信じる

池田医師と姉貴はFacebookのメッセンジャーでやり取りを重ねていた。彼は姉貴に「私の言う通りにすればお父さんは必ず治ります。」と言った。現代医学に見放され…

O-リングテスト

バーベキューが終わり、親戚一同もそれぞれの帰路につく中、親父に改めて話をした。 「うちの近所にマンション借りるけぇ。そこに来んさい。何かあったときは俺が近くに…

最後の夏

俺は夏には特別な思い入れがある。子供の頃からずっと夏が大好きで、夏が待ち遠しくて。お盆が近づくと広島から大好きな従兄弟のサトシがやってくるからだった。毎年サト…

決意

主治医から余命と今後の治療方針の流れを聞いてから、その後血液検査をして家に帰った。それから1時間半車で走って家に帰るまでに、さてこれからどうしたらいいのか考え…

余命

PET CTから2週間後。日赤に検査結果を聞きに行った。 夏休みだったから俺の奥さんと4人のこどもらもいた。姉貴も姉貴の子供ら2人もいた。みんなで日赤に行った…

二度と来たくない

がんセンターまでは車で1時間ちょい。親父は車の運転はできるけど、身体がおぼつかないし、車で知らないところを走るのが苦手な人なんで仕事を休んで連れていく事にした…

診断

おかんから電話があった。 「父ちゃんね、肺に影があって癌かもしれんって言われたけぇ。一応言うとく。」 「ふーん。」 「今度日赤で肺の組織とって調べてはっきり分…

退院前後

朝6時頃だったか。 「あれ何か。コトーン、コトーンうるさいのー。」 と言って親父が目を覚ました。朝食の準備やら薬を運んだり、病院の1日が始まった音が気になった…

give & take

日赤に緊急入院してステント留置術を受け一命を取り留めた親父。週末になって孫達を連れて面会にいったらとても喜んだが、まだ鼻から酸素吸ってる状態で少ししんどそうだ…

布石

映画「火垂るの墓」は駅の構内で横たわる主人公の死体から物語が始まりましたが、こちらは既にタイトルが結末を語ってしまっているという親父の死ありきの物語というか、…