「三位一体」に関して、冒頭、高尾利数氏の言葉を引用します。 「三位一体の神・・・この神観は、確かにキリスト教に独特のものであるが、イエスは夢にだにこういう『展開』を考えたことはなかった。こういう議論は、あの時代特有の文化史的背景のなかで、特定の意味を持っていたものにすぎず、それを実体化・永遠化・形而上学化することは、ほとんど迷信的であろう。」(高尾利数著『キリスト教を知る事典』〔東京堂出版 212頁) 以下は、「キリスト論論争、三位一体論論争の意義」についてです。 「これは本来、実体論的な論理によって解決などできる類いのものではなかったのだ。それを実体論的な論理によって遂行しようとしたから、『…