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スカラ座の夜 https://note.mu/nao_msng/m/m708875d37447

一橋大学大学院博士後期課程在学中。ルネサンス期イタリア史が専門. 現在、ミラノ大学にて在外研究中。 主に、ミラノ、たまにパリや東京の街の情報と歴史、文化について書いていきます。

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2019/05/08

  • ミラノのスフォルチェスコ城にて、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描を公開:...per Gitar Diverse Linee, "Disegni a pietra rossa da Leonardo alle Accademie al Castello Sforzesco"

    ミラノにゆかりのあるルネサンス期の知の巨人、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo Da Vinci)。 現在、ミラノのスフォルチェスコ城では…per Gitar Diverse Linee, "Disegni a pietra rossa da Leonardo alle Accademie al Castello Sforzesco"(「レオナルドからスフォルツェスコ城アカデミーまでの赤石のデッサン」)と題した特別展が開催されており、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品として保管される「レダの頭部」を鑑賞することができる。 (繊細で美しい装飾) ミラノの僭主であったスフォルツァ家

  • ヨウジヤマモト 未来への手紙(Yohji Yamamoto. Letter to the Future):ミラノの10コルソ・コモで開催、イタリア初の山本耀司展

    2024年初夏、ミラノの文化複合施設 10 コルソ・コモ(10 Corso Como)にて、日本を代表するデザイナー 山本耀司にクローズアップした特別展「ヨウジヤマモト、未来への手紙」(Yohji Yamamoto. Letter to the Future)が開催されている。 過去にもコルソ・コモのギャラリーでは、ファッションイラストレーターのアントニオ・ロペスやジャーナリストのアンナ・ピアッジにクローズアップした企画展が開催されてきた。 また過去にヨウジヤマモトにクローズアップした特別展としては、パリの装飾美術館(MAD, Musée des Arts Décoratif)で2

  • 【後編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

    【前編】と【中編】に続き、今回のnoteでもミラノのレアーレ宮で開催中のドルチェ&ガッバーナの特別展ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana)をレポートしていきたい。 1. 夢の中の神たち(Le Divinità in Sogno) ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは、2019年7月にイタリアのシチリア・アグリジェントにあるコンコルディア神殿をショー会場に選び、ギリシア神話やローマ神話の神々の世界を表現した。 このブースでは、神殿の柱が設置され、アグリジェントでのコレクションが再現さ

  • 【中編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

    前回に引き続き、今回もドルチェ&ガッバーナによるミラノ・レアーレ宮での展示「ダル・クオーレ・アル・マーニ」(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana)を紹介していく。 1. 建築と絵画の融合(Vestire l'Architettura e la Pittura) イタリアの美術と建築、特にルネサンスやバロックの美術と建築もドルチェ&ガッバーナにとって重要なインスピレーションの源である。 ボッティチェッリ(Botticelli)、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)、ラファエロ(Raffaello Sant

  • 【前編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

    シチリア出身のドメニコ・ドルチェ(Domenico Dolce;1958-)とミラノ出身のステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana;1962-)が1985年に立ち上げたブランド、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)。 ミラノのレアーレ宮では、現在、このドルチェ&ガッバーナの煌びやかなアルタ・モーダの世界観を元にした特別展ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana)が行われている。 今回のnoteからは、そんなドルガバの特別展を全3回に分けてレポートしていきたい。

  • カルラ・ソッツァーニ(Carla Sozzani):10 コルソコモの創設者、ファッションから、文化と教育を支えるソッツァーニ財団

    「ミラノに行こう!」と思った方の中には、ミラノのこだわりのセレクトショップ 10 Corso Como(ディエチ コルソコモ)の名前を聞いたことがあるという方もいるかもしれない。 今回のnoteでは、そんなコルソコモを作ったカルラ・ソッツァーニ(Carla Sozzani)とソッツァーニ財団にクローズアップしたい。 1. 文化複合施設 10 コルソコモとは? まず「10 コルソコモとは?」というところから説明せねばならない。 10コルソコモとは、1990年にミラノにオープンした、ブティック、カフェ、ブックショップそしてギャラリーが一つになった文化複合施設であ

  • 福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 7

    この福井のお店を紹介するシリーズも第六弾となったが、今回も美味しいお店を紹介していきたい。 なお筆者の好みにより、今回紹介するお店は、和菓子屋さんメインとなってしまった。 前回までの記事はこちら: 1. 村中甘泉堂(福井市) 村中甘泉堂は、福井の中でも有数の老舗和菓子店。 創業は明治43年(1910年)、福井駅近くに本店を構え、和菓子だけではなく、本格的な洋菓子も製造している。 名物の羽二重餅は福井のお土産品としても評判が高く、福井駅構内や県内の土産物店でも購入することができる。 夏限定のマスカット羽二重、筆者はいつも食べたいと思ってい

  • セレッティ(SELETTI):「他にはない」がここにある、イタリア発のポップな生活雑貨ブランド

    ミラノの中でもお洒落なお店が多く集まるポルタ・ガリバルディ(Porta Garibaldi)エリア。 特にコルソ・コモ(Corso Como)やコルソ・ガリバルディ(Corso Garibaldi)沿いには、飲食店や雑貨店、インテリアショップなどいくつも素敵なお店が並んでいる。 その中でも、カラフルな外観で人目を引くのは、生活雑貨・インテリア用品を生み出すデザイン会社セレッティ(Seletti)である。 今回のnoteでは、世界の注目を集めるイタリア発のブランド、セレッティを紹介していきたい。 1. 1964年創業、セレッティ(Seletti)の歴史 1964年

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 16

    2024年にオリンピックが開催されるパリ、街中では厳しい交通規制がしかれる模様でパリ在住の友人からはよく「押し寄せる観光客やオリンピック関係者を避けるために夏はパリから脱出する」という言葉を聞く。 そんな中で紹介するのも気が引けるが、今回も美味しいパリのお店を紹介していきたい。 1. パルティゾン・カフェ・アルティザナール(Partisan Café Artisanal) こちらはマレ地区のすぐそば、地下鉄エティエンヌ・マルセル(Étienne Marcel)駅の近くにあるカフェ。 焙煎コーヒーと甘い焼き菓子が豊富なお店で、地元の若い人でいつも賑わっている。 店の奥には大き

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 15

    今回もサクサクとパリの美味しいお店について書いていきたい。 1. カフェ・ピエール・エルメ(Café Pierre Hermé/ リヨン駅店) ピエール・エルメ(Pierre Hermé)といえば言わずと知れたパリの有名パティスリーである。 4代続くアルザスのパティシエの家系に生まれたピエール・エルメは、フォション(FAUCHON)やラデュレ(LADURÉE)でのキャリアを経て、1998年に自身の最初の店を出店したのは、なんと東京赤坂のホテルニューオータニ内であった。 2001年にはパリのボナパルト通りにもブティックをオープンした後、世界各地に事業を拡大して

  • 京都のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 2

    第一弾の京都のカフェ・レストラン特集に引き続き、今回も京都滞在時に訪れと店を紹介していきたい。 1. Davada Coffee & Records(七条高倉) こちらは七条高倉に位置するカフェ。 名前の通り、レコードショップの中にカフェがあるという面白いスタイルのお店である。 壁一面のレコード。 丁寧にジャンルや年代ごとに分けられたレコードたち。 店内では、コーヒーのほか、焼き菓子も食べることができるとのこと。 カヌレ、スコーン、マドレーヌ、パウンドケーキ、マフィンなどが揃っている。

  • ミラノのアペリティーボ5選 vol. 4:おすすめのハッピーアワースポットまとめ

    夜お酒を飲む場所に行くよりも、昼、おやつとコーヒーを楽しめる場所に出かけることが多い筆者。 そのためにミラノに住んでいるにもかかわらず、アペリティーボこと、ハッピーアワーのスポットにはなかなか行かないために、このシリーズの更新はカフェ特集に比べてゆっくりである。 とはいえ、ミラノで行ったお店の写真が5軒分揃ったので、今回もこれまでに行ったミラノのアペリティーボスポットについて紹介していきたい。 1. ノンブラ・ドゥ・ヴァン(N'Ombra de Vin) この日はイタリアの外から来た友人とイタリアらしいお店に行きたいということでワインバーに訪れた。 こ

  • イタリア・ローマのおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 8

    筆者はローマの大学に在籍していることもあり、ミラノからローマに度々訪問しているが、ローマはミラノ以上に観光客が多い気がする。 中には混みすぎてアクセスしづらいエリアもあるかもしれないが、自身の計画に合わせて情報を見ていただけたらと思っている。 1. バオバオ(Bao Bao) こちらはヴァチカンでの調査の帰りに寄った中華料理店。 中華料理店といっても点心がメインの気軽なお店である。 ヴァチカンというと神聖かつ厳格な印象を受けるかもしれないが、その周辺にはマクドナルドや中華料理店など、気楽なお店もわりと多い。 写真付きのメニュー表は分かりやすくてありがたい。 餃子

  • ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.18:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

    今回もミラノの美味しいお店を紹介していく。 1. ラルフローレン(The Bar at Ralph Lauren) 最初に紹介するのは、モンテナポレオーネのエリアにあるラルフローレンのカフェである。 ラルフローレンと言ったらあの洋服のブランドのことであるが、ラルフローレンでは、ミラノの他、パリ、成都、シカゴ、ニューヨークにカフェがあるとのこと。 創業は1967年でニューヨークにてと意外にもラルフローレンの歴史は服飾のブランドとしては新しい。 ラルフローレンのカフェは、シックで高級感に溢れており、以下のようなドレスコードがある。 「The Bar at Ralp

  • 【後編】ネッキ・カンピリオ邸(Necchi Campiglio):ミラノが誇るアール・デコ建築の邸宅美術館

    アール・デコ建築の傑作として名高いミラノのネッキ・カンピリオ邸。 【前編】では主に一階の部屋を紹介していたが、【後編】では地下と2階の部屋について書いていきたい。 1. 玄関ホールと地下室(seminterrato) ネッキ・カンピリオ邸は、二階建てとなっており、【前編】で紹介した一階はパブリックなスペース、この階段の先に続く二階は個室となっている。 ラジエーターのカバーや階段にはポルタルッピのアイディアが残されている。 アール・デコの装飾テーマを彷彿とさせるギリシャ風モチーフが施された階段の手すりからは、ポタルッピがさまざまなスタイルやトレンドに興味を

  • 【前編】ネッキ・カンピリオ邸(Necchi Campiglio):ミラノが誇るアール・デコ建築の邸宅美術館

    ミラノには大小様々な美術館や博物館が存在しており、筆者がお気に入りの施設はいくつもある。 その中でも邸宅美術館、つまり個人のコレクションや不動産をもとに作られた美術館が、最近特に気になっている。 というのもこのような邸宅美術館には、そのコレクションを集めた個人のストーリーやセンス、およびその建物が建てられた時代背景が反映されており、調べれば調べるほど興味深いからである。 今回のnoteでは、そんなミラノの邸宅美術館の中でも、イタリア合理主義とアール・デコを融合した建築家ピエロ・ポルタルッピ(Piero Portaluppi)による傑作として名高いネッキ・カンピリオ(Necchi

  • 東京のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 3

    今回のnoteでは筆者が一時帰国中に訪問した東京のカフェやレストランについて紹介していく。 今回は東京駅、有楽町、銀座のお店中心となったが、近くに訪れた際の参考にしていただければと思っている。 1. ティム・ホー・ワン(日比谷) 何かアジア料理、しかも点心が食べたい!という話になった時に友人と訪問したティム・ホー・ワン。 香港に本店を構える点心料理の専門店であるが、今回は日比谷シャンテの一階に位置する日比谷店を訪問した。 休日の夕方、すでに何組か待っている人がいたが、通し営業をしているために、確実に座りたい人はランチタイムやディナータイムを避けることをおすすめす

  • 福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 5

    今回のnoteでは、筆者が福井帰省の際に訪れたお店についてまとめていく。 このシリーズもあっという間に第五回となった。 福井を訪問した際の参考にしていただけたらと思っている。 1. 蕎麦cafe Maruta屋(丹生郡越前町) こちらは越前海岸沿いを走る漁火街道こと、国道305号線の脇に位置するカフェ。 漁火街道沿いには、冬になると越前カニを堪能することができる食堂や民泊のほか、温泉も点在している。 夏の日に車を走らせたが、海が真っ青で宝石のように美しかった。 蕎麦cafe Maruta屋では、蕎麦や定食、ケーキなどのフードメニューが揃っている。

  • さよならサンダーバード、2024年3月16日北陸新幹線福井開業

    2024年3月16日、ついに私の故郷の福井県に新幹線が開通する。 この記事を書いている時から遡ること8年前の2015年3月、北陸新幹線が開業し、北陸三県のうち富山県と石川県には新幹線が開通した。 北陸新幹線の開通により、富山県と石川県は、海の幸や情緒あふれる歴史遺産を売りにして人気の観光スポットとして全国にその名を知らしめた。 その一方で、福井県は北陸新幹線開業のお祭りムードに8年もの間、取り残されていたことになる。 (JR西日本の公式サイトより) 参考:「北陸新幹線プロジェクト 2023年度末 金沢~敦賀駅間開業に向け、北陸新幹線プロジェクト進行中」『JR 西日本』(2024年

  • イタリアのカフェも物価高の影響を逃...

    イタリアのカフェも物価高の影響を逃れることができず... 3-4年前に書いたカフェについてのnoteは今と値段が違っているので追記・更新せねばなりませんね。1824年創業ミラノの老舗マルケージのnoteにも最新の値段を追記しました! https://note.com/nao_msng/n/nf1a7a17c4b88?sub_rt=share_h Nao Masunaga

  • 京都のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 1

    今回の特集では筆者が京都に訪問した際に訪れたカフェについてまとめていく。 筆者が20代の前半に6年間住んだ街、京都。 京都に住んでいた時にもカフェ巡りはしていたが、この街を離れてみて、まだ行っていないカフェや自分が京都を離れてから新しくオープンしたカフェも沢山あることに改めて気づいた。 せっかくならばということで、訪問した京都のカフェ記録を残すことにしたのであった。 1. リグナム(岡崎) こちらは平安神宮やみやこめっせなどが建つ岡崎エリアにあるベーカリーカフェである。 白いシンプルな壁の店内は、パンをテイクアウトすることができるスペースとイートインスペースに分かれ

  • ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.17:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

    このシリーズもすでに第17回とだいぶ続いているが、本文に入る前にお知らせがある。 ミラノのおすすめのお店を紹介するというこのシリーズは、これまで10軒分の内容が揃ったらリリースするという方式をとってきた。 ところがミラノに拠点を置いているとはいえ、毎日のカフェ休憩は新しい店というよりも、馴染みのお店に行くことが多く、 なかなか新しい店を開拓することができない →記事のリリースを待つうちに閉店してしまった店が出てくる、 という事態が今回発生してしまった。 他の都市のカフェ特集は5軒ずつまとめていたのだが、ミラノのカフェ特集も今後、5軒ずつ、よりコンスタントに記事をリリースしていくこ

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 14

    第14回目となったパリのおすすめのカフェ・レストラン特集、今回もとっておきのお店について書いていきたい。 1. ブラッセリー・べランジェ(Brasserie Bellanger) こちらはヌーヴェル・ガールドゥ(Nouvelle Garde)というパリ市内にいくつかのブラッセリーを経営するグループ会社の系列店のようである。 10区の端にあるこのお店、パリ北駅や東駅からも近い。 グリーンと赤の外装がとても目立つ上に、内装も1950-60年代の映画の世界のようにおしゃれ。 店内の至る所に並べられたワインの瓶。 メニューはこちら、メニューのイラストもカバーも可愛らしい。 ちょっ

  • イタリア・ローマのおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 7

    ローマのカフェ・レストラン特集もついに第七回目となった。 今回も美味しいお店を紹介していきたい。 1. ラッテリア・サン・ロレンツォ(Latteria San Lorenzo) こちらローマ・サピエンツァ大学の近くにあるカフェ。 気取らない、地元の人が集まる感じのお店で、ショーケースの中に入っているものもお手頃。 甘いパンの他にサラダやパニーノもある。 お店は朝から夕方までと比較的早い時間に閉まるので注意。 朝のカプチーノをカウンターでいただく。

  • 【後編】アズディン・アライア、クチュリエ&コレクショヌール(Azzedine Alaïa, Couturier Collectionneur):パリのガリエラ美術館で開催、アライアが生涯をかけて集めたドレスコレクション

    【前編】に引き続き、後編でもアライアが集めた数々のドレスたちを見ていくこととしよう。 参考: 1. カロ姉妹、マリアーノ・フォルチュニ、Myrbor、アルフレッド・レニフ(Callot Sœurs, Mariano Fortuni, Myrbor, Alfred Lenief) 20世紀初頭に独自の道を切り開いたクチュリエたちは、アートとファッションの融合を謳歌した。 アズディン・アライアは、そんな時代の変化が反映されたクチュリエたちのユニークな作品も好んだのであり、ここでは次の4人のデザイナーたちの作品が展示されている。 カロ姉妹(Callot&nbs

  • 【前編】アズディン・アライア、クチュリエ&コレクショヌール(Azzedine Alaïa, Couturier Collectionneur):パリのガリエラ美術館で開催、アライアが生涯をかけて集めたドレスコレクション

    1979年から2017年にかけてパリで活動したチュニジア出身のクチュリエ アズディン・アライア(Azzedine Alaïa;1935-2017)。 彼の作品は、基本的な構造を押さえたものでありながらも、卓越した創意工夫が凝らされ、時代を越えた気品に満ちている。 そんなアライアは、デザイナーとして活動する一方で熱心な過去のファッションアーカイブのコレクターでもあった。 1968年以来、アライアはオートクチュール、プレタポルテ、日常着を問わず様々なデザイナーの作品をコレクションしていった。 クリストバル・バレンシアガ(Cristóbal Balenciaga), ガブリエル・シャ

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 13

    第13回目を迎えたこのパリの特集、買いていくうちに筆者もパリの地理を頭に入れることができてなかなか楽しい。 今回もパリの素敵なお店を紹介していきたい。 1. カフェ・リーヴル(Cafe Livre) こちらは、シャトレ駅近く、サンジャックの塔の前にあるカフェ。 店名の通り、店の壁一面には本が並んでいる。 猫カフェというわけではないのだが、お店の看板猫が常在しているようである(猫好きな方はラッキー、アレルギーの方は要注意)。 カフェといいつつも、結構しっかり目な食事のメニューもあり、ディナーに来ている人も多かった。 食事メニューは大体15-20ユーロくらい。 マキアート

  • 福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 4

    このシリーズもあっという間に第四弾に到達したが、引き続き福井のお店を紹介していきたい。 ただ他の記事を作成するのに時間がかかってしまい、実際にこれらのお店に訪れたのは2022年夏と少し情報が古くなっている恐れがある。 そのために最新の営業時間や価格などはお店の公式ホームページや各種SNS、Googleマップなどを参照していただければと思っている。 参考(前回の特集): 1. 食堂&Cafe CoCotte こちらは福井駅前エリアにあるカフェ。 緑に包まれた民家のような店構え。 中にはお洒落なアンティークな雰囲気の家具が設置されている。

  • 体重33kgの母親

    なぜこの話を書こうと思ったのかは分からない。 2011年11月、私の母親は52歳になってわずか数日で急性心筋梗塞でこの世を去った。 ここでは私の母親が亡くなるまでの数年間の話を書いていきたいと思う。 もう一度いうが、母の死後、12年2ヶ月経った今、この話を書こうと思ったのかは分からない。 この話は、私の母の、そして私の極めてプライベートな話であり、人に話してよいかどうか未だに分からない。 でも自分の来た道をたまに思い返すと、母の死には、 ・教員の多忙化 ・ヤングケアラー が関係していたのではないかと2024年の今になって思うからだ。 人は極端に成功したり、極端に困難に

  • あけましておめでとうございます🌅今...

    あけましておめでとうございます🌅今年も美術館とカフェについてのnoteを書きます。なお「収益化しないのですか?」と聞かれることもありますが、noteを収益化する計画は今はありません。理由は色々あるけど収益化すると今までのように書けなくなるかなと思い‥今年もよろしくお願いします! Nao Masunaga

  • 東京のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 2

    今回のnoteでは、筆者が一時帰国の際に訪問した東京のお店について紹介していく。 今回は、蔵前のお店が中心と少し地域に偏りが出ているが、下町の雰囲気を味わっていただけたらと思っている。 参考(前回の東京のカフェ特集): 1. CAMERA(蔵前) こちらは蔵前にある雑貨屋さんとカフェが一緒になっているお店。 カフェスペースは奥の方にあり、昼時には満席となり待っている人もいた。 扱われている雑貨は食器やサングラスなど生活用品が色々。 ショーケースには見るからに具がゴロゴロ入ってそうなスコーンがたくさん。

  • ミラノのカフェ・パスティチェリア10選 vol.16:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

    第16回となったこのミラノのカフェ特集、ここまで長く続くとは思わなかったが今回も美味しいお店を紹介していこう。 1. シャレ・マレキアーロ(Chalet Marechiaro) こちらはミラノ中央駅とレプブリカ駅近くにある広々したカフェレストラン。 ミラノの中心部にある上に朝7時から夜24時まで営業している、1日中使えるカフェということでありがたい存在。 中の席数も比較的多く、綺麗で広々している。 ショーケースの中にはブリオッシュやババ、ビスコッティなどなど定番のイタリアのお菓子やパンが並ぶ。 このカラフルなブリオッシュはイタリアだけでよく見る気がする。 他、シチ

  • ロマネンゴ(Antica Confetteria Romanengo Milano):1780年創業、海上交易で栄えたジェノヴァ生まれの老舗菓子店

    今回は、ジェノヴァで1780年に創業した老舗菓子店ロマネンゴ (Romanengo)のミラノ店について紹介したい。 当初、定期的に更新しているミラノのカフェ特集の中でこのカフェを扱おうと思ったのだが、調べているうちにジェノヴァの歴史と深く関わっていることがわかってきたので、このお店だけの記事を書きたいと思った次第である。 地中海交易の重要な港町であったジェノヴァでは、貴族たちが銀行業や交易を担い、街は栄えた。 ジェノヴァに本店を置くロマネンゴは、最近、ミラノにも新しい店舗をオープンした。 (メニュー表はこちら) ミラノで一番の老舗コヴァ(COVA、1817年創業)よりも古いロマネ

  • 東京のおすすめカフェ vol. 1〜有楽町・銀座・東京駅編〜

    今回は筆者が帰国中に訪れた東京の有楽町・銀座・東京駅周辺エリアのカフェを紹介する。 東京のカフェについてまとめた記事は山のように存在するが、せっかく一時帰国時に訪問したところで撮影した写真がたまってきたので書くことにしたのであった。 1. はまの屋パーラー(有楽町) 渋谷パルコや後楽園、日比谷、日本橋にある、創業は1966年のはまの屋パーラー。 こちらは既に閉店してしまった有楽町店へ行った時の写真である。 この東京カフェまとめを書こうと思っているうちに閉店してしまったのでどうしようかと思ったので、他の店舗はまだあるので、メニューや雰囲気の参考になったらと思い記事にする

  • 福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 5

    今回は、筆者の地元・福井県に帰省した際に訪問したカフェについて書いていく。 首都圏からのアクセスがあまり良くない福井県は訪れたことがない人も多いと思うが、何かの機会に訪れた際の参考になればと思っている。 1. マギーズ・ファーム(福井市) こちらはJR福井駅近くにあるカフェ。 ビルの2階にある隠れ家的なお店である。 階段の壁にだまし絵のようなものが描いてあり面白い。 こじんまりとした店内には雑貨も並んでいる。 心地よい音楽が流れ、落ち着いた雰囲気の店内。

  • パリのアズディン・アライアギャラリーの特別展「ALAÏA / GRÈS. AU-DELÀ DE LA MODE」:アライアとマダム・グレ、ドレスを「彫刻」した二人の静かな対話

    1. ドレスコレクターとしてのアズディン・アライアと孤高のクチュリエ マダム・グレ 1956年、21歳でパリにやってきたチュニジア系フランス人アズディン・アライア(Azzedine Alaïa;1935-2017)。 そんな彼は、1982年に初のプレタポルテ・コレクションを発表し、1990年代には「こだわりの王」(King of Cling)として脚光を浴びた。 女優グレタ・ガルボ(Greta Garbo;1905- 1990)、小説家ルイーズ・ド・ヴィルモラン(Louise de Vilmorin;1902-1969)、ゴルファーのセシル・ド・(Cécile de Rothsc

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 12

    第十二回目を迎えたパリのカフェ・レストラン特集、今回もサクサク美味しくて素敵なお店を紹介していこう。 1. カフェ・パヴァーヌ(Cafe pavane) こちらはパリのソルボンヌ大学やリュクサンブール公園の近くにあるカフェである。 なんとあの有名ショコラティエのジャン=ポール・エヴァン(Jean-Paul Hévin)の娘さんが経営されているお店とのこと。 こじんまりとした落ち着いた内装のお店のショーケースの中には、焼き菓子やキッシュ、ピロシキ(?!)、そして生菓子やマカロンが並ぶ。 ジャン=ポール・エヴァンのケーキも取り扱いがあるらしい。 ショーケースの中が美味

  • 【後編】シャンボール城(Château de Chambord):レオナルド・ダ・ヴィンチが若き騎士に捧げたフランス・ロワール地方の美しい城【室内装飾編】

    前編ではシャンボール城の歴史、中編ではその建築様式を説明したが、最後の後編では、シャンボール城の室内装飾や調度品について説明を進めたい。 なお、主塔(ドンジョン)の地上階からテラスへ、そして翼棟の礼拝堂へと実際に歩いて鑑賞していった順に部屋を紹介していく。 1. 応接間と狩りの間 地上階は主に応接間(Les salons de réception)と狩りの間(Salle des Chasses)で構成されている。 十字型の廊下で区切られた四隅の空間はは、それぞれ部屋となっている。 (日本語版の公式パンフレットより) 入ってすぐのスペースに飾られている絵画。

  • 【中編】シャンボール城(Château de Chambord):レオナルド・ダ・ヴィンチが若き騎士に捧げたフランス・ロワール地方の美しい城【建築編】

    前回のnoteでは、シャンボール城の歴史について説明したが、今回のnoteでは、シャンボール城の建築について詳述したい。 1. フランス・ルネサンス様式建築の傑作、騎士道精神を受け継ぐ城 重厚感のある要塞のような外観がとても凛として美しいシャンボール城。 ところがシャンボール城が建設された16世紀の時点では、こうしたルネサンスの建築形式は、時代遅れと看做されていたことも否定できない。 というのも騎士が馬に乗って敵を攻撃し、味方の要塞を守るという伝統的な戦術は、すでに火器が使われていた1494年に勃発したイタリア戦争*を契機として通用しなくなっていったのである。 つまり

  • 【前編】シャンボール城(Château de Chambord):レオナルド・ダ・ヴィンチが若き騎士に捧げたフランス・ロワール地方の美しい城【歴史編】

    今回のnoteでは、パリから車で2時間、ロワール地方に位置し、レオナルド・ダ・ヴィンチが設計した城として有名なシャンボール城について書いていきたい。 この城は、2021年2月に発表されたセリーヌ・オム(CELINE HOMME)のティーン・ナイト・ポエム(TEEN KNIGHT POEM, Fall/ Winter 2021)のショーの会場として使われたこともあり、ファッションニュースをチェックしている方ならば「あのカッコいいお城!」と思い出すであろう。 しかしながらなぜ、イタリア生まれのレオナルド・ダ・ヴィンチが、フランスで城を設計したのであろうか? これについては当

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 11

    このシリーズもあっという間に11回目となったが、パリの美味しいお店を紹介していきたい。 1. ジョー&ナナ ケイクス(Jo and Nana Cakes) こちらはパリのリヨン駅近くのカフェ。 ヴィーガンのランチやスイーツを提供している。 マカロンカラーの内装がロマンティックで可愛い。 こちらのケーキもヴィーガンとのこと。 ケーキだけでもかなりボリュームがある。 友人はキャロットケーキ、筆者は4.9ユーロのピスタチオとフランボワーズのクッキーにした。

  • イヴ・サンローラン美術館パリ(Musée Yves Saint Laurent Paris):モードの帝王の創作の場を垣間見ることができる美術館

    前回、2023年現在開催中のイヴ・サンローラン美術館の特別展 「Yves Saint Laurent, Shapes & Forms」を紹介したが、今回は常設展のブースを紹介していきたい。 なお常設展については、過去のnoteでも2018年2月に訪問した時の写真をもとに触れているが、その時とは若干展示の内容が変わっていたところもあるので今回改めてまとめ直す。 参考: 1. 2017年、パリ・マルソー通り5番にオープンしたイヴ・サンローラン美術館 かつて1974年から2002年まで、パリのマルソー通り5番(5 avenue Marceau)にはイヴ・サンローラ

  • YVES SAINT LAURENT – SHAPES & FORMS: サンローラン美術館パリより、ファッションとグラフィックアートの対話

    現在パリのイヴ・サンローラン美術館では、サンローランのアーカイヴとドイツ人アーティスト クラウディア・ヴィザー(Claudia Wieser)の作品を通して、ファッションとグラフィックアートの対話が体現した特別展「YVES SAINT LAURENT – SHAPES & FORMS」が開催中である。 「ファッション」をモチーフにした美術館の展示としては、一人のアーティストに焦点を当て、それとファッションブランドをコラボレーションさせるというのは、ユニークであると同時に難しい試みである。 なぜならば、その展示の下敷きとなるストーリーがきちんと描かれていなければ、そのコラボレ

  • ミラノのヴィンテージショップ 7選 vol.5:一点ものに出会えるこだわりの店

    このシリーズも思ったより長く続きあっという間に第5回目となった。 書いているうちに洋服のヴィンテージだけを扱う店と、アンティークやヴィンテージの家具雑貨一般を扱う店とがごっちゃになってしまってきたので、いつか分けて新しく記事を書き直した方がいいかなとも思っているが、とりあえず、今回もこのシリーズの続きとして書くことにした。 それは早速、素敵なお店たちを紹介していこう。 1. Al Mercatino “TRA NOI E VOI”(アルメルカート「トラ・ノイ・エ・ヴォイ」) こちらは本当は内緒にしたい、秘密基地のようなメルカートである。 家具や美術品、小

  • ミラノでおすすめ、アジア料理店5選 vol. 2

    「ミラノまで来てわざわざアジア料理?」とこのタイトルを読んで思った方もいるかもしれない。 人によるとは思うが、日本で生活してきた者は、常にイタリア料理を食べ続けられるわけではなく、やはりアジアの味が恋しくなってしまうのである。 イタリアをベースに生活していると、普段の自炊で日本の料理を作ることもあるが、逆に中華や韓国料理は自分で作ることができないので、外食で楽しむことの方が多い。 今回のnoteでは、そんな筆者がミラノで食べて美味しいと思ったアジア料理のお店を紹介していきたいと思う。 参考: 1. テノハラーメンクラブ(TENOHA RAMEN CLU

  • マリー・ローランサンとモード(Marie Laurencin et la mode):1920-30年代パリの文化とファッションを考察する特別展

    ほっそりとした肢体に、真っ白な肌、ガラス玉のような目をした少女のような女性の絵を描く、20世紀のパリで活躍した画家マリー・ローランサン(Marie Laurencin;1883-1956)。 なぜだろうか、彼女の絵は、本国フランスよりも日本での方が人気がある気がする。 実は、長野県茅野市(ちのし)の蓼科(たてしな)湖畔には、1983年から2011年までと短い期間ではあったが、世界で唯一のマリー・ローランサン美術館が存在していた。 この美術館は、東京のタクシー会社グリーンキャブの創業者 高野将弘氏の個人コレクションをもとに作られたものであり、現在、美術館自体は閉館しているものの、6

  • 200年続くパリのジュエラー・ヴェヴェールが織りなすアール・ヌーヴォーの世界:Dans l'intimité de Vever, Bijoux et Objets d'art depuis 1821

    1. 1821年創業 ヴェヴェール(Vever)の歴史と復興 1821年にフランスで創業した老舗宝石店ヴェヴェール(Vever)。 格調高いアール・ヌーヴォー様式のジェエリーで一世を風靡したジュエラーであるヴェヴェールは、メゾンの閉鎖と再興を経て、今はパリ2区のショールームやプランタンにてその作品を展示・販売している。 そんなヴェヴェールは、2023年6月1日から8月11日まで「ヴェヴェールの親密さの中で、1821年創業のジュエリーと芸術品」(Dans l'intimité de Vever, Bijoux et Objets d'art depuis 1821)と題した小さな特

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 10

    パリの美味しいお店紹介シリーズもあっという間に第5回を迎えた。 今回もとっておきのお店たちを紹介していきたい。 1. ル・ブーランジェ・ドゥ・モンジュ(Le Boulanger de Monge) 美味しい飲食店が並ぶことで有名なパリ5区のモンジュ通り(Rue Monge)。 ル・ブーランジェ・ドゥ・モンジュ(Le Boulanger de Monge)はそのモンジュ通りを少し入ったところにあるパン屋さんであるが、お手頃かつ味が確かなことで有名なお店である。 店内は気取らない感じだが、ショーケースには様々なパンが並んでいる。 パリのパン屋ガイドでも高い評価を得たモン

  • 博士課程と卵子凍結、海外在住・未婚女性のある選択

    唐突な話になるが、筆者は2022年の夏、卵子凍結をした。 ちなみに筆者は2023年現在、拠点は海外、博士号取得に向けて博論執筆中、パートナーなし、結婚・出産の具体的な予定なしの30代女性である。 これについては特に隠すこともなかったのだが、特に詳しく話そうとしようともしてこなかった。 というのも卵子凍結には、薬による副作用や高額な費用という問題がある上に、卵子凍結をしたからといって必ずしも将来、その冷凍した卵子を使って妊娠することができるとは限らないからである。 親しい友人たちからどのようにして凍結したのか、その方法や費用について知りたい、書いて欲しいということは直接言われ続け

  • 【後編】1997 ファッションビッグバン(1997 Fashion Big Bang):パリ・ガリエラ美術館にて開催、ファッション史上の分岐点を辿る展示

    【前編】に引き続き、【後編】でも1997年の軌跡を辿るFashion Big Bang展を紹介していきたい。 1. Les défilés haute couture automne-hiver 1997-1998 続いて展示は、1997-1998年秋冬のオートクチュールに移る。 1997年、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix;1951-)はメゾン設立10周年を迎えていた。 1990年代初頭、彼女の作品はミニマリズムに落ち着く傾向があったが、この1997年のオートクチュールでは、彼女がメゾン創設当初から見せていた華やかさを存分にアピールするも

  • 【前編】1997 ファッションビッグバン(1997 Fashion Big Bang):パリ・ガリエラ美術館にて開催、ファッション史上の分岐点を辿る展示

    パリのガリエラ美術館では、ファッションにとって重要な転換点となった「1997年」にクローズアップした特別展が開催された。 1997年と言われて何を思い浮かべるであろうか? この文章を読んでいる人の中にはまだ生まれてもいなかったという人もいるであろう。 香港返還、ダイアナ妃の衝撃的な死、映画『タイタニック』の公開など… 人によってはずいぶん遠い昔のことに感じることもあれば、ついこの前のように感じることもあるであろう。 1997年が特別な年になる予兆は、1996年10月に開催されたプレタポルテのショーの段階ですでにあった。 そして1997年1月のオートクチュールでは、ファッショ

  • パリ・ミラノ間、トレニタリア(Trenitalia )で快適な電車の旅

    2021年12月、イタリアの鉄道会社トレニタリア(Trenitalia)が、ミラノ中央駅(Milano Centrale)とパリ・リヨン駅(Gare de Lyon)を結ぶ便の運行を開始した。 およそ640km離れているミラノとパリは、空路では所要時間1時間ちょっと、このトレニタリアが結ぶ陸路だと6時間かかる。 それにもかかわらず、このトレニタリアの便の切符の売れ行きはかなり好調だという。 なぜ所要時間がここまで違うのにこの鉄道の便は人気なのであろうか。 今回のnoteでは、筆者が実際に利用した時の写真を使いつつ、そのレビューを書いてみたいと思う。 1. ミラノ中央

  • パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 9

    第九段となったパリのおすすめのカフェ・レストラン特集、今回も色々なお店を紹介していきたい。 1. B2 ブール・ラ・レーヌ(B2 BOURG LA REINE:Boulangerie au carré) こちらはパリ南部にあるソー(Sceaux)というエリアにあるお店。 この辺に宿泊した際に立ち寄った。 最寄りはRER B線のブール・ラ・レーヌ駅(Bourg-La-Reine)、パリ中心部から少し離れているが、シャトレ駅から一本でアクセスできる上に閑静な 住宅街が広がっており、パリに住むのならばこのような場所が理想的だと思ったのであった。 またソー城(Châte

  • 福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 2

    第一弾の特集に引き続き、今回の記事でも、筆者の地元・福井県の色々なお店を紹介していきたい。 参考: 1. 美術館喫茶室 ニホ こちらは福井県立美術館に併設するカフェである。 美術館に併設するカフェは、その美術館の特徴を反映したお店も多いためついついチェックしたくなる。 ドリンクメニューとフードメニューはこちら。 カフェは500円から、デザートも500円からといった価格帯。 デザートだけではなく、トーストやカレーライス、ホットサンドなどの食事メニューもある。 過去の展示や他の美術館のフライヤーが壁一面に貼られていた。 またこじんまりとした店内には色々な本

  • マン・レイ (Man Ray.Opere 1912-1975):ジェノヴァのドゥカーレ宮にて開催、20世紀の奇才の作品を辿る特別展

    2023年の春から初夏にかけて、ジェノヴァのドゥカーレ宮(Palazzo Ducale)にてマン・レイにフォーカスした特別展「Man Ray. Opere 1912 - 1975 」が開催された。 1890年にフィラデルフィアで生まれ、1976年にパリで亡くなったマン・レイ(Emmanuel Radnitzky, aka Man Ray)は、非常に独創的な写真家、画家、彫刻家、前衛映画監督、グラフィックデザイナーとして様々な肩書きのもと活躍した。 マン・レイは、新しい美学のあくなき探求のために、「私の想像力によって新しい方向が示されるたびに熱意は掻き立てられ、矛盾を感じつつ、未知へ

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