chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
HIDAMARI
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2018/06/28

arrow_drop_down
  • 愉話§一日一句~陰暦九月末日~

    季語は・・・秋尽く 閉店の 知らせは忸怩 秋尽きて 【去年の今日】叩話§歌舞伎座特撰講談会~松鯉と伯山~

  • 週話§土曜枯寂~おっと・・・・・・九月終了~

    忖度も斟酌もしない時の流れが、淡々と9月終了だと告げている。まさか、ひょっとして明日は10月なのですか? ついこの間、辛夷(コブシ)が咲いただの、桜が開花したのと賑やかだったのが、それもあっという間に、若葉から濃い緑の葉となっていっていた。 そんな葉の緑も、すっかり疲れ果てて、夏の終わりから初秋の葉の色へと変わってしまっている。 30度近い気温の日もあれば、15度を切るような肌寒い日と、季節の変わり目の今、アラ七十の身にしたら、体調には十分に用心しなくてはならない。 《日常のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~弓張月~

    季語は・・・弦(ゆみはり) 弦の月 ご無沙汰の 居酒屋へ 【去年の今日】転話§電話のダイヤルやチャンネルを回す

  • 鶏話§我が家・・・・・・卵は一週間に六個です

    もうずいぶん長いこと、スーパーマーケットで卵を買ったことがない。週に一度の宅配野菜の中に卵が6個入ってくるのだ。それで一週間、十分に賄える。 毎日休まず卵を食べるのは、さすがに多いという御託宣があるようなので、二人で6個というのはほどほどにちょうどいいのではないだろうか。 まあ、とにもかくにも、それで一週間の卵で事足れりとしている。その間の料理としては、ベーコンエッグやら出汁巻玉子、トマトと卵炒めを作ってもらったり、カレーの時には茹で卵にしたりで、などなどで一週間6個が消費される。 時には納豆に混ぜ込んだりするが、個人的には大好きな組み合わせで、危険なことにツルツルツルと喉を通ってしまうのだ。 さらに卵かけご飯(TKG)も大好物なのだが、朝ごはんに銀シャリを食べることはなく、昼食や夕食に食べるのは、さすがにプライドが許さずで、実のところ食べる機会がないままに続いてい..

  • 美話§藤村実穂子[東京文化会館小ホール]

    何度も何度も聴いてきた藤村実穂子の歌曲リサイタルは……これまで紀尾井ホールで行われていたのが、上野は東京文化会館小ホールでの開催。 プログラムは以下のとおり。ピアノ伴奏はヴォルフラム・リーガー。 モーツァルト: 静けさは微笑み Kv.152 喜びの鼓動 Kv.579 すみれ Kv.476 ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼く時 Kv.520 夕べの想い Kv.523 マーラー:『さすらう若人の歌』 恋人の婚礼の時 朝の野を行けば 胸の中には燃える剣が 恋人の二つの青い眼 **********************休憩********************** ツェムリンスキー:『メーテルリンクの詩による6つの歌』 Op.13 三人姉妹 目隠しされた乙女たち 乙女の歌 彼女の恋人が去った時 いつか彼が帰ってきたら ..

  • 愉話§一日一句~そんなことはない~

    季語は・・・龍淵に潜む 龍潜む 淵より気泡 ぶくぶくり 【去年の今日】呟話§一言つぶやき~誰か教えて訳若布~

  • 異話§蟄虫培戸~七十二候~秋分

    秋分の次候“蟄虫培戸(むしかくれてとをふさぐ)”である。 8月が終わる頃の朝、潮が引くように蝉時雨が消えていた。ここまで顕著に鳴かなくなることは珍しいと……で、また復活するだろうと思っていたが、単発的にアブラゼミとツクツクボウシが鳴きはしても、あれほど元気だったクマゼミ、ミンミンゼミはすっかり姿を消してしまったのだ。 とはいえ、9月前半も真夏日だったりしていたからか、夜に鳴くコオロギの類も、今ひとつ調子が出ないようで、集団での虫時雨で賑やかにとはいってくれなかった。 結局のところ、この夏の猛暑が昆虫たちに影響を及ぼしてしまったのは、どうやら間違いないだろう。 夜間の最低気温が25度を割ってくれれば、夜の虫たちも戻ってきて、元気に虫時雨を聞かせてくれると期待している。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 独話§ビルケンシュトック愛用中

    室内履きは、スリッパではなくビルケンシュトックを使っている。ドイツ製のサンダルである。 たぶんもう20年くらいは履いていると思う。それまでは普通にスリッパを履いていたが、別の場所でスリッパを履いたりすると頼りなかったりして、やはりしっかりしたビルケンに勝るものはないと思うのだ。 そして、何か事が起きたりした時に、急いでそのまま外に出て行けるという安心材料でもあったりする。 例えば大きな地震が起きた時、地面に様々な壊れ物が散乱したりして、中にはガラスのような割れ物が落ちていたりしたら、スリッパでは危なくて、上を歩くことなどできるはずもないが、ビルケンだったら底がしっかりしているので、多少の状況だったらしばらく履いていても問題はないだろう。もちろん、状況次第で靴に履き替えるのがベターだとは思われるが……。 ビルケンシュトックを室内履きとして使うと、それまで普通に使ってい..

  • 愉話§一日一句~自然薯粘り強くて~

    季語は・・・新蕎麦 新蕎麦を 待つ蕎麦前は 山葵芋 【去年の今日】堅話§病院通いが日常に

  • 悼話§遠山一さん(ゾウさん)

    ダークダックスのメンバーで一人だけ残っていた遠山一が逝去した。一度だけダークダックスが歌うのを聴く機会があった……ちょうど半世紀ほど前、何だかの催しの中で、一曲か二曲歌ったという記憶。 メンバー全員が脂の乗った四十代半ばにという頃だったが、なぜかゾウさんの低音が響かなくなっていて、そんな年齢なのかと思った。 ダークダックス、デューク・エイセス、ボニージャックスと、昭和を象徴するコーラスグループのトップだったのがダークダックスである。享年九十三 合掌 《追悼のトピックス一覧》

  • 解話§英語的発想なるもの

    中学校の時にピークにあった英語力だが、今は辛うじて低空飛行を維持しているというところか。 辛うじて維持しているおかげは“近くて遠山の金さん”と細く長く続いているメイルのやり取りである。 韓国の医科大学の教授かつ医師である金さんは、アメリカ留学の経験もあるようで、巧みな英語を使ってくれる。おかげでそれにすがって交流を続けることができているのだ。 そんな金さんと英語メイルのやり取りをしながら、自分の英語が日本語的なる味わいが濃いことに気がついた。どこがどう違うのか、うまいこと説明をすることはできないが、英語の表現としては生硬で、自分で見ても日本語を直接英語にしたようだと感じてしまう。 それに比べれば金さんが書いてくる英語はこなれていて“ああ・・・・・・こう書けばいいのだな”と思わせてくれるが、自分が書くとなると話は別なのだ。 ありがたいことに、今は自動翻訳が使えて..

  • 愉話§一日一句~自分に正直に~

    季語は・・・肌寒 やせ我慢 せず肌寒と 口に出し 【去年の今日】活話§年寄りをなめるんじゃないよ!

  • 顧話§今日の歴史~寿命は20年ほどだった~

    1978年9月26日、東芝が世界初の日本語ワードプロセッサを発表。 宮仕えを始めた年に、ワープロ第1号が発表されていた。もちろんパソコンすら自分にとっては雲の上の存在だったのだが。 仕事場にワープロがやって来たのは1984年のこと。最初は遠巻きに眺めていたが、自分がやっている仕事に役立ちそうなことを思いついたので、おずおずとディスプレイの前に座った。英文タイプは少しばかり心得があったが、会社が導入したのは親指シフトの富士通オアシス(OASYS)なのだった。 手探りで始めて見たが、意外にもすんなりと親指シフトを覚えて、いそいそと仕事のために必要なデータ入力を始めた。キーボードに慣れる意味もあって淡々と数百行に及ぶデータを入力し、入力したデータに変更が生じたり、新規データが登場した時はその都度更新、加除をして、データを充実させていったのだ。 そうしたおかげで、キーボード..

  • 偽話§プラセボ?・・・・・・それとも?

    去年の暮、磁気ネックレスを購入した。 “鰯の頭も信心”でもいいやと思いながら、それでも某エレキバンが効いてくれてるので、ひょっとしたらと考えた。肩凝りや肩甲骨と背骨の間が張るのは、月に一度あるかないか程度で、それほどひどい凝り性というわけでもない。 その程度だから効いてくれるものか……そうしたことは検証しようにもしようがない。一つしかない我が身で、磁気ネックレスをした時と、しない時と同時進行で確かめることなど不可能なのだ。 新薬の薬では、被験者を二つのグループに分けて、一方は治験薬を、もう一方には薬効成分の入っていない粒を飲ませて効果を調べるのだが、もちろんそれを同一人物に試すことは不可能である。 ただ、何の薬効成分もないものを呑んだグループの中に、症状が改善することあって、それをプラセボ効果と呼んでいるのだが、10か月ほど使っている磁気ネックレスも、プラセボだった..

  • 愉話§一日一句~秀山祭また来年~

    季語は・・・良夜 歌舞伎座に 楽日来たりて 良夜かな 【去年の今日】週話§日曜有閑~長月九月最終週~

  • 歴話§妹背山婦女庭訓~第一部~国立劇場

    10月をもって閉場する国立劇場“初代国立劇場さよなら特別公演”大劇場の最後の2か月『妹背山婦女庭訓』のまず第一部を観てきた。序幕『春日野小松原の場』から始まって、二幕目『太宰館花渡しの場』から、三幕目『吉野川の場』まで。 序幕20分、二幕目30分と軽いが、三幕目は1時間55分の長丁場である。 江戸時代の人たちは不思議な舞台を創り上げたと改めて思う。飛鳥時代という太古の昔の出来事を江戸時代に置き換えて、言わば“現代劇”に仕立て上げてしまった。たとえて言うなら、スーツ姿で忠臣蔵を上演するようなものではないか。 序幕……梅枝の雛鳥と萬太郎の久我之助の初々しさが際立った。梅枝は相変わらず古風な顔立ちが映える。萬太郎はやや幼く見えてしまうところが損。新悟の采女。 二幕目……松緑の大判事、時蔵の定高登場して、舞台が引き締まる。松緑のこしらえが個人的には老い過ぎていると感..

  • 健話§おやつとラジオ体操

    慢性の運動不足である……せめても“爪の先っぽのような”埋め合わせで、ラジオ体操をしている。毎日15時から、ほんの10分でしかないが、しないよりはましなので、せっせとやっている。 “三つ子の魂百まで”ではないが、小学校の時に覚えて既に60年が経つが、第一体操、第二体操ともにすべての動作を間違えることなくやりおおせることができるのは不思議だ。 これはもうDNAの中に組み込まれているとしか思われず、音楽が鳴りだせば、身体が自然に動き出してしまう……認知症が進行しても身体が動いてくれるのだろうか。 でまあ、準備体操的なイントロから第一体操、間に首の運動を挟んで第二体操まで済ませたら“おやつ”の時間である。 お茶や紅茶、ソフトドリンクの飲みながらいただくのは、餅菓子であったりチーズケーキ、時にはプリンのようなもの。ラジオ体操で運動したよりも、カロリーは多いだろうから、割に合わ..

  • 愉話§一日一句~行き先は九州方面?~

    季語は・・・秋の空 飛行機は 西へ真西へ 空は秋 【去年の今日】週話§土曜有閑~ゴミが入っています~

  • 週話§日曜枯寂~旅行中の通院3回~

    海外を旅行していた時、合わせて3回医者のお世話になった。 最初は2008年。左足親指の付け根が炎症を起こし、オーストリア・アルプス端っこの村の整形外科に飛び込んだ。医師の診断はというとドイツ語で…… Gicht ……すなわち“痛風”というもの。身に覚えがないわけではないが、うーんと首を傾げていたら「まあ、関節炎ってところかな」で、薬を処方してもらい、ほどなくして痛みは治まった。 これが第1回。次は2016年のバイロイトで、歯の詰め物が取れてしまった。これも放置するわけにはいかず、ホテルのレセプションで最寄りの歯医者を予約してもらい、事なきを得た。それにしても“旧宮殿”に歯医者を構えているなど、入っていくのに「マジ!」と思うような設えである。 そして2018年、3回目も取れた歯の詰め物の修復だった。オーストリア・アルプス端っこのクリニックだったが、これまた愛想の..

  • 愉話§一日一句~木挽町は秋の空~

    季語は・・・秋分 秋分や 秀山祭の 楽近し 【去年の今日】儲話§円安の日々なりき

  • 異話§雷乃収声~七十二候~秋分

    秋分の初候“雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)”である。 秋分が来た……だが……暑い……今だに。もちろん、まだまだエアコンとの縁は切れない。 8月終わり頃から秋風が吹き始めてはいて、そうして見上げた雲は秋のそれである。申し訳に入道雲ももくもく噴き上がってきたりはするが、雨雲レーダーを眺めても夕立の気配は見当たらないのである。 確かに、秋分に来て雷雨もあるまいとは思うが、9月はまだ夏の残滓があるので、本格的に秋の声を聞くのは、10月中旬くらいになってからだろうか。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 週話§土曜枯寂~無理しない・・・・・・できない~

    ないならないなりに体力があったなあというのは五十代のあたりまでのことだった。 海外旅行をしていると、しみじみ体力勝負だと思わざるを得ない。思い切ってレンタカーを使おうと実行に移したのは、48歳になろうとする頃で、そのタイミングを外して、五十代でと考えたら、それは無理な相談だったと思われる。 まさに、年齢なりの体力がどれほどのものか、その事実を思い知り、自覚するようになったのは五十代に入ってからのことで、少しずつ無理できないと我が身を御することを考えるようになった。 ある意味で決定的だったのは、定年退職直後。久々に訪れた尾瀬でのこと。歩いている最中に、膝の靱帯は傷めるし、最終日に3時間半くらいだろうと考えていた歩程が4時間半も要してしまったことが大きい。 そして、それ以降は絶対に無理しない日程を組んで、細く長く歩いていくと決めたのだ。年齢相応、自分なりに動くしかないわ..

  • 愉話§一日一句~ああ愉しきかな~

    季語は・・・花野 ここはどこ? 駆け出し行けば 花野かな 【去年の今日】麥話§ビールは明るく

  • 呟話§一言つぶやき~キシダメ~

    “この人”の徹底的に頓珍漢なあれやこれやは、既にして政の世界には…… ……まったく不向きであることを示しているし、常に他人事でしかない表情からしても、自慢の“聞く力”などまったく持ち合わせていない、もしくは少なくとも国民の声を聞く力など皆無で、無能だとしか言えないのである。 《つぶやきのトピックス一覧》

  • 眠話§時差ぼけ辛い

    ヨーロッパへ飛ぶのに、行きは約12時間、帰りは約11時間……これが辛い。6時間くらいでとまでは言わないが、せめて10時間は切ってほしいと、切に願うのである。 だが、ここ一年以上というもの、ウクライナ侵略の影響を受けてシベリア上空を飛行することができず、直行便であっても、14時間ほどを要することになってしまった。それゆえに、いよいよ時差ぼけが辛くなっていくようだ。 通常時、羽田を昼頃経ったミュンヘン行きは、同日17時頃に到着する。この流れだと、着いてホテルにチェックイン。4時間ほど動いて、軽くビールを呑んでベッドに潜り込む。 途中、一度か二度は眼が覚めてしまうが、それでも睡眠時間は確保できて、翌日午前中からレンタカーを走らせて目的地に向かうことができる。肝腎の時差ぼけはというと、日中はそれほどでもないのだが、夜に向かうに連れて症状が現れる。ゆえに到着直後、翌日の演奏会ほど辛..

  • 愉話§一日一句~墓参りの帰りに~

    季語は・・・秋彼岸 水の香に 雨の予感や 秋彼岸 【去年の今日】葡話§ワインはお好き?

  • 別話§今は六十代~見送ること~

    平均寿命が延びたことで全体が長寿傾向となって、身罷る親の年齢が上がるのと並行して、見送る息子や娘の年齢も上がってきている。これはもう避けられないことであろう。 我が家の場合、父親が祖母を見送ったのは、祖母85歳、父60歳だった、81歳でこの世を去った父を見送った息子は52歳だった。そして、ついこの間も、62歳の知り合いが89歳の親を見送っていて、我が身の周囲も否応なく高齢化していると感じたのである。 我が身内については、両親、祖母、叔母、叔父を見送った。父親については喪主も務めた。これだけの人数の葬式を身内から出すと、時間が開きはあるにしても、それなりのノウハウは自分の身に付いてくれたと思う。 だが、最初は自宅で通夜と告別式を行ったが、最後に行った父親の時は、いわゆる斎場を借りての通夜と告別式を行ったのだ。そして、しがない団地マンション住まいにしてみれば、階上の自宅で、通..

  • 嗚話§病院通いが・・・・・・

    病院通いが途切れない。 月に一度、内科に通院して薬を処方してもらっている。数年来の、足の血管に問題があって、それを改善させるもので、薬を服用し始めた頃から比べれば、かなり改善されてきたと感じられる。 しかも院内処方で薬を出してくれるので、いちいち薬局まで出向く必要がないのはありがたい。 この程度だったら、まあまあ年齢相応かと思っていたら、イレギュラーな通院が入ってしまうようにもなった。 3か月前には耳鼻咽喉科のお世話になった……左耳の奥が耳垢でガリっと音がするようになった。耳垢取りを使っても治らないので、これはもう!と耳鼻科に行ったら、あっという間にすっきり。 と思ったら、7月には歯の詰め物が取れた。以前にも取れた同じ詰め物で、同じ歯科医に処置してもらうのは何だかなので、違う歯科医の予約を取ってみた。 なかなか予約が取りにくく、少し待つことになったが、ず..

  • 愉話§一日一句~莢隠元のことよ~

    季語は・・・三度豆 三度豆 さっと胡麻和え 箸休め 【去年の今日】偲話§秀山祭九月大歌舞伎第一部と第二部

  • 播話§秀山祭九月大歌舞伎昼の部~米吉~

    三連休最終日、秀山祭昼の部を観てきた。この日も世間はとんでもない残暑に見舞われ、表を歩くのが本当にしんどい状況だった。 お目当ては一本目の『祇園祭礼信仰記-金閣寺』で、雪姫が米吉と児太郎のダブル配役だが、この日は米吉の雪姫。若手女形の中では群を抜いて“かわいい”役者である。ただ、雪姫は“人妻”である。そうすると、見た目があまりにも娘と見えてしまうが、それははまあしかたがない。それはそれとして、芝居はきっちり丁寧に務めている。 歌六が国崩しの悪役である松永大膳をふてぶてしく務め、舞台を締めた。それに相対する勘九郎の此下東吉は、個人的には見た目爽やかと感じたのは。松永大膳との対比を考えてのことかとも考えたが、東吉の策略がらすれば、もう少しアクのようなものが表に出てもよかったかもしれない。 菊之助が雪姫の夫直信を……後ろ手に縛られて、舞台上手から出て花道へと引っ込むだけ..

  • 利話§レンタカーで空港へ

    海外旅行でレンタカーの利用を始めたのは2002年からで、およそ20年運転をしたことになる。戸惑ったのは最初の2年ほどで、それ以降は、日本とそれほど変わらず運転できていたと思う。 何がありがたいと言って、ほぼ9割のレンタカーをピックアップしたミュンヘン国際空港だが、空港内大手レンタカー会社のチェックインカウンターがあって、手続きを終えてキーを受け取れば、歩いて3分ほどのところの駐車場で車を見つければ、荷物をのせてすぐに運転することができる。 ↓ミュンヘン空港でレンタカーを返却する 返却するのも、同じ駐車場に戻ってきくれば、空港にカウンターがあるレンタカー会社はすべてを同じ場所で受け入れてチェックアウトできるのだが、これは本当に簡単でありがたい。 それが、成田や羽田だとどうだろうと調べてみれば、空港内でチェックインはできるようだが、車をピックアップするには送迎用の車..

  • 愉話§一日一句~人通りなくなって~

    季語は・・・虫時雨 木挽町は 夜の部はねて 虫時雨 【去年の今日】動話§予定はけっこう入っているのだ

  • 悼話§市川猿翁さん(歌舞伎役者)

    それまで、3階席上の幕見席で何回か観ていた歌舞伎をきちんと観ようと、1階2等席を張り込んで出かけたのが、三代目猿之助と玉三郎の顔合わせによる『義経千本桜』だった。1992年のことである。 白状するも何も、それまでも歌舞伎については何もわからずだったのだが、この時も同様で、ろくに筋も知らずに観て、記憶に残っているのは、猿之助の“けれん”や宙乗りといったものだけだった。 その数年後、再び猿之助で『當世流小栗判官』を観たが、これまたけれんを楽しんでおしまい。まだまだ歌舞伎を楽しむ余裕のようなものはなかったようだ。 その後、2003年の公演中に体調不良を訴え、パーキンソン症候群を発症して舞台から遠ざかったが、2012年に二代目市川猿翁を襲名し『楼門五三桐』で真柴久吉を務めたのが最後の舞台となった。 記憶に残っているのは、1992年のバイエルン国立歌劇場来日公演で、猿翁が演出..

  • 助話§牛肉と玉葱炒め~お助け中華~

    牛肉と玉葱炒め……日本の中華料理屋で見かけることのない料理を食べたのがいつだったか、はっきりと覚えている。1991年にバイロイト初詣した時の市内の中華料理店だった。 まだ三十代半ば過ぎくらいだったが、現地の料理に食傷して、散歩中に見つけた店に入ったのだ。何を注文しようかと、しばしメニューを眺めていた時に眼に飛び込んできたのがこいつだったのである。 そして注文。テーブルにやって来たのは、ほぼ予想した通りで、シンプルな仕上がりに安心した記憶だ。 料理法は大雑把にこんな感じで、店によって味付けはかなり異なっている。まあ、日本人的に言えば“ご飯がススムくん”に仕上がっていて、それだけでも安心材料と言えるだろう。 最後に食べたのはオーストリアアルプスの端っこ。村々が点在する中でも、比較的大きな集落に一軒の中華料理店があって、そのあたりに滞在している間に、必ず一度は食べ..

  • 愉話§一日一句~陽射し明るくて~

    季語は・・・秋日和 秋日和 赤子やうやう 眠りけり 【去年の今日】週話§日曜有閑~六十八歳です~

  • 異話§玄鳥去~七十二候~白露

    白露の末候“玄鳥去(つばめさる)”である。 古希を一年後に控えた69歳の誕生日は白露の末候である。 何度か書いていることだが、誕生した日に発生し熱帯低圧から変化したのが洞爺丸台風だった。この台風が青函連絡船洞爺丸を沈没させ、多数の死者を出したのは、よく知るとおり。 70年も前、天気予報の精度はまだまだ手探り状態と言ってもおかしくなく、その後、気象衛星やコンピューターの性能の向上によって、予報精度は格段の進歩を見せた。数字に見る人的被害は少なくなったが、強風や大雨による物的被害が、ここにきても劇的に改善したようには思えない。 せめて何とか、川が氾濫して堤防を越えることは抑えられないものか。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 誕話§アラ七十~古希秒読み~

    本日、69歳となった。 20世紀の半ばに生まれた身が、21世紀のどこまで生き延びるものか、それはわからない。何しろ古希七十が眼の前なのだから。 うーん……七十半ばくらいだろうか、あるいは八十までは頑張れるかなどと考えたりはするが、齢百歳みたいなことなどゆめゆめ考えたことなどない。 まあ、かなりガタが来まくっている中古のオンボロ・ボディだが、生きる意志があって、とりあえずパーツが動いて、いくばくかの欲というか好奇心が我が身の中に健在であってくれれば、生きるのは楽しいに違いないのだが。 《私事のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~酒仙に献杯~

    季語は・・・牧水忌 牧水忌 ロックでダバダ火振呑(や)る 【去年の今日】週話§土曜有閑~イタリア料理の日~

  • 週話§日曜枯寂~路面電車~

    先月26日、宇都宮で路面電車(LRT)が開業した。実に75年ぶりの新規路線の誕生である。 かつては、東京にも京都にも都電や市電が走っていたが、自動車の激増による道路渋滞が影響して、徐々に姿を消していってしまった。ここに来て新たな路面電車の開業が、どのような意味を持つものか、興味をもって先行きを眺めようと思う。 ところで、路面電車が走っている街は大好物だ。海外を旅行していて、街に路面電車が走っているのを見るとうれしくなる。 特にドレスデンのような“古都”の旧市街を縫うように走っているのを見るのは好きだし、数年前にインスブルックでも可愛い市電が走っていて、こんな小さい都市なのにと感心したことがあった。 ヨーロッパの国々では、公共交通の運行が充実していて、その意識の高さに敬意を払いたくなるのだ。どこか……アジアの国のように、赤字が重なるとさっさと廃止してし..

  • 愉話§一日一句~存在感さりげなく恐ろし~

    季語は・・・鳥兜(とりかぶと) 鳥兜は紫紺 これより尾瀬ヶ原 【去年の今日】実話§胡瓜(キュウリ)のおはなし

  • 週話§土曜枯寂~何かと忙しない~

    たいしたことではないが、日々やっておかなくてはならないあれこれが積み重なって、それを淡々とこなしている日常だ。 もちろん現役の宮仕えとは比べるのも恥ずかしいほどでしかないけれど、それでも、その日その日の区切りのようなものだと受け留めて動いている。 逆に、そうでもしないと曜日の感覚が明らかに失われてしまうから、やるべき日にやるべきことをしていくことが、我々の日常化の助けになってくれるようだ。 基本のきとしては、週二回の燃えるゴミ収集があって、そこから曜日感覚を維持できているということだろうか。 もう一つは、週に一度入荷する商品があって、それを求めるためにスーパーに行くというもの。別に買わなくても困るような類ではないけれど、その日と買いに行くと決めていだけである。 まあ、こうして必ずやることの合間に、ちょっとしたお出かけ……歌舞伎、コンサートのお楽しみやら、会社O..

  • 愉話§一日一句~カウンターに客二人~

    季語は・・・秋日和 ワンオペの 主はあくび 秋日和 【去年の今日】繋話§携帯電話は苦手

  • 告話§ビッグイシュー463号発売中!

    ビッグイシュー463号は9月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ジェーン・バーキンが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ジェーン・バーキン リレーインタビュー スミス 特集 “有事”を防ぐ “有事”とは“平時”の反対語で、国家においては戦争など武力に訴えるような事件・事変が起こることである。 2022年12月16日、政府が閣議決定した安保三文書には「反撃能力(敵基地攻撃能力)」が盛り込まれ、戦後日本の「専守防衛」政策を大きく変えた。防衛費でも約1.5倍、5年間で総額43兆円に拡大するとした。その理由の一つに“台湾有事”をあげる。 現在、中国は武力による台湾統一を明言せず、台湾の世論も大半が「現状維持」を求めている。「なのに、なぜ日本が台湾防衛のために米国と..

  • 鶏話§卵かけご飯~TKGですねン~

    朝ご飯の“ラスボス”といえあば、これはもう卵かけご飯しかないでしょ! 物心ついた時には、お気に入りの定番となっていたのは、偏食のゆえであろうと思うが、そうでなくても卵かけご飯に飛びつくのは当然のことだろう。 朝起きて、まだ胃が動いていないかなという時でも、パカっとご飯に割り入れてかき回し、醤油を垂らしてやれば、あっさりとかき込むことができる。醤油でもいいが、そこに海苔の佃煮でもあれば、風味は一層増して、食欲はいや増しなのだ。かくして快調な一日が始まってくれるということである。 ところで卵かけご飯を“T(卵)K(かけ)G(ご飯)”と、見事な三文字略語を考え出したのは誰なんだろうと思う。これを見かけるようになったのがいつか、諸説あるが、おおよそ今世紀に入って10年くらい経った頃らしい。 どこぞの居酒屋で締めのご飯の中に“TKG”とあるのを見つけて、うまいこと言うなあと感..

  • 愉話§一日一句~夜中に台風過ぎ行き~

    季語は・・・野分 闇に眼を 凝らし野分は 温低化 【去年の今日】箱話§便利と不便と~ラジカセ復活?~

  • 過話§備忘録的な何か~2023年9月14日付~

    9月4日頃……今年もヌスビトハギ(盗人萩)が咲き始めていた。毎年、ほぼ同じ時期に咲いてくる。 雑草とか野草と言うには、なかなかに可憐な姿だし“ヌスビトハギ”などという物騒な名前とはまったく違う様子ではないか。 名前の由来はヒッツキムシと呼ばれる種子で、種子の表面がマジックテープのようになっていて、衣服にくっついてはどこかへと運ばれ、そこで繁殖が繰り返されるということだ。 9月11日……ツクツクボウシが遠くで一匹鳴いているのが聞えてきた。前週9月に入ったタイミングで蝉時雨がピタッと止んでしまったが、普段だったらもう少し五月雨気味に鳴く数が減っていくはずでは思っていた。今年の蝉の様はそんな感じのようで、既に世間はコオロギなどの秋の虫が喧しく鳴く夜となっている。そして日中はすっかり静けさを取り戻した。 9月12日……酒を呑む日につき枝豆を茹でた。ここ2、3年は一袋全部を茹..

  • 卑話§間違っているものは間違っている

    今だに“お上にたてつく”とか“お国に反旗を翻す”とかしようものなら、逆族扱いするというのが我が“黄昏の後進国”である。 政府が、政治家が、官僚が無謬であると思い込まされているのか、思い込んでいるのかわからないが、彼らが間違いを犯さないと誰が言えるのか。黒を白だとは、どこをどう屁理屈をこねようが言えるはずなどないではないか。 マイナンバーカードと健康保険のおかしな紐づけこそ、その変な屁理屈付けの最たるもので、国民に不便ばかりでなく事故の危険性まで押し付けようとする暴挙で、到底容認するわけにはいかない。 この国の民は、いったいいつになったら“お上”にダメなものはダメと物が言えるようになるのだろうと思う。 いつだったかも書いた気がするが、こんな状況は独裁国家であり、かつての社会主義国の状況と同じではないか。 繰り返すが、政府が為すあれこれがこれすべて無謬などとは口が..

  • 愉話§一日一句~しばしの静寂~

    季語は・・・虫の音 虫の音が 途絶え終バス 発車して 【去年の今日】保話§冷凍庫は最下段

  • 異話§鶺鴒鳴~七十二候~白露

    白露の次候“鶺鴒鳴(せきれいなく)”である。 鶺鴒(セキレイ)は、我が家のあたりでも見かけるのが珍しくもない。初めて 鶺鴒を眼にしたのは、尾瀬へのアプローチを歩いている時だった。人懐こい というか、先導するように歩く先へ先へと飛んでいく。だが、実際はツンデ レと思えなくもない。近づいたかなと思ったら、ひょいと行ってしまう。 鶺鴒だが、留鳥とある。だが尾瀬は、もう2か月もすると冬に入って、餌も 覚束なくなってしまから、おそらくは里に下りていくということだろうか。 尾瀬のような標高1400mあたりだったら、ちょっとそろそろ秋色が始まりつ つあって、そんな気分になるかもしれず、そんな様子を見に行ってみたいと 考えるのだが、今年は5月下旬に1回入っただけで、2回目を考えつつも、 ちょっと身辺があれこれ立て込んでいると感じ、タイミングを計りかねてい るところ..

  • 別話§終活のおはなし~さてその先は~

    [承前] 人は死ぬ。いずれ死ぬ……いったい自分は、どこから来て、どこに去っていくのだろう。 死んでしまえば、荼毘に付され“灰”になってそこまでである。死後の世界がどうのこうのとかまびすしいが、これまで誰一人として死後の世界を見た人間などいない。臨死体験は単なる“体験”でしかなく、それをもって死後の世界を見たわけではない……ただの夢である。 意識がなくなり、呼吸が止まり、心臓が止まり。意識が途絶えたら、我々はこの世からおさらばするのだ。もうその先はない。 来年、古希七十を迎えるが、いよいよ秒読みに入っているのは間違いない。 [続く] 《老化のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~読み散らかして~

    季語は・・・秋の夜 読みさしが 徐々に積まれて 秋の夜 【去年の今日】馳話§旅館の食事を考える

  • 仇話§木挽町のあだ討ち

    2023年上期の直木賞受賞作であり永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』を読了。 文学賞受賞作品だからいつも読むというわけではないが、江戸の芝居小屋を舞台にしたというところに興味を惹かれ、迷うことなく手に取った。 二日ほどで読了したが、芝居小屋とそこに生きる人と“あだ討ち”を果たそうと奔走する若い侍の交流が描かれている。 本編は、あだ討ちから2年後に一人の侍が芝居小屋を訪れて、あだ討ちの経緯を芝居小屋の人たち一人一人に語らせるという……一人に聞いては次の人へと、さしづめ『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』というところか。 とにかく人物描写に一日の長があると感じた。芝居小屋の人たちの暮らしが手に取るように浮かび上がってきた。そして“聞き取り”重ねるうち、ある違和感が…… ……実は、最終章に差しかかるあたりで結末らしきものは見えるようになってしまった。そのあたり、作..

  • 播話§秀山祭九月大歌舞伎夜の部~車引~

    暑さが戻った日曜日の午後、秀山祭九月大歌舞伎夜の部を観てきた。吉右衛門没して、早いもので三回忌である。 一本目の菅原伝授手習鑑『車引』が秀逸な出来。又五郎の松王丸、歌昇の梅王丸、種之助の桜丸と、一家親子兄弟の顔合わせ。 又五郎以下、小柄な一家だが、小柄を感じさせない歌昇の梅王丸が大きい。所作、台詞の荒々しさ、荒事がみちり詰まっていたようだ。又五郎の松王は重しとして無難な印象。種之助の桜丸は少々引っ込み気味と感じられたが、もう一歩前に出るつもりでいればいいのに。歌六の時平、鷹之資の杉王丸、吉二郎の金棒引藤内。 二本目に菊之助、丑之助親子で『連獅子』が……このところ、勘九郎&勘太郎親子あたりから、松緑&左近親子などなど『連獅子』の連打で、またかと思いつつの舞台。ざっと調べてみるとどうやら“最年少”9歳の子獅子で、同じ9歳で勘太郎が務めたが、公演中に10歳となった。ゆえ..

  • 愉話§一日一句~出来立てを開けて~

    季語は・・・濁酒(どぶろく) 濁酒は 1杯と決め 古希間近 【去年の今日】週話§日曜有閑~テレビゲームも・・・・・・~

  • 顧話§今日の歴史~目のあたりにした現実~

    2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件。 帰宅したら、21時のニュースの雰囲気が異様だった。ニューヨークのワールドトレードセンタービル(WTC)に旅客機が突っ込んだというのだ。何を馬鹿なことと見ていたら、22時過ぎに2機目が突っ込む瞬間をリアルタイムで見たのである。 それは、間違いなく現実なのだが、あまりにも現実とはかけ離れているように見えて、その瞬間は何が起きているのか頭が理解していないようだった。 それから徐々に大変な事が起きていると思っていったが、人間はとんでもない出来事を目にすると、感性や想像力の類が鈍化するのではないだろうか。 そして、少しずつ状況がクリアになっていって、事態の大きさに困惑し、怒り、悲しむのである。 こうして起きたテロに始まって、二十一世紀が混迷の世紀になっていく……その時はそこまで考えもしなかったが、今になってみれば、まさに..

  • 怠話§遅刻なんて自慢にならない

    遅刻自慢の人がいるようだ。特に著名人、有名人の中にそうした人たちが目に立つようで、様々な武勇伝を読むことができる。 だが、不可抗力以外は、どれも笑えない類のものばかりでしかない。本人だけで完結しているのだったら何の問題もないが、複数のスタッフ&関係者を巻き込んで長時間待たせるなどと論の外の迷惑に決まっているではないか。 しかもそうした遅刻自慢は半端ではない……10分、15分など、そうした輩にとっては遅刻の内になど入らず、1時間や2時間はザラという話を聞いた。 だからもちろん、他人の都合など考えるはずもない。その先に別の仕事を予定している人にとっては、やきもき以上の心理状況になってしまうのは必定であろう。 自分自身のルーズさが他者に及ぼす影響をまるで理解できていないということなのかどうかは、個々人の性格があるにしても、結局は本人自身がそうしたことの重要性を認識してない..

  • 愉話§一日一句~青空高く~

    季語は・・・野葡萄 野葡萄や 径窮まりて 道祖神 【去年の今日】週話§土曜有閑~アニメ映画は・・・・・・~

  • 週話§日曜枯寂~バイロイトの日々[下]~

    [承前] 2008年と2016年、最後2回のバイロイト詣はレンタカーを借りたので、ホテルと祝祭劇場の間を車で往復することができたが、これは超楽ちんだった。 一番遠かったホテルは、祝祭劇場まで約2km、タキシード姿に革靴で30分をかけて歩いたのだが、当時まだ三十代だからできたことだろう。 街散策をしても、14時頃にはホテルに戻ってきて身支度を始めなくてはならない。実はかなり忙しないのだ。昔々読んだバイロイト詣にまつわる文章の中に「街を散歩して昼食を食べ、ホテルに戻って昼寝をする」みたいなことが書かれてあったと記憶しているが、実は昼寝をする余裕などあらばこそなのである。もちろん、やってやれないことはないのだけれど そして15時頃にはホテルを出発して祝祭劇場に車を走らせる。駐車場は劇場裏手に十分なスペースが確保されているが、できるだけ劇場近くに駐車したいのも人情だ。 ..

  • 愉話§一日一句~汗もまた気持ちよく~

    季語は・・・重陽 重陽の 快晴の日の 峠道 【去年の今日】過話§尾瀬歩き昨今~尾瀬沼・尾瀬ヶ原~[下]

  • 週話§土曜枯寂~バイロイトの日々[上]~

    気がつけば、2023年のバイロイト音楽祭が先週のはじめには終わっていた。初めてのバイロイト詣は1991年で、2016年を最後に打ち止めとし、我がバイロイト体験は5回、24公演で終わりを迎えたのだ。 バイロイト詣は長丁場である。上演される7演目すべてを観ようとすれば、公演前日にバイロイトのホテル入りして、最後の公演の翌朝チェックアウトしても、10泊11日を要することになる。 ↓2008年に滞在したホテル 休憩のない2演目、ラインの黄金とさまよえるオランダ人の開演は18時で、それ以外は16時開演。1時間の休憩2回を挟んで終演時刻は22時半を過ぎることもあるので、まずもって体力温存……ひたすら祝祭劇場でのワーグナーを体験するためにバイロイトの時間はあるのだ。 一日は、ホテルの朝食に始まる。これはしっかり食べておいたほうが吉なのだ。朝食が終われば8時過ぎ。この先の予定は..

  • 愉話§一日一句~箱根の関越え~

    季語は・・・クマゼミ クマゼミは東へ地球温暖化 【去年の今日】過話§尾瀬歩き昨今~荒れる木道~[中]

  • 異話§草露白~七十二候~白露

    白露の初候“草露白(くさのつゆしろし)”である。 二十四節気の中で、清明とか白露とかきれいな名前だなと思う。もう少しは涼しくなってほしいと思うが、もはや諦めの境地にある。 そういえば、かつての旧ソ連時代に“白ロシア”という国名があったなあと思っていたら、それが“ベラルーシ”と変わっていた。どういう意味なのかと調べれば“ベラ(美しい)ルーシ(ロシア)”とあって、そういうことかと納得したのだった。 そして、かつての漢字表記は“白露西亜”となり、略して白露なのである。 《七十二候のトピックス一覧》

  • 連話§ワタシの酒肴[176]初めてのキムチ・・・・・・

    [承前] 初めてキムチを食べたのがいつのことだったか、これは記憶にはっきりしている。 1974年10月、草紅葉の宿泊客で混雑した尾瀬の山小屋の週末手伝いに入った帰り、一緒に東京に戻ったスタッフと池袋の焼肉屋に行った。ちなみに焼肉屋も初めてのことだった。 9月で二十歳になっていたので、事実上アルコールも解禁……それゆえ当然生ビールを注文。ほぼ同時にキムチがやって来た。これがキムチかと思いながら唐辛子で赤くなった白菜を口に放り込んだ。 あ……うまい……うまいじゃん!そしてしかもビールにめちゃ合うのだな。 そして残念ながら、キムチ体験はしばらく中断。ようやくキムチと再開したのは1978年、宮仕えを始めた年の冬。引っ越して間もないアパートと駅の間の商店街の中の焼肉屋で一人焼肉をした時……4年ぶりのキムチだった。 そして、キムチを食べるようになっての余得はというと..

  • 愉話§一日一句~秋の空気~

    季語は・・・花野 陽盛りの 午後や花野に 過ぎる風 【去年の今日】過話§尾瀬歩き昨今~夜行日帰り~[上]

  • 旨話§仕出し弁当のお試し期間・・・・・・

    大学時代にアルバイトをしていた時のことである。昼食には仕出し弁当を頼むことができたのでお願いしていた。いつものように食べようとしたら…… 明日、お試しの仕出しが来るからね~♪ ……と教えてくれた。そしてお試し弁当が届いて食べてみたら、これがうまい。それまで頼んでいた弁当と雲泥の差に、担当の人が「こっちの仕出しに替えるから」と。 替わった仕出し弁当は、最初の数日ほどはそれなりのうまさを維持していたのだが、一週間も過ぎると、あーら不思議……それまで頼んでいた業者の弁当とたいした差がなくなり“元に戻って”しまったかのようになったのだ。 その時しみじみと、営業をかける時はそれなりの水準のものを出してくるのだと思い至ったのだ。考えてみれば当たり前の話で、お試しが不味かったら話にならないではないか。 まだまだ世間知らずだった大学生にしてみれば、まさに“営業”の手練手管を身..

  • 短話§楽曲名を省略する件~自虐的~

    とかく単語の省略をしたがるのが日本人である。特に外来語の省略は得意だが、およそ外国人には理解できない省略をしているとは言うまでもない。 我が趣味であるクラシック音楽もその例に漏れず、様々な省略をしていて、百花繚乱というか賑やかというか……いくつか例を挙げてみよう。 手始めに、バッハのブランデンブルク協奏曲を“ブランデン”と略すのは、 かわいいほうだと思われる。 そしてモーツァルトのレクイエムを“モツレク”とは、クラシックに疎い人には何のことだかわからないだろう。そしてさらに続けていってみようか。 定番といえば、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をとれぞれ、ベトコン、メンコン、チャイコンと省略したのは、ずいぶん昔からのことと思われる。 ブルックナーやドヴォルザークの頭を取ってブル7やド..

  • 愉話§一日一句~しつこいって~

    季語は・・・秋の蚊 したたかに つきまといけり 初秋の蚊 【去年の今日】暮話§ほとんど同じ所ばかり

  • 忍話§父は従軍した

    昭和の年数と年齢が同じだった父は、第二次世界大戦の終戦2年ほど前に、召集令状を受け取り“陸軍”に応召した。18歳とかそんな年齢で、それまで行ったこともない大阪は枚方まで行かされたようだ。 そこでどんなことをしていたのか、詳細なことは聞いたことがない。自慢話をしばしばしていた人だから、話したければ自分のほうから話し出しただろうし、そうすればこちらからも聞きたいことが思いついたかもしれない。 枚方は大阪の府心からは少しばかり離れていたから、米軍の空襲に遭うこともなく過ごしていたと思われる。軍隊生活がどんなものだったかについてもまた知る由もない。 上等兵で終戦を迎え、二十歳になった秋には群馬まで復員できたようだ。幸いにして実戦に直面することもないまま、無傷で帰郷してきたわけで、これ以上の僥倖などなかっただろう。 戦後は手先が器用だったからか、そうした仕事に携わったが、なか..

  • 想話§雨雲レーダー活用中

    およそ立夏の頃あたりから数か月近く、ネットで雨雲レーダーをチェックしない日はない。梅雨が終わって盛夏になれば、ゲリラ豪雨の時季が始まり、油断できない日々が続く。 そんな時にありがたく活用しているのが、ネットの雨雲レーダーだったりする。まあ、定年退職後からコロナ禍このかた外出頻度は極端に少なくなっているが、ぐずつき気味の天気模様の時のチェックは欠かせない。 ↓雨はどこから降るかしら 何時間も何時間も先の予測はできないが、2時間程度であれば雨が来そうだとか、来ないとかの自己判断はできる。ただし、雨雲レーダーに映らずに雨が降るようなこともあったりするから、100%信頼することはできないのだ。 当然ながら、30分ほどスーパーマーケットに買い物に出かける時でも、念の為にと折り畳み傘は持ち歩いて行くくらいの用心はしている。たかだか徒歩数分の距離でも、雨に濡れて行き来するのは..

  • 愉話§一日一句~苦いの苦手~

    季語は・・・秋刀魚 新秋刀魚 そろりと肝を 除けて喰ふ 【去年の今日】麦話§スパゲッティ・ナポリタン

  • 顧話§今日の歴史~打ち上げから46年~

    1977年9月5日、NASAの無人宇宙探査機ボイジャー1号打ち上げ。 宮仕えを始める半年前に打ち上げられたボイジャー1号は、35年後に太陽系を出て“星間”にある……そんなにも遠くに行ってしまったんだね。 ↓ウィキペディアより とかく日本人は、ロボットとか機械類に感情移入する傾向があって、だから自分のようにドラスティックな現実主義者であるにもかかわらず、太陽系を抜け出たボイジャー1号の境遇を慮って“寂しいだろうなあ……心細いだろうなあ”などと考えてしまったりするのだ。 どれだけ遠いところまで行ってしまったのかといえば、電波は秒速約30万kmで進んでいるが、ボイジャー1号から発せられた電波が地球に届くまで、およそ17時間以上かかるのである。地球上であれば、ほぼ瞬時に届くのに。 そしてボイジャー1号はどこまで飛んでいくのだろうか……搭載されている3個の原子力電池..

  • 酎話§チューハイは無糖で

    ここ何年か、真夏の時期に缶チューハイを呑むことが多くなった。やはりというか、無糖ばかりを選ぶのだが、愛飲しているのは、もっぱら下のやつ。アルコール度数7%も佳き。 チューハイとあるが、焼酎ではなくウォッカハイなのは、コストの事情からなのだろうか。まずは喉が渇いた1杯目ということでグビグビ呑むのだが、値段が値段なだけに、ある意味“色気”がなさ過ぎて、それが残念なところか。色気がないので和食度高めの我が家つまみには合うとは言えず、さっさと呑み切ってビールに移ってしまう。 そこはビールのたいしたところで、たいていの料理にはちゃんと合ってくれるのはあっぱれである。やはり麦芽は偉大なのだ。 というわけで、チューハイとビールと、シチュエーションに応じて呑み分けするようになったのは、減少した酒量を補うための単純な工夫なのである。 今さら書くまでもなく、元より炭酸系が好きな..

  • 愉話§一日一句~ドビュッシー~

    季語は・・・秋高し 牧神の午後 流れきて 秋高し 【去年の今日】週話§日曜有閑~減る食事の量~

  • 葉話§2023年8月の天気模様を振り返る

    2023年8月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 8月の一か月、東京は真夏日が続いていた……だけではなく、真夏日は7月6日から延々と途切れることなく2か月近く続いたのである。もちろんその中には35度超えの猛暑日が何日もあって、それは上のカレンダーで確認していただきたいが、ちなみに9日ありました。 そして雨が降ってくれない。ほんの数日、それもほんのお湿り程度で、降水量の記録はない。 群馬の水瓶も少雨で、貯水量が激減している。この先、しっかりとした雨が降ってくれないと、取水制限であるとか、そういった措置が取られる可能性があるかもである。 《天気のトピックス一覧》

  • 網話§インターネットと過ごして三十年

    パソコンを使ってネットの世界で遊び始めて、ほぼ30年が過ぎていたことに気がついた。 インターネットの前身であるパソコン通信に触れたのは1992年の秋。自宅にパソコンはなく、会社のセクションが仕事関係でパソコン通信をすることになったので、どんなことができるのか、試しにいじらせてもらったのが始まりである。 おおよそ概略のようなものを掴めたところで、自宅用のパソコンを買ったのは1994年だった。パソコンについて、たいした知識もなかったが、あれやこれやの設定は自力で行った。ロクな知識もなく悪戦苦闘した結果、パソコン通信に接続できるようになったのは二日目のことだったという記憶。 電話回線にモデムを設定して、いざ!接続……ややあって、上のような接続音で繋がったことを確認。パソコン通信で5年ほどは遊んだだろうか。 20世紀が終わる頃からインターネットの普及が進みつつあった..

  • 愉話§一日一句~9月10日初日~

    季語は・・・秋場所 秋場所や 大川端に 触れ太鼓 【去年の今日】週話§土曜有閑~グダグダ~

  • 異話§禾乃登~七十二候~処暑

    処暑の末候“禾乃登(こくものすなわちみのる)”である。 処暑も末候。田んぼの稲もずいぶんと育ってきたことだろう。実家暮らしの小学生の頃は、自転車に乗って、町はずれの田んぼのあるあたりまで遊びに行くことがあった。 何をするというわけでもないが、まだまだ虫好きだったりしていたから、田んぼに棲息するイナゴやバッタを捕まえたりしていたのだ。 もちろん彼らはすばしっこいから、そうそう簡単に捕まってはくれない。特にイナゴを捕まえるのは難しく、バッタの類は比較的簡単に捕まえられる。 捕まえたからといって何をするわけでもなく、すぐに放してしまうだけで、イナゴやバッタにとっては傍迷惑でしかなかった。 子どもの好奇心の多くはは、読書によって培われる。親が買い与えてくれたのは、図鑑類……昆虫、動物、植物、天文と気象などなど。特に昆虫類は、身近な存在として常に意識をしていて、子ども時..

  • 週話§日曜枯寂~ご飯の量は・・・・・・~

    一度に炊くご飯は二合と決まっている。だが、毎日炊くわけではない。夕食の時に炊き、二人合わせて一合くらいは食べるだろうが、残りは冷凍して、翌日の昼食の時などに食べている。 ご飯をラップで包んだ後、水性マジックで包みが何グラムなのかを書いていくと便利だとは、後々になって気がついたこと。 一包みがだいたい150gから200g前後。おかずで食べる時は150~170gくらいだが、カレーのようなスパイスものだと200gちょっとをがんばるのだ。刺激物は、どうしても食べるご飯の量が増えてしまうが、カレーの量を鑑みれば、どうしてもそれくらいのご飯にしないと物足りない。もちろん、ご飯200g超という量はカレーを食べる時などに限られるが。 そして我が家の米は、宅配野菜から注文していて、2kgが月に2回届くのである。 《カレーのトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~一日で壁紙張り替え~

    季語は・・・白秋 白秋や リフォーム業者 ひもすがら 【去年の今日】葉話§2022年8月の天気模様を振り返る

  • 週話§土曜枯寂~やる気スイッチ~

    “やる気スイッチ”がどーたらこーたらと言い合ってはしゃいでいたことがあった。日本でツイッターが盛り上がり始めた2010年頃のことである。 「今から本気出す!」とか言いながら、上のような写真を貼って自己主張をするのだが、元よりやる気スイッチがどこにあるのか……誰も知らない。 単にかまってほしくてというそれだけの、初期SNSにおけるお約束ギャグだったのだ。 今、やる気スイッチはどうなっているかと調べてみたら、スイッチの形状がモデルチェンジをしていて、さらに加えて各種Tシャツが発売されていた。 《日常のトピックス一覧》

  • 愉話§一日一句~カマドウマ~

    季語は・・・竈馬(いとど) 落人の 如き竈馬が 消えし闇 【去年の今日】長話§2022年9月の予定あれこれ

  • 告話§ビッグイシュー462号発売中!

    ビッグイシュー462号は9月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。羽生善治が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー 羽生善治 リレーインタビュー 今成夢人(プロレスラー&映像作家) 特集 古気候学と“気候危機” 今年の夏は“危険”な暑さが続いた。20世紀後半に指摘され始めた地球温暖化問題は、広く社会に受け入れられるまで半世紀以上かかった。また、歴史時代には大気中の二酸化炭素(CO₂)濃度が今より高い状態が存在しなかったので、気候変動の議論は19世紀後半以降の気候観測結果をもとに行われてきた。 しかし、地球史をさかのぼって数千~数千万年前の地質記録(氷床コア、海洋堆積物など)を研究する古気候学は、温暖化に伴う未知の気候も探っている。 長らく古気候学を研究してきた多田..

  • 長話§2023年9月の予定あれこれ

    月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 9月1日の日の出は5時11分で日没は18時12分、月末の日の出は5時33分で日没は17時30分。18時過ぎても明るかったのは一か月前の話である。 さて今月のお楽しみは……クラシックはリートのリサイタルを聴きに行く。クラシックの演奏会の予定が少しずつ入り始めてきていて、それは楽しみにしているのだ。 歌舞伎は、恒例の秀山祭九月大歌舞伎なので昼夜それぞれを観にいく予定。 昼の部は『祇園祭礼信仰記~金閣寺~』から『土蜘』と『二條城の清正』の三本。夜の部は『菅原伝授手習鑑~車引~』に始まり、菊之助&丑之助親子による『連獅子』そして『一本刀土俵入』である。 播磨屋を中心に、萬屋、高麗屋、音羽屋、中村屋と親類勢揃いで、賑やかに追善興行が行われる。そして11月は、二代目吉右衛門が逝去して三回忌なのだ……気にな..

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、HIDAMARIさんをフォローしませんか?

ハンドル名
HIDAMARIさん
ブログタイトル
ひだまりのお話
フォロー
ひだまりのお話

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用