権なども視野に入れつつ安定した生活基盤を長期的に築きたい場合、肝心要の仕事をどうするべきかについて考えます。 なお、想定しているのは僕と同じ境遇の人、つまり30代の扶養家族無しで健康な人です。 従ってオランダ人との結婚ビザや、日本人フリーランスと紐づいた扶養ビザで自分自身は無収入のまま移住するケース(専業主婦/夫)、そして駐在員や現地採用としてオランダに派遣される方法は、この記事では扱わないです。あしからず。 オランダ在住日本人向けサービスは成立困難 もっぱらフリーランスビザと呼ばれている日蘭通商航海条約に基づくビザは、オランダ語では個人事業主ビザである。だから
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