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2018/07/29

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  • 「ネット世論」の社会学④

    『「ネット世論」の社会学:データ分析が解き明かす「偏り」の正体』(NHK出版新書・2024/8/9・谷原つかさ著)からの転載です。私は現在、京都市の四条烏丸でこの原稿を書いているので、四条烏丸にあるラーメン屋がにしから表示されます。しかし、私か千葉県の幕張に住んでいた時は、幕張のラーメン屋が上から順番に表示されました。検索は賢いため、検索者の位置情報から、検索者にとって最も有益士なる情報を提示してくれるのです。このような機能を「フィルタリング」といいます。フィルタリングは至る所に見受けられます。動画配信サイトを例に取ると分かりやすいでしょう。例えば、Netflixトップページには、「あなたにイチオシー」というリストがあります。AmazonPrimeのトップページにも、「あなたが興味のありそうな映画」という...「ネット世論」の社会学④

  • 「ネット世論」の社会学③

    『「ネット世論」の社会学:データ分析が解き明かす「偏り」の正体』(NHK出版新書・2024/8/9・谷原つかさ著)からの転載です。能動的で非代表的なネット世論一方で、ネット世論は全く異なります。第一に、誰も国民に質問をしていません。それにもかかわらず、国民は自ら、ソーシャルメディアやインターネットの掲示板、ニュースや動画のコメント欄に意見を記入するのです。これは「聞かれたから答える」のではありません。むしろ、「聞かれてもいないのに意見を発信する」という、極めて能動的な態度です。第二に、やはりランダムな意見になっていないという点において世論ではあり得ません。X等に投稿された意見は、「言いたい大だけが言った意見」なので、全ての人の意見が等確率に選択されているという状況とは程遠い状況です。一方で、ネット世論は全...「ネット世論」の社会学③

  • 「ネット世論」の社会学②

    『「ネット世論」の社会学:データ分析が解き明かす「偏り」の正体』(NHK出版新書・2024/8/9・谷原つかさ著)からの転載です。従来の世論とネット世論世論は受動的に作られる本書は、ネット世論の研究をすることを目的としています。それはつまり、「ネット世論」というものを、従来の世論(ここでは輿論と世論の区別なく、一般的な意味で用いています)とは異なる、何か異質なものとして見ているということになります。従来の世論とネット世論の違いとは何でしょうか。結論からいうと、従来の世論とネット世論はそもそも生成原理が異なるのです。従来の世論は受動的かつ代表的で、ネット世論は能動的かつ非代表的です。このことを考え始めるにあたって、国際大学准教授の山口真一氏の説明図式が参考になります。まずは図表1-1をご覧ください。従来の世...「ネット世論」の社会学②

  • 「ネット世論」の社会学①

    『「ネット世論」の社会学:データ分析が解き明かす「偏り」の正体』(NHK出版新書・2024/8/9・谷原つかさ著)からの転載です。リップマンの警鐘『世論』という名の名著があります。この本が出版されたのは1922年ですが、既に「世論」の危うさが指摘されています。著者のウォルター・リップマンはアメリカの大学を卒業後ジャーナリストとなり、20代の終わり頃に、当時のウィルソン大統領のアドバイザーになります。その時にやった仕亊が世論形成でした。当時第一次世界大戦が始まる中、アメリカは参戦しないという判断をし、それが世論となっていました。ところが情勢の変化で、アメリカ政府は参戦したほうがよいという判断を行います。その時に、平和ムードの世論を参戦ムードにするための計画を考案したのがリップマンでした。リップマンはこの仕事...「ネット世論」の社会学①

  • エコ・チェンバー

    『読売新聞』(2024.11.25)からの転載です。兵庫県知事、斎藤氏当選に関わる記事です。■「エコ・チェンバー」SNSでは、似た意見の人とばかりつながるうち、考え方が偏る「エコーチェンバー」という現象が起こりやすい。東京大の鳥海不二夫教授(計算社会科学)の分析では、選挙期間中(10月31日~11月16日)、Xで斎藤氏を支持する投稿と反対する投稿を両方リポスト(転載)していたアカウントは全体の約10%にとどまった。支持派は支持派の投稿ばかりを転載し、反対派は反対派とばかりつながる「分断」が見て取れたという。それぞれの輪の中で過激な言葉が飛び交うエコ・チェンバーが発生し、先鋭化していった可能性がある。攻撃の対象になったのは県議だけではない。知事選で次点となった稲村和美氏(52)は、自身が発言したことがない「...エコ・チェンバー

  • 僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた③

    『僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた』(2019/7/11・アダム・オルター著)、からの転載です。リアルで人間関係を築けない-ネット依存症者が陥る感情的な弱視。ブレイクモアとクーパーが発見した現象は、専門用語では「弱視」と呼ぶ(ギリシャ晤の「ぼんやりした視界]を意味する言葉から来ている」。ドアンいわく、ネット依存症になった若者たちは、一種の感情的な弱視だ。一殷的に子どもの発育段階においては、多様なノンタルスキルが育つ時期がだいたい決まっていて、臨界期と呼ばれている。たとえば大人になれば新しい言語の習得にはそれなりの努力を要するが、4歳から5歳までは、やすやすと新しいに言語を習得する。同じことがソーシャルスキルの発達にも当てはまるのだ。10代で恋や性を見識する頃に体験するややこしい世界...僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた③

  • 僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた②

    『僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた』(2019/7/11・アダム・オルター著)、からの転載です。人を依存症にするゲームがもつ3つの特徴キャッシュは私に、神経科学者のアンディ・ドアンに取材するよう勧めた。ジョンズホプキンズ大学で学習と記憶について研究した人物で、ゲーム依存症の専門家らしい。ネットでの交流がもたらす負の側面について多くを語ってくれると考えられる。そこで私は、リスタートのあるワシントン州からニューヨークに戻るとすぐに、ドアンに連絡をとって取材を申し込んだ。彼の現在の職業は眼科医だが、依存症について精力的な研究と執筆を続けている。入を依存經にするゲームには必ず3つの要素がある-とドアンは私に語った。「第1の要素は没入感だ。ゲームの中に入り込む感覚があること。第2の要素は達成...僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた②

  • 僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた①

    『僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた』(2019/7/11・アダム・オルター著)、からの転載です。40%の人が「依存症」-あなたも無縁でいられない行動嗜癖はどの程度まで一般化しているのだろう。入院したり、日常生活を送ることが難しくなったりするような、極端に害の大きい依存症は極めてまれで発症するのは人口の数%程度だ。だが、それほどではない軽度の行動嗜癖であれば、かなり一般的に広がっている。こうした依存症を抱えていると、生計の質が低下し、仕事や遊びで力を発揮できず、他人との交流も希薄になる。重度の依存症と比べれば心に与える傷は怪度だが、軽度な傷でも積み重なれば、しだいに人生の価値を著しく損なっていく。行動嗜癖を抱える人の数を把握するのは難しい。ほとんどの患者はどこにも報告されないからだ。...僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた①

  • 経験バイアス⑥

    『経験バイアス:ときに経験は思考決定の敵となる』(2024/8/19・エムレ・ソイヤー著)、からの転載です。どちらが好き?-―-選択体験をデザインする筆者らは、わが子や孫が二歳になると、なかなか言うことを聞かなくなるのを見てきた。その様子は感動を誘う。彼らがある程度まで自分で意思決定できることに気づいた証拠だからだ。とはいえ、二歳児の頑固さにはほとほと手を焼く。ひどいときには、金切り声をあげ、大泣きして自己主張する。言い聞かせるのはどうにも無理だと思ってしまうこともある。「さあ、上着を着ましよ」「きない!」「ほら、みんな上着を着るのよ。お外は寒いんだから」「きなーい!」「ほら!・上着を着なさい」「きないもーん!」幸い、先輩パパーママが、なかなかうまい手を見つけた。経験上、いくら理屈を説いても、ますます意固...経験バイアス⑥

  • 大笑い

    本願寺監事の仕事でのことです。毎年、ご門徒から沢山のお供えとしてお米が送られてくる。日常のお供え分だけだと、余剰米が出るので、その余剰米を社会部を通じて、社福施設等にお配りしている。それでも余剰米が出て、その数量が1500キロ、八畳間くらいの倉庫に2㍍くらい保管され、古い米から消費している。という。私が、員200名くらい位ので、余剰米は、職員に「お下がり」だからといって配れば良いのではないかと告げると、部長は「仏さまへの上供されたお米なので躊躇している」とのことでした。監査を終え、もう一人の監査(ご門徒の税理士)の方と、昼食を摂っていると、その方曰く「ここ10年間、毎年報恩講でお斎を頂いているが、そのお米、毎年、どう考えても古米が使用されている。古米か新米かは、いつも食べているのでわかります」という。爆笑...大笑い

  • 寒い京都でした

    18.19日と終日、京都本願寺でした。この四月から「本願寺監事」の職につき、その初めての監査従事でした。本願寺、宗派の会計監査については、専門職の人が15人くらいで、宗派、本願寺の会計監査を行っています。その後、監事の出番です。監事は、会計の成否ではなく、仕事の成果と支出、また将来の方向性に対して所見を述べるという仕事です。本願寺監事は、専門職の税理士と僧侶の私が担当です。私にとっては、全く畑違いの仕事で、奇しくも、あるセクションの部長が、私が40歳代に6年間従事した即如上人組巡教随行講師で関わった方が、「西原さんが監事でああることの驚きました」と言っておられましたが、宗門の中枢で従事いている方は、漠然として認識なのでしょうが、この人は「布教」「基幹運動」「会計検査関係」「その他」という括りがあるようで、...寒い京都でした

  • 内羽根式の紐靴が鉄則

    『週刊新潮』(2024.11.21日号)グラビア記事です。良く見るなーという感想です。振り返れば先月1日、念願の首相に就任して初の記者会見に立った礼装の石破氏は、突き出た腹でズボンがずり下がり、裾を靴で踏むありさまたった。だが今回、さすがに見た目だけは改善されていた。中央の写真は11日の首班指名を受けて再び臨んだ首相官邸での記念撮影の様子だが、ズボンの折り目はまっすぐ伸びている。腹回りからシャツが覗くようなこともない。もう「だらし内閣」ではないーと言うわけか。しかし、せっかく上げた裾もこれでは上げすぎで、あるべきはワンクッションという、首相の左隣、林芳正官房長官(63)のような足元でシワがひとつできるスタイル。しかも、よくよく見ると靴がカジュアルなコインローファーだ(写真左下)。礼装ならストレートチップ。...内羽根式の紐靴が鉄則

  • 期待値が問題

    『人はどう悩むのか』(講談社現代新書・2024/9/19・久坂部羊著)からの転載です。期待値が問題現実に対して悩んだり、ムカついたり、失望したりするのは、現実と期待値の関係が原因です。現実が期待値より低いと、人は不愉快になります。逆に現実が期待値を上まわっていれば、人は喜び、得をしたような気分になります。現実が期待値と同レベルだと、人は喜びも悲しみもせずに納得します。今、期待値に対して、現実が上か下かと考えましたが、現実は変わりません。変えられるのは自分の期待値です。だったら、できるだけ期待値を下げることで、悩んだり、ムカついたりすることを減らせるのではないでしょうか。また、人は予想外のことが起きたときにも悩みます。こんなことになるとは思わなかった、どうしてこんなことになったのか、同情すべきこともあります...期待値が問題

  • 仏教讃歌「しんらんさま」

    築地本願寺報恩講通夜布教午前3時からネットで聴聞しました。王子布教所大江和正さんが仏教讃歌「しんらんさま」について語っておられました。しんらんさまそよかぜわたるあさのまどはたらく手のひらあわせつつ南無阿弥陀仏となえればしんらんさまはにこやかにわたしのとなりにいらっしゃる二きらめく夜空星のかげあらしにきえてもかくれても南無阿弥陀仏となえればしんらんさまはともしびをわたしのゆくてにかざされる三この世の旅のあけくれにさびしいいのちをなげくとき南無阿弥陀仏となえればしんらんさまはよりそってわたしの手をとりあゆまれる下記の大江さんの話をネットから補充したものです。仏教讃歌「しんらんさま」は、昭和35年、真宗10派で阻織する真宗各派協和会(現在の真宗教団連合)は、親鸞聖人700回忌大遠忌法要を記念して「親鸞聖人を仰い...仏教讃歌「しんらんさま」

  • 経験バイアス⑤

    『経験バイアス:ときに経験は思考決定の敵となる』(2024/8/19・エムレ・ソイヤー著)、からの転載です。一見無駄に見える実り多き時間ジョルジュ・デ・メストラルは、アルプスの山奥に狩猟に出かけるのが大好きなエンジニアだった。狩猟の旅には必ず愛犬を連れて出かけた。この趣味が彼に予期せぬ課題を突きつけた。山から戻るとたいていいつも、愛犬の腹にくっついて離れない厄介な草の実に悩まされた。デ・メストラルは不思議に思った。犬の毛にも、それにからみつく実にも、粘着性はない。そのいずれも、磁気を帯びてはいない。では、どうして実が毛にくっつくのだろう?・デ・メストラル、が顕微鏡を用いて調べると、一方と他方がそれぞれ、細かいフック(鉤)とループ(輪)の形状をしているせいで、ひっかかっているのだということがわかった。この発...経験バイアス⑤

  • 単身世帯、27都道府県で40%超

    『産経新聞』(2024.11.13)記事からの転載です。単身世帯、27都道府県で40%超50年の世帯数推計高齢1人暮らし地方で高く2024/11/1216:21国立社会保障・人口問題研究所が12日発表した都道府県別世帯数の将来推計によると、全世帯に占める1人暮らしの割合は2050年に27都道府県で40%を超える。65歳以上の高齢者が1人で暮らす割合は地方を中心に高くなり、32道府県で20%を上回る。未婚の男女が増え、少子化で一緒に住む家族の人数も減るためだ。地域社会で孤独や孤立を生まないよう支え合う体制の整備が課題となる。20年の国勢調査に基づき50年までを推計。20年と比較した50年の世帯総数は310万世帯減って5261万世帯となるのに対し、1人暮らしは215万世帯増えて2330万世帯となる。65歳以上...単身世帯、27都道府県で40%超

  • 無縁遺体

    『産経新聞』(2024.11.13)記事の転載です。配信記事のようです。無縁遺体神社や寺が多く点在する名古屋市東区。葬儀社「セレモニー白壁」の入る建物の裏手には、遺体安置のための大型冷蔵庫が置かれていた。厚い扉を開くと、おびただしい数の棺が並べられていた。中に横たわるのは、引き取り手が見つかっていない故人たちの遺体だ。同社の後藤雅夫社長(76)によると、遺体の多くは行政や福祉団体の依頼を受け、ここにやって来る。引き取り先がないか自治体が親族調査に当たる間、保管を担うことになるといい、「人によっては、数週間~数カ月かかることもある」という。敷地内に置かれる冷蔵庫に収容できるのは13体まで。連日満室の状態が続くが、保管依頼は次々と舞い込む。「多い時には20体の安置が必要になったこともある」と後藤社長。入りきら...無縁遺体

  • 経験バイアス④

    『経験バイアス:ときに経験は思考決定の敵となる』(2024/8/19・エムレ・ソイヤー著)、からの転載です。アイデアを生み出すときの視野狭窄の罠ある分野での豊富な経験や慣れのせいで、注意の向け方や取り組み方の柔軟性が削がれ、思いがけないチャンスを逃してしまうことはないだろうか?ちょっとわかりにくいので、順を追って説明しよう。私たちの注意力には限りがある。それゆえ、非注意性盲目と呼ばれる現象が起きてくる。これは、集中して何かを観察していても、注意を向けていない細部を見落としてしまう現象である。この概念は、心理学者のダニェルーシモンズとクリストファー・チャブリスが行なった「見えないゴリラ」の実験を通して広く知られるようになった。それはこんな実験だ。参加者たちに、白いシャツを着た学生と黒いシャツを着た学生がバス...経験バイアス④

  • 経験バイアス③

    『経験バイアス:ときに経験は思考決定の敵となる』(2024/8/19・エムレ・ソイヤー著)、からの転載です。予言をした者が、それに沿った行動することで、事態の成り行きに影響を与えることができる場合には、その予言が現実のものとなる可能性がある。こうした予言の自己成就的な性質に気づいていない場合には、いくら経験を重ねても正しい理解にはつながらず、むしろその先見性が災いして、誤った信念をさらに強化するはめになる。自己成就ストーリーは、実にさまざまな分野に現れる。たとえば、行政官が社会の底辺に生きる人々を、怠惰で無知で卑しむべき相手と見なし、(意識的にせよ無意識にせよ)そのステレオタイプの見方に沿って行動していると、その行動のせいで、冷遇されている人々がますますそうした状況にはまり込み、問題をさらに悪化させてしま...経験バイアス③

  • 経験バイアス②

    『経験バイアス:ときに経験は思考決定の敵となる』(2024/8/19・エムレ・ソイヤー著)、からの転載です。限られた個人的経験に基づくステレオタイプのせいで、微妙な違いがあることに気づかずに、自分の判断を絶対的に信じてしまうと、さまざまな問題が起きてくる。ステレオタイプが当てにならない場合や、半分はうそだったり、まったくの主観だったり、時代遅れだったりする場合でも、経験が注意を促してくれることはない。それどころか、誤ったストーリーに基づくステレオタイプ、が定着してしまうと、経験を重ねるほど、その落とし穴にはまり込んでいき、意に沿わない結果を招いてしまうこともある。たとえば、ジャーナリストのマルコム・グラッドウェルは、『第一感「最初の2秒」の『なんとなくが正しい』(光文社)の中で、女性クラシック演奏家が長い...経験バイアス②

  • 経験バイアス①

    『経験バイアス:ときに経験は思考決定の敵となる』(2024/8/19・エムレ・ソイヤー著)、興味深い事が沢山書いてる本です。経験からの教訓-―-いったん学んでしまうと、忘れるのは難しい経験からひとたび当てにならない教訓を学んでしまうと、それをあえて忘れたり、修正したりすることがなかなかできなくなる。経験を重ねるうちに、ますますそれが強化されてしまうことも少なくない。状況が変化しても、経験が足かせになって、うまく順応できなかったりするのはそのためだ。ユーチューブチャンネル「スマーター・エプリティ」の開設者、デスティン・サンドリンは、それが本当かどうかを試すために、ちょっと変かった実験を行なった。彼はまず、自転車のハンドルの操舵機能を逆さにして、ハンドルを左に切ると前輪が右に向き、右に切ると前輪が左に向くよう...経験バイアス①

  • 「信教の自由」の思想史②

    『「信教の自由」の思想史――明治維新から旧統一教会問題まで』(筑摩選書287・2024/9/19・小川原正道著)からの転載です。「信教の自由」規定の実現へ明治政府は神道国教化とキリスト教の侵入防御を図るべく、宣教使を設置して大教宣布運動に乗り出したが、布教内吝か未整備であったことなどから、行き詰まりを見せる。仏教側では、神仏分離令や廃仏毀釈で失墜した地位を回復すべく、仏教所管官庁の設置を求める運動が起こり、そのなかで、民衆教化運動への参加も打ち出されていく。明治初期の神祇官、神祇省から宗教政策を引き継いだ教部省のもとでは、実際に神道、仏教を動員した民衆教化活動が観開され、その拠点となった大教院では、宣教使に代わって設置された教導職に任じられた神官や僧侶が神道的理念を説き、神道式の祝詞を述べるといった「神主...「信教の自由」の思想史②

  • 「信教の自由」の思想史①

    『「信教の自由」の思想史――明治維新から旧統一教会問題まで』(筑摩選書287・2024/9/19・小川原正道著)からの転載です。江戸時代の宗教政策と神仏分離令行政の末端組織としての寺社近現代における日本の国家と宗教との関係、すなわち政教関係は、主に行政機関によって規定されてきた。江戸時代に徳川幕府がとっていた宗教政策である寺檀制度(檀家制度、寺諸制度)は、檀家が檀那寺と呼ばれる特定の寺院の葬儀を担い、布施を受けることで寺檀関係を築き、寺請や宗門人別帳への記載を通して、檀家がキリシタンでないことを示すなど、身分や身元を証明する戸籍制度であった。寺院は行政の末端に位置付けられており、神道信仰と仏教信仰とが融和・調介する伝統的な神仏習合のなかで、神社に附属する神宮寺の僧侶が仏事で奉仕するなど、仏教が優位な立場に...「信教の自由」の思想史①

  • 哲学と科学⑤

    『哲学と科学』[改版](NHKブックス・2024/9/25・澤瀉久敬著)からの転載です。哲学の方法は反省と直観で、科学の方法は観察(あるいは実験)と分析であるということでした。もう少し詳しく申しますと、すでに述べたとおり哲学の対象は、存在の全体です。ところで、ほんとうに存在の全体ということが言えるためには、その存在の全体について語る人がその存在の外に立っていてはいけないので、その人自身もその存在のうちに含まれていなければならない。しかし、そうなると、その存在を外から眺めるということは、もう出来ないことで、ただ存在の自己反省としてのみ可能なこととなります。しかしながら、また、その反省ということは、ただ頭の中でいろいろと考えることではなくそれによってより深い存在の本質に触れるものでなければなりません。そy」匸...哲学と科学⑤

  • 歩行者天国

    昨三日は、当寺報恩講法要、ご講師は、兵庫県西脇市の水杉悟史師でした。毎月、三ヶ寺で1.2.3日とご講師を招いています。それで毎月、1.2日はご講師を囲んでの会食となります。昨日は、何年かぶりに柏駅東口方面にある寿司屋に行きました。毎週日曜日は、駅米のメインストリートは歩行者天国の規制がかけられています。その歩行者天国を歩くと、歩行者天国も進化すると思いました。食堂車が並んでいるのです。昼間はもっと賑やかだったことでしょう。人を引きつけるのは、やはり「飲み食い」だと新ためて感じました。歩行者天国

  • 哲学と科学④

    『哲学と科学』[改版](NHKブックス・2024/9/25・澤瀉久敬著)からの転載です。意識についてそれでは内から知られるものとは何か、それは私達の意識です。例えば、今、私はどんな気持で放送しているか。それは私の側に居られるアナウンサーにもわからぬもので、ただ私だけが知っているのです。もっとも、私の気持は私の身振りや顔色にも表れているので、その限りでは、私の気持は他の人にもわかるはずです。しかし、それは身体的(つまり、物体的)表現となった限りの意識であり、それはもっと止俯に言えば、要するに物体的変化なのであって、意識そのものは私自身内省する以外には知りようのないものです。こう考えてまいりますと、精神こそ哲学の対象なのでして、ここに物質を対象とする科学との相違があると言わねばなりません。ある心理学者は「魂は...哲学と科学④

  • 哲学と科学③

    『哲学と科学』[改版](NHKブックス・2024/9/25・澤瀉久敬著)からの転載です。法則と原理ここで、今一度、科学の対象に目を移してみましょう。普通、哲学に対して科学の強昧と考えられている点は、科学は常に事実の上に理論が形成されているということです。この点をさらに強調しますと、科学は、事実、つまり事象の現れた姿、すなわち現象のみをその対象とすべきであって、その現象の奥に何があるかについては科学は語ってはならないということです。そうして、実際、科学者はそのように現象のみについて語り、その背後にあるものについては沈黙を守っております。例えば、生理学は生命現象について研究するものであって生命の本質というようなものについては語りません。そうして、それは科学の欠点ではなく、そこにこそ、科学者の誇りがあるのです。...哲学と科学③

  • 不登校の小中学生が過去最多34万人超

    「読売新聞」からの転載です。不登校の小中学生が過去最多34万人超…コロナ禍で急増し、その後も増え続ける2024/10/3117:00不登校の小中学生が2023年度は34万6482人に上り、過去最多となったことが31日、文部科学省の問題行動・不登校調査でわかった。前年度比4万7434人(15・9%)増で、初めて30万人を超えた。いじめは、小中高校などが認知した件数は73万2568件で、生命や心身への被害や長期欠席などを含む「重大事態」は1306件と、いずれも過去最多だった。調査は毎年、国公私立の小中高校と特別支援学校を対象に実施。不登校は病気、経済的理由などを除いて年間30日以上登校していない状況を指す。学校別にみると、小学生は13万370人(前年度比24・0%増)、中学生は21万6112人(同11・4%増...不登校の小中学生が過去最多34万人超

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