(前回からの続き) 貴方は未だ死ねない そして遂に、私はその火山にやって来ました(*1)。 しかしその人数は、他の場所ほどは多くありませんでした。 彼らもまた、他の人たちのように幸せでした。 ところが、彼らはこう言ったのでした。 『貴方は自分の体に戻らな...
(前回からの続き) 大きな鳥が空を舞う それからほぼ3週間近く経った後、再びワイピオで騒がしい歓声が上がりました。 素晴らしく美しい羽根が魅力的な、1羽の大きな鳥が現れたのです。 その鳥は雲と雲の間から飛び出すと、コアエケアとカホロクアイワのパリ(断崖絶壁)上で...
(前回からの続き) ロノプハの警告 ミルがその家に移るに際して、ロノプハはミルにこう助言しました(*1)。 「おお、王よ! 貴方(あなた)は定められた期間、完全に平静な状態で、この家に住まなければなりません。 ですから、万一ここで娯楽に興じた人々が、大騒ぎを始めたとし...
(前回からの続き) ミル王の侍医になる ある時ミルは 、腕の立つヒーラーと伝えられる、ロノプハの評判を耳にしました(*1)。 「もしも彼の治療がなかったら、あの病いに苦しむ人たちは、死んでしまったに違いない。」 そこでミルは使者を出して、ロノプハに伝言を送りました。 ...
(前回からの続き) 別々に住んだほうが良い 彼らがそこに着く前に、カマカヌイアハイロノがロノプハに言いました(*1)。 「貴方のヒーリング診療所が成功するように、私達は別々に住んだほうが良いでしょう。 そうです、貴方は何処(どこ)か他(ほか)の地に住むのです。 そう...
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(前回からの続き) 貴方は未だ死ねない そして遂に、私はその火山にやって来ました(*1)。 しかしその人数は、他の場所ほどは多くありませんでした。 彼らもまた、他の人たちのように幸せでした。 ところが、彼らはこう言ったのでした。 『貴方は自分の体に戻らな...
(前回からの続き) 私も喜びに満たされた どうやら私は火山、あの「ペレのピット」 、に向かう途中だったようです(*1)(N.1)。 そして、私は一休みしたかったのですが、出来ませんでした。」 「その道に沿ってずーっと、家が並び、そして人々がいました。 私はこれ...
(前回からの続き) 喜びが溢(あふ)れる村 私は自分の家と村を後にすると、次の村に向けてひたすら歩き続けました(*1)。 そしてその村に着くと、幾つかの人だかりに出くわしました。 おー、何と沢山の人たちでしょう! 私が知っていたその場所は、家が数軒ほどあるだけの、...
(前回からの続き) 彼女の体を揉(も)みほぐす 年老いた母は両手を上げて、両眼で天を見上げました(*1)。 そして茶褐色でしわくちゃの顔に、喜び溢(あふ)れる信心深い表情を浮かべて、こう叫びました。 「神々が、娘を私の元にお戻し下さった! きっと、娘を強く愛している...
(前回からの続き) なぜ年老いた私を残したのですか? 「ああ、どうして。」 彼女は叫びました。 「何故(なぜ)神さまは私を残したのですか? 私は老いぼれで、ずいぶんと年をとっています。 背中は曲がり、目は良く見えなくなって来ています。 私は働くことが出来ません。...
(新しいお話しの始め) 埋葬の準備が始まる カリマは何週間もの間、ずーっと病気でしたが、とうとう亡くなってしまいました(*1)。 友達たちは彼女の周りに集まり、悲しみのあまり、大きな叫び声をあげました。 そして、彼女への優しい思いや、彼女を失った悲しみについて、あれこ...
(前回からの続き) 神官(ロノプハ)が再び警告する それから時が流れて、もはや王の死は、取るに足らぬ事になりました(イ メア オレ)。 そして王が元のように元気になった時、神官は警告をやめることなく、こう言いました。 「貴方はこの死から逃れることが出来ました。 しか...
(前回からの続き) 大きな鳥が空を舞う それからほぼ3週間近く経った後、再びワイピオで騒がしい歓声が上がりました。 素晴らしく美しい羽根が魅力的な、1羽の大きな鳥が現れたのです。 その鳥は雲と雲の間から飛び出すと、コアエケアとカホロクアイワのパリ(断崖絶壁)上で...
(前回からの続き) ロノプハの警告 ミルがその家に移るに際して、ロノプハはミルにこう助言しました(*1)。 「おお、王よ! 貴方(あなた)は定められた期間、完全に平静な状態で、この家に住まなければなりません。 ですから、万一ここで娯楽に興じた人々が、大騒ぎを始めたとし...
(前回からの続き) ミル王の侍医になる ある時ミルは 、腕の立つヒーラーと伝えられる、ロノプハの評判を耳にしました(*1)。 「もしも彼の治療がなかったら、あの病いに苦しむ人たちは、死んでしまったに違いない。」 そこでミルは使者を出して、ロノプハに伝言を送りました。 ...
(前回からの続き) 別々に住んだほうが良い 彼らがそこに着く前に、カマカヌイアハイロノがロノプハに言いました(*1)。 「貴方のヒーリング診療所が成功するように、私達は別々に住んだほうが良いでしょう。 そうです、貴方は何処(どこ)か他(ほか)の地に住むのです。 そう...
(前回からの続き) ヒーリングを学びたい 彼がのんびりと旅をしていると、苦しそうに息をしながら、誰かが後ろから近づいて来ました(*1)。 振り返って見ると、あの首長がいました。 そこで彼は、首長に尋ねました。 「どうしたのですか? ロノさん。 あなたは何処へ行くので...
(前回からの続き) 首長ロノが倒れる カマカヌイアハイロノの所見を聞いた何人かが首長の元へ走り、あの不思議な言葉を伝えました(*1)。 「あの首長は重病人だ。」 これを聞いて、ロノは彼のオオ(掘り棒)を振り上げて言いました。 「私はここだ、ここにいる。病気の兆候など...
(前回からの続き) これまで言われているように、色々な島々を襲った病いは、カマカヌイアハイロノが施した治療により、あたかも伝染病が沈静化するように、治(おさ)まったのでした(*1)。 これは、タヒチから来た旅する人々を追いかけて、彼が行った医療活動の成果であり、 これにより...
(新しいお話しの始め) タヒチから人々がやって来た 正確な年代は知られていませんが、ミル王がハワイ島ワイピオ渓谷で、国を治めていた時のことでした(*1)。 あの何処(いずこ)とも知れぬ異国の地、タヒチから、沢山の人々が妻を連れてこの国にやって来ました。 それはそうと、...
(前回からの続き) 天国か地獄か? 「あの世における幸不幸について、彼らは幾つかのとても不明瞭でわかり難い、概念を持っています(*1)(*2)。 そして人の死後について、こう言います。 『まず最初に、亡霊はワケアが治める地に行く。 ここでワケアとは、彼らの最初の先祖...
(前回からの続き) このお話しに関連して、アレキサンダー教授は親切にも、以下の情報を提供して下さいました(N.1)(*1)(*2)。 死者の霊はどこへ行く? 「ワイピオ渓谷という場所は、この島の最初の王アケアとミルの居所として、ハワイの歌や伝承に頻繁に取り上げられていま...
(新しいお話しの始め) 入口はワイピオ渓谷にある ヒクとカウェルのお話では、ルア オ ミルの入り口はホルアロアの沖で、カイルアの南方約4kmほどの所にあります(*1)。 しかし地元の人々は、通常、こんな風に説明しています。 「ルア オ ミルの入り口は、あの素晴らし...
新年おめでとうございます。 今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
(前回からの続き) 「悪」とは神への反抗だ ハワイ神話のカナロアは、ある時は堕天使として偉大な神々と対立し、またある時は悪霊やこの世の死者の霊になります。 これと比較するとヘブライの伝説は、悪の原理の存在について、より曖昧(あいまい)で不明確です。 創世記の蛇、ヨブ記...
(新しいお話の始め) 旧約聖書に良く似た伝説 詳細な著書「ポリネシア民族」の第1巻で、フォルナンダー判事はハワイの伝説を幾つか紹介しています(*1)(*2)(N.1)(N.2)。 ところが、それらは旧約聖書の歴史と酷似しているのです。 私達はこの偶然の一致を、一体どう...
(前回からの続き) 人間のような「いびき」 ホウは浅瀬に棲(す)む魚です(*1)(N.1)。 物音もせず静まり返った夜に、 松明(たいまつ)を灯(とも)して、漁(りょう)をしているとしましょう。 そんな時、もしもホウが眠っている棲(す)み家に近づけば、彼らのいびきが聞...
(前回からの続き) 大漁に沸(わ)く これを見たヘエイアとカネオヘの人々は、カヌーを漕(こ)いで沖へ出ました(*1)。 するとその赤色の正体は、これまで見たことも聞いたことも無い、魚でした。 魚網(ぎょもう)を取りに岸に戻ると、彼らはその群れを網で囲いま...
(前回からの続き) はじめに かつてヒルは人間の姿をしていた、と言われています(*1)(N.1)。 しかし、ある不思議な出来事により、その体が魚の形に変わってしまったのでした。 ヒルの祖先や原産地については、、何もわかっていません。 しかし、その物語は知られているの...
(前回からの続き) 魚の群れが男の後を追う 男は指示された通りに出発し、一方、イフオパラアイは妹に魚を贈るよう、魚の神クウラにお願いしました(*1)。 そして男が家へ向かって、指示通りに長い旅をしていた時のことです。 海では砕ける波の中で、魚の群れがずーっと男の後を追...
(前回からの続き) イフオパラアイと魚の神 イフオパラアイにはクウラがついていました(*1)。 そして、この魚の神(クウラ)が、アナエをお授け下さったのです。 イフオパラアイの妹は婿(むこ)をもらいました。 そして2人はコオラウロアのライエに行き、そこで一緒に暮らし...
(前回からの続き) クパなら誰もが知っている アナエ ホロはボラ科の魚の1種であり、浅海や池に住む種とは異なります(*1)(N.1)。 そして、その習性に関する以下のお話しは、オアフ島のクパ(地元の人)ならば、誰もが良く知っています。 真珠湾から風上に向かい、コオラウ...
(前回からの続き) 神格化された魚 今、私達が食べている魚の何種類かは、かつてハワイの人々により神格化され、祈りの対象とされていました(*1)。 そして現在のハワイアンでさえも、サメ、ウツボ、オオプなどの魚では、何人かが迷信のようなものに悩まされています(N.1)(N.2...
(前回からの続き) クウラは魚の神 かつては、ある種の魚はタブーとされ、いついかなる時も捕まえることが出来ませんでした(*1)。 なぜなら、それらの魚はクウラのカプ、とされていたからです。 ここでいうクウラは、ハワイの水域の魚類を繁殖させた、魚の神様です。 ...
(新しいお話の始め) これからご紹介する色々な魚のお話しは、地元の漁師たちにより語られ、概ね(おおむね)信じられています(*1)(N.1)。 ここで取り上げるお話しのバージョンには、他とは異なる特有の部分が若干あるかも知れません。 しかし、このお話しの概要は人々によく...
(前回からの続き) 2人は仲睦(むつ)まじく過ごした この他にもカマプアアについては、数多くのことが知られています(*1)。 しかしそれらは、ここでご紹介したお話しとは関連がありません。 ですからここでは、次のことだけ触れておけば十分でしょう。 すなわち伝承による...
(前回からの続き) あの溝はカマプアアの背中の跡だ 前にお話ししたあの滑らかな溝は、この戦いの際に、カマプアアにより作られたものだ、と言われています(*1)。 というのは彼は一度ならず、今回と同じような窮地に、追い込まれているからです。 地元の古老たちは今でもなお、そ...
(前回からの続き) 王がカマプアアを追い詰める 王の攻撃が成功して、敵方は甚大な被害を受け、平原から追い払われました(*1)。 そしてあの滝に通じる渓谷、カリウワアに追い詰められてしまいました。 王はこの時、「これで確実にカマプアアを捕まえることが出来る。」 と思いま...
(前回からの続き) カマプアアが王の鶏を盗む あるときカマプアアは、鶏(にわとり)を何羽か盗みました(*1)。 その鶏は、当時オアフ島の王だった、オロパナが飼っていたものでした。 カネオヘに住んでいた王は、泥棒を捕らえようとして、何人かの家臣を送りました。 ...
(前回からの続き) 美しい自然に伝承が宿る 上に述べたように、このスポットは風光明媚な自然の魅力で有名です(*1)。 そしてここには、自然の魅力と同じくらい際立った特徴がある、とハワイの人々は主張します。 すなわちこのスポットは、古い伝承としっかり結び付いているのです...
(前回からの続き) ククイの老木と流れ もう一度ククイ、一本の老木、に目を向けてみましょう(*1)。 その幹は歳を重ねるにつれ、コケが生えて白くなっています。 幅の広い大枝が、流れのはるか向こう側まで伸びています。 この流れが、ククイの活気あふれる根に、栄養分...
(前回からの続き) 川そのものが美しい このスポットの美しさは、生い茂った緑や、素晴らしい断崖とゴツゴツした岩、だけではありません(*1)。 渓谷の川の流れ自身が美しいのです。 この滝つぼから出発すると、眼下に見える一番下流に着くまでの間に、 さまざまな魅力あふれ...
(前回からの続き) 自然を愛する人の小径(こみち) この滝に通じる小径は、自然探索を愛する人ならば、誰にとっても大変興味深いものです(*1)。 出発点は渓谷の一番奥、我々が馬から降りた所です。 徒歩で山に足を踏み入れると、一歩進むたびに新しく、独特の美しさが目の前に現...
(前回からの続き) 上流にはもっと大きな滝 地元の人々の話によると、この上流には滝が2つあります。 しかしその2つとも、下からは視界が妨げられて見えません。 なぜならば、川の流れの方向が急に変わっているからです。 2つの滝の垂直高さは共に、我々が見た滝よりも、はる...
(前回からの続き) もう一つの似た断崖に着く 現在の小川に戻ると、我々は再びあの滝に向かって進み始めました(*1)。 しかし、そう遠くまで行かないうちに、上でご紹介したものとは別の、もう一つの断崖に着きました。 それは小川の右側にあって、先ほどの断崖と色々な面で似てい...